はぎのさと入所の前日の指定としては、できるだけ和食にしておくことという程度だった。
飲酒についての断りもなし。
だから前夜も普通に割烹料理店で食べて焼酎と日本酒を飲んだ。
飲酒量は普段通り3合ほど。
翌日12時半に君津駅に到着、ミニバンが迎えにきてくれている。
先に二人の女性が乗車していて、君津バスターミナルで定期的に通っているという九州の男性を乗せ、道場に向かう。
道場には車で先に到着していた親子がいて、6人が揃ったことになる。
到着後の説明を受けた後自室に案内される。
トイレは共同だが個室はベッドの他に机に椅子、タンスなど配置されていて不便はない。
仕事の整理をしているうちにおがくず酵素風呂の時間になった。
昔、指宿で砂風呂に入ったことがあって、要領としてはだいたい似たようなものだ。
(砂風呂の方をかなり忘れてはいるが。)
酵素風呂スペースは同時に二人が利用できる広さはあるが、一度に入るのは一人というのが原則のようだ。
あらかじめ膝を軽く曲げて寝転がれるように掘って整備してある場所に仰向けになると、係の男性が上に優しくトンボで湿ったおがくずを掻いて乗せていき、顔だけ出して身動き取れない状態になる。
ただ、動こうと思えばいくらでも動けるし、手足も自由に出すことができる。
もちろん一旦手足を出してしまうと元通りにはできない。
おがくずは米糠を混ぜることで発酵し自然に発熱するのであって、周りから熱を加えているのではないそうだ。
じんわり包み込まれる心地よい暖かさで、全身の疲れがその場で取れる。
理由は換氣から簡単に入眠することができるからだ。
(いずれ説明しようと思うが最近の僕は換氣の際自分の身体に触れないことが増えてきた。)
熱くなってくるので睡眠は長くはならない。
我慢できなくなる前に出てシャワーを浴び、自室に戻る。
適当な発汗があるので酵素ドリンクもアドバイスされた通りに摂ることにした。
せっかくここまで出向いているのに、この道場で良しとする方法に従わないのはナンセンスだ。
水だけで過ごしたいなら後日自分だけでやれば良いことだ。