みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

読書日記:今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん 「買春は必要=常識」の非常識

2013-05-29 14:30:23 | ジェンダー/上野千鶴子
道の下に「紺ロウバイ」がひっそりと咲いています。
大きくなったムクゲの陰に隠れていますが、
今年は花をいっぱいつけています。


畑に降りていくと、どこからかとても良い香りが漂ってくるので、
受け咲きオオヤマレンゲも咲いているのに気が付きました。
  
花の色や形はオオヤマレンゲですが、
オオヤマレンゲというよりは、タイサンボクくらいの大きな花です。


  

この地方も梅雨入りして、朝から雨が降っているので、
いちにち家のなかで仕事などをしていて、

夕方、自家製「そば粉のガレット」をつくりました。
ちょっと生地が堅かったのですが、はじめてにしてはよい出来です(笑)。

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昨日の毎日新聞夕刊、今日になって開いてみたら、
テレビ欄の下に上野千鶴子さんのカラー写真を見つけました。
今週の「読書日記」の筆者でした。

  読書日記:今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん 「買春は必要=常識」の非常識
毎日新聞 2013年05月28日 東京夕刊

*4月30日〜5月27日
 ■さいごの色街 飛田(井上理津子・2011年)筑摩書房
 ■彼女たちの売春(ワリキリ)(荻上チキ・2013年)扶桑社
 ■アダチャ稼業(今井COCO・2007年)イプシロン出版企画
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 橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の「風俗」発言が波紋を呼んでいる。
 この5月、沖縄の米軍普天間飛行場を訪ねたとき、現地の司令官に「風俗業を活用してほしい」と発言し、相手は固まったという。米軍側から「我々は兵士にそういうことは禁じている」とまったく相手にされない状況に直面して、日米の文化の違いにその理由を帰した。それなら「兵士に買春が必要だ」ということを、「日本の常識」として世界に示したことになる。その後、発言を撤回、わびたとしても公党の代表として恥さらしというほかない。記者団に「ホンネで話そう」と言ってオヤジの下半身をタテにとったようだが、自民党のオジサマ方からさえ、顔をしかめられた。
 橋下発言の背景が、よくわかる本を読んだ。井上理津子「さいごの色街 飛田(とびた)」。大阪の遊郭、飛田に体当たり取材して書いた女性ルポライターの労作だ。1958年の売春防止法施行後も、「風俗営業」の名のもとに、公然たる管理売春が行われている、そこだけ時間がとまったような一画だ。井上さんは、どんな男が客なのか、経営者は、暴力団の関与は、曳(ひ)き子と呼ばれるオバサンたちは、そして女の子は、果てはわかっているのに取り締まりをしない警察は……どうなっているの?と好奇心に充(み)ち満ちて前のめりに取材していく。ときには危ないめや不愉快な思いに耐えながら。
 そのなかに、飛田新地料理組合の事務所で「組合長と茶髪の弁護士が二人でにっこり笑顔で写っている写真」を発見する場面がある。組合の顧問弁護士をしていた時代の橋下市長だという。組合の幹部によれば「男に、必ずはけ口が要るのは今も昔も同じ」。なるほど。これが橋下発言の背後にある「常識」なのか。売防法以前の「常識」、今日では非常識である。
 井上さんによれば「好きでこの仕事をやっている」は、ありえない。「男に騙(だま)され、捨てられ、お金のために飛田に来た」。中卒率、高校中退率もあまりにも高い。同じことを荻上チキの「彼女たちの売春(ワリキリ)」は指摘する。援助交際の少女たちは、いわば自己決定によるフリーランスのセックスワーカーだが、彼女たちが「自由」かといえば、湯浅誠のいう「五重の排除」−−教育からの排除、企業からの排除、家族からの排除、福祉からの排除、自分自身からの排除−−の結果、売春にたどりついている。
 出身家庭の過酷さ、学歴の低さ、社会経験の少なさから、彼女たちは相談窓口の存在さえ知らず、相談することすら思いつかない。どちらもシングルマザー率の高さは驚くほどだ。
 昔も今も、女は必要があって稼ぐ、そして稼ぎのいい仕事は風俗しかない。カネと引き換えとワリキらない限り、誰がこんな仕事をすすんでするだろうか。荻上さんは、一昔まえの「自己決定型売春」は過去のものとなり、新しい貧困が売春の供給源になっているという。
 もうひとつ今井COCO「アダチャ稼業」も衝撃の書。インターネットを使ってチャットをしながら女性の室内を映像で見せ、客の要求にしたがって脱いだり自慰をしてみせたりする。メディアの革新に伴って、次々に新手の性風俗が生まれる。男との接触がないから安全な仕事かもしれない。だが、アダチャ嬢のなかには、風俗で客からHIVを感染させられて、本番がアウトになった女性たちもいると聞いて、震撼(しんかん)した。この女性たちに、政治も社会も手を差しのべることはないのだろうか。
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 筆者は上野千鶴子、福地茂雄、朝吹真理子、苅部直の4氏です。
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 ■人物略歴
 ◇うえの・ちづこ

 東京大名誉教授、NPO法人「ウィメンズアクションネットワーク」理事長。「おひとりさまの老後」など著書多数。
 


  



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