2) 異なる性質の土を接着する場合。
性質の異なる土同士を接着するのは、「剥がれや割れ、ひび」等の問題が発生する事が多いです。
① 土にはその土特有の性質があります。
例えば、腰の強い土や弱い土、成形し易い土とし難い土、轆轤挽きに適する土と適さない土、
赤土など色の付いた土と、白い土(顔料を添加して色土が作り易いです)、粒子の粗い物と
細かい物、水分を吸収し易い土、乾燥の早い土と遅い土、軽い土と重たい土、乾燥時の収縮率の
大小、焼成(耐火)温度が高い土と低い土、焼き締まり易い土と、焼き締り難い土、などなど、
数え上げればキリがありません。多くの場合その性質を最良の形で引き出す方法で、作品を制作
します。
② 土同士を接着して模様を着ける方法には、鳴海(なるみ)織部や市松模様に代表される練り込
みがあります。これらは、土の色の違いによる装飾方法です。
) 無難な方法は、同じ粘土を使い、一方に鉄や銅、コバルトなどの金属の顔料を混ぜて
色土を作ります。二色以上の色土を使う方法もあります。同じ土であれば、収縮率などの
差が無い為、「ひびや割れ」が起き難い為です。
) 又、同じ産地の色違いの土を使う場合があります。
顔料を入れた色土は、人工的でやや不自然な感じがします。そこで自然の色土を使うと、
違和感の無い調和の取れた色使いになります。その際、同じ産地の土を使えば類似した
性質になりますので、「ひびや割れ」の危険も少なくなります。例えば信楽の白土と赤土
などです。他にも、同じ産地だありながら、色の違いのある土も意外と多いです。
) 鳴海織部は板状にした白土と赤土を、平面で繋ぎ合わせてから作品に形造ります。
形造る際には、型などを使う事がありますので、さほど難しくはありませんが、土同士を
繋ぎ合わせる際、注意が必要です。
a) 接着面の広さが広い程、機械的強度が強くなります。広さとは長さと厚みです。
即ち細かい模様の程、接着面は小さくなります。例えば「矢羽文」や「鶉(うずら)文」
などの練り込み模様では、細かい文様になります。
又、接着面が直線より曲線の方が、より多くの糊代(のりしろ)が取れますので、しっか
り接着できます。
b) 接着面には「ドベ又は水」を使って接着します。
一般に「ドベ」を使う時には、接着面に細かい刻みを着けますが、練り込み等では刻みを
付ける事が出来ません。即ち刻みを付けると、異なる色の境に小さな傷が出来、表面まで
浮かび上がる為、シャープな境目がでません。尚「ドベ」は素地の色又は色土の色のどち
らかに統一して使います。見た目以上に「ドベ」が幅広に見える場合もあります。
c) 接合面の強さは、両側からからの押し圧の強さに掛ります。
市松模様の際、色土のブロックを交互に積み上げてから、板状にスライスします。
接合面に刷毛で水を引いってから、ブロックを重ね合わせます。
接合面をより強固に密着させる為には、ブロックの状態で板などで叩き締めたり、万力
等でしっかり締めます。
d) 接着した状態で、数日寝かせると、より強固に接着できます。
その際、全体が乾燥しない様に、ビニール等で包む事です。
) 接合面が剥がれる方向に土を伸ばさない様にして、形造りします。
板状の土を型に押し当てて作品を作る場合でも、型の外側を使うより、内側を使った方が、
より安全です。即ち、型の外側を使う事は土が伸び易くなります。逆に内側を使う事は、
土を圧縮しながら形を造る事になりますので、剥がれる危険は少ないです。
4) 化粧土を素地に塗るのも、土と土との接着と見なす事も出来ます。
以下次回に続きます。
性質の異なる土同士を接着するのは、「剥がれや割れ、ひび」等の問題が発生する事が多いです。
① 土にはその土特有の性質があります。
例えば、腰の強い土や弱い土、成形し易い土とし難い土、轆轤挽きに適する土と適さない土、
赤土など色の付いた土と、白い土(顔料を添加して色土が作り易いです)、粒子の粗い物と
細かい物、水分を吸収し易い土、乾燥の早い土と遅い土、軽い土と重たい土、乾燥時の収縮率の
大小、焼成(耐火)温度が高い土と低い土、焼き締まり易い土と、焼き締り難い土、などなど、
数え上げればキリがありません。多くの場合その性質を最良の形で引き出す方法で、作品を制作
します。
② 土同士を接着して模様を着ける方法には、鳴海(なるみ)織部や市松模様に代表される練り込
みがあります。これらは、土の色の違いによる装飾方法です。
) 無難な方法は、同じ粘土を使い、一方に鉄や銅、コバルトなどの金属の顔料を混ぜて
色土を作ります。二色以上の色土を使う方法もあります。同じ土であれば、収縮率などの
差が無い為、「ひびや割れ」が起き難い為です。
) 又、同じ産地の色違いの土を使う場合があります。
顔料を入れた色土は、人工的でやや不自然な感じがします。そこで自然の色土を使うと、
違和感の無い調和の取れた色使いになります。その際、同じ産地の土を使えば類似した
性質になりますので、「ひびや割れ」の危険も少なくなります。例えば信楽の白土と赤土
などです。他にも、同じ産地だありながら、色の違いのある土も意外と多いです。
) 鳴海織部は板状にした白土と赤土を、平面で繋ぎ合わせてから作品に形造ります。
形造る際には、型などを使う事がありますので、さほど難しくはありませんが、土同士を
繋ぎ合わせる際、注意が必要です。
a) 接着面の広さが広い程、機械的強度が強くなります。広さとは長さと厚みです。
即ち細かい模様の程、接着面は小さくなります。例えば「矢羽文」や「鶉(うずら)文」
などの練り込み模様では、細かい文様になります。
又、接着面が直線より曲線の方が、より多くの糊代(のりしろ)が取れますので、しっか
り接着できます。
b) 接着面には「ドベ又は水」を使って接着します。
一般に「ドベ」を使う時には、接着面に細かい刻みを着けますが、練り込み等では刻みを
付ける事が出来ません。即ち刻みを付けると、異なる色の境に小さな傷が出来、表面まで
浮かび上がる為、シャープな境目がでません。尚「ドベ」は素地の色又は色土の色のどち
らかに統一して使います。見た目以上に「ドベ」が幅広に見える場合もあります。
c) 接合面の強さは、両側からからの押し圧の強さに掛ります。
市松模様の際、色土のブロックを交互に積み上げてから、板状にスライスします。
接合面に刷毛で水を引いってから、ブロックを重ね合わせます。
接合面をより強固に密着させる為には、ブロックの状態で板などで叩き締めたり、万力
等でしっかり締めます。
d) 接着した状態で、数日寝かせると、より強固に接着できます。
その際、全体が乾燥しない様に、ビニール等で包む事です。
) 接合面が剥がれる方向に土を伸ばさない様にして、形造りします。
板状の土を型に押し当てて作品を作る場合でも、型の外側を使うより、内側を使った方が、
より安全です。即ち、型の外側を使う事は土が伸び易くなります。逆に内側を使う事は、
土を圧縮しながら形を造る事になりますので、剥がれる危険は少ないです。
4) 化粧土を素地に塗るのも、土と土との接着と見なす事も出来ます。
以下次回に続きます。