みどりの一期一会

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東海第2原発:東海村長、村上達也さん「廃炉」要請 「脱原発」鮮明に/JCO臨界事故から12年

2011-10-13 20:23:33 | 地震・原発・災害
疲れたときは、庭に出て花を見る。

今の季節は、萩(江戸絞)やシュウメイギクなど、
ピンク系の花がやさしげに咲いて、風に揺れている。



  

昼間は汗ばむような日もあるけれど、
朝晩の気温が低くなったので、酔芙蓉の色の変化もゆっくりで、
花も長持ちしている。

   

ピンクの花色も、ゆっくりと赤色にうつりかわっていく。

  

咲いたばかりの白花と、咲き終わりの赤花が、一つの枝に寄り添って咲いている。
  

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話しは変わりますが、
昨日、茨城県東海村の村上達也村長が、
国に対し、東海第2原発の廃炉を求めた。

原発立地の首長として、廃炉を求めたのは初めて。

村上達也さんは、福島原発事故以来、さまざまなメディアで脱原発を明言してきた人だ。

「原子力ムラは50年以上の歴史を持つ牢固(ろうこ)たる社会だ。
徹底的に自己批判も含めてやらないと原発の将来はないし、また事故は起きる。
そう簡単に変わるとは思えないが、その中で知恵を働かせてバランスをとる仕組みや組織を作る必要がある。
鍵を握るのは政治力だ。」という言葉が重い。

 東海第2原発:東海村長、「廃炉」要請 「脱原発」鮮明に/茨城 

◇「一定の理解得られた」
 東海村の村上達也村長は11日、都内で細野豪志原発事故担当相、中川正春文部科学相と相次いで面談し、村内に立地する東海第2原発の廃炉を強く求めた。村上村長は既に、記者会見などで「脱原発」の姿勢を強調してきたが、同原発の廃炉に直接言及したのは今回が初めて。国内全原発の運転・管理を日本原子力発電に集約させることも提案するなど、今回の面談では一歩踏み込んだ形で、村が掲げる「脱原発」の方向性を明らかにした。【大久保陽一】

 面談は非公開で15分間程度行われ、地元選出の高野守衆院議員(民主党)と前田豊・村理事も同席した。村上村長は自身の考えを記した書面を両大臣に提出。書面によると、東海第2原発が、東京都心から約110キロの距離にあり、原発の半径30キロ圏内も100万人規模の人口密集地帯であることなどを指摘したうえで「避難計画の策定が困難で廃炉にすべきだ」と求めた。
 また、東京電力福島第1原発事故後の対応について、原子力安全保安院と原子力安全委員会は「信用失墜が甚だしい」として、国が新たな原子力規制機関を早期に整備するよう要求。機関の名称も「安全」ではなく「規制」の文言を入れるべきだと求め、その上で「新たな規制体制の確立なしに、停止した原発の再稼働は受け入れられない」と強調した。
 一方、現行の国内9電力会社による地域独占体制の解体と発送電分離は不可欠と指摘。日本原子力発電を準国策会社とし、国内全ての原発の運転・管理を行うことを提案した。
 村上村長によると、細野氏との面談は「時間が短く具体的な話はなかった。(東海第2原発の廃炉についての)回答もなかった」という。だが、面談の最後に「貴重な提言を頂いた」と返答があったことから、「(我々の意見を)聞き届けてもらえたのでは」との期待感を示した。
 中川文科相との面談では、村内に立地する原子力研究施設との共存を目指したまちづくりを展開する「原子力センター構想案」への支援も求めた。面談後、村上村長は「大臣自ら原子力機構の体制強化や減原発について説明してくれた。一定の理解は得られたのでは」と感想を述べた。
毎日新聞 2011年10月12日


 急接近:村上達也さん JCO臨界事故から12年、教訓は生かされたか 

<KEY PERSON INTERVIEW>
 茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」の臨界事故から9月末で12年がたった。東京電力福島第1原発事故に当時の教訓は生かされたのか。福島原発事故後、「脱原発」を唱えている村上達也・東海村長に聞いた。【聞き手・八田浩輔】

 ◇原発持つ資格欠ける国--茨城県東海村村長・村上達也さん(68)
 --福島原発事故での政府の対応をどう評価しますか。
 ◆ 事故拡大を防げなかっただけでなく、住民保護の観点からも対応は後手に回った。計画的避難区域への指定が遅れた福島県飯舘村などの住民は、浴びる必要のない放射線に長時間さらされた。原発で全電源喪失による事故が想定されていなかったことが示すように、原発に対する楽観的で安易な考えが背景にある。JCO事故から何も学んでいない。原発を持つ資格に欠ける国だと思った。

 --JCO事故の教訓は生かされなかったと。
 ◆ 当時も想定外と言われたが、慢心が招いた事故だった。政府を含む「原子力ムラ」は、原子力産業周辺の不届きな会社が法令違反で起こした事故と総括してふたをし、再び安全神話に浸って原発拡大路線を突き進んだ。また、当時は対策本部があちこちにできて情報共有ができなかった。その反省を受け、すべての原発にオフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)ができたが、福島では機能しなかった。その結果、現地対策本部は福島原発から(約65キロ)離れた福島市に置かれた。これも対策の遅れにつながった理由と思う。JCO事故で感じたのは(放射線量のように)距離の2乗に反比例して緊迫感は落ちる。風評被害は逆だ。遠方になればなるほど厳しくなる。

 --村長の持論だった経済産業省と原子力安全・保安院の分離が来春にも実現します。
 ◆ JCO事故後、01年に原子力規制を強化する目的で保安院ができたが、実態はまったく逆方向に進んだ。福島事故後の再稼働を巡る問題などをみる限り、やはり保安院は規制組織ではなかったと思う。分離して環境省に移す形は良いと思うが、中身が見えない。本当に事故を防げなかった真摯(しんし)な反省から分離するのか。あるいは停止した原発を再稼働するために分離するのか。権限も分からない段階でどうこう言えないから期待もしていない。

 --福島原発事故後、脱原発の姿勢を鮮明にされています。
 ◆ 福島原発は3基の原子炉が事故を起こしたという面ではチェルノブイリ原発事故以上の事故だ。世界を震撼(しんかん)させ、ドイツ、イタリアは脱原発に向かうことになった。本来、日本が真っ先に脱原発を真剣に考えるべきではないか。まずは地震列島の日本に原発はふさわしいのか改めて考える必要がある。村にある東海第2原発(日本原子力発電)を例にとれば、30キロ圏内で100万人規模が暮らす。東日本大震災では、東海第2もあと70センチ津波が高ければ全電源喪失に陥る可能性もあった。国の原子炉立地審査指針は「原子炉敷地は、人口密集地帯からある距離だけ離れていること」とあるが、現実と合っていないのは明らかだ。理論と実態が破綻する中、原発に依存して地域社会をつくるのは限界で、そこから脱したまちづくりを考えるべきではないか。

 ◇原子力ムラの総括必要
 --日本で初めて「原子の火」がともった東海村の将来像は。
 ◆ 私は原子力の研究開発からの脱却を訴えているのではない。脱原発を唱えても廃炉や廃棄物の処理や安全対策についての研究は重要で、研究開発拠点としての東海村の存在意義はむしろ高まる。最先端の原子力科学や基礎研究の推進、国際的な原子力人材を育成するために東海村の経験と施設の蓄積を利用する。ただし原発のように膨大な電源交付金や固定資産税が入ってくることに比べれば、研究主体のまちづくりは簡単ではない。大変な課題だが、10年もたたないうちに変わると思う。

 --脱原発を支える研究拠点を目指すということですか。
 ◆ そうとらえてもらって結構だ。原子力イコール発電だけではないし、旧来の原子力エネルギー開発にしがみついていては先に行けない。そうした考えは捨てるべきだ。

 --東海第2原発の再稼働の判断について住民投票を示唆されていますね。
 ◆ 具体的な案はまだないが、住民投票でも住民側による請求もあれば、大規模アンケートという方法もある。いずれにしても住民の皆さんが是非を積極的に判断すべきだ。利害関係が網の目のように張り巡らされた原発所在地で脱原発はすぐに割り切れる話ではない。ちなみに私が脱原発と言ってから直接非難する人には村で一度も会っていない。「よく言った」と言ってくれる人はいるが。

 --原子力ムラは変わると思いますか。
 ◆ 絶対に総括しなければいけない問題だ。一つの利益集団ができると、磁石のごとく人が集まって反対勢力を排除し圧迫する。原子力ムラは50年以上の歴史を持つ牢固(ろうこ)たる社会だ。徹底的に自己批判も含めてやらないと原発の将来はないし、また事故は起きる。そう簡単に変わるとは思えないが、その中で知恵を働かせてバランスをとる仕組みや組織を作る必要がある。鍵を握るのは政治力だ。

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 ■ことば
 ◇JCO臨界事故
 99年9月30日、茨城県東海村のJCO東海事業所でウラン溶液の混合作業中、核分裂反応が連続する臨界事故が発生。死亡した作業員2人を含む666人が被ばくした。違法操業が原因として業務上過失致死罪などでJCOと事業所元幹部の有罪が確定している。

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 ■人物略歴
 ◇むらかみ・たつや
 茨城県東海村出身。一橋大社会学部卒。常陽銀行支店長などを経て、97年9月から現職(4期目)。1期目でJCO臨界事故を経験し、福島原発事故以前から原発に依存した地域振興策の限界を訴えてきた。
毎日新聞 2011年10月8日 東京朝刊


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