けい 様より以下の追加のご質問をお受けしましたので、当方の見解を記します。
分かりにくい説明で申し訳ありませんでしたが、本体は縄作りで、たたらの蓋
を被せた状態です。本当に素人の質問でお恥ずかしいのですが、もう全体的に
カチカチに乾いたのですが、蓋だけナイフで無理やり外し、新しく作り直した
蓋を被せるというのは無理な話ですね。カチカチの本体に柔らかい蓋を被せる
と言う意味です。それこそ、収縮率も違いますし。
やはり潰して作り直そうかと思っていたところ、市販の「くっつく土」なる商
品を見つけました。これは、素焼き前のヒビや割れも直せると書いてあります。
土と糊が混ざっているもののようです。今は、ヒビが長く延びてしまい、10セ
ンチ以上(ほぼ端から端まで)になっています。この商品で隙間を埋めても、
やはり素焼きと本焼きで必ず割れてしまいますか?
◎ 明窓窯より
素焼前や本焼時のヒビや割れを補修すると称する商品は、数十年前からペースト状の
物が市販されていました。
当時,私も使用した経験では、うたい文句通りにはいきませんでした。
完全に複数に分割された場合には両方の端面に、施着剤を塗り、それなりに上手く
行く場合も有りましたが、ヒビ割れの場合には、補修材が隙間に充填できず、
接着面積も少なく、施着効果が弱く、補修する事が出来ませんでした。
今では、当時よりも良い補修材が出来たかも知れませんが、余り期待を持たない方が
良いと思います。
尚、どうしても作品を壊したくない場合、素焼き本焼き後に割れた部分を補修後に
再度本焼きし直し方法もあります。
即ち、本焼き後ではそれ以上素地は収縮しませんので、ヒビや割れ部分もそれ以上
大きくなりません。本焼き後に補修し施釉し、再度本焼きで焼成する方法です。
但し、いかに上手く出来ても多くの場合、小さなキズ以外では、補修した事を完全に
隠す事は難しいと思います。
何度も言いますが、最善の方法は一から作り直す事です。
以上
家で一人で作っています。これまでは市販の釉薬を使ってきましたが、
少し勉強しましたが、難しくてよく理解できません。
作りたいのは、焦げ茶で少し紫がかったマット釉です。
釉薬の調合は一筋縄ではいかないことは理解していますが、もし、比較
紫がかっていなくても、焦げ茶のマット釉でもかまいません。
無理なお願いで恐縮ですが、よろしくお願いします。
◎ 明窓窯より
御自分で調合して、独自の釉を作り出すには意外と簡単では有りません。
しかし、ご質問の解決方法として、今手持ちの釉に好みの色を付ける方法も有りますので、
その方法を試すのが、最も簡単だと思います。
例えば市販のマット系の釉(白、透明、青銅マットなど)に下絵付け用の呉須(ゴス=コバルトを含む鉱物)を
添加すると、添加量によって淡い紫色~濃い紫色(紺色)掛かった釉を作る事が出来ます。
又下絵付け用の鬼板(オニイタ=酸化鉄を含む鉱物)や黄土、各種の酸化鉄(弁柄や鉄さび)等を
添加すれば、添加量により、淡い茶色~濃い茶色(又は焦げ茶)の釉を作る事も可能です。
尚、呉須と鬼板を同時に添加しても、ほとんど問題は無いと思われます。
又、釉に各種の金属(銅、亜鉛、マンガン、チタン、スズその他)を添加すると
緑色や黄色、グレーなど思わぬ釉が出来る可能性が有ります。(場合に拠っては結晶釉になる)
これらの金属類は陶芸材料店や通販などで入手可能です。
但し、当初は割高であっても、最小量を購入すべきです。(1回に使用する量はわずかです)
好みの色が出るまでは、数回~数十回の試行錯誤が必要に成るでしょう。
◎ 仮に、ご自分独自の釉をご希望ならば、まずマット等の基礎釉の調合をしてから色釉に
挑戦して下さい。
以上、参考にして頂ければ有難いです。