わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問 38 筆に付いて

2019-10-19 12:04:12 | 質問、相談、問い合わせ箱

「うず」様より以下のご質問をお受けしましたので、当方の見解をお知らせします。

 

陶芸初心者なのですが、絵心がないのに絵付けに力を入れようとなぜか考えています。

それで筆を探しているのですが、どういったものを使用すればいいのかわかりません。

初心なのでいきなり絵付け用の高い筆を買わず、100均に売っている絵画用の筆や、

100均じゃなくても習字用の筆とかいろいろありますが、最初はどんなものでもいいの

しょうか?

筆についてネットでは出てこないので教えていただきたいです。


明窓窯より

 どの様な絵付けをしたいかによって、高級な筆(数万円)から安価(100円均一)な筆

 まで多様で、材質も異なります。

 1) 絵付けには、下絵付けと上絵付けがあります。素焼きした素地に絵付けをするの

   が下絵付けで、施釉し本焼きした後に描くのが上絵付けです。(有田焼、九谷焼等)

   下絵付けは高い温度で焼成する為、近頃は色数も増えましたが、色数も少なく綺麗

   な色(金や銀は無い、その他鮮明な色)は少ないです。

 2) 陶芸初心者との事ですので、下絵付けに付いてお話します。

  ⅰ) 素地が陶器の物と磁器の物があります。絵の発色が良いのは素地が白い関係で

   磁器が適します。但し磁器を教えてくれる所はほとんどありませんので、陶器に付

   いてお話します。尚陶器でも絵付けをする場合には、白っぽい素地を使うと絵が映え

   るでしょう。(例えば、半磁器土、志野土など)

  ⅱ) 絵筆には水彩絵の具用と、油絵用の絵筆が有りますが、一般的には水彩絵の具用

   を使います。筆先が柔らかく小回りが利く為です。

  ⅲ) 筆には形状により丸筆と、平筆があります。その他刷毛(はけ)が存在します。

   広い範囲を一度に描く(塗る)場合は、刷毛や平筆(大小あり)を使います。

   細い線や点を描くには、筆先が細い面相筆(丸筆)を使います。

   広い面積を線が途切れる事無く、順番に描くには、絵具を多く含み事の出来るダミ筆

   (大中小あり)を使います。特に素焼き上に描く場合、素地が水分を吸収する為

    線が途切れ長く引けません。

   ⅳ) 陶器に絵を描く場合、磁器と違い「ラフ」の絵が多いです。

    何が描かれているか良く判らないばあいも多いです。その場合、筆以外に箒の先を

    加工したり、藁(わら)束の刷毛を使う事があります。ご自分で作る事が出来ます

    勿論、毛筆も使い方によっては、趣のある絵を描く事ができます。

   ⅴ) 参考までに

    絵付けは筆で絵具を塗る以外に、色土を使う方法や、象嵌(ぞうがん)、掻き落と

    し技法等その他で、絵柄を描く事も出来ます。挑戦して下さい。

 3)結論。

   最初に使う筆は、100均(数本セット)で十分です。

   使っていて不都合な点が出てきたら別の筆を試して下さい。高価な筆である必要は

   有りません。多く描く程、筆の要望が増えると思いますが・・・

   尚、陶芸材料店や、陶芸材料店のカタログ類にも、絵筆が載っていますが、一般に

   同じ筆でも、市販より高価です。興味がありましたらカタログを取り寄せてご覧下

   さい。

以上 参考にして下さい。

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続 電動ろくろ24(トラブル3、土振れと高低)

2019-10-14 13:57:45 | 続 電動ろくろに付いて

3)制作時のトラブル。 

 ② 形を造る時のトラブル

   素地(粘土)を最も薄く出来る(背を高くする)のは、土を垂直方向に伸ばした

   時です。即ち上の土を支える為には、斜め方向より垂直方向又は内側に斜めに積み

   上げる事が大切です。特に上開きの状態で下部が肉薄であり、上部に行く程肉厚で

   は高さを出す事は出来ません。

  ⅰ) 轆轤は両手で土を挟み、土を上逃がしながら土の厚みを薄くします。

   一度で薄くするのではなく、数度に分けて行います。(慣れた方は3回程度で終わ

   らさえる事が多いです。)

   外側の力が若干強く内側の力が若干弱くし、口も直径も広らない様にします。

   薄くする順序は最初に上部を次に中部を、最後に下部の順序で行うと、均一の厚みに

   なり易いです。(勿論やり方には色々な方法がありますので、この方法が最良の方法

   とするものではありません。)最初に下部から土を薄くすると当然上部は肉厚にな

   ります。下部から両方の指で薄くすると、上部の肉厚で指の上昇が押さえられ、

   肉厚の段差が生じる恐れがあります。慣れた方ならこの段差を騙しながら無す事が

   出来ますが、慣れない方はこの段差で手が止まり、その止まった所の肉厚を薄くす

   る事が難しく成ります。   

  ⅱ) 土が振れるトラブル。

   土を上に伸ばす際に土が振れるのは、根本付近に原因がある事が多いです。

   それ故、土を上に伸ばす前に、土が綺麗な円(凸凹していない事)にして置く必要が

   あります。上記した様に、根本を肉薄にし上部が肉厚の場合、振れ易くなります。

   根本の僅かな振れでも先端部では、振れは何倍にも増幅されます。即ち、振れている

   部分のみを修正しても、根本の振れを直さないと、又直ぐに振れは発生します。

   a) 偏肉で起こる振れ。

    円周上の一部が肉厚(又は肉薄)の場合には、遠心力の掛かる場所に差が出ます。

    即ち、肉厚の部分に働く力は他の部分より遠心力が強く働く為、外側に引っ張られ

    振れ易くなります。それ故、土の中心に孔が掘れないと偏肉が起こり振れが発生

    します。中心からズレた場合、一度孔の直径をやや広げた後、径を小さくすると

    中心が出易いです。

   b) 轆轤で基準に手は土の外側の手(指)です。(右回転なら左手)

    基準に成る手が振らついていては、真円は出ません。振れを防ぐには、基準になる

    手の肘を体の一部(太もも等)に付ける事です。土が上に伸びると肘が浮き易く

    成りますので注意が必要です。

   c) 手(指)を上に上げる速さと、回転速度による振れ。

    土は螺旋状に上に伸びていきます。螺旋の状態は、手を上に上げる速さと、回転

    速度によって決まります。間隔(ピッチ)の粗さと、溝の深さは向かい合わせの

    指の強さによって異なります。ピッチが粗いと肉の薄さも螺旋状になります。

    手はなるべく極端に挙げず、一定速度で上昇させる事です。

    但し速度は個人によって好みが有りますが、早過ぎでも遅過ぎでも触れは発生し

    易いですが、遅過ぎると遠心力も弱く、指先が土を一周するのに時間が掛り、

    少しの狂いでもその部分に再び指先が到達するタイミングを逸し、修正が難しく

    なります。逆に早過ぎると遠心力が強く成り、振れ易くなりますが、螺旋の間隔

    (ピッチ)が狭いですので轆轤慣れた方たでは、対応しますが、慣れない方あ恐怖

    心が出ますので、回転速度は押さえた方が良いしょう。

    更に、土の最上部近辺では、轆轤の回転速度を落とすと良いです。

   d) 筒状に伸ばした土の上部に高低差の出るトラブル。

    円周上で肉厚の部分すとは、他の部分り土の量が多いうので高く伸びます。

    高くった部分は、剣先(針)や弓で切り揃える。但し、元から狂っていると切って

    も切っても狂いは無くなりません。尚、狂いは悪とは限りません、高さの狂いを

    利用する方法もあります。例えば徳利の口縁(注ぎ口)を引っ張り出そうとする時

    この部分を外に出せば、注ぎ口が極端に低くなる事あ有りません。

   e) 剣先(針)と弓の使い方。

    針は縫い針度の細さの針を使います。割り箸等の細い木片に埋め込み、接着剤で

    固定します。針は円の内側から切る方法(径が大きい時が)と、外側から切る方法

    (径が細い場合)があります。切りたい場所に針を水平にし回転方向にやや斜めに

    して徐々に押し込みます。針に水で濡らすと切り易くなります。

    弓はバネ性のある針金等の両端に細い糸(撚り糸等に)を、ピント張って作ります

    弓の一端を円の中心付近に位置取しりし、弓を口縁から真下に押し込みます。

    2回転したら、急いで真上に上げ切り取ります。一回転目は切り取りが斜めになり

    ますが、2回転目で位置(高さ)を固定すると綺麗に切り取れます。

  ⅲ) 土の撚れのトラブル。

以下次回に続きます。

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続 電動ろくろ23(トラブル2、偏芯と底の厚み)

2019-10-09 16:17:03 | 続 電動ろくろに付いて

3) 制作時トラブル

 ① 土の中心孔を開ける。(偏芯と底の厚みのトラブル)

  土取り等で、必要な土の量が決まれば、左手の親指又は両手の親指で、土の中心に孔を

  開けます。(土の量が少ない場合には左手の親指で、量が多い場合は両手の親指を使う)

  ⅰ) 中心からズレない様に孔を開ける事が大切です。

   中心に孔が開かないと、作品は肉厚に差が出、高さににも高低差がでます。

   a) 孔は逆円錐型に掘り込みます。即ち真っ直ぐに下に押し込むのではなく、やや口

    を広げる様に指に傾斜を付けて掘り込みます。これは孔の底の厚みを確認しながら

    行う為で、底の形状が良く見える様にする事になります。

    親指を土の中心に置き、他の指は土の周囲を包み込む様にして抱え込み、親指を

    やや傾斜(上開き)を付けて下に押し込みます。周囲の土を他の指で抱え込むのは

    外側の円が変形しない様にする為です。尚親指の届く深さには限度があります。

    指が届かなくなったら次の方法で、更に掘り込みます。

   b) 土の量の多い場合には、右手の中指を用いて更に掘り込む。

    その際、指を濡らしたり孔の中に水を注ぎ込み、指が滑る事が大切です。

    中指を他の指(左手の親指等)で支え、指が中心から離れない様にします。

    掘り込む指は、中心に置きますが、中心から「ズレ」ていると、指先は円を描く様

    に成りますので、真ん中が掘れていない事が分かります。指先が一点で止まって

    いれば、「ズレ」ていない事に成ります。一度「ズレ」ると直すのが難しい場合

    (特に土が硬い時)が有りますので、急がずに孔を掘ります。

    c) 底を抜かない様に注意。

    数挽きの際の底の位置を見出すのは、少々困難です。厚く残せば安全ですが、

    重たい作品に成ったり、薄過ぎれば底削りも出来ない程肉薄になり易いです。

    土取りした際の土の厚みは、中指を内側の底に当て、同じ手の親指を外側の底

    に当て、その高さの差によって判断します。慣れないとかなり難しいですので、

    スケールや棒等を使い、内側の高さと外側の高さを測りその差で判断する事も

    有ります。

   d) 底の厚みは、底の高台の形状と高さによって異なります。更に作品の大きさ

    によっても異なります。5~8mm程度で輪高台では10~15mm程度の肉厚に

    します。碁笥底高台も輪高台と同じ程度の肉厚にします。

    以上は、削り高台の場合ですが、それ以上高くする場合には、付け高台にした方が

    良いでしょう。

   e)一個作りの場合には、棒の先に針を付けた用具を、底の中心に差し込み厚みを

    確認ます。即ち、棒の先に針を埋め込みす。棒より5~15mm程度飛び出す様に

    何本か用意します。この針の付いた棒の一種類を中心刺し、棒の痕が付けば底の

    肉厚判ります。

 ② 形を造る時のトラブル。

以下次回に続きます。

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続 電動ろくろ 22(トラブル1、肉厚と土取り)

2019-10-04 11:55:38 | 続 電動ろくろに付いて

希望通りの作品を作る為には、電動轆轤を上手に操作(コントロール)する必要があります

しかし轆轤操作では、色々な問題点やトラブルに見舞われ勝ちです。特に轆轤作業に不慣

れな方に多く見られる事項を取り上げ、述べたいと思います。

1) 轆轤操作で最大の難問は、土(素地)を如何に高く延ばせるかです。

  勿論形作りも大切ですが、その前段階の轆轤の特徴である綺麗に、肉厚を薄く出来るかが

  作品の良し悪しを左右する場合が多いです。一般には作品を使うという事が前提で、

  使い易い事も大事な要素です。その為に程良い重さが存在します。

  重さ(軽さ)重視の立場からは、肉厚を薄くする事が出来るかが重要になります。

  勿論、削り作業で肉厚を薄くする事も可能ですが、出来るだけ轆轤挽の段階で肉薄に

  したい物です。重量は大きさと肉厚が関係します。大きさは目で見れば判りますが、

  肉厚は持って初めて判ります。更に、重たい土と軽い土も存在しますし、作品の重心が

  どこにあるかによっても、同じ重さでも軽く感じる事も出来ます。

  尚、軽過ぎる作品も敬遠されますが、例え設置して使用する作品でも重過ぎる作品も

  良い作品とは言えません。

  土の種類によって伸び易い土や、伸び難い土も存在しますので、伸び易い土で練習し、

  コツを覚えたら伸び難い土に挑戦した方が良いでしょう。

2) 土取りのトラブル。

 作品を作る際、どの程度の土の量が必要かを知る事は大切です。量が少な過ぎると、

 予定の大きさの作品を作る事ができず、土が多過ぎると肉厚に成ったり、余分な土を切り

 取る必要があります。若干多い方が造り易いのも事実です。その為数挽きの場合は、

 必要な量を予め用意する(土取りと言います)事になります。但し一個作り(一本挽)

 の場合には、必要な量の土を秤で測り、轆轤上にセットする事になります。

 ① 土殺しの終わった土を、左手の指を使って必要量を土取りする。

  (轆轤が右回転の場合)

  土の最上部を左手で抱え込み、左手の中指、薬指、小指のどれかを、土の側面に当て、

  横筋(くぼみ)入れます。小指が土の量が一番多くなり、中指が一番少なくなります。

  勿論、土殺しの終わった段階で、土の直径と形状にも関係します。円柱形だと判り易い

  です。同じ太さの土で、太く小指を使う際が最も土の量は多くなります。

  同じ形の作品を作る場合には、同じ量の土取りをする必要が有ります。

  指で筋を付けた所から上部が使う土ですので、筋の部分が底になります。

 ② 一個挽き(一本挽)の場合、作品によって土の量を変えます。

  (秤で重さを測ると良い)

  ⅰ) 湯呑茶碗であれば、一般的には350g前後です。(1kgで約3個)

  ⅱ) ご飯茶碗で有れば、400g前後。

  ⅲ) 抹茶茶碗や小丼であれば、450~500g程度。(1kgで2個)

   中皿(16~20cm)も同様な量になります。

   但し、轆轤に慣れた方の場合は、同じ土の量でも,作品は大きく成ります。

  ⅳ) 出来上がりが30cm以上の大皿を作るには、1.5~2kg程度の土が必要です。

  ⅴ) ぐい吞みの様な小さな作品は、この方法では、土の量が少な過ぎて土殺しが非常に

   やり難くなりますので、①の数挽き方が造り易いです。

3) 制作時トラブル

 ① 土の中心孔を開ける。(偏芯と底の厚みのトラブル)

以下次回に続きます。

 

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続 電動ろくろ21(轆轤作業の手順7土殺し2)

2019-09-29 14:49:54 | 続 電動ろくろに付いて

5) 土殺し(センター出し)

 ⅲ)土殺しの実例 

 a) 土殺しの延べ上げは、出来るだけ土を高く上に伸ばす事。
 
  十分土が濡れて手が滑る事が大切です。
 
  両手は均等の力で土の中心方法に押し、手を徐々に上に移動させます。
 
  急いで上げると、土はらせん状の筋が入ります。手が止まるとその部分のみが細く
 
  成ります。力の入れる場所は、両手の掌全体又は、小指の付け根付近です。
 
  (人によって異なる)轆轤に据えた土は麓付近が大きく(太い)先端に行く程細く
 
  なるのが普通です。その為、麓付近では力を入れ、上部に行く程力を弱くする必要が
 
  あります。成るべく左右均等(シッメトリー)の形にします。
 
  特に最上部(頭)が左右いずれかに傾いていない事です。出来れば両腕の肘は太もも
 
  に固定する。土の量によっては、肘が固定できない場合もあります。
 
 b) 力を入れた場合、土が熱を持つのは手が十分に土の上を滑っていない証拠です。
 
  この場合は、両手の締め付けを弱めると、表面上の泥が土全体に回りますので、
 
  再び手が滑る様になります。
 
 c) 延べ下げは、延べ上げた土の頂点の肩の部分を斜め前方に押し倒します。
 
  その際、右手の親指の付け根付近を使います。(轆轤が右回転の場合)左手は土の
 
  中央付近を軽く押さえます。(手を添える程度)
 
  そうすると、延べ上げた土は回転しながら下に落ちていきます。その際右手の指で
 
  土の外側を抑え土が「ブレ無い」様にします。
 
  初心者には多い事例ですが、土の真上から押し込むと、土は歪み綺麗な円が出ません。
 
 d) 土殺しの回数は決まっていませんが、使用する量の土の円周を左手で抱え、手が
 
  停止していれば(手が動かなければ)完了です。但し、最低でも3回は行います。
 
 e) 轆轤上の土の全体を土殺しする際、難しいのは、轆轤に接している土が綺麗な円に
 
  ならない事です。轆轤面より上部の土は比較的自由に移動可能ですが、轆轤面に接して

  いる土は、自由に動く事が出来ない為です。どうしても轆轤面の土が真円に成らない

  場合には、竹ヘラやカンナを使い,はみ出た部分を削ぎ落します。

以下次回(轆轤で起こるトラブル)に続きます。   

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続 電動ろくろ20(轆轤作業の手順7土殺し1)

2019-09-20 12:03:05 | 続 電動ろくろに付いて

5)土を殺す。(センター出し)

 いよいよ轆轤作業に取り掛かります。

 陶芸では、物騒な言葉が有ります。例えば殺す、首を絞める、針を突き通す、強く叩き

 付ける、傷を付ける、刃物で削ぎ落す等の言葉です。これらの言葉は電動轆轤の無い

 昔から使用されていました。当時の轆轤作業は体力的に男性のみが行う作業で、言葉も

 荒々しく、乱暴な物言いでした。その言葉が現在でも使用されている訳です。

① 土を殺すとは? その効能とは?

 ⅰ) 最終目的は土が轆轤上を綺麗に振れずに回転する事です。綺麗に回転するとは、

  轆轤上の塊が一方に偏っていない事や、綺麗な山型または棒状の略円柱状に成ってい

  る事です。即ち次の作業である、土の中心を掘り込む際に出来る、円筒系の肉厚が

  円周上で一定にする必要な行為で、遠心力が円周上均等に成っている事です。

  遠心力が部分的に異なると、轆轤がスムーズに回転しない為、振れが生じますし、

  土が上に伸びる際にも、所によりに高低差が出ます。

 ⅱ) 土のウオーミングUPを行う。

  土の粒子を縦方向に並ばせ、土の伸びを良くする働きをする作業でもあります。

  土練りを行うと、土の粒子はねじれた並び方をします。これを一定方向に並ばせる事

  になり、成形し易くします。その為のウオーミングUPになります。

 ⅲ) 空気を抜く。

  土が上手に練れていれば、ほとんど空気(気泡)は入らない物ですが、何らかの原因

  で空気が入った場合、延べ上げ(土を締めながら上部に伸ばす作業)で空気を土の

  中心に集め、更に頂上に移動させ、先端部分から抜き去ります。(抜ける際ピシュと

  音が出る場合があります。)

 ⅳ) 土の状態を把握する。

  土の硬さ具合や、粒子の粗さ、異物の混入など土を轆轤を回転させ、手で触る事で、

  土の状態を読み取る事ができます。

  勿論、土練りの段階でも可能ですが、回転している土ではより良く実感されます。

② 土殺しのやり方。

  まず轆轤を回転させ、土の表面を水で濡らし泥を出します。回転スピードは若干早め

  にします。即ち、手指が土の表面を良く滑る状態にします。

  轆轤は別名水挽と呼ばれ、水(又は泥)を使って作品を作る方法です。その為、常に

  手指が滑る状態にして置く事が肝要です。

 ⅰ) 轆轤上の土の塊全体を土殺す場合と、一部を殺す方法が有ります。

  即ち、塊一つで作品を一作るいには、塊全体の土を殺す必要がありますが、数個の

  作品を作る数挽の場合は、必要な土の量の、1.5~2倍程度の土を殺せば十分です。

  尚、必要の土の量とは、土取りする量です。

 ⅱ) 土殺しに関して、決まった方法は有りませし、又何回行えば良いか等の決まりも

  有りません。手指の使い方も同様で、各々自分の方法で行っています。

  但し、土を上に伸ばす延べ上げと、下に降ろす延べ下げを交互に行う事は基本です。

  尚、延べ上げ又は延べ下げはどちらを先に行うかも、人によって異なりますが一般的

  には、延べ上げを先に行う事が多いです。

  素地(粘土)の量が少ない場合、先に延べ上げを行うと、轆轤面より剥がれる事が

  有りますので、注意が必要です。

 ⅲ)土殺しの実例  

以下次回に続きます。

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続 電動ろくろ19(轆轤作業の手順6轆轤上に据える)

2019-09-13 11:20:34 | 続 電動ろくろに付いて

5) 轆轤上に土を据える。

  菊練りの終了した素地を、電動轆轤上に据えます。

 ① 素地の据え方も、人によって若干異なります。即ち、砲弾型に練り上げた土をその

  まま轆轤に据える方法と、天地を逆にして据える方法があります。

  但し轆轤の回転方向に関わらずです。

  その言い分は菊練りした際に発生する、素地の撚れと関係すると主張する意見です。

  即ち菊練りで発生した撚れを、無くす為に天地を逆にすると言う事です。

  私の経験ではどちらの方法で土を据えても、ほとんど関係ない様に思われます。

 ② 素地は轆轤の天板の中央に来る様に据えます。

  後で土殺し(土の延べ上げ延べ下げ)を行い、土を中央に移動させますので、厳密度

  はいりません。但し大きく狂って置くと後で苦労する事に成りますので、轆轤の天板

  (アルミ製)に描かれている複数の同心円から大きく偏在しない様にします。

  亀板等を使用する場合には、轆轤を回転させ、轆轤上に鉛筆等で真円を描くとより

  中心に置け易くなります。注意点は、アルミ製の轆轤の天板は、濡れていない事です。

  濡れていると素地が滑り固定できなくなります。同様に濡れた手で粘土を濡らしても

  いけません。又亀板等を使う場合には、きつく絞った布やスポンジで板を濡らす必要

  が有ります。これを怠ると、素地が板に張り付きません。

  素地の量が少ない場合で、「ぐい呑み」の様な小物を制作する際、轆轤面より剥がれ

  易くなりますので、素地はやや大きめの塊をセットし、上部より土取りして轆轤挽

  すると、剥がれる事は有りません。

 ③ 轆轤の馬力(ワット数)について。

  大量の素地を轆轤に据える為には、馬力のある轆轤が必要です。

  馬力の無い轆轤では、土殺し等で土を抑え込むと、轆轤が止まってしまう場合があり

  ます。当然大物はできません。又天板も30cm以上が有れば理想です。勿論天板が

  小さな轆轤でも、亀板を使えば面積を広げる事もできますが、直径が大きく成る為

  回転力(トルク)が更に弱くなります。

 ④ 土は轆轤の中央付近に据える。

  次に行う土殺しで、土を中心に据える事に成りますが、最初に据える時に中央付近で

  あれば、作業はよりし易くなります。(特に轆轤に不慣れな方は注意が必要です)

  ⅰ)素地を力負かせに轆轤の天板に打ち据える方法もあります。

   轆轤に密着する効果は有りますが、中央から離れる事が多いです。

  ⅱ)一方ゆくりと中央に置く方法もあります。

   この方法は中央に据えやすいですが、轆轤との密着度がやや劣りますので、素地の

   裾野を小指の付け根で押して、素地の底に水が入らない様にしてから、素地全体を

   斜め上から強く叩き轆轤面に密着させます。その際土の頂上が中央に来る様にしま

   す。

  ⅲ)轆轤作業での一番失敗は轆轤面から、素地が剥がれる事えす。

   この場合には、素地全を轆轤面から取り除き、再度素地を練り込み、綺麗に成った

   轆轤面に再度素地を置く必要があります。尚、土に余裕があれば、別の新しい別の

   土を使う事えす。失敗したは土は水分含み柔らかく成っている為、腰が弱なります

   ので、大物を作るには向いていません。

   但し、板の上で練って十分水分を取り除けば、何度でも使用可能です。

6) 土を殺す(センター出し)

以下次回に続きます。

 

  

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質問38 グリーン結晶釉に付いて

2019-09-09 09:54:44 | 質問、問い合わせ、相談事

鹿児島県の南部さまより以下の書面による質問をお受けしましたので、当方なりの見解を

お答えいたします。

 

始めまして、市の陶芸教室で陶芸を習って30年になります。

釉薬に付いてのお尋ねです。

長い間使われずに倉庫に有った釉薬(20ℓ容器二本)を取り出し試しに色々工夫して使用

したところ、素晴らしい発色が見られます。容器には手書きで「グリーン結晶」と記載され

ていますが、会員の中にこの釉薬の正体を知る者はいません。

30年以前に購入?されたか作られた物と思われます。

現在市販されている釉薬にこの様な名称の釉が見当たりません。

この釉は単独では薄い黄土色を呈しますが、辰砂を下掛け釉にして使うと鮮やかな緑に

白い結晶が現れます。

そのサンプルを同封させていただきました。(電気窯、1230℃、酸化)

私どもの教室では上掛け釉として貴重な物に成っています。

しかし残りが少なく成っており探しております。

この釉らしきものか、これに代わる様な釉薬に付いてご紹介頂ければ幸いです。

唐突なお願いで恐縮ですがよろしくお願いいたします。

 

明窓窯より

ご使用の釉は青銅釉又は青銅マット釉と思われます。(市販されています。)

当方でもワラ白を濃い目に掛けた後、上記釉を上に掛けると、ほぼ同様の発色を見る事

ができます。(サンプル品の内側と同じです)但し、白い結晶は出ません。

(マット釉でもワラ白の上に掛けると光沢がでます。)

青銅(ブロンズ)はご存知の様に銅と錫(すず)の合金です。

青銅は酸化すると緑色を呈しますが、本来の色は黄金色、白銀色、赤銅色になります。

身近な物として、10円玉がありまり赤銅色です。(錫1~2%、亜鉛3~4%を含む)

それ故、単体で使用すると黄土色を呈すると思われます。

辰砂釉を下掛けに使用していますが、辰砂釉にも酸化錫が入っています。

結論

ご使用の釉は青銅系の釉であり、白い結晶は錫と思われます。

即ち、錫の含有量が多い為、結晶化し析出した物と思われます。

結晶を出す為には錫の含入量を試行錯誤して調整が必要になります。

尚、サンプル品の口縁部の釉が流れた為に、釉が薄く成ったものとおもわれます。

結晶釉は熔け易い釉である必要がありますので、なるべく流れ易い釉に仕上げて下さい。

当方でもワラ白(1180℃)を使うとより鮮明の緑がでました。

以上参考にして頂ければ幸いです。

不明な点が有りましたら、再度お問い合わせ下さい。

 

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続 電動ろくろ18(轆轤作業の手順5土の練り方)

2019-09-06 14:07:00 | 続 電動ろくろに付いて

4) 土を練る。

 ① 練る目的。(以上までが前回の話です。)

 ② 土の練り方。

  ⅰ) 土練機を使う場合。

   土を大量に使う場合や、手での土練りが面倒場合等に使う事多いです。

   硬さを調節する練るだけの機械(手動又は電動)と、空気も抜く真空土練機があり

   ます。真空土練り機は大変高価なもの物で、必ずしも必要ありません。

  ⅱ) 手又は足で練る。

   練り方は、荒練りと菊練りが有ります。一般に荒練りをした後、菊練りを行います。

   a)荒練り。硬さに差のある土を均等にする方法です。

    数十Kg程度の大量の場合には、足(踵又な土踏まず部分)で踏みつける様に

    して練ります。

    広い板の間等の空間にに粘土の塊を置き両足又は片足を使い、中心より外側に土

    を押し出す様に円形に練ります。体を安定させる為に、天井から下がった紐を

    持つ事もあります。以前には専門の職人さんが居た様ですが、近頃はほとんど

    見る機会は少ないです。5Kg程度位までの土は手で練る事が多いです。

    土の塊を横長置きにし、両手の掌(特に親指の付け根部分)を当て前方に押し出

    す様にします。数回繰り返すと横へ横へと延びますので、伸びた両端を内側に

    折込み、更に前に押し出す様にして練ります。十回程度繰り返せば完了です。

   b) 菊練り。空気を抜く事が主な目的です。

    片手の親指の付け根を使いますが、右手と左手を使う方法があります。

    菊練りは「ねじ揉み」とも呼ばれ、右又は左手と反対の手を添えて土を手前に

    巻く様にして前面に押し出します。その際右手の場合は左回転、左手を使う場合に

    は土は右(時計回転方法)に成ります。一回の押し出しで菊の花びら一枚が現れ

    ます。これを連続して行うと、菊の花びらが連続して現れます。

    粘土の状態にもよりますが、40~100回程繰り返します。練り上がりは次第に

    押す力を弱め砲弾型にします。慣れない方は、切り糸で土を薄く切り空気が

    入っていない事を確認します。この作業はかなり熟練を要します、その為 

    最初は、1kg程度から始め、徐々に土の量を増やす事をお勧めします。

    尚、菊練りの方法は地方(又は指導者)によって違いが有り、一度練り上げた土

    を天地逆にしてもう一度練る方法もあります。右回り左回りに付いても個人の

    考え方の違いが大きく、定説はありません。

  ⅲ) その他の練り方。

   針金又は切り糸の両端を固定しピント張しり、両手で持った土を数十回~百回程度

   往復して切る事で、粘土の塊を細かくし、硬を均一にし、空気を抜く方法です。

   主にヨーロッパで行われているとの事です。

5) 土を轆轤上に据える。

以下次回に続きます。 

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続 電動ろくろ17(轆轤作業の手順4土を練る)

2019-09-01 15:57:13 | 続 電動ろくろに付いて

4) 土を練る。

 電動轆轤を使用する上で、土を練る作業はとても大切な事です。

 轆轤作業が上手くいかない理由の一つに、土練りが十分でない事が挙げられます。

 ① 練る目的

  ⅰ) 小石や小枝、腐葉土等の異物(不純物)はを取り除く。

   市販されている素地では、上記の様な異物は含まれていませんが、再生土やご自分

   で採取した土では、上記不純物が含まれている事が多いです。

   轆轤挽に支障があると同時に、焼き上がりにも影響します。有機物である小枝や

   腐葉土は素焼きで焼けてしまいますが、量が多いとその部分が空洞になります。

   取り除く方法は、土の塊を切り糸等を用いて薄く(10mm以下)スライスし、

   目視で小石や小枝等をみ見出し、ピンセット等で取り除きます。更に小さな塊を

   親指と人差し指で練る(磨り潰す)と、指先に発見し難い異物を見つける事が

   出来ます。但し根気のいる仕事です。

  ⅱ) 土の硬さを均一にする。

   一塊の粘土に硬い部分と柔らかい部分が共存していると、柔らかい部分は土が薄く

   伸びますが、硬い所は同じ様に薄くは伸びません。勿論作業中に、指先で直ぐに

   感知できます。ある程度の量の粘土の塊では、硬さに斑(むら)が出来易いです。

   特に長らく使用しない素地では、表面は乾燥して硬く、内部は柔らかい場合がりま

   す。又、再生土(底削り等に出る削りかす)を利用する場合には、内部に硬い所と

   柔らかい部分が共存している場合もあります。

   いずれにしても、硬さが均一でないと、轆轤作業は上手くいかず、形が歪んだり

   収縮にも差が出、最悪、側面に穴が開く場合も起こり得ます。硬さに斑のある土は

   再度土を練り直す事を勧めます。程度にもよりますが、作業を続行しても良い結果

   は得られません。

   尚、作品によって固めの土が向いている場合(大物向き)と、軟らか目の土が向い

   ている場合があります。

  ⅲ) 土の中の空気を抜く。

   粘土に空気が入っていると、その部分の土は空気が邪魔をして薄くなりません。

   更に空気の塊が小石の様に硬く感じ指先に当たります。轆轤挽途中で混入が判明

   する場合が多く、これを取り除くのに苦労します。即ち、轆轤を回転している際に

   は指先で確認し易いですが、いざ空気(気泡)取り除く為に、回転を止めその位置

   を確定し針先で刺し、気泡を抜きますが、回転を止めると中々気泡の位置の判別

   できません。その為も、轆轤挽する直前に土練りする事が大切です。

   但し、市販されている柔らかい土を購入後直ぐに使う場合は、空気混入はありま

   せんし、すっかり練れていますので、使用上問題ありません。

  ⅳ) 練る事で土に粘りが出る。

   土の種類によっては、粘りの少ない物もあります。土を丁寧に練る事で、土本体に

   粘りが出、作り易く成ると同時に作品が切れるのを防ぎます。

   作品の切れる部分は、底と口縁の部分が多いです。勿論土の粘り具合だけが切れの

   原因ではありませんが、粘り化が有った方が作品も作り易いのは事実です。

 ② 土の練り方。

以下次回に続きます。

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