夕暮れが、一直線に、待ったなしでやってくるこの季節。
そして、宵から時雨れ。
初冬の雨。
このまま・・・夜が明けることなく、ずっとずっと降り続いてくれたら・・・少しは、気持ちも楽になるのに・・・。
・・・なんて思ったりする年末。
年明けは、面倒だ。
また、イチからやり直し・・・みたいな。
何処まで行っても、堂々巡り・・・。
暗闇の中で、時雨の音を聴いていると・・・。
もう、このまま、ずっとずっと、このままで。
何を考えるでもなく。
明日の事など、考えるでもなく・・・。
そんなふうに、時間の流れの中に、融けてしまいたくなったりする。
過去の記憶に、ドップリ浸かって。
冬の雨・・・時雨れの音を聴きながら・・・。
随分、遠くまで来きてしまったね・・・。
もう戻れない過去に・・・再び、会うこともない過去に。
あの場所に戻れない・・・あの場所は、違う場所になってしまった。
形を変え、時を越え・・・。
私の知っているあの場所は、あの場所であって、あの場所でない・・・。
迷宮のような記憶を
時雨の音が、呼び覚ます。
宵のうち・・・時雨れるでしょう・・・。
宵のうち・・・時雨れるでしょう・・・。