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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

失敗と対策 (素焼)

2008-07-27 20:22:18 | 失敗と対策
 素焼の失敗は、前に述べた様に、乾燥不十分の作品を、急な温度上昇で、爆発を

 起こす事です。

  200℃位までは或る程度急な温度上昇しても、問題有りません。

  230℃~330℃の間は特に注意が必要で、ゆっくり上昇させます。

  ここで注意する事は、温度計がどの位置を、計っているかと言う事です。

  (勿論、窯の大きさ、扉の開閉状態、窯詰めの違いなどに拠って違いますが、

   一般的な倒炎式の場合)

  窯の上部を計っている場合、300℃でも、下部では200℃の事が有ります

  低い温度の時は、窯の中の温度差は大きくなります。

  即ち、窯の中の一番低い場所が、上記温度範囲内に収まる様にします。

 1) 次に重要な事は、素焼の時間です。

   陶芸の本など見ますと、6~8時間となっている物が多いです。

   (私見ですが、こんなに時間を掛ける必要は、有りません。)

    勿論、窯の構造、大きさ、燃料の違い、作品の数、土の種類に拠って違い

    は有りますが、6~8時間は、安全を見込み過ぎです。

    (但しこれは、市販の窯の場合で、登り窯の様な薪を使う窯は除く)

   イ) 参考までに、小生の手作のプロパンガス窯 (自然供給)

    (内容積約0.33立 米、棚板33cm角4枚敷き、バーナー数6本)

    では、4時間で炊き上げます。今まで150回以上経験していますが、

    「焼成時間が短くて、素焼が不十分である。」と言う事は有りません。

   ロ) 焼成時間が短い事は、省エネとなり、経済的です。

   ハ) 更に560℃前後で、結晶水が抜け、土が膨張変化するので、この温

     度周辺は、慎重に昇温する様にと言われ、本などにもしばしば書かれて

     います。しかし私の経験では、この温度を気にする事無く、どんどん

     昇温しても、なんら問題有りません。

   ニ) 尚、市販されている窯で、素焼を2時間で焼成可能な物も有ります。

     実際に使っている人に、話を聞いた事がありますが、この時間で焼成し

     ても、なんら問題も生じないとの事です。

     (但し、作品の乾燥には、気を使うとの事です。)

    ・ 素焼の適正な時間は、色々な条件で変わりますが、意外と短くても

      良いのではないかと、思います。

    ・ 窯も年々改良され、熱を上手に閉じ込める事が出来様になり、旧来の

      経験値に囚われず、色々試してください。
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失敗と対策(素焼の窯詰め))

2008-07-26 23:35:55 | 失敗と対策
 素焼の窯詰めは、本焼きの窯詰めより、ラフで容易です。

 1) 素焼する物と、素焼しない(出来ない)物を選別する。

   窯詰めに適さない物。

  イ) 十分乾燥していない作品。

    この様な作品は素焼すると、温度上昇に伴い、多量の水蒸気が発生し、

    表面よりの蒸発が間に合わず、内部に水蒸気が溜まり、爆発します。

    その威力は大きく、作品を粉々にし、飛び散った破片が、隣の作品に当た

    り、壊します。

  ロ) 「割れ」「ひび」が入った作品

    十分乾燥した作品で『割れ」「ひび」が入った物は、素焼でこれ以上広が

    りませんが、本焼きでは確実に大きくなります。

    それ故、この段階で壊し、土を水に漬け、元に戻し最利用します。

 2) 窯詰め

   イ) 作品は重ねて窯詰め出来ます。

     釉薬が掛かっていませんから、作品を重ねて窯詰め出来ます。 但し、
   
    ・ 不安定な重ね方はしない事。 (作品が崩れる危険性が無い事。)

    ・ 重量の有る物を、上に載せない事。 (下の作品が割れます。)
    
    ・ 上の作品を下の作品の口縁で受けない事。(割れ、ひびが入り易い)

    ・ 燃料を使う窯では、「スス」が出ます。皿など絵付する物は、絵付け

      面が「スス」で汚れると、絵を付けた時の感じが、解かりません。

   ロ) 作品を縦に置き、「割れ」「ひび」を防ぐ。

     大皿などの作品や、平たい大きな作品は、そのまま窯詰めするより、

     立てて壷などに、寄り掛かる用に置くと、「割れ」「ひび」が防げます。

   ハ) 作品を詰め込み過ぎない事。 (棚板間の隙間も空ける。)

     素焼は、本焼きの2~3倍の量を、詰め込む事が可能です。

     又、焼成温度も一般に、700℃~800℃と言われています。

     それ故、窯の内部の温度差も、大きくて良い焼き方になります。

      しかし、作品を詰め込み過ぎると、火(熱)の廻りが悪く、100℃の

     範囲内に入らない恐れもあります。作品間は適度の隙間を作り、温度の

     偏りを、少なくします。

     尚 同じ土でも、素焼の温度に拠って、色に差が出ます、又、作品に

      「スス」が残っていても、いずれも何ら問題ありません。

     本焼きすれば「土の色の差」も「スス」も無くなります。
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失敗と対策 (乾燥)

2008-07-25 18:10:08 | 失敗と対策
 作品が出来上がると、素焼する為に、十分乾燥させる必要が有ります。

 乾燥時の失敗を述べたいと思います。

 1) 作品の保管時(場所)に付いて。

  イ) 作品が次々に出来上がると、作品の置き場に苦労します。

    勿論、広い場所が確保出来るスペースが有れば、問題有りませんが、一般

    には、中々そのスペース取るのが困難です。

   ・ 棚などに置く場合が多いのですが、強い地震等で、作品が棚から落ち、

    壊れる恐れが有ります。

   ・ 棚板を固定せず、棚板の両端に、輪っか状の紐を通し、梁などに引っ掛

    け、「ブランコ」の様に揺れる構造にして置けば、地震に対して安全です。

   ・ ろくろ作業場の天井部等に、そのスペースが有れば、有効に使えます。

  ロ) 作品同士を「ぶつけて」 壊さない事。

   ・ 作品を一度置いた場所から、他の場所に移動する必要も、度々あります

     狭い場所での作業では、思わず隣の作品に「ぶつけて」作品の一部を欠
  
     いてしまいがちです。十分注意が必要です。

   ・ 丸皿や、板皿の様な平たい作品は、意外と場所を取ります。

     この場合、或る程度乾燥したら、紙などで包み、重ねて立て掛けると、

     場所を取りません。(乾燥不十分だと、変形の恐れが有ります。)
    
  ハ) 作品を持つ時の注意

     乾燥してくると、粘土は脆くなります。

   ・ 取っ手の付いた作品(手鉢、コーヒーカップなど)は、取っ手の部分は

     出来るだけ持たない事です。どうしても持つ必要が有る場合には、底に

     手を添えてください。

   ・ 深めの鉢や、飯茶碗などの作品は、口縁部を「つまむ」様に持たない事

     です。その部分が割れる恐れが有ります。

  ニ) 作品を一時的に窯に入れる。

     一番安全な方法は、本焼きが終わった窯に、一時的に作品を詰めて置く

     事です。割合多くの作品を、置く事ができます。

 2)作品乾燥時の注意

   作品は完全に乾燥してから、素焼をします。

   ・ 出きれば、窯詰め前に、天日干しする事を勧めます。

     夏など急な、夕立などで雨に濡れると、作品が溶けます。

     特に外出には、十分ご注意ください。

   ・ 素焼は、乾燥の遅い作品(最後に作った作品)を基準にします。

     肉厚な作品は、表面が白く乾いていても、内部まで乾燥しているとは、

     限りません。 早急に乾燥させる方法も有りますが、不安が有る場合は

     次回の素焼にまわしてください。

     
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失敗と対策 (化粧掛け)

2008-07-24 23:01:27 | 失敗と対策
 化粧掛けは、元々赤土などで作陶した作品の焼き上がりに、黒や茶色の色が付く

 のを、綺麗に見せる為に、表面を白い土で覆う作業です。

  現在では、むしろ装飾性が強い作業です。

  (地の色と、化粧土の色の対比が、見所です。)

 化粧掛けは、前述の様に、一般に色の付いた土の上に、白化粧を施しますが、

 その他に、地が白い土の上に、黒、グレー、黄色、紫、青、緑など好みの化粧土

 を塗る場合も有ります。

 (地の土や白絵土に、練り込み用の顔料を入れて、化粧土を作ります。)

  ・ 化粧土を塗る方法は、刷毛目と粉引きが有ります。

  ・ 掻き落とし・・・化粧掛けの後、部分的に模様を描き、その模様の外側、

     又は、内側を「彫刻刀」や「カンナ」を用いて、削り取ります。

     そして、地の色と化粧土の色の差で、模様を浮き上がらせます。

  ・ 刷毛目、粉引き共、地の土との相性で、「剥がれ」の問題が発生します。

     (粉引きの場合が特に剥がれ易いです)

 1) 刷毛目(ハケ目)

   底削りの終わった作品の、内、外又は両方に刷毛を使い、化粧土を塗ります

   ・ 化粧土の濃度は、水の量で調節します。又やや乾いた作品に、塗ります

     ので、線は延びません。C M C(化学糊)等を入れて、刷毛が滑る様に

     します。

   ・ 二色以上の化粧土を使う場合、下の化粧土が乾いてから、更に上を塗り

     ます。二色が混ざった色の効果を出すには、濡れた状態で塗ります。

   ・ 刷毛で塗ると、必ず刷毛の通った痕が残ります。

   ・ 一般に化粧土が薄く掛かる為、地の土の色が見えます。

  2) 粉引き

    底削りの終わった作品を、やや濃い目の化粧土の入った容器に、漬けて塗

    ります。又流し掛けで塗ります。 (素焼後に塗る方法もあります。)

   ・ 刷毛目よりは、化粧土が厚く掛かります。

     それ故、地の土の色を完全に隠します。刷毛の痕は残りません。

   ・ 墨流し・・・二種類以上の化粧土を、皿などに柄杓で流し込み、急いで

     強く動かし、化粧土を混ぜ合わせて、マーブル状の模様を作ります。

 3) 化粧土の剥がれ

   剥がれは、地の土と、化粧土の乾燥時、又は本焼き時の収縮率の差、拠って

   起こります。

   イ) 化粧土の縮みが大きい場合

     化粧土に「ひび」が入る様にして、剥がれる。

    対策  収縮し難いカオリンや、蝋石(ロウセキ)、珪石を10~20%

       加えます。

   ロ) 化粧土の縮みが小さい場合

     乾燥後、やや大きい面積の化粧土が、剥がれ落ちたり、浮き上がる。

    対策 木節粘土や蛙目粘土、磁器土、赤土など粘土類を加える。

   ハ) 化粧土を厚く(濃く)掛けると剥がれ易くなります。

   ニ) 化粧掛けのタイミングも、問題です。

      即ち作品の乾燥が進み過ぎると、収縮差は大きくなり、且つ濃度も

      濃くなります。

 4) 作品が溶けて壊れる。

   化粧土を掛けるタイミングが合わないと、作品が化粧土の水分を多量に吸い

   溶けて、形が壊れます。特に粉引きの場合に起こります。

   即ち、作品の乾燥度が進むと、化粧土の水分を多く吸い込みます。

    逆に乾燥度が甘いと、化粧土の重みや水分で、形が崩れます。

  対策 結局、化粧土の調合と、タイミングを思考錯誤で見つける事に成ります。

    

     
   

  
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失敗と対策 (削り作業)

2008-07-22 23:51:06 | 失敗と対策
 1) 底を削る

 底削りでの失敗は、片削り、削り過ぎ(孔が開)、削り不足(作品が重い)など

 が有ります。

  イ)片削り・・作品が均等に削れず、片側が多く削れる現象です。

    原因・・電動ろくろで作陶した物は、一般に電動ろくろ上で削ります。

     ・ 作品がろくろの中心に置いていない。

     ・ 中心に置く事は、初中級者には中々難しい作業です。

     ・ 口縁が歪んでいたり、シッタを使う(口縁が小さい、細い)場合や

       変形した作品は特に難しいです。

     ・ カンナを持つ手が、しっかり位置が固定されていない。

       (輪高台が、三日月高台になってしまう等)

    対策・・ろくろの中心に置くように、練習する事ですが、自分で良しと

      思っても、実際は狂っている事が多いものです。

     ・ 先生や指導者がいる場合、確認をしてもらう。

     ・ 中心に置くとは、削りたい場所が中心に有ると言う事です。

      即ち底を削る場合は、底から1cm位の所が、ろくろの中心に有る事で

      口縁は中心に有る必要は有りません。

   ロ) 削り過ぎ(孔が開く)

    削り過ぎると肉がどんどん薄くなり、孔が開いてしまいます。

    特に、高台の付け根は、高台を高くしようとして、削り過ぎて孔が開く

    事が多いです。

    又、片削りも孔が開く原因になります。

    対策

    ・ 削り出す前に、削る部分の肉厚を測って置く。

    ・ 肉の厚みは、指で弾いた音で判断出来ますが、慣れ無いと難しいです

    ・ 高台を高く見せる方法で、削りを少なくする。

      高台付け根から、高台脇に掛けれ斜めに削り、使用時の目の位置から

      は、高台を高く見せる。

  ハ) 削り不足(作品が重い)

   削り作業で多い現象です。(削り過ぎより不足の方が、圧倒的に多い)

   対策

    ・ 高台だけでなく、高台脇から腰の部分も削ります。

      高台、高台脇、腰と連続して削って下さい。この一連の削りを数回、

      繰り返します。 高台削りを終わらせから、高台脇を削ると言う方法

      は、取らない事。

    ・ 高台の内側も削り不足に、なり易いです。

      内側の底の形状に拠って、高台内の削る形も変わります。

      (ただ平らに削るだけでは、いけません)

    ・ 高台の径が大きすぎる、肉厚になりがちです。

      一般に高台径は、口縁の径の1/2 ~ 1/3程度です。

      

    
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失敗と対策(底割れ、剥がれ)

2008-07-20 22:43:40 | 失敗と対策
 2) 削り前の乾燥時の壊れ の続きを述べます。

  イ) 底割れ

   作品が乾燥し、削り頃に成り底を逆さに置くと、底の周囲に放射状のひび割

   れや、底の中央に筋状のひびが入ている事があります。

  ① 前者は、糸切りの際、底の角部を直角にした為(場合に拠っては、鋭角に

   なっている事も有ります)、肉の薄い角部の乾燥が、急激に進み、中心に向

   かって数本の「ひび」が入ります。

  ・ 対策は、糸を入れる前に、「竹べら」で底面角部を、45度程度の角度で

   3~5mm切り取ります(角部の肉を薄くしない)

  ・ 乾燥をゆっくりすれば、ある程度防げます。

  尚 この様に『ひび』が入った場合、底削りの際、削り取るのが理想的です。

   即ち高台の径を、やや小さくし、完全に「ひび」の部分を削り取ります。

   ・ 完全に削り取れない場合、残った「ひび」の周囲の土を、指や「へら」

    などで、「ひび」方向に移動させ、「ひび」部分を圧着させます。

    (土や「ドベ」等でひびを埋めても、上手くいきません)

  ② 底中央に筋状に「ひび」が入った原因は、糸切り前に、作品の内側底部の

    水が溜まっていた為か、底が極端に肉厚の為です。

    何れの場合にも、底面だけでなく、乾燥が進むと、内側底部にも「ひび」

    が入り、完全に「割れ目」が出来る事さえあります。

  ・ 対策は、作品内部に水を残さない様に、スポンジ等で吸い取ります。

  ・ 高台を高くしようと、底の肉を厚くするのは、余りお勧めしません。

    付け高台の方法を、お勧めします。

    (高台を別に作って、後からつける。又は底を削った後、その中央に土を

     載せ、ろくろ挽きして高台を作る方法です。)

  ロ) 剥がれ

    一般に作品に付属品を取り付ける際、底削り後に取り付ける場合が多い

    (コーヒーカップの取っ手など)物ですが、場合によっては、底削り前に

    (ある程度乾燥後)取り付ける場合が有ります。

    (底削り後より、両者の乾燥の差が少ない為、剥がれずらい)

    しかしながら、乾燥するに従い、本体と付属品が剥がれる場合があります。
 
    ・ 対策 面積の広い付属品(装飾的に葉の形を貼り付ける等)を付ける

      とより剥がれ易いので、なるべく面積を狭くする。

    ・ 両方とも軟らかい(十分乾燥していない)ので、取り付け(貼り付け)

     が不安定になりがちで、取り付けた重みで変形や、「剥がれ」を起こす

     場合があります。
   
    ・ 空気が入ると、剥がれ易いので、中心から周辺に押し付ける様に、

      貼り付けます。

    ・ 『剥がれ」は、取り付け部の外側周辺から、始まり段々広がります。

      それ故、周辺部を「しっかり」接着して下さい。


    尚 底削り後の接着部(又は化粧土)の剥がれ、については、後で述べます。
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失敗と対策 (作品が壊れる 4)

2008-07-18 23:45:32 | 失敗と対策
 2)削り前の乾燥時の壊れ。

  乾燥時の壊れには、歪む(ゆがむ)、底にひびが入る、剥がれる。等の壊れが

  発生します。

  イ) 作品が歪む。

    勿論 制作途中でも、作品の歪みは、発生します。

    ここでは、作品を挽き上げた後の、取上げ時に原因がある場合と、

    乾燥時の乾燥の仕方に、歪みの原因がある場合の、対策をのべます。

   ① 作品取り上げ時による『歪み」

     a ) 糸切りの際、糸が水平に切れていない場合、作品を取上げた際

      作品は確実に傾きます。このまま乾燥すると、更に傾く事となります

     ・底の肉厚が十分厚ければ、底削りで修正できますが、なるべく糸を

       水平に入れてください。

     b ) 糸切り後、取り板に置いた時、底の面積が広いと、口縁の高さ

     に差がでます。(歪みます)

      ・ 口が細い(小さい)場合には、余り影響が有りませんが、皿など

       径の大きい作品は、出来るだけ、底の面積を小さくし予防します。

     c ) 歪まずに作品を、挽き上げても、糸切り後、ろくろより取上げる

       際、作品が歪む事が多いです。勿論取上げ後に、腰の部分で補正

       したとしても、乾燥時に「歪み」が発生します。(粘土の記憶性)

      ・ これを防ぐには、作品の口縁が、ある程度乾燥してから取上げる

       か、一個一個亀板の上で作り、亀板ごと取上げます。 

    ② 作品の『歪み」は、主に作品の部分的な、収縮の差に拠り起こります

     作品は、「ろくろ挽き」の直後から、急激に乾燥収縮します。

     収縮の差は、幾つかの理由に拠って発生します。
  
     c )  均一に乾燥していない為。

       片方のみ急激に乾燥すると、その方向に土は引っ張られ、歪みます

       ・ 均一に乾燥させる為、回転させなが乾燥させる。

        又は、濡れ手拭いで、作品全体を包み、ゆっくり乾燥させます。
 
      d ) 肉厚に差がある為。

        作品の肉厚が、場所によって差がある場合、肉厚の部分の、

         乾きが遅く、周りの土が引っ張って、形が変形します。

      e ) 一方に重みが掛かる為。

        コヒーカップの取っ手の様に、作品の一方に重みが掛かる場合、

        本体が十分乾燥していないと、円が楕円になりがちせす。

       ・ ある程度乾燥させてから、取り付けるか、

       ・ 取っ手の下部を、粘土などで支えるか、

       ・ 作品全体を逆さに置くか、で予防します。

         (作品に掛かる力が、口では無く、底になる為)
      
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失敗と対策 (作品が壊れる 3)

2008-07-17 23:15:49 | 失敗と対策
 1) 作品制作途中の壊れ、の続きを述べます。

  ホ) 作品が「へたる」

   作品が「へたる」とは、高台脇を急に、張り出した場合、高台脇が下に落ち

   底面に接する現象を言います。又作品が「座る」とも言います。

   ・ 特に大皿の場合に多く見られる現象ですが、一般の食器や、壷などの袋

    物にも見られる現象です。

  原因と対策

  ① 高台脇を急に張り出した結果、それより上の土の重みに、耐えかねて、

   下に落ちてしまいます。

    高台脇を、急に張り出さない様にするのが、一番ですが、デザイン上どう

   しても、張り出す形にしたい場合には、

    イ) 削りに拠って、高台脇を張り出した形にする。

     即ち、底の部分を広く取り、内側の底の広さを、やや狭く作ります。

     当然 高台脇は肉厚になります。この肉を削り取り、形を仕上げます。

     (高台の径を小さくする)

      ・特に、大皿の様な径が大きく、高さの低い作品は、この様に作る

       事をお勧めします。

   ロ) 高台脇の張り出しの作業は、なるべく最後に行う。

    袋物と呼ばれる物で、特に「下膨れ」の形の物は、形を作る際、下から

    形作るのでは無く、中、上と作り、最後に下を張り出して、終わりにしま

    す。(上が細く、手が入らない時は、「柄コテ」を使います。)

    ・ 下を張り出したら、直ぐに作業を終わりにして下さい。

     時間が掛かり過ぎると、「へたり」ます。

   ハ) なるべく、硬い粘土を使う。

     「へたる」原因の一つに、土が水を吸い腰が弱くなってしまった事が、

     上げられます。

     ・ それ故、硬い粘土を使い、少々時間が掛かっても、水をすって

      「へたる」事の無い様にします。

     ・ 又、時間を掛けずに、スピーディーに仕上げる事で、「へたり」を

      防ぐ事が出来ます。

②  「へたった」作品は、思い切って最初から、作り直すか、「へたった」

    部分を、ドライヤー(温風弱)で五分程乾燥させた後、下からすくい上げ

    る様にして、持ち上げます。

    (注意点は、表面が乾いていますので、指の滑りが悪く、作品に指を引っ

    掛け無い様にして下さい。)

    ・ 尚 下に落ちた(座った)部分を、直そうと、何時までも作品を、

     手で触っていると、逆にどんどん落ちていぃます。

     一部でも落ちてきたら、速めに乾燥させ、土に強度を持たせてください
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失敗と対策 (作品が壊れる 2)

2008-07-16 22:42:49 | 失敗と対策
 前回の続きを述べます。

 1) 作品制作中の壊れ。

  ハ) 口縁が割れる。

    ① 口縁が極端に薄い、部分的に一箇所が薄い場合に、更に口を大きくし

      ようと、径を広げた場合に、割れが発生する。

     ・ 口縁は、本体の厚みより、やや厚く作ります。又薄い時は、親指、

      人差し指、中指の3点で作品の、外、上、内側を押さえ、口縁を厚く

      してから、径を大きくします。

    ② 口縁の近辺に異物が入っていたり、粗目の土で「ハゼ石」ガ、口の近

      辺にある場合など、口縁が割れます。

      ・ 大皿の様に極端に、径を大きくする作り方では、粗目の土を使う

       のを、控えた方が良いでしょう。

      ・ 径を最初から大きく取り、土を横に拡げる量を、少なくする方法
  
       を取る様にします。

     ③ 高さを揃えようと、弓などで切った時、失敗した場合

      ・ 失敗の理由は、作品の口の肉厚が薄い、又は、弓の糸が太いなど

       で、作品の切る部分に、「よれ」がある場合です。

      ④ 口縁が「割れた」場合の対策。

      ・ 口の周りに異物、「はぜ石」等がある時は、その物を取り除く。

      ・ 同じ種類の粘土を、紐状にし更に潰して板状にします。

        これを「コの字」状にして、割れ目の内、外、上に挟み込みます

        指で撫ぜ、凸凹を少なくします。(空気が入らない様注意)

        後は、ろくろを回転させながら、やや押さえ仕上げます。

  ニ) 作品の途中が「千切れ」る。

    ① 作品の直径を大きくすると、「割れ」が出ますが、逆に径を小さく

      すると、作品の途中で「千切れ」る場合があります。

     ・ 肉厚の場合は、容易な作業も、肉の薄い部分の径を、細くする事は

       難しい事です。

     ・ 肉が薄い部分は、外から力を加えても、肉厚には成りずらく、無理

       に細くしようとすると、『よれ」が出たり、逆に肉が薄くなる事が

       有ります。その結果「千切れ」る事と成ります。

    ② 土殺しの際の「千切れ」

     ・ 土殺しの、延べ上げの際、土が「千切れる」場合が有ります。

       これは、「水切れ」による手の滑り不足、手がその位置で停止状態
     
       になっている為、その部分が段々細くなって『千切れ」ます。

     ・ 力を入れる強さに問題がある。

       一般に土殺しをする土は、下部が太く、上部が細くなっています。

       それ故、下部では力強く、上に行くに従い、力を弱めないと、

       「ネジ切れ」、「千切れ」が起こります。



       

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失敗と対策 (作品が壊れる 1)

2008-07-15 22:49:59 | 失敗と対策
今回は、「作品が壊れる」 失敗について、述べたいと思います。

 作品又は、作品制作中にも、色々な理由に拠って作品が壊れます。

 1) 作品制作途中の壊れ (孔が明く、口縁が切れる、千切れる,へたる等)

 2) 削り前の乾燥時の壊れ (歪む、底にひび、剥がれ等)

 3) 削り~素焼前までの壊れ (白化粧で壊れる、作品が溶ける等)

 4) 素焼~本焼きまでの壊れ (水蒸気爆発、施釉の際の壊れ等)

 5) 本焼き窯出しまでの壊れ (冷め割れ、釉薬が棚板にくっ付く等)

 6) 作品を使用中の壊れ (ぶつける、落として壊れる等)

以上 陶器は「壊れ物、割れ物」と言われる様に、全ての場面で壊れる危険性が

有ります。

  この中で主だった事項に付いて、述べてみたいと思います。

 1) 作品制作途中の壊れ。

  イ) 底に孔が明く。

   ① 土の中心に孔を堀進む場合、底を抜いてしまう場合が有ります。

    ・ 底の孔が狭い(小さい)場合には、周りの土を崩しながら、中心に

      移動させ、孔を塞ぎ、所定の肉厚にします。

    ・ 底の孔が広い(大きい)時は、別の丸めた粘土を、中心に落とし、

      指でなぜ、ろくろを回転させて、孔を塞ぎます。

     但し、元の土が水(ドベ)で濡れている場合には、その水をスポンジ等

      で拭き取ります。濡れたままだと、土同士は着きません。

   ② 「棒引き」の作品で、糸(シッピキ)で切り離した際、底を抜いてしま

     った場合。

     ・ 作品がまだろくろ上に、残っている時には、ろくろを回転させ、其

       の作品の底を押し付けて、切り口を消す事が出来ます。

       改めて、先ほどより下の位置に、糸を入れてください。

     ・ 作品をろくろから、取上げた後で、底抜けに気が付いた場合

       作品を若干乾かし、丸めた粘土を、内側の底に落とし、下に押し付

       けて付け、着けた境が、解からない様に指で仕上げます。

       反対側(底)にも繋ぎ目が出来ますので、指でなぜて綺麗にします。

   ロ) 作品の側面に、孔が明く場合

     土を上に延ばす際、壁の一部が薄くなり、孔が明いた場合や、荒目の

     土の中の「はぜ石」が抜け落ち、孔が明いた場合。「柄コテ」を使い、

     作品を膨らます際、何かの拍子で、壁に孔が明いた場合。

    ① 孔明きの補修の基本は、薄く延ばした同じ土を、内外から貼り付け 

      両方から力を加え、圧着させます。

      ・ この際、空気が入らない様に注意します。

      ・ 補修用の付ける土の量は、なるべく少なくして下さい。

      ・ ろくろをゆっくり回転させ、表面の凹凸を無くします。

    ② 袋物の様に、外側からのみ、補修が可能な場合には、片側のみでも

      かまいません。
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