みどりの一期一会

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学術会議の人選 中立性侵す政権の介入/学術会議会員、任命拒否 「学問の自由」が侵される/民主主義揺るがす暴挙だ

2020-10-04 23:09:29 | ほん/新聞/ニュース
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後半は、昨日に続いて、
「日本学術会議」新会員の任命拒否問題についての、
新聞各紙の社説です。

  社説:学術会議の人選 中立性侵す政権の介入 
2020.10.4 北海道新聞

 日本の科学者の代表機関「日本学術会議」は、政府から独立した立場で数々の政策提言をしてきた。その自主的な運営と中立性を侵すことは許されない。
 菅義偉首相が学術会議の新会員任命にあたり、会議が推薦した105人のうち6人を除外した。
 推薦候補を任命しなかったのは、現行制度になった2004年度以降で初めてのことだ。
 除外されたのは政治や憲法、行政などの専門家で、安全保障法制や特定秘密保護法、「共謀罪」法などに反対した人が含まれる。
 政府方針に異論を唱える学者を排除した疑念が拭えない。
 首相は「法に基づいて適切に対応した結果だ」と述べた。
 また加藤勝信官房長官は学問の萎縮を招くとの指摘に対し「直接つながるものではない」と反論したが、根拠は示さずに、任命しなかった理由の説明も拒否した。
 多くの学者から憲法が保障する「学問の自由」への侵害だとの指摘が出ているのは当然だ。
 学術会議は総会で緊急協議し、推薦候補を除外した理由の明確化と、6人の任命を改めて求める要望書を出した。
 会員は日本学術会議法で、学術会議の推薦に基づき首相が任命すると規定している。
 独立して職務を行うとも定めており、法の精神に照らせば、首相は任命権者であっても任命拒否権は事実上ないとする憲法学者の見解もある。実際、歴代政権は推薦候補を漏れなく任命してきた。
 政府は恣意(しい)的な人事介入でないと言うなら、学術会議の要望に、真摯(しんし)に応える責任があろう。
 自民党から首相判断を支持する声が出ているのも見過ごせない。
 中谷元・元防衛相は、防衛装備庁が15年に始めた軍事応用できる研究に対する助成制度を学術会議が批判したことを問題視した。
 学術会議は1949年、科学に根ざした提言を通じ平和的復興や福祉に貢献することを目的に設置された。政府の追認機関ではない。
 振り返れば、安倍晋三前政権は公正・中立性が求められる組織への人事介入を繰り返してきた。
 安保法制を巡っては、内閣法制局長官に集団的自衛権の行使容認に前向きな外務官僚を充てた。
 前例のない検察官の定年延長では、首相官邸に近い検察官を検事総長にするのが目的ではなかったかとの疑念に対し、いまだ納得できる説明はない。
 前政権のあしき人事介入を続けることは断じて認められない。 


   学術会議会員、任命拒否 「学問の自由」が侵される
2020年10月3日  福井新聞

 【論説】「既得権益、前例主義の打破」を掲げて誕生した菅義偉政権。これもその一つというのだろうか。日本学術会議が推薦した会員候補のうち、政府に批判的とみられる6人の任命を拒否した。政府寄りの無難な勧告や提言をしていればいいと言わんばかりの強権的姿勢は、学者たちに対する「歯向かえば痛い目に遭わせる」という警告に映る。

 日本学術会議は日本の科学者を代表する組織で「学者の国会」とも評されている。戦後の1949年に国の平和的復興や人類社会の福祉に貢献することなどを掲げ、国の特別機関として設立された。過去には戦争を目的とする科学研究は行わないとする声明を出したりするなど、政府にとって耳の痛い提言も辞さない姿勢を貫いてきた。

 今回、任命を拒まれた6人についても「共謀罪」法や特定秘密保護法、安全保障関連法の法案段階で反対意見を述べたり、米軍普天間飛行場の移設問題で批判したりした経緯があるという。問題は政府が6人を除外した理由を明らかにしていないことだ。加藤勝信官房長官は「人事の話になれば当然、話せることに限界がある」と説明を拒否している。

 前例主義を打破し任命を拒否したのなら、理由を述べないという前例も打破するのが筋ではないか。日本学術会議法では確かに、同会議の推薦に基づき首相が任命すると規定している。だが、83年の国会審議で政府は「形だけの推薦制であって、推薦していただいた者は拒否しない。形だけの任命をしていく」と答弁していた。

 今回はこの慣例をかなぐり捨てた格好だ。関係者から「政府に不都合なことを言えば学術会議の会員になれないとの前例を作り出し、批判を封じ込めるやり方だ」との見方が出ているのも当然だろう。拒否された人たちからは「明確な理由がない拒否は憲法上の疑義を生み出す」「内閣が『聞きたい意見しか聞かない』となってしまうと、今後の日本に大きな禍根を残すことになる」「さまざまな意見を述べることは国民の生命や自由、安全にとって重要だ」などと批判や危惧する声が上がっている。

 菅首相は自民党総裁選で「私どもは選挙で選ばれている。(政権が)決めた政策の方向性に反対するのであれば、異動してもらう」と官僚に対する強権的姿勢を示した。学術会議の会員は特別職の国家公務員とはいえ、学術会議は独立した組織であり、官僚と同列に見るべきではないはずだ。加藤官房長官は「人事を通じて一定の監督権を行使することは法律上可能となっている」と述べている。「学問の自由」が侵される事態と言わざるを得ない。



  社説:学術会議会員任命拒否 民主主義揺るがす暴挙だ
2020年10月3日 佐賀新聞 

 菅義偉首相は日本学術会議が推薦した新会員候補105人のうち憲法学など人文・社会科学系の学者計6人を任命しなかった。同会議の推薦に基づいて首相が任命する現行制度になった2004年度以降、候補が任命されなかったのは初めてで、極めて異常な事態だ。
 会員の選考方法を学者による選挙から学術研究団体を通じた推薦に変える改正法案が1983年の参院委で審議された際、総理府総務長官は「形だけの推薦制であって、推薦していただいた者は拒否はしない」と明言し、04年度以降もそのルールが守られてきた。
 菅首相も加藤勝信官房長官も拒否の理由を明らかにしない。説明責任を果たさない前政権以来の悪弊といえる。6人の中には安全保障関連法など前政権の施策に反対した人がいるが、それが理由か。だとすればあまりにも短絡的な判断だ。任命拒否を撤回すべきだ。
 学術会議は普通の政府機関ではない。敗戦後の1949年、「わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業および国民生活に科学を反映浸透させること」を目的に設置された。
 政府の諮問に答えるだけでなく、政府から独立して、人文・社会科学を含む科学に関する重要事項を審議し、その実現を図り、科学研究の能率を向上させる役割を担う。中立的立場から政府、社会に助言することも重要な仕事の一つだ。
 そうした活動が時の政権の方針と異なることは当然起こり得る。政策は多くの場合、最初からこれが正しいと分かっているものはないからだ。政治との摩擦もあり、学術会議は幾度も存続の危機に立たされてきた。それを乗り切ったのは、中立性の確保に向けて学者たちが努力し、政治の側も異論であれ専門家の意見を聞くことが重要だと認識していたからだろう。
 今は混迷の時代だ。科学技術の急速な進歩、新たな感染症、繰り返す大規模災害に対応するため、幅広い分野の知見を集めることが求められており、その要請に応えられる公的組織として、学術会議の役割はますます重要になっている。
 会議の活動を担うのは会員210人と約2千人の連携会員だ。いずれも優れた研究実績を持つ。拒否された6人は連携会員として貢献しており、会員になるのは順当とみられていた。にもかかわらず任命を拒む以上、菅首相には理由をきちんと説明する責任がある。
 この問題を軽く見るべきではない。学術会議が中立的立場から見解を出す土台には、憲法が保障する学問の自由がある。今回のように理不尽な干渉はその土台をもむしばむ危険性を秘めている。
 戦前の天皇機関説事件や滝川事件など、学問の自由への弾圧は、同時代の人々の関心を集めることがなかったという。世論の無関心が行き着く先に何が待っていたか、思い起こす必要がある。
 民主主義とは、一人一人がお互いを尊重し合い、自分の意見をぶつけ合って、より良い答えを探す過程だ。相手からも学ぼうとしないならば、社会の進歩はあり得ない。
 学問の自由、言論の自由は、異論を許さない独裁主義から民主主義を守るための盾だ。任命拒否は学問の自由を侵害し、民主主義の根幹を揺るがす暴挙と言える。学術会議が改めて求める6人の任命に応じるべきだ。(共同通信・辻村達哉)


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