わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

手捻り(てひねり) 8 板(タタラ)つくり3 模様を付ける

2018-07-30 17:47:01 | 手捻り陶芸
広い面積の板状にする事えで、平皿や立体的な箱状の作品の他、筒に巻きつけて、円形の

作品、又は型に押し付ける事で、轆轤作業や紐作りとは異なる作品群を、効率良く作る事が

できます。

2) タタラの表面に模様を施す。

 ① 布目による方法。木枠を使うタタラ作りの時に行います。

  (以上が前回までの話です。)

 ② 切糸を加工したり、切り口を変化させて、タタラに模様を付けます。

  この場合は、タタラ板で切る時に行います。

  切糸の素材の違いや、一寸した切糸の細工、又は切糸の動かし方の違いによって、

  タタラの切りは様々な表情を取ります。

  ⅰ) 切糸を細工する。

   切糸の素材にも色々あります。一般には強度のあるナイロン糸の水糸を利用する

   事が多いです。

   機械的強度があり、安価である事とホームセンターや100円ショップ等で、容易

   に入手可能為です。三本縒りになっていますので、用途に応じて縒りを解く事で異

   なる太さにする事がです。

   イ) 三本縒りですので、そのまま使っても切り口に細かい凹凸が出来ます。

     二本縒り、一本と成るに従い、凹凸は細かくなります。

   ロ) 糸に結び目を付けると結び目の跡が付きます。

    結び目はその部分が太くなりますので、より深い傷跡になります。又複数の結び

    目を任意の間隔で付ければ、それに応じて、その切り口も変化します。

   ハ) 数本の水糸を拠り合わせると、太くなりますが表面に深みのある凹凸を作る

    事ができます。

    拠り合わせ方法も組紐を作る要領で組み合わせると、一段と表情が強く表れます。

    金属製のワイヤーを利用する場合には、小回りは聞き難いですが、布やナイロン製

    の紐とは異なる模様になります。色々試す事をお勧めします。

  ⅱ) 切り糸を手前に引く際、両手を均一に引っ張らずに模様を付ける。

   当然裏表の両方に模様が付きます。好みの面を使う事になります。

   イ) 一方を固定し、他の一方のみを引くと丸みを帯びた線にする事も出来ます。

   ロ) 紐をジグザグに引っ張ると、ジグザグした直線の跡が付きます。

    紐の引く方法を工夫すると、思わぬ良い模様になる事も多いです。

3) 多数の色土を使い、独自の色模様のタタラを作る。

 色粘土は白い素地の土に、練り込み用の顔料を混入して作ると、収縮率がほぼ一定の為、

 割れやヒビが少なくなります。白い粘土を使う事でより鮮度の高い色に発色します。

 ⅰ) 簡単な方法は、ベースになるタタラの上に、色土を置いていく方法です。

  当然模様は表面にのみ現れます。

  その場合、上からローラー等で土を圧縮し表面を平滑にする為、ベースにめり込ませる

  様にしますので、なるべく薄い色土を使うと、模様の崩れは少なくなります。

 ⅱ) 裏表に同じ模様を出す場合。

  色土で市松模様の様なタタラを作る場合は、色土を市松状の並べた後上下左右より土を

  圧縮し接着を強くする必要があります。即ち色土の端面に水を付けて圧縮します。出来

  れば「ドベ」を使いたいのですが、境目からはみ出した「ドベ」が色土に乗り汚す恐れ

  がありますので、なるべく水で済ませる事です。更に接着する際には、端面に傷を付け

  る事が多いのですが、模様のにこの傷が出ますので、なるべく傷を付けない事です。

 ⅲ) 金太郎飴の様に同じ模様のタタラを多数作る。

  今巷(ちまた)では、太巻きの海苔巻きの作り方が話題に成っています。卵やキュウリ

  等の色鮮やかの野菜類を用いて、動物や人の顔などを表現する方法です。

  同じやり方で、色土で同じ模様を多数作る事ができます。その際できるだけ薄く切り出し

  た後、サンドイッチ状にして圧縮し、タタラの強度を増す必要があります。

  勿論丸である必要は無く四角や楕円その他不規則な模様でもかまいません。

  このタタラは作品の表面に貼り付けたりして装飾としても利用できます。
  

以下次回に続きます。
     
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手捻り(てひねり) 7 板(タタラ)つくり2 布目の模様

2018-07-18 11:05:41 | 手捻り陶芸
板状にした陶板(タタラとも言います)を用いて陶磁器の作品を作る事を板(タタラ)作り、

又は板起こしとも言います。

広い面積の板状にする事えで、平皿や立体的な箱状の作品の他、筒に巻きつけて、円形の作品

又は型に押し付ける事で、轆轤作業や紐作りとは異なる作品群を、効率良く作る事ができます

1) タタラを作る。

 ② タタラを作る。

  ⅰ) タタラ板を使う場合。(以上が前回までの話です。)

  ⅱ) 木枠を使う場合。

   e) タタラの作り方は以下の通りです。

    イ) 粘土が木枠や叩き板、延ばし棒に張り付かない様に、木枠と粘土の間に無地の

     布を入れます。布を水で濡らし木枠に貼付く程度のやや緩く絞り、使用する木枠の

     内側に敷きます。出来れば布は、上下から粘土を挟む形になりますので、布の半分

     程を使います。その際、皺が寄らない様にします。皺が有ると皺がそのままタタラ

     上に現れます。

    ロ) よく練った粘土を木枠内に置き、拳(こぶし)で叩き広げます。

     注意点は、延ばす事も大事ですが、上から叩き締める様にする事です。

     又叩き過ぎて枠の高さより低くしない事で、若干高い程度が理想的です。

     叩き延ばす際、予定に近い形になる様にすると、無駄な部分が少なくなります。

    ハ) 布を上から被せるてから、叩き板で上から満遍なく強く叩き、土を締め割れ

     が出ない様にします。粘土の端の部分が叩き不足に成り易いですので注意。

    ニ) 延ばし棒を使い布の上から粘土を延ばします。延ばす方向は左右方向、上下

     方向と隅方向です。面積の広いタタラの場合、中央から外側へと棒を転がし延

     ばしす。手前に引く様にすると力が入りませんので、押す方向で延ばします。

     少なくとも同じ場所を二度程度延ばして下さい。

    ホ) 粘土の量が多い場合、木枠からはみ出す事があります。その際には、枠の内

     側5mm程度の粘土を針で切り取ります。その後更に四方に土を延ばします。

     木枠上に粘土が残ると、枠の高さが所定の寸法より高くなる為、所定のタタラの

     厚み様様により厚くなります。又、延ばし棒の一端が木枠から落ちてしまうと、

     その部分が薄くなりますので、落ちない様に気を付けます。尚、面積が大きいと

     かなりの力仕事になりますので、棒に全体重を掛ける様にし、所定の面積まで延

     ばします。

    ヘ) 棒で延ばすと転がった跡が残ります。これをロール目とよびます。

     これを消すには、棒を転がさずに粘土の上を、上下左右方向に滑らせます。

    ト) 上の布を取り除き、平らな板を上に被せ、木枠ごと上下をひっくり返します。

     布を押さえ木枠を取り除き、更に上に載った布を取り除きます。 裏表どちらの

     面が綺麗かどうか確認し、綺麗な面を上又は外側として使います。

    チ) 板に必要な粘土の量は肉厚と必ずしも比例しません。

     肉厚が厚くなるに従い、締まる量も多くなりますので、粘土の量も多くなります。

     例えばタタラの厚みが5mmと10mmでは、単に2倍に成るのではなく、2.5

     倍になる場合もあります。

 2) タタラの表面に模様を施す。

  模様の施し方には、多くのやり方が有りますが、一般に行われている方法は、布目と糸切

  による方法です。これらは作品を形作る前に行うのが普通です。

 ① 布目による方法。木枠を使うタタラ作りの時に行います。

  一般には、無地の布を被せて、ローラーを掛けて平らに延ばします。しかし表面に模様を

  漬けたり、凹凸を付ける際に特有の布を使うと、容易に模様を付ける事が出来ます。

  特有の布とは、蚊帳(かや)、タオル、麻、網目模様(網目の種類は多いです)の布、

  その他レース(カーテン等)、凹凸のある布等、身近な布が利用できます。

  どの様な模様になるか、試してから本番に入ります。一般には、布を全体に広げてから

  延ばしますが、あえて途中を折り返したり、皺を作ったりすると、変化のある布目を作る

  事もできます。

  尚、布目を付けたタタラから皿等を作る場合、切り口(端面)に布目が付きません。

  端面にも布目を付けたい時には、所定の形にしてから布目を付けます。その際布を端面に

  押し付けます。

 ② 切糸を加工したり、切り口を変化させて、タタラに模様を付けます。   

以下次回に続きます。
     
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手捻り(てひねり) 6 板(タタラ)つくり1 タタラを作る

2018-07-10 16:05:57 | 手捻り陶芸
板状にした陶板(タタラとも言います)を用いて陶磁器の作品を作る事を板(タタラ)作り、

又は板起こしと言います。

広い面積の板状にする事えで、平皿や立体的な箱状の作品の他、筒に巻きつけて、円形の作品

又は型に押し付ける事で、轆轤作業や紐作りとは異なる作品群を、効率良く作る事ができます

1) タタラを作る。

 直径の小さな円板などは、丸めた粘土を両手の掌で挟み、叩いで作る事も可能ですが、100

 平方cm以上の場合には、タタラ板を使ったり、そば打ちの要領で土を延ばして作ります。

 広い面積が作れるタタラ製造機も市販されていますが高価ですので、自作で簡単な用具と叩

 き板を用いて作る事をお勧めします。タタラを作るには、ブロック状の粘土から、複数の

 タタラ板をべ(積み上げ)切糸で薄く切り取る方法と、一定の深さのある木枠に粘土を押し

 込めて叩き締め麺棒状のローラーで薄く伸ばす方法があります。

 ① タタラの厚み。

  ⅰ) タタラ板を使う方法。

   同じ形で同じ厚みのタタラを複数個作るのに便利な方法でうす。陶芸の技術書に載って

   いる極く一般的(初歩的)な方法です。タタラ板の厚みと枚数によって厚みが決ります

   市販されているタタラ板(10枚一組)には、塩ビ製と木製があります。塩ビ製では、

   厚さが1,3,5mmで木製では3,5,7mm程度の物が多いです。勿論自作する事も可能です

  ⅱ) 木枠を使う場合、任意の深さのある木枠を使います。

   薄い陶板ならば、3mm程度でも良いのですが、作品にするには5mm以上が理想です

   出来れば、6,7,8,10,12mm 程度が作れれば十分です。特に5,8,10が良く使われる

   厚みです。勿論その厚み専用の木枠になります。

 ② タタラを作る。

  ⅰ) タタラ板を使う場合。

   a) 必要な量の素地(粘土)をブロック(塊)状にします。その際、おおよそで良い

    のですが、作りたい形にします。例えば、作りたい物に合わせて、正方形、長方形、

    三角形、木の葉形、不定形などです。タタラは土の締り具合が弱く、制作途中や乾燥

    時に「ひびや割れ」が出易いですのでテーブルに叩き付けたり、叩板や棒を用いて、

    四方上下から強く土を叩き締めます。

   b) タタラ板をブロックの左右両側に、同じ高さに積み重ねます。

    例えば厚み5mmのタタラを5枚作りたいのであれば、5mmの厚みのタタラ板を

    5~6枚重ね合わせ、左右両側に積み重ねます。一番上と一番下のタタラは表面が

    凸凹している場合が多いですので、使わない事もある為、その分タタラ板を多く

    積みます。

   c) 切糸でブロックをスライスする。

    ブロックの向こう側から左右に切り糸をピンと張り、両手の人差し指又は親指を

    タタラ上に載せ、左右同じ力で、タタラ上を滑らしながら糸を手前に引き、

    スライスします。ブロックの縦横の長さが異なる場合、切糸が短くなる様に切ると

    厚みが一定に成り易いです。

   d) 最上段の一枚をブロックから取り除き、平らな板に取ります。

    この際、丁寧に取り扱い、指跡などは出来るだけ残さない様にします。

   e) 両側のタタラ板を取り除き、同様にして2枚目・・5枚目と切り出します。

    切り取ったタタラは一枚一枚平らな板に載せます。重ねない事です。

   f) 切り取ったタタラは必ずしも綺麗ではありません。

    表面をゴムヘラやコテ、なめし皮などで綺麗にする事もあります。

  ⅱ) 木枠を使う場合

    タタラ板を使う時より、より広い面積のタタラを作る事が出来る方法です。

   a) 木枠を作る。(木枠が市販されていると言う情報はありません。)

    土台となる厚め板(出来れば8~10mm程度)の四辺に必要な厚みの桟(さん)

    状の角材を取り付け(接着)ます。桟は幅10mm程度で、高さは必要なタタラと同

    じ厚み、長さは土台の板の1辺と同じです。尚、この桟状の角材は、ホーム

    センター等で入手できます。

   b) 叩き板を用意する。

    柄の付いた砧あ(きぬた)型で、打ち付ける面は平らにします。なるべく重量が

    ある方が使い易く、土も良く締ります。

   c) 延ばし棒を用意する。

    麺棒の様に又はそれ以上に丸く太い方が使い易いです。アルミ製の筒があれば軽い

    為、より使い易いです。

   d) 布を用意する。

    直接木枠に粘土を押し込むと、粘土と木枠がくっ付き剥がれなくなります。

    その為布を挟む様にして土を載せ叩き広げます。一般には日本手拭(てぬぐい)が

    用いられます。

   タタラの作り方は以下の通りです。

以下次回に続きます。
     
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手捻り(てびねり) 5 (紐つくり4) 仕上げ作業

2018-07-06 14:50:45 | 手捻り陶芸
作品の土台(底部)を作り、その周囲に紐を巻いて高さを出して形作るのが一般的な方法です

1) 紐を巻き(積み)上げる。(この件に付いては、以前お話しましたが再度記します。)

2) 作品に取り掛かる。

 (以上が前回までの話です。)

3) 仕上げ作業。

 仕上げ作業はどんな作品でも行う事で、より良い作品を作る事ができます。例え荒々しい

 作品であっても、それに見合った仕上げを行わないと、望んだ作品にはなりません。

 手捻りの仕上げ作業とは、形を完成させると共に、表面の質感を調整したり、全体の重み

 等を調整し、全体の調和を保ち完成度を上げる事です。

 ① 形の完成。

  ⅰ) 全体の形を見て、予定通りの形に成っているかを確認します。

   見る際には四方八方、場合によっては上下方向からも観察します。手回し轆轤上に

   置いて回転を掛けると、よりハッキリ見る事ができます。

   尚、作品に高台を設けるならば、削りか付け高台になります。削り高台であれば、

   底に削り代を残しておかなければ成りません。付け高台の特徴は好みの形に出来、

   高さも自由に決められる事です。本体が完成したらなるべく速く取り付けると、

   全体の形が見え、接着も巧くできます。

  ⅱ) 縦横高さの寸法が所定の範囲内に収まっている事。当然、当初の予定と異なる

   事は普通に起こる事ですので、その大きさで満足されるならば、必ずしも補修する

   必要はありません。

   若し過不足があれば、削り取るか土を足す(肉を盛ると言います)事に成ります。

  ⅲ) 削る道具は鉋(カンナ)等の刃物を使います。

   但し、削る場所によって刃物の形状を選択しないと、巧く削る事が出来ません。

   肉を盛るときには、良く張り付く様に「ドベ」等接着効果のある物を使用すると

   安全です。仕上げの段階になると、素地の乾燥も進んでいますので、切れる刃物

   (良く研いだ)の方が効率が良く成ります。それ故刃物類は常に切れる状態にして

   おく事が望ましいです。

 ② 肉厚を調整する。

  ⅰ) 作品には丁度良いと感じられる重さがあります。重過ぎる作品は取扱いが面倒

   ですし、軽過ぎる場合には、貧弱に見える場合もあります。重みは当然、作品の肉厚

   に大きく関係してきます。仕上げの際には、肉厚を薄くする方向で作業を行う事が

   多いです。多くの場合肉が厚い部分は底又は腰の部分です。土を積み上げる為、

   どうしても一定の厚みが必要ですが、乾燥が進んだ状態では、機械的強度が増し

   不必要になります。

  ⅱ) 外側を削ると作品の形がどんどん変化してしまいます。それ故、内側が削る事が

   可能であれば、内側のみを削り肉厚を薄くします。又、口径が小さく内側を削る事が

   困難な場合には、口径が狭くならない出来るだけ速い段階で、肉厚を調整しておきます

 ③ 作品の表面を整える。

  ⅰ) 作品の表面は必ずしも平滑とは限りません。又、手捻りの特徴を出す為、あえて

   指跡を残す場合もあります。更に、表面に模様を入れたりする場合もあります。捺印や

   竹箆(ヘラ)等で表面を荒らす場合には、素地が軟らかい方が作業し易いですが、刃物

   を使う場合はある程度乾燥が進んだ方が作業がはかどります。それ故、作品の表面を

   好みの様子に決めます。

   但し、食器の様に実用に供する場合、少なくとも内側は平滑にしておくと、食器の汚れ

   も少なくなり、食器洗いも容易になります。作品によっては、突起物が付く場合もあり

   ます。作品を手に持って使用したり、持ち運ぶ場合に指などに怪我をさせると問題です

   ので、出来るだけ先端の尖った形状は避けるべきです。

  ⅱ) ある程度広い面積を平滑にするには、「コテ」類が便利です。

   多くの食器類の内側(又は上側)は、平滑の場合が多いです。この様な時ある面積を

   押さえ込める「コテ」を使います。「コテ」には丸みを帯びた「丸コテ」形と、平面

   全体を押さえる「平コテ」があります。「丸コテ」は使う場所によって丸いカーブが

   変わるユニバーサル形の木製の物が市販されています。特殊なカーブの物は、ご自分

   で作る事も可能です。この「コテ」類を利用すると、表面を綺麗なカーブを作る事が

   できます。

  ⅲ) 作品の口縁を綺麗に仕上げる。

   作品の口縁は、作品の中でも一番目立つ場所の一つです。更に作品の断面は口縁に

   現れます。

   この口縁の形や肉厚は、作品の良し悪しを決める重要な役割を持ちますので、綺麗で

   丁寧に仕上げる必要があります。その為にも、水で濡らした「なめし皮」で綺麗に

   拭き仕上げます。

以下次回に続きます。
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手捻り(てびねり) 4 (紐つくり3) 紐同士を繋ぐ

2018-07-01 15:20:47 | 手捻り陶芸
作品の土台(底部)を作り、その周囲に紐を巻いて高さを出して形作るのが一般的な方法です

1) 紐を巻き(積み)上げる。(この件に付いては、以前お話しましたが再度記します。)
 
2) 作品に取り掛かる。

 ① 巻き付け面に、針や櫛等を用いてアヤメ状の傷を着けます。

 ② 巻く方向に決りはありません。紐の一端を土台の縁に押し当て固定し、紐を巻き付け

  ます。

 ③ 紐と土台を密着させる。

 ④ 一段目が巻き終えたら、更に紐を巻いて積み上げます。

以上までが前回の話です。

 ⑤ 紐同士を密着させる。

  巻上げる高さは、片手の親指と他の指が内外で摘める程度にします。巻上げ過ぎると片手

  での作業がやり難くなります。紐同士を密着させ、水漏れを防ぐだけでなく、作品として

  使用するには、機械的強度を持たせる必要があります。即ち、紐同士の合わせ目を消し、

  「ひび割れ」を防ぎと共に表面を平滑にする必要があり、更に、土を圧縮する事で作品を

  肉薄で軽し、強度のある作品の壁を作る必要があります。

  ⅰ) 両手の指を用いるのが基本ですが、竹箆(へら)やコテを使う事もあります。

   これは、上記の片手で器の内外が摘めない程度巻上げた場合に使用します。又効率良く

   繋ぎ目を消す際にも行います。その他、叩き板や叩き棒を用いる場合もあります。

  ⅱ) 指などを用いて、繋ぎ目を消しますが、基本的には肉厚の厚い土を薄い方に移動

   させます。これは、全体の肉厚を一定にするのが狙いです。作業は下段から順次上段へ

   と移動させます。更に、内外同時に繋ぎ目を消す方法と、内又は外側の一方から繋ぎ

   目を消してから、他方の側の繋ぎ目を消す方法があります。

   より丁寧な方法は後者であり、効率的には前者の方法です。

  ⅲ) 均一の太さに作られた紐であれば、以下の方法をとります。

   手の指を使用する際、親指が器の外側にあるか、内側にあるかによって、そのやり方

   は変わります。親指が内側にある場合、内側の紐の上段から下段に向かって円弧を描

   く様に滑り下ろします。より丁寧のやり方は、親指の円弧に対し、人差し指で逆回転

   方向に「メ」の字になる様にします。一度に内外を同時に繋ぎ目を消す場合、外側は

   親指以外の手の指を使い、上へ指を移動さ、土を上段に擦り付けます。外側のみの場合

   親指が器の外側し撫ぜ下げます。この際、ある程度指先を濡らすと、土がやや軟らかく

   なり、作業がし易くなる場合もありますが、濡らし過ぎは禁物です。

  ⅳ) 広い範囲の繋ぎ目を消すには、竹箆やコテを使うと便利です。繋ぎ目に対し直角

   方向に移動させ、数段を一度の作業で消す事ができます。この場合竹箆やコテは水で

   濡らすと滑りが良くなり、作業がはかどります。

  ⑥ 肉厚を薄くする。

   特別細い紐以外は、巻上げるとかなり肉厚になります。このまま作業を続け仕上げの

   削り作業で薄く削る事も可能ですが、出来るならばこの段階で土の内外から、土を

   両手で摘み全体を薄くします。その結果、土は上に伸びて行き、背が高くなります。

   注意点は、肉薄になると、直径が大きくなりますので、広がらない様に両手を近づ

   ける様にします。器の場合基本的には円筒状にしますが、不定形又は任意形の場合は

   広がり見込みながら薄くします

  ⑦ 形を作る。

   巻上げた紐の高さが十分高ければ、形作りに入ります。手捻りの特徴は土の追加が

   可能の事です。背が高く大きな作品では、下部を有る程度乾燥させれば、その上に

   土を追加して載せる事が可能です。但し下部を乾燥させますので、ある程度の望む

   形にしておかないと、後から変形する事は困難になります。土を追加する場合には

   両方の合わせ目の乾燥度を同じにしないと、「ひびや割れ」が入り易くなります

   ので、濡れた布などを下部の縁口に被せ湿り気を与えておきます。

   ⅰ) 追加の土は紐を更に巻き足す方法と、あらかじめ上部に載せる物を作って両方

    を接着する方法があります。後者の場合、合わせ目の寸法を同じ程度にしておく

    必要があります。合わせ目が合わない場合、軟らかい紐を下部の口縁に一周させ、

    その上に上部を載せ繋ぎ目を指などで、撫ぜると少々の狂いが補正され、巧く

    繋ぐ事ができます。

3) 仕上げ作業。
 

以下次回に続きます。
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