ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

「シナプスの剪定プロセス」

2014-01-05 | 参照


――ロビン・カー=モース/メレディス・S・ワイリー『育児室からの亡霊』朝野富三/庄司修也訳・2000年

子宮から出たばかりでまだ濡れている時、赤ん坊は最初の呼吸をして、産声をあげ、冷たい風を肌に感じる。
脳はその後、二度とない速さで形成されていく。赤ん坊はもう母親の声を覚えていて、声のする方に顔を向ける。…
小さな脳の連結部が感覚の一つ一つに反応をして成長を始める。…
世界最強のコンピュータは、この働きかけを待っていたのだ。
光、匂い、触感、音、味――人間の脳を作る大工たちの仕事が始まるのを。

新生児にとっては、…この世界のありようをとらえた最初の肉体の感覚…
大脳辺縁系は記憶していて、肉体も記憶している。人生の規範となるものを作り、何が期待できるのか、
誰がそこにいるのか、どのように受け入れられているのか、外の世界はどれほど安全か、
どうしたら自分をわかってもらい、慰めを得られるかなどを学び始めるのは、まさにこの時である。


――イアン・ロバートソン著『なぜ月曜日は、頭が働かないのか Mind Sculpture』澤口監訳2003年.

息子や娘、甥や姪、あるいは友人の子どもに話かけるとき、
私たちは彼らの脳に指紋を残し、無数のシナプスの連なりを形成しています。
もちろん、あるシナプスを強めるということは、同時に別のシナプスを弱めることでもあります。
このようにして、私たちは幼児期から青年期の間に行われる大規模なシナプスの剪定作業に、小さな役割を担っているのです。

 

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