みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

お勧め!『奇跡の脳』ジル・ボルト・テイラー著・竹内薫訳(新潮社)

2009-04-18 11:20:06 | ほん/新聞/ニュース
先日、 脳科学者・茂木健一郎さんが出ている
『 奇跡の脳ミステリー 』というドキュメント番組をやっていたけど、
偶然同じタイトルで、最近読んだ『奇跡の脳』という本がおもしろい。


『奇跡の脳』(ジル・ボルト テイラー著/竹内 薫翻訳/新潮社)
脳科学者の私の脳が、壊れた――。再生をもたらしたものは何だったのか?

ある朝、ハーバードの第一線で活躍する女性脳科学者を脳卒中が襲う。徐々に左脳が破壊され、歩くことも話すこともできなくなり、人生の記憶すらもが遠のいていく――。奇跡の再生を遂げるまでの八年間の苦闘を通して、脳に秘められた可能性と神秘を自らが解き明かす。アメリカで50万部の大ベストセラーとなった超話題作!


脳科学者のジル・ボルト・テイラーさんがある日とつぜん脳出血におそわれ、
その当事者の経験を、脳科学者としてつづったもの。

毎日新聞の書評に出ていたので切り抜いておいて、
京都に行ったときにジュンク堂で買った本だけど、
あまりのおもしろさに、2時間ほどで読んでしまった。

奇跡の脳 (単行本) ! 
ジル・ボルト テイラー (著), Jill Bolte Taylor (原著), 竹内 薫 (翻訳)

内容(「BOOK」データベースより)
統合失調症の兄を持った「わたし」は、小さい頃から脳に興味を抱く。同じものを見て、どうしておにいちゃんとわたしは反応が違うの?努力の末に脳科学の専門家となり、ハーバードの第一線で活躍するわたしは、誰よりも脳について知っているはず、だった―。1996年のある日、37歳で脳卒中に襲われ、生活は一変する。左脳の機能が崩壊し、言葉や身体感覚だけでなく、世界の受け止め方までも変わったのだ。体力の補強、言語機能を脅かす手術、8年間に及んだリハビリ。そこでわたしが得たものとは、何だったのか。脳卒中になりうるすべての人に―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)! 
テイラー,ジル・ボルト
インディアナ州インディアナ医科大学の神経解剖学者。ハーバード脳組織リソースセンター(脳バンク)で精神疾患に関する知識を広めるために尽力しつつ、ミッドウェスト陽子線治療研究所(MPRI)の顧問神経解剖学者として活躍している。1993年より、NAMI(全米精神疾患同盟)の会員でもある。タイム誌の「2008年世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。インディアナ州のブルーミントン在住

竹内 薫
サイエンスライター。東京大学、マギル大学大学院卒。理学博士。「たけしのコマ大数学科」(フジテレビ系)の解説、「JAM THE WORLD」(J‐WAVE)のナビゲーターなど、さまざまな媒体で科学の普及活動に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



脳はほんの一部しか使っていないといわれていたが、
いまだに解明されていない脳の可能性と神秘に魅せられてしまった。

わたしの脳もまんざら捨てたもんじゃない、かも知れない(笑)。


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脳に問題を抱える人にも、抱えない人にも、
おススメの本です。

今週の本棚:養老孟司・評 『奇跡の脳』=ジル・ボルト・テイラー著
(新潮社・1785円)
毎日新聞 2009年3月8日

 ◇神経解剖学者が右脳に「目覚めた」時
 気鋭の女性神経解剖学者が、脳血管の生まれつきの異常があったために、ある日脳卒中を起こす。なにしろ自分の専門領域なので、脳の機能がしだいに侵されていくのを、自分で体験する破目になる。「四時間という短い間に、自分の心が、感覚を通して入ってくるあらゆる刺激を処理する能力を完全に失ってしまうのを見つめていました。(中略)そして、人生のどんな局面をも思い出すことができなくなってしまったのです」
 その発作の間も、さすがに科学者である。自分の認知力が壊れていく様子を、しっかり記憶しておくように、必死で自分にいい聞かせる。そういう人だから、回復した後で、こういう本が書けたのである。
 病巣ははっきりしていた。左脳の中央部から、出血がはじまったのである。それによって、典型的な左脳の機能である言葉や、自分を環境から区別し、自分の位置を把握する方向定位連合野が働かなくなっていく。そうすると、残る右脳の機能が正面に表れてくる。それはどういう世界であったか。なんと著者はそれをまさに「悟り」の境地、ニルヴァーナと呼んでいる。自分が宇宙と一体化していく。脳が作っている自分という働き、それが壊れてしまうのだから、いわば「自分が溶けて液体となり」、世界と自分との間の仕切りが消えてしまう。つまり宇宙と一体化するのである。
 いわゆる宗教体験、あるいは臨死体験が脳の機能であることは、いうまでもない。しかしそれが世間の常識になるまでには、ずいぶん時間がかかっている。神秘体験としての臨死体験が世間の話題になった時期に、私は大学に勤めていたから、取材の電話に何度お答えしたか、わからない。あれは特殊な状態に置かれた脳の働きなんですよ。
 脳卒中の結果、著者はすっかり変わってしまう。いわば右脳の働きに「目覚めた」のである。無理な理屈をいい、批判的になり、攻撃的になる。それはしばしば左脳の負の機能である。もちろん左脳の機能がなければ、さまざまなことができない。しかしリハビリを続け、左脳の機能を回復していく過程で、著者はそうした負の部分を「自分で避ける」ことができると気づく。
 個人的にお付き合いするとしたら、私は病後の著者と付き合いたいと思う。発作前の著者は、おそらく典型的な、米国の攻撃的な科学者だったに違いないからである。本書の後半を、ほとんど宗教書のようだと感じる人もあるかもしれない。でも、脳から見れば、宗教も特殊な世界ではない。脳がとりうる一つの状態なのである。
 本書を「科学的でない」という人もあるかもしれない。それは科学の定義によるに過ぎない。科学をやるのは脳の働きである意識で、意識は一日のうちのかなりの時間「消えてしまう」ていどのものである。その意識という機能の一部が、科学を生み出す。しかも科学を生み出す意識という機能は、「物理化学的に定義できない」。
 科学的結論なら信用できる。そう思っている人が、いまではずいぶんいるらしい。しかしその科学を生み出す意識がどのくらい「信用できるか」、本書を読んで、ご再考いただけないであろうか。
 訳文はこなれていて、じつに読みやすい。専門的な部分を最後に解説としたのも、親切な工夫だと思う。脳研究やリハビリの専門家に限らず、人生を考えたい人なら、だれでも読んでいい本である。(竹内薫・訳)
毎日新聞 2009年3月8日


PS:NHKで放映されます。
2009-05-07 復活した“脳の力”~テイラー博士からのメッセージ
/今日5月7日NHK総合で10時から放送


昨日は、花木センター、種苗店、園芸店をはしごして、
夏野菜の苗と、花苗や苗木をどっさり買ってきました。


今日はお天気もよいので、これから庭仕事です。

季節はどんどん移り変わり、つぎつぎに咲く庭の花たちの画像が
賞味期限切れになりそう!


最後まで読んでくださってありがとう
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