わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動ろくろ13(轤轆作業に必要な用具類8)

2019-07-31 11:36:24 | 続 電動ろくろに付いて

 2)コテ(鏝)類

  コテは手(指)の替りに使用する用具ですので、必ずしも必要な用具ではありません

  が、広い面積を一様な力で押さえ付け、形を整えたり、表面を滑らかにする働きり、

  あると便利ですので、使用したい用具です。コテ類には、万能コテ、ダンゴコテ、

  仕上げコテ、柄ゴテ、牛ベラ等、多くの種類があります。

  使いう場所は、轆轤作業では、器の内にコテを押し当てて使うのが一般的です。

以上が前回までの話しです。

  前にもお話しましたが、最良の道具は人間の手(指)です。粘土(素材)の硬さや

  柔らかさ、形(形状)の違和感(凸凹度合い)等指又は手の触感で知る事が出来、

  形の修正も可能です。それ故コテに頼り過ぎずに、ご自分の手(指)の感触で作陶

  する事が大切です。ある程度指の感触を会得してから、コテ類を使用した方が良い

  場合もありますので、急いで使う必要はありません。 勿論、手ひねりでも使する事

  も多いです。

  ① 万能コテ

   使い方によって、このコテ一つ有れば、ダンゴコテや仕上げコテ、牛ベラ等の代用

   品として使用できるコテですが、専用コテよりも使い勝手が悪くなる場合がありま

   す。多くは木製で、市販されていますが、ご自分で制作するとより便利です。

   使用する工具類は、木片(暑さ5~10mm程度)、鋸(又は糸のこ)、カッター

   木工ヤスリ、紙ヤスリ等を用意すれば十分です。

   ⅰ) コテは、刃(エッジ)の部分と、面を使う方法があります。

    即ち刃の部分を使うとは、コテの薄く成った側面を、線状に使う事になり、

    面を使う場合は、広い面積を当てて使う事になります。

   ⅱ) コテを使う場合、コテは水で濡らし、良く滑るよ様にし、やや手前に傾けて

   (回転方向と反対側)使用します。コテを持たない手の親指をコテの一部に当て、

    コテが振れない様に保持します。コテを当てた粘土(素材)の反対側(器の外

    側)に手(指)を当てて、極端に変形しない様に、力を抑えながら、土を支え

    る必要があります。即ちコテと手指で挿みます。外側の手の力の入れ方も、

    作品の形状や形の変更に合わせて、強~弱と場面に応じて変化させます。

   ② 仕上げコテ

    作りたい器の断面と同じカーブを持つコテです。当然、器毎にカーブの異なる

    数種のコテが必要でっす。勿論湯呑の様に垂直でカーブが無いコテも存在します

    ある程度予定の形に仕上げた後に、仕上げとして形を整える役目になります。

   ③ 柄コテ

    棒状の先端部近くに半円形の突起のある形のコテです。

    袋物と呼ばれる、口が小さく手指が器の内側に入らない場合に、指替りに使いま

    す。棒部分の長さや、突起部の出っ張り具合も、千差万別です。背の高い作品

    では、柄の長さも長くなります。

    ⅰ)コテは水に濡らしてから使います。その際突起部分に布切れを巻き付けて

     使う場合と、布を使わない方法があります。違いは作品の柔らかさ(乾いて

     いるか)によって作用します。やや乾燥している場合では、布を使います。

     但し布を巻く方向にも注意が必要です。即ち轆轤の回転と共に、巻きが解ける

     方向では、布が取れてしまいますので、轆轤の回転と同じ方向に巻けば解ける

     恐れは少なくなります。

    ⅱ) 使い方は柄の部分を鷲掴みにし、しっかり握ります。

     出来れば持ち手の肘は太もも等に当てると、より安定します。

     コテの突起部分(半円状の外側)のみを器の内側に当て、反対の手指を器の

     外側に当て、コテの突起部分と手指で挿み込みます。

    ⅲ) 柄コテは土を薄く延ばす(背を高くする)、直径を大きく又は小さくして

     形を整える(凸凹を無くす)などの使い方があります。

     土を薄く延ばすには、コテを下から上に滑らしながら肉薄にします。その際

     外側の手を強く押し当てながら薄くします。特に鶴首に様に作品では、直径

     を小さくすると、肉厚に成ってしまい、そのまま続行すると撚れが発生しま

     すので、土を薄く延ばす必要があります。その分首も長くなります。

     コテと外側の手指の力の差によって、直径が大きくなったり小さく成ったり

     します。

    ④ コテに類する用具類

     ⅰ)牛ベラ

      牛の舌の形をした木製、ゴム製、樹脂製のやや幅広の道具です。

      主に九州地方で見られる用具で、器の底から腰の形を造る際に、内側から

      器に押し当て形を整えながら土をも伸ばす用具です。

     ⅱ) 布又は粘土玉と布

      布を丸めてコテ状態で使います。布のみでは柔らか過ぎて思うように

      形を造る事が出来ない場合には、やや硬めの粘土玉に布を巻いて使います。

      ある程度コテの形を変化させる事が出来ますので、使い易い場合もあります

以下次回に続きます。

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続 電動ろくろ12(轤轆作業に必要な用具類7)

2019-07-23 17:36:17 | 続 電動ろくろに付いて

1) 必須な用具(道具)(前回の続きです)

 ④ スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)、切り糸、スポンジ。

  ⅲ) スポンジ

   作品から水を取り除いたり、作品に水を含ませる為に使います。

   制作時では、主に水分を取り去る時に使い、底削り等では、乾燥し過ぎた作品に

   水気を与える時に使います。又道具類の汚れを拭う(ぬぐう)場合にも使用します

   a) 電動轆轤では、制作途中で大量の水を使います。制作終了時には、使用した

    水分が作品の内側に溜ります。この水(水分)を放置しておくと、底割れが起こ

    ります。即ち、周囲の場所よりも水分が多いと、そこだけ乾燥が遅れます。

    乾燥とは、隣り合わせの素地が引っ張り合いながら縮む作用です。

    それ故、乾燥の遅い箇所では、周囲のみが縮み、縮まない部分は周囲から引っ

    張られて、股裂きに合い底の中央に、縦一文字に亀裂が入ります。これが底割れ

    で、一目で判ります。水分以外でも水分を含んだ泥であっても、底割れの危険が

    あり、取り除くのが基本です。天日干しまでは傷が無い場合でも、素焼きすると

    更に収縮する為、傷が広がり深さも深くなり、より目立つ様になります。

   b) 一度この状態に成ると、本焼きすると亀裂は更に進む(成長する)為、補修

    する事がほぼ不可能ですので、破棄する事に成るのが一般的ですが、どうしても

    補修したい場合には、面倒な作業ですが、それなりの方法は有ります。

    一つの例として、セラミックペースト等の名前で市販されている施着剤で、

    割れたパーツを接着したり、ヒビ割れた部分に塗り込み、ヒビ割れを補修する

    する物がありました。但し、割れた物には有効ですが、ヒビの場合にはあまり

    有効とはならない様です。

    又、ヒビ割れた溝に、同じ素地の素焼きの粉を、柔らかい粘土や糊(大和糊等)

    に混ぜ合わせ物を塗り込んだりして補修したりしますが、必ずしも万全ではあり

    ません。

   c) 器の外側に付いた水分は問題ありません。器の内側の水又は水分を含んだ泥

    は、スポンジ又は筆(刷毛)で吸い取ります。口径の大きな器であれば、家庭で

    用いられる四角いスポンジ(目の細かい面)を押し当て、吸い取りスポンジを絞

    り水分を除きます。一度に取り除けない場合には数回に分けて取り除きます。

    底に光の反射が無ければ、取り除いた事になります。

    口径の狭い器(袋物など)は、細い棒に平たいスポンジを巻き付けた物を底に押

    し当て、棒を引き上げて絞ります。柔らかいスポンジですので、手で鷲掴みにし

    底に押し当てても、底が薄く成ったり、底の抜ける恐れはありませんので、やや

    強めに押し付けます。首の細い徳利などは、細い筆を使うか、細いスポンジを使

    いますが場合に拠っては首が太くなる時もありますが、水分を抜くことが優先

    ですので、水分を取り除いた後、再度首の部分の形を整えます。轆轤を回転させ

    ながらスポンジを入れる方が中に入り易いです。

  以上は主に作品を成形途中に必要な用具ですが、成型後に必要なカンナ類、シッタ等

  は後日述べる予定です。

 2)コテ(鏝)類

  コテは手(指)の替りに使用する用具ですので、必ずしも必要な用具ではありません

  が、広い面積を一様な力で押さえ付け、形を整えたり、表面を滑らかにする働きり

  あると便利ですので、使用したい用具です。コテ類には、万能コテ、ダンゴコテ、

  仕上げコテ、柄ゴテ、牛ベラ等、多くの種類があります。

  使いう場所は、轆轤作業では、器の内にコテを押し当てて使うのが一般的です。

以下次回に続きます。

 


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続 電動ろくろ11(轆轤作業に必要な用具類6)

2019-07-16 14:48:16 | 続 電動ろくろに付いて

 

必須な用具(道具)(前回の続きです)

 ④ スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)、切り糸、スポンジ。

  ⅱ) 切り糸。

   切り糸には俗に「シッピキ」と呼ばれる成形した作品を、下部の陶土から切り離す

   為の糸と、亀板等から作品を切り離す際に、使用する細い糸が有ります。

   更に、大きな陶土の塊から必要な量の土を切り出すにも太目の糸を使います。

   用途に応じて、各々糸の材質や長さは異なります。

   a) シッピキに付いて。

    糸の長さは15cm程度で、糸の一端に持ち手(木片、布切れ、粘土玉、五円玉

    等)が付けると使い易いです。

    以前は藁(わら)を撚った物や、細く裂いた物が使われていた様です。

    抹茶茶碗等では、渦を巻いた切り痕も鑑賞の対象にも成っていました。

    現在では、撚糸(ねんし)やタコ糸、細いワイヤー等が使用されています。

    多くは使い易い様に、ご自分で作る事が多いです。

    イ)使い方は轆轤を回転させながら、糸を水平に入れて引き切ります。

     かなり高度の技術が必要な方法で、作品が轆轤から落ちてしまったり、

     底が抜けたり、底が斜めに切れる等失敗も多いです。

    ロ) 成形した器の切り離す場所を、竹へらや親指の爪などで、切り口に溝を

     付け位置決めをしてから、糸を入れますが、器の手前から入れる方法と向こう

     側から入れる方法が有ります。即ち、回転方向が右(時計)方向の場合、持ち

     手を右手に持ち、シッピキの他端は左手で持ちます。向こう側から入れる場合

     は持ち手が逆になります。実際の手順は以下の様になります。

    ハ) 手前から入れる方法。

     シッピキは予め、濡らしておきます。轆轤を回転させ、右手にシッピキの持ち

     手を、反対側は左手で水平に持ちます。シッピキを作品下の溝に当て、左手に

     持つシッピキを回転方向に半回転程度巻き付けます。1回転半程度巻き付け

     たら右手を素早く、水平に引き糸を抜きます。

     注意点は、糸は切口の高さに合わせる事。失敗すると、底抜けに成ったり、

     肉厚になり易いです。更に水平に入れる事、失敗すると底が斜めに切れます。

     素早く引き抜く事、遅過ぎるとシッピキの上に作品が残り、糸と共に移動して

     轆轤上より滑り落ちます。轆轤の回転スピードも関係します。

    ニ) 向こう側から入れる。

     左手に持ち手を、反対側を右手で持ち、シッピキをピント張り、切り口に当て

     右手を作品に半回転巻き付けます。轆轤が一回転半させたら左手を素早く水平

     に引き抜いて切れ離します。

     尚、切り離した作品を取り上げる方法は後日述べます。

   b) 陶土の塊から切り出し用に使う糸。

     大きな塊の陶土から必要な量切り離す場合や、やや硬くなった土を切り刻む

     場合も、太目の糸を使います。タコ糸や水引き(ナイロン製)、太目の釣り糸

     を使います。又針金(ワイヤー)を使う場合もあります。

     長さも用途に応じて30~100cm位です。

     糸(又はワイヤー)の両端に手が滑らない様に持ち手を付けると便利です。

   c) 亀板から作品を切り離す糸、又はシッピキの代用の糸。

     材質は細目の釣り糸(テグス)が向います。長さ20~80cm程度が必要で

     す。両端に持ち手を付けると、手が滑らず、力も入ります。

     大皿や大きな作品では亀板を使う事が多いです。出来上がった作品は、早めに

     糸を入れ切り離します。切り離しが遅れると糸が入りに難くなり、更に乾燥が

     進むと、底が収縮し、底割れが発生します。糸を入れても切り口には、数ミリ

     の厚みの土が残ります。この残る量(厚み)は糸の太さに関係します。

     細い糸程残る厚みは少なく成ります。それ故、底の面積が広い大皿等の作品は、

     底の残り土を厚く残さないと、底の中央に穴が開くこともあります。

     更に、上記シッピキが上手に使えない場合には、轆轤を止めてこの細い糸を

     巻き付けて、又は糸を交差させ、締め上げて切り離します。

   d) 切り離す際、糸を濡らすべきか、濡らさない方が良いのか?

     釣り糸等細い糸で、作品を切り離した場合、一度では切り離せない場合があり

     ます。特に作品が柔らかい場合に発生し易いです。これは作品から染み出た

     水分が切り離した隙間に入り込み、接着効果が発生した為と思われます。

     この様な場合、再度糸を入れると切り離す事が出来ます。

     それ故、切り糸に水に濡らしてから使用すると、切り離し難くなります。

     但し、ある程度乾燥した作品では、水で濡らさないと、粘土の抵抗が大きく

     糸が入り難くなります。濡らす事で糸の摩擦抵抗を減らす事に成ります。

以下次回に続きます。          

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続 電動ろくろ10(轆轤作業に必要な用具類5)

2019-07-13 14:48:15 | 続 電動ろくろに付いて

必須な用具(道具)(前回の続きです)

 ④ スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)、切り糸、スポンジ。

  作品の大きさを測定するのは、作品を作る上で重要です。又、陶器類は乾燥、焼成

  によって、作った寸法より確実に収縮します。更に、焼成温度によっても、その差が

  大きくなります。収縮率(焼き縮)も素地の種類によって、10~20%程と大きな

  差があります。但し陶芸材料店等で市販されている土類は、約12~13%程度に

  調整された物が多いです。縦横高さ共同率で縮ますので、体積では7割程度と成りま

  す。その為、実際に出来上がる寸法より、径、高さ等も大きくする必要があります。

  ⅰ) スケール(定規、陶尺、コンパス、トンボ)。

   a) 定規(物差し)は、20又は30cm程度が測る事が出来れば十分です。

    (100円ショップで入手可能です。)

    それ以上を測定するには、巻き尺が便利です。材質は竹やプラスチックよりも

    ステンレス製が汚れに強い為適します。作品制作途中で使いますので、泥が付き

    目盛りが読み難くなります。必要な位置をマジック等で印を付けて置くと便利

    です。尚、マジックは油絵具で使用する、ペインテングオイルをテッシュ等に

    含ませて、拭けば簡単に取れます。

   b) 陶尺は、土類がどの位縮まるかを示すスケールです。

    市販されている物は見掛けた事はありません。一般にご自分で使う土を使い、

    ご自分の窯で焼いて作ります。

    作り方は以下の通りです。(以前にもご紹介したと思いますが、再度述べます)

    イ)使用する土で、厚み10~15mmのタタラ(陶板)を幅3cm程度、長さ

     20~30cm程度に切り出します。

     使用する土が数種類ある場合、陶尺はその数だけ作る必要があります。

    ロ)上記タタラの右又は左端に0.5又は1cmの幅で、目盛りを付けます。

     5、10、15、20cmの目盛りは目立つ様に長めの目盛りにします。

    ハ) 乾燥後、使用する温度で無釉で本焼きします。

     タタラは確実に縮小しています。どの位縮んでいるかわは、正規の定規を

     当てれば判明します。

    ニ) 上記タタラの目盛りの他端に、正規の目盛りをマジック等で印を付ける。

     使い方は、作品を正規の目盛りで測定した物が、焼成後、反対側の目盛りに

     焼き上がる事が判ります。    

   c) スケールで測定するのは、作品の高さと、口径の大きさです。胴体や首の

    太さを測る道具は、コンパスです。

    口径は多くの場合、外々を測ります。胴体の太さを測るには、コンパスを使い

    ます。コンパスには、外側を測る外パスと、器の内側の径を測る内パスがあり

    ます。いずれも鉄製で市販されています。当然、コンパスには目盛りは有りませ

    んので以下の様に使います。

    コンパスの両先端で作品を挟み込み、その状態で作品から離し、スケールを当て

    てその間隔を測ります。逆に先に必要な寸法まで両端を開きこれを作品に当て

    その隙間の度合いを測ります。(隙間が無ければその寸法に成っている事になり

    ます。)

   d) トンボは、口径と深さを同時に測る道具です。

    同じ形状の器を多数作る際には便利な道具ですが、異形な物を一個作る際には

    必ずしも必要ではありません。竹製の物が市販されています。

    構造は器の深さを測る縦の棒と、その棒の中程に2~3個の穴があり、その穴に

    必要な径(内、外)を測る横棒(ヒゴ状)を差し込みます。

    縦棒の最上段に持ちてとなる部分を取り付けます。

    異なる器を作るには、縦棒と横棒は長さの異なる数種が必要です。

以下次回に続きます。

    

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続 電動ろくろ9(轆轤作業に必要な用具類4)

2019-07-11 14:08:42 | 続 電動ろくろに付いて

1) 必須な用具(道具) 

 ③ 針と弓。

  ⅰ) 針の役目は、空気を抜く、口縁を整える(切り揃える)、作品の厚みを測る

   異物を取り出す、作品に穴を開ける(傷を付ける)など使い方は多様です。

   用途によって針の太さや、長さに違いが有ります。

   a) 空気(気泡)を抜く。

   b) 底の厚みを測る。(以上が前回までの話です。)

   c) 口縁を切り揃える。 

    口縁を切る用具には、針と剣先(金へら)、後で述べる弓があります。

    剣先は帯鉄で先端が尖った形状です。作品がやや硬くなった状態で使います。

    轆轤挽の途中で使用するのは、細い縫い針を利用した針を使います。

    勿論陶芸材料店で入手できますが、汎用性の為肉薄な口縁を切るには、太過ぎる

    きらいがあります。太い針を使うと、上手く切れず口縁がガタガタに成ってしま

    います。 縫い針は100円ショップで購入し、自作する事を勧めます。

    参考資料:ダイソーで入手した縫い針は、太さ0.55~0.89mm。長さ30~52mm

    その他、太い針太さ1.05mm、長さ45mm一本が含まれています。

    どの太さでも良いのですが、小生は0.6mm長さ38mmの針を使っていす。

     これを細い棒(割りばしでも可)に細い孔を開けて、先端部を25mm程度にし

    糸を通す部分を、植え込み接着剤で固定して使います。

    イ) 細い針ですので、口縁を切る専用になります。他の使い方をすると、直ぐ

     に折れます。針ですので使用時や使用しない場合でも、指を刺さない様に注意

     が必要です。特に折れた場合、必ず折れた針先の行方を確認します。

    ロ) 口縁の高さを切り揃える。

     使い方は水で濡らした針を、作品の内又は外側から作品に直角に当てて使いま

     す。口径の大きい物は内側から、口径の小さい物は外側から針を当てます。

     細い針なので曲がり(しなる)易く成りますので、針の根本を人差し指

     (内側から切る場合)又は親指(外側から切る場合)で押さえ、口縁に対し

     ブレの無い様にして切ります。一気に押し当てず徐々に深く刺し、轆轤の3~

     4回転で切る様にします。その場合針と反対側の壁を別の手の指で撫ぜ、その

     指で針の先端を感じれば切れた事になります。

    ハ) 口縁の肉厚に差がる場合。

     轆轤作業では、高さの狂いと厚みの狂いが発生し易いです。厚みの狂いには

     色々な原因があるのですが、とりあえず、口縁の厚みの差を解消すれば、

     目立たなくなります。切る前に口縁を三本の指(親、中、人指)で押さえ厚み

     を付けて置くと失敗は少ないです。

     針を垂直に立て親指と人差し指で持ち、中指を作品の内側(又は外側)に当て

     針の先端と中指の距離を一定にし、徐々に下に降ろして、口縁の厚みを一定に

     切り取ります。かなり難しい作業ですが、是非とも習得したい技術です。

   ⅱ) 弓も針同様に口縁を切る道具です。又面取りの道具としても利用します。

    Uの字又はYの字型のバネ性のある材質(金属)の両端に、糸(又は細い針金)

    をピント張った形にます。弓の特徴は、口縁を大きくカットする事で、針の方が

    小回りがきき、切る量も少なくて済みます。

    イ) 使い方は、弓の一端を器の中央に向け、他端を器の外側に成る様にして

     轆轤を回転させて切ります。糸を水平にする事が基本ですが、やや斜めにして

     使う事もあります。糸の中央部を使います。弓はしっかり保持する事と、一定

     の高さに保持する事が大切です。最初の一回転で位置を固定させ、次の一回転

     で必要な高さを保持して糸で切り、急いで真上に挙げて切り離した部分を取り

     上げます。その際、なるべく素早く真上に引き上げないと、切り取った部分が

     取れなく成り易いです。 注意点は回転した時必ず全ての高さを切る事です。

     切る部分と切らない部分があると、上手に綺麗に切れません。尚、回転スピード

     は速めの方が良い結果が出ます。

    ロ) 轆轤をゆっくり回転し、口縁の高さに凹凸を作る。

     抹茶茶碗の様に、口縁の高低(歪み)が珍重される場合、あえて弓を上下に

     移動させ凹凸を付ける方法をとる場合があります。

     尚、手轆轤の様に手で回転させるとより細かな高さにする事が出来ます。

   d) 素地(粘土)の異物を取り除く。

    轆轤挽では、粘土中に異物が存在する場合があります。特に小石や木片、その他

    植物片等が多く入り易いです。これらは当然ろくろ作業の邪魔になりますので、

    取り除く必要があります。太目の針を使って粘土から取り出します。取り除いた

    痕が広範囲の場合は、その部分から上を切って取り除いた方が、作業ははかどり

    ます。小さい場合は針で穿り(ほじくり)出します。小さな痕では轆轤挽すれば

    痕は消えます。    

以下次回に続きます。  

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続 電動ろくろ8(轆轤作業に必要な用具類3)

2019-07-09 14:57:35 | 続 電動ろくろに付いて

1) 必須な用具(道具) (前回の続きです)

 ③ 針と弓。

  ⅰ) 針の役目は、空気を抜く、口縁を整える(切り揃える)、作品の厚みを測る

   異物を取り出す、作品に穴を開ける(傷を付ける)など使い方は多様です。

   用途によって針の太さや、長さに違いが有ります。

   a) 空気(気泡)を抜く。

    轆轤作業で比較的起き易い問題に、素地の中に空気(気泡)が入り、土が均等

    に伸びなかったり、よれたりし易いです。更に気泡が石の様に手に当たり轆轤

    作業がとても難しくなります。

    原因は轆轤作業前の土練り(特に菊練り)が不十分な事や、作業中に気泡を閉じ

    込めたり、更には土殺しの際の延べ上げで、十分抜け切っていない為です。

    尚、大きな空気の塊が残ってしまうと、素焼きの際作品がの爆発します。

    イ) 太目の針を使って空気を逃がす1。

     空気の存在は壁が肉薄になると徐々に表面化します。轆轤挽していると直ぐに

     判ります。但し、轆轤が回転している時は空気の存在は判りますが、いざ空気

     を抜こうと轆轤を止めてみると、何処にあるか中々見つかりません。

     大きな塊であれば、壁の内側又は外側の一部が盛り上がっていますが、細かな

     気泡では発見する事は難しくなります。初心者は第三者に見つけて貰う事です

     空気の塊が見つかれば、その部分(又はその周辺)を針で3~4か所刺し

     壁の向こう側まで針が通る様にします。

     尚、空気が内側にある場合は、針は内側から外側にある場合は外側から針を

     刺しますが、不明な場合が多いですので、壁を突き抜けるまで針を入れる事

     です。針で突いた部分を指で撫ぜると、凹みが出来ていれば抜けた事になりま

     す。この凹みは轆轤作業中に自然と埋まって来ますので、そのまま作業を続け

     ます。空気の塊がある場合、一か所のみと言う事は少なく複数個存在しますの

     で、この作業を繰り返します。

    ロ) 太目の針を使って空気を逃がす2。

     上記の方法が基本ですが、空気(気泡)の位置が発見できない場合、轆轤を

     回転させながら、空気の有りそうな壁の高さに針を内側又は外側より、水平に

     刺し、円周上に浅い溝を複数本付け、その後轆轤挽する方法もあります。

     但し針を深く入れると壁破けてしまいますので注意が必要です。

     又何度も行うと、逆に空気を閉じ込める事にもなりますので、ある程度の練習

     が必要です。

  ◎  尚、空気を抜く作業は轆轤作業に限らず、陶芸では必須事項ですので、後日

     述べる予定です。

   b) 底の厚みを測る。

    数挽(一塊の土から多くの作品を作る)の場合には、底の厚みは経験により決定

    しますが、大皿や大壺など亀板を使って一個のみを作る場合、底の厚みは針を

    使って確認します。木の棒の先に必要な長さの針を埋め込み、底に差し込み厚み

    を確認します。例えば、ベタ高台ならば6~8mm程度、削り高台10~~15mm

    程度、その他数種類の長さを用意しておくと便利です。針を刺し込み棒の痕が

    付いた深さが所定の厚みになります。

   c) 口縁を切り揃える。  

以下次回に続きます。      

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続 電動ろくろ7(轆轤作業に必要な用具類2)

2019-07-07 16:57:43 | 続 電動ろくろに付いて

1) 必須な用具(道具) (前回の続きです)

 ③ 竹へら(箆)

  竹を割って平にした物です。主に作品の形を整えたり、作品の裾野に付いた不要な土を

  取り除いたりします。その他、「へら目」と言い作品の胴体部分に押し当て凹み模様

  を作る時に利用します。使い方は、表面を水に濡らし、良く滑る様にして使います。

  尚、へらには竹製ではなく、金属製の「金ベラ」も存在しますが、用途は若干異なります

  ⅰ)「なぜ(撫ぜ)べら」と「切りべら」

   幅15~20mm程度で、長さ20cm程度が使い易いです。先端は尖らします。

   縦の中心線のより左右対称に、やや円弧状に丸めた形が「なぜへら」です。

   斜め直線にナイフ状にカットされているのが、「切りべら」です。いずれも陶芸材料店

   で入手可能ですが、出来ればご自分で制作してください。竹の中央部分は肉厚にし、

   端に行く程(エッジ部分)肉薄にします。又ヘラの先端部分も肉薄にした方が使い易い

   です。

   「なぜべら」又は「切りべら」専用にするには、へらの後ろの部分は、軸に対して直角

   に切っておきます。この形状も別の使い方があります。

   尚一本の竹へらの両端を使い、「なぜベラ」と「切りベラ」の両方を作る事も出来ます

   竹は皮側と内(身)側とに別れますが、一般に皮側の方が、滑りが良いので皮側を使う

   事が多いです。

  ⅱ) 竹へらの使い方。

   a) へらの先端を使う。

    持ち方は鉛筆持ちです。その際、へらが振れない様に、他の手を添えて使います。

    へらの先端を使う場面は、ろくろ挽し出来上がった作品は、裾野には大量の不用の

    土が付いていますので、竹へらで剥ぎ取ります。この作業を省略すると、底割れ

    や、底周辺に「ヒビ」が入り易くなります。即ち、底の角を面取りしていないと、

    その角から乾燥が起こり底中心に向かって「ヒビ」が伸びて行きます。

    なぜなら、底周辺には肉薄の不用な物と、鋭角な角が出来易いです。乾燥はこの

    鋭角部分より始まります。更に面取りしないと、肉厚になり収縮量も多くなり

    より「ヒビ」が」入り易くなります。「ヒビ」はどんどん発達します。

    (初心者ほど、不用な土は多くなります。)

    作品を切り糸で切り離す際、切り口を固定する為に使います。

    勿論、手慣れた人ならば、竹へらでは無く、ご自分の親指の爪を使います。

    竹へらの先端部分を切り口に押し当て5mm以上の溝を設け、ここに糸(シッピキ)

    を通し切り離します。即ち、糸の通る位置を決めます。尚上手に切る為には、

    切り口がその外側より、高くなければなりません。周囲が高いと、この高さで糸が

    入る事に 成り、底抜けになる可能性があります。その為、へらの先端を切り口に

    当てた状態で竹へらの尻を下に落とし込みます。

   ⅱ) 竹へらの側面を使う。

    「なぜへら」」では、先端付近の丸味のある側面を使い、「切りへら」ではナイフ

    状の刃の部分を使います。側面が丸味のある場合は「なぜへら」を、垂直の場合に

    は「切りべら」を使い形を整える際に行います。作品の表面のドベ(泥)を取り

    除く様に、力を入れ過ぎずに、撫ぜる様に使います。基本的には直径を小さくなる

    様になります。

   ⅲ) 「木へら」について。

    竹へらと同じ様な道具に、木製のへらがあります。主に手捻りで使う事が多いです。

    指先では細工し難いや修正する際に使用します。多種多様の種類が有り、陶芸

    材料店でも、入手可能です。電動ろくろでは比較的出番は少ないです。

以下次回に続きます。

   

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続 電動ろくろ6(轆轤作業に必要な用具類1)

2019-07-03 16:04:15 | 続 電動ろくろに付いて
轆轤作業を行う上で、どうしても必要な用具(道具)類と、有った方が良い用具類があります

轆轤は別名「水挽」と呼ばれ、水を使って素地の表面を溶かした泥を活用し、手指を滑らし

ながら形を作る方法です。初心者の方は、大量の水を使い、慣れた方では水の使用量は少なく

なります。水を多量に使うと、素地本体に吸い込まれ、土の腰を弱くしますので、手指が滑ら

せる為に泥を使用する様にします。但し、冬ならば温水を、夏ならば水を使います。

尚、一番便利な用具(道具)は人の手や指です。

1) 必須な用具(道具)

 ① 水を入れる桶です。

  片手又は両手の手首まで入る幅の広さと深さが必要です。更に桶の縁で、手に付いた泥を

  削ぎ落せる様に、やや角張った縁のある形が望ましいです。桶の材質は問いません。

  容量は大きな物の方が便利ですが、手元に置いて使いますので、作業の邪魔にならない

  程度の大きさにします。容量が小さいと水を継ぎ足す事になります。

  この水は、後で述べる「なめし革」や「布」、「竹へら」、「コテ類」、切糸、スポンジ

  等を濡らす際にも用います。これらは、使用する箇所とタイミングが存在します。

 ② なめし革。

  ⅰ)主に完成間近の作品の縁を滑らかにすると同時に、土を締める(割れを防ぐ)働きを

   します。その他作品の表面を撫ぜて、平滑にする働きも有ります。材質は鹿の皮が一般

   的ですが、合成皮革を使う場合があります。ホームセンター等でも市販されています

  ⅱ) 大きな皮から、縦約10cm、横幅約2cm程度の短冊状の形に切り出します。

   肉厚は薄い方が使い易いです。水に濡らして使用します。

  ⅲ) 使い方は、片手のみで行う方法と、両手を使う方法が有ります。どちらの方法を選

   ぶかわ自由ですが(最初に教わった方法を選ぶ場合が多い)一長一短があります。

   a) 両手を使う方法。

    右手の人差し指と中指でチョキを作り、皮の一端を挟み込みます。反対側は左手親指

    と中指で摘みます。皮の中間を右手の親指で上から軽く押さえ、左手の人差し指で

    右手の親指と人差し指の中間を押し上げ小さな輪を作ります。この輪で作品の口の内

    外を摘み拭く事で綺麗に仕上げます。即ち、右手の親指と人差し指で摘み、その間に

    皮が存在する事になります。皮の反対側を軽く摘むのは、轆轤の回転によって、皮が

    持って行かれるのを防ぐ為です。皮で拭く時間は轆轤が二回転する程度です。

    注意点は、皮は右手の指先近辺で使う事です。又左手で持つ皮を強く引っ張ると、

    皮の輪が直線状になり、摘み難くなると同時に、縁を上から押す事になりますので

    口縁が押し潰された状態になります。又指先で摘む際には、皮の幅(約2cm)

    の全体ではなく、指をやや斜めにして一部を使います。これは皮と土の摩擦を少なく

    する為です。更に、右手の小指と中指を折って、作品に触れない様にします。

    この方法の長所は、摘みに必要な指以外が作品から遠く退避出来る事です。

    注意事項は、口縁が凸凹では、縁全体を拭く事ができませんので、なるべく口縁の

    高さを揃える事です。更に、強く摘まむと肉厚が薄く成り過ぎますので、力の入れ

    方も重要です。口縁の一部に円周状に筋が入る場合があります。これは拭いた所と

    拭かれていない所が混在するからです。湯呑の様に口を付ける場所はなるたけ丸味を

    付けます。角張ると唇に当たって痛いです。

    尚、摘まむ指を捻る事で、口を開いたり閉じたりできます。即ち摘まんだ人差し指を

    上に、親指を下に移動させれば、縁が開く事に成り(端反り)、逆に親指を上に人差

    し指を下に移動させれば、縁が閉じる事になります。

   b) 片手で口縁を拭く

    右手中指と人指す指で、濡らした皮の一端をチョキで摘まむのは同じです。

    他端を右手親指と薬指で摘まんで持ちます。両端を少し近付けて輪を作り、この輪で

    口縁を摘まんで拭きます。

    注意点は、皮で拭く際轆轤の回転で、持って行かされない様にする事です。

    更に、右手の薬指が作品の近くに来ますので、指がぶつからない様にします。

   c) なめし革で口縁を拭く場合、口縁が垂直の方が拭き易くなります。

    逆に、お皿の様に口縁が斜め方向に成ると、斜め上から下に押す様になりますので

    失敗し易いです。その際、皮を持つ親指を皿の下側から支える様にしてから、人差し

    指を皿の内側に回し込んで拭くと失敗は少なくなります。難しい場合には完全に皿状

    になる前に、皮を使いその後に平たい皿に仕上げます。

   d) なめし革で、作品の表面を拭く方法。

    上記の短冊状の皮で拭く場合は、皮の両端を両手で持ち、ピント伸ばして作品の表面

    に押し当て、轆轤を回転させながら撫ぜる様に拭きます。その際、皮を上に移動する

    場合と、下に移動する方法が有りますが、いずれの方法でもOKです。

    尚、面積の広いなめし革を使う場合には、左手に持ち(時計回転の時)作品に強く

    押し付けずに撫ぜる様に拭きます。

以下次回に続きます。
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続 電動ろくろ5(操作方法)

2019-07-01 11:42:31 | 続 電動ろくろに付いて
電動ろくろ(轆轤)は、スイッチ(左又は右回転方向)を入れ、ペダル(又はレバー操作)を

踏み込む事で、簡単に左右好きな方向に回転させる事が出来、作陶するには大変省エネ的な

道具です。回転速度も無段変速に成っています。多くの人が利用している機種は、約10万円

前後します。使用する電気は100V(単相)です。ブレーカー(遮断機)が装備され、

長期間使用しない場合は、OFFにして置きます。又、購入時には、回転盤が回転しない様に

回転止めのダイヤル(ねじ)が付いていますので、使用時には緩める必要があります。

かなりの重量がありますが、平坦な場所に「ガタ」付きの無い様に設置します。

尚、制作者が座る椅子は、ご自分で用意します。

1) 通電しなければ、単なる「手回しろくろ」としても使えます。

 但し、クラッチ機構があり、モターと回転盤が連結しない様に、切り離す必要があります

 クラッチを切り離すには、ペダルを切離す位置にします。

 回転盤は、錆が発生しない様に、アルミ製が多く、機種の違いにより、その直径も色々あり

 ますが。一般的には、30cmの物が多く使われています。

2) 無段変速回転。

 構造はVベルトを備えた回転盤と直結した、プーリーとモターに直結した台形方の円錐形を

 した圧着部分によって構成されています。圧着部分は、ペダルと連動して、円錐部分をV

 ベルトに圧着させます。その摩擦力で回転を伝えます。円錐形の部分は回転速度に関係し

 ペダルを踏み込む事で、圧着部分が変化します。どの部分の径を使うかによって、速度が

 変化します。即ち、径の大きな部分では、回転が速くなり、直径が小さくなるに従い、回転

 は遅くなります。注意事項は、圧着部分を圧着した状態で放置すると(スイッチをOFFの状

 態)、ベルトに圧着痕が残り、ベルトの一部が凹みます。その結果、回転時にドンドンと断

 続音がします。気になる音で、小さな振動もま出ますので、ペダルを最初の位置(踏み込ん

 でいない状態)にして置く事です。ベルトの凹みは時間が経っても元に戻りません。

 どうしても気になる方はベルト交換にんにますが、純正品は構高価ですので、圧着した状態

 (この状態では回転盤は手で回りません)で、放置しない事です。尚、Vベルトは「ビバ

 ホーム」等のホームセンターでも入手可能です。

3) 轆轤の力強さは、モーターのワット数(馬力)によって決まります。

  大きな作品を造る時、ワット数が小さいと、轆轤上の粘土を両手で締め上げると

 (土殺し)回転が止まる事があります。モターが短時間でもスットプの状態ですと、電流

  が大量に流れ、熱く熱を持つ様になり、更に発火の恐れも生じ大変危険です。

  それ故、大物が造れる様に、余裕のあるワット数の轆轤を用意したいです。

  電動轆轤は幾つかのメーカーより販売されていますが、代表的なメカーではシンポ工業の

  物が多く使われています。

4) 回転方向は轆轤の右側面に付いているスイッチを倒す(例、手前右、向こう左回転)

  方向で決まります。尚、機種によって違いがあるかもしれません。

  初心者の方は、回転法が違う事に気付かない場合があります。一般に右回転=時計回り

  が多いです。誤りに気付きスイッチを入れ替えても、瞬時に回転方向は変わりません。

  一度轆轤が完全に止まってから、スイッチを入れ替えます。

5) 轆轤作業では、基準になる手は、作品の外側に成ります。

  即ち右回転では、左手になります。基準とはその位置がしっかり固定されている事です

  即ち、「ぶれ無い」様に腕の肘(ひじ)を体に固着させます。

  尚、土殺し(センター出し)では、反対の腕(右手)の肘も体(又は太もも)に固着し

  振れを防ぎます。土を上に伸ばす際には、両手の親指同士を連結させ、指の位置をしっか

  り固定させます。尚、片手で土を伸ばす方法もあり、その方法は作者によってことなりま

  す。更に、両膝(ひざ)の高さを揃える為、左足の下に適度の高さの台を置く事をお勧め

  します。

 ◎ 轆轤作業は、極端な前傾姿勢を取る為、腰を痛め易い姿勢になり易いです。出来るだけ

  腰を伸ばす姿勢で作業すると共に、時々椅子から降りて、長い時間同じ姿勢に成らない事

  が大切です。

6) 回転スピードの話。(作品を造るには最適な速さがある。)

  回転が速過ぎも、遅過ぎる過ぎても作品は振れ易くなります。

  ペダルを踏み込めば踏み込む程、回転は速くなります。その結果遠心力も大きくなります

  基本的な考えは、土が手に触る速さを一定にする事です。即ち直径の大きい作品(大皿)

  は、回転を遅くし、径の小さい作品(鶴首部分など)は回転を速くし、手に触る土の

  スピードをペダルの踏み込みで調節します。回転が速くなると、遠心力も強くなり、振れ

  も大きく成り易いです。スピードは、その方の経験によってある程度好みの速さが存在し

  ます。この最適な速さを会得するには、それなりの教官(指導者)が必要かも知れません

以下次回に続きます。 

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