そらみつ みそら file  ~To Provide You With Unity~

こころとからだについて、気がついたことを書いていきます。
『』の中の言葉は、見えない世界から伝わってきたものです。

言葉とグラウンディング

2015-03-05 06:49:27 | 癒し

発達障害をもつ中学生の男の子のご家族との対話からです。
 
このお子さんの社会との接点を強くするものとして、言葉の力を感じました。
場合によると思いますが、ある種の発達障害をもつ方にとって、言葉に対するリアリティがない事例が多く感じられます。
言葉は使っているのですが、語句に対応する意味がイコールで結ばれていないのです。
簡単に言ってしまえば、正確に語句の意味を捉えていない、曖昧ということです。
 
また、語彙が少なく会話が限定的になるため、他人と共有できる世界が小さくなります。
言葉を浅く捉えるのではなく、それが何を表しているのか、しっかりと体得することの重要性を伝えました。
 
具体的には、そのお子さんがぶつけてくる質問に対して、あやふやに答えたり、「わからない」で終わらせるのではなく、最後まで調べて、わかるところまで説明してあげてくださいとお伝えしました。
普通子供は、大人が常識として通過してしまっている疑問を、あえて通過せずに突き詰めようとするものです。
それを
「そういうふうになっているから。」
などと曖昧な答え方をするのでは、その子の可能性を狭めることになりかねません。
 
根気づよくそれを続けていることにより、そのうちにこのお子さんはグラウンディングができるようになる、ということが伝えられてきました。
 
人は、言葉を使うことで決定的に動物との違いができました。
言葉の力を強化することにより、実地につながっていかれることがあるのを強く印象づけられました。
 
これは、実は一般的には障害と無関係とされる人たちにも当てはまる例が多いことです。
言葉にしっかり目を向けることにより、わたしたちの知はひらかれていきます。
 
またこのことは、受験を控えている学生の親御さんに聞かれてよくアドバイスしていることなのです。
意味をはっきりさせることで、論理的思考の基礎が出来上がります。
わたしは暗記すること自体は否定しません。
しかし基礎力なしの暗記では、地盤の弱いところに建物を造るようなもので、簡単に崩壊することになるということをお伝えしたいのです。
根と幹がしっかりしていれば、枝葉は広く豊かに伸ばしていくことができます。

コメント
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