わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

懐石道具 (向付4、唐津)

2010-06-12 23:07:38 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
唐津焼は、佐賀県唐津市で、焼かれる陶器で、古くから「一楽、二萩、三唐津」として、

茶器として名高いです。

和物の向付には、美濃焼以外に、唐津焼、京焼などが、有ります。

唐津の向付は、美濃焼、特に志野の影響を、強く受けています。と言うより、志野の写しとも思われる、

作品も多いです。

1) 唐津向付の特徴

  ① 志野の向付は、四方形が基本です。口造りも、志野の向付と同じ作りに、なっています。

  ② 志野との違いは、粘土と、釉の違いで、雰囲気も、大分違いが有ります。

    即ち、白い土や、白い釉の志野に対して、色の付いた土と、唐津釉による、詫びた感じと、

    成ります。

  ③ 志野は、紐造りで、3~4個の脚が付いていますが、唐津では、削り出しによる、

    輪高台となります。高台や、畳み付き周辺には、釉をかけません。

    又、削りも、縮緬皺(ちりめんじわ)にし、削り痕を残します。   

  ④ 唐津焼きには、以下の方法が、あります。

    絵唐津: 鉄絵具で絵付し、長石釉を掛けます。唐津特有の、褐色の焦げが、表われます。

         絵模様は、志野と同じ、草花で、縁取りには、桧垣文様が、描かれています。         

    朝鮮唐津: 黒飴釉と、藁灰釉や、海鼠(なまこ)釉を、掛け分けた物です。

         その逆に、海鼠釉の上に黒飴釉を、掛けたりした物です。
          
         この技法は、全国の諸窯などに、数多くありますが、朝鮮唐津は、黒飴釉の部分と、

         海鼠釉の部分とを、別々に掛け分けて、やや重なり合った部分が、高温でガラス化し、

         黒の部分と、白の部分が溶け合い、絶妙な色と流れ具合の、変化が特徴になります。

    斑唐津: 藁灰釉が、白濁に斑(まだら)に成るものです。

         燃料の松灰が降りかかり、青い斑文が出る所から、この名があります。

         白灰色の釉と、飴釉が斑にかかった物や、青みを帯びた、むらのある白濁色の

         灰釉が掛かった物を言います。

2) 唐津向付の種類

   織部や、古染付けより、種類は大幅に、少ないです。

   筒向付(のぞき)、楕円平向付、片口深向付、粉引向付、貝型向付などが、あります。

以上で、唐津の向付の話を、終わります。

次回は、(古)染付けの、向付に付いて、述べる予定です。
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