わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問54 ビードロ色が出ない件

2022-07-14 15:09:17 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤

「Gsan」より下記のご質問をお受けしましたので、当方なりの見解を記します。

 

全くの趣味で10年ほど焼き物を続けてます。


しかし憧れのビードロが出た試しがありません。

当方灯油の窯を使ってます。


灰が溶けて還元窯変する事は解りますが件の緑がかった窯変に憧れてます。

薪窯でそれも松材でなければ窯変は無理なのでしょうか?


どうかよろしくお願いいたします。過去ブログを見落としてるかもしれませんが・・・

 

◎ 明窓窯より

質問の文面より薪窯による松灰による自然釉の「ビードロ」を目指していると見受け

られます。

1) 「ビードロ」には自然釉と「ビードロ」釉による発色方法が有ります。

 後者はご自分で調合する方法と、市販の釉を使う方法があります。

 市販の釉は酸化、又は還元の両方で発色する物もあります。

 メーカーに拠って発色具合は異なります。

2) 自然釉による「ビードロ」では、重要文化財の伊賀水指の銘「破袋」(五島美術館蔵)

  が有名です。

  自然釉ですので、薪による燃料の赤松灰が自然に降り注ぎ、高温で溶け発色した物と

  考えられている作品です。

3) (Gsan)が如何なる方法で、「ビードロ」を発色させようとしているのか、

 又目標の憧れの「ビ-ドロ」がどの程度の色なのか不明ですので、お答えできません。

 しかし、単に緑掛かった釉がお望みならば、市販の釉かご自分で調合する方法が

 あります。

4) 灯油窯との事ですので、当然薪窯と同等に発色させる事は、ほぼ不可能です。

  薪窯では薪が燃焼時間に幾分かの水蒸気が発生し、その効果が発色に関係している

  のではないかと、考えている人も居るようです。

  窯変は窯の中で複雑に変化する炎と熱の影響と考えられています。

  灯油窯で薪窯同様の現象を期待するのは望薄です。

5)結論

 A) 目標とする「ビードロ」がどの様な色なのか「はっきり」させる事。

 B) 市販又は自作の釉薬で処理するのか、赤松灰(自然、合成)のみで処理するのか。

   水で霧吹きした素焼きの作品に、茶漉しなどで松灰を振りかける方法も有ります。

 C) 薪窯と同等の色はほぼ出ません。

   更に、灯油窯では釉薬に拠っては、窯変が出ない訳では在りませんが、期待すると

   失敗する事が多いです。

以上 参考に成れば有難いです。

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続 釉(薬)について11(フリット3)

2018-04-30 16:43:36 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
6) 顔料(着色材)

  陶芸材料メーカーや材料店では、釉に直接混入させて色釉が作れる各色の顔料が市販され

  ています。それ故、必ずしも御自分で顔料を調合する必要は無いのですが、何かの参考に

  して頂ければ幸いです。  

  顔料は酸化鉄、酸化同、酸化錫、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロム等の金属類と

  長石、石英、カオリン、石灰石などを適宜混合させて作ります。

 以上が前回まで話です。

 尚、上絵付け用の顔料もありますが、ここでは、釉に添加する顔料に付いて述べます。

 ① 乾式混合と湿式混合。

  顔料を合成すのには、乾式と湿式混合の方法があります。

  乾式とは使用する原料を正確に秤り、水を用いずに乳鉢などで混合した後、匣鉢(さや)

  等に入れ規定の温度で焼成する方法です。湿式は水を用いて乳鉢などで混合した後、石膏

  型等で脱水後匣鉢(さや)などに入れ焼成する(フリット化)方法です。

  混合する際の注意点は、不純物が混入しない事と、微粉末にする際粒子の細かさに注意し

  ます。粒子の細かさによって発色(色調)も変化します。

  尚、顔料は必ずしも、フリットにする必要が無く、直接釉に投入する方法もあります。

 ② 着色剤

  ⅰ) 褐色系

   a) 酸化マンガンは、硼酸やアルミナを含む無鉛釉では、濃い紫紅色系の褐色を呈し

    ます。

   b) 酸化鉄が3~6%添加すると、茶褐色になる。酸化バリウムが入ると色はより濃く

    なります。更に亜鉛華が入ると、添加量によって、チョコレート色~茶色掛かった

    黄色の範囲で変化します。

   c) 酸化ニッケルは、硼酸やアルミナを多く含む無鉛釉では、褐色を呈します。

    但し、ニッケルの添加量は2%以下にします。ニッケルの含有量が少な過ぎると、

    灰色になります。釉の成分で酸化カルシウムを酸化バリウムに置き換えるか、酸化

    リチウムを、酸化カリに置換すると、色はより濃くなります。

  ⅱ) 青色

   a) 全ての青色には、コバルトの化合物が使用されます。

    色の濃度は、アルカリ成分と、コバルトの化合物によって左右されます。

   b) 鉛を含む釉では、温か味のある青色になりますが、無鉛釉では、冷たい感じの

    青色になり、色調も薄くなります。

   c) マグネシアと亜鉛華が入ると、青色の色調は変化します。

    特に亜鉛華が多いと、紫掛かった青になり、少ないと冷たい感じにの青となります

  ⅲ) 黄色

   a) 酸化鉄、酸化アンチモン、ルチルなどを添加する事で得る事ができます。

   b) 黄色や橙色はウラン化合物で作る事が出来ます。

    ウラン化合物には、酸化ウラン、ウラン酸ソーダがあります。

    酸化ウランの添加量は0.003モル以上が必要です。

    中位の石灰と亜鉛華を服務釉に、酸化バリウムと酸化ソーダが多く入っている場合

    は、黄色を呈します。更に硼酸や硼砂を含む場合には、緑掛かった黄色になります

   c) 酸化ウランは、酸化焼成で1,050℃以上で赤色から黄色に変化します。更に温度

    が高くなると、黒色になります。還元焼成では、灰色から黒色になります。

   d) 橙色は、酸化ウランが6~10%で、亜鉛華が多く、アルカリ(又はアルカリ土

    金属)を少なくすると、得られます。更に酸化錫(すず)を5%添加すると、褐色掛

    かった橙色になります。

   e) ウラン酸ソーダによる着色は、釉の組成によって、クリーム色、明黄色、黄色、

    暗黄色と変化します。ウラン酸ソーダの添加量が増えるに従い暗黄色になります。

    クリーム色(0.16%)、明黄色(0.6%)、黄色(1.4%)、暗黄色(2.2%)

  ⅳ) 赤色

 
   参考資料: 図解 工藝用陶磁器 -伝統から科学へー: 

         著者; 素木洋一(しらき よういち): 技報堂出版社

以下次回に続きます。
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続 釉(薬)について10(フリット2)

2018-04-20 19:20:11 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
4) フリットの調合

 食器用の釉に鉛が入る事は、一部楽焼を除き使用が認められていません。

 その為、今日無鉛釉が使われています。しかしながら、現在でも酸化鉛に匹敵できる原料

 が見つかっていないのが実情であると言われています。酸化鉛の良い点は、著しく光沢が

 出、透光性があり、更に、顔料の発色と色調を良くする働きがあります。

 無鉛フリットは、流動性に乏しく表面を平滑にするのに時間が掛ます。更に焼成温度範囲も

 鉛フリットほど広くは取れません。顔料の発色もさほど良くもありません。

 但し、現在は酸化鉛の変わりに、硼酸や硼砂などが多く用いられ、遜色の無い物と成って

 います。

 ① 標準的な無鉛釉で使用される原料は以下の物です。

  硼酸又は硼砂、石英、炭酸ソーダ、長石、石灰石、カオリン、亜鉛華、炭酸バリウムなど

  です。

 ②  標準的なフリット釉の調合例。SK-2a(1120℃)~ SK-4a(1160℃)で作成

  ⅰ) 硼砂: 57 部  硼酸 1 部  長石: 56 部   石英: 54部 

     石灰石: 35 部  注:部は体積ですが、合計は100部には成りません。

  ⅱ) 硼砂: 22.2 %  長石: 16.6 % 炭酸ソーダ: 11.5 %  

     石英: 23.7 %  石灰石: 12.0 % カオリン:  11.0 %

     注: 割合は体積比です。合計で約100%になります。

  ⅲ) 硼砂: 14.7 %  長石: 16.9 % 炭酸ソーダ: 17.9 %  

     石英: 24.1 %  石灰石: 11.2% カオリン:  15.2 %

  ⅳ) 低熔融用のフリット

     硼酸: 21.4 %  炭酸ソーダ: 26.2 %  石英: 21.1 % 

     石灰石: 12.0%  カオリン:  14.5 % 硝酸カリ:4.8 %

5) フリット色釉

  釉は塩基成分(アルカリとアルカリ土金属の酸化物)と酸性成分(酸化物)が反応し

  ガラス質を生成した物です。更にガラス質の性質を調整するアルミナを加えます。

 ① フリットを用いた色釉が比較的広く用いられているのは、以下の理由によります。

  ⅰ) 塩基成分の種類と量を広く選択できる。

  ⅱ) 焼成温度範囲が広い。

  ⅲ) 硼酸が発色を良くする働きがある。

  ⅳ) 酸化鉛を使う必要が無い。

  但し、これらの効果は、顔料によって左右されます。

 ② フリット色釉を作るには。

  基礎になるフリットに顔料を混合する。又は、フリットを作る際に顔料を添加する方法を

  取ります。

6) 顔料(着色材)

  陶芸材料メーカーや材料店では、釉に直接混入させて色釉が作れる各色の顔料が市販され

  ています。それ故、必ずしも御自分で顔料を調合する必要は無いのですが、何かの参考に

  して頂ければと考え、調合例を挙げたいと思います。  

  顔料は酸化鉄、酸化同、酸化錫、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロム等の金属類と

  長石、石英、カオリン、石灰石などを適宜混合させて作ります。

  各色の顔料に付いては次回にお話致します。

 
   参考資料: 図解 工藝用陶磁器 -伝統から科学へー: 

         著者; 素木洋一(しらき よういち): 技報堂出版社

以下次回に続きます。
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続 釉(薬)について9(フリット1)

2018-04-05 16:49:49 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
フリット(frit)とは、余り耳にする事も無く、一般に使用される事は少ないですが、釉の文献

を読むと見出す事もあります。尚、楽焼の釉で使用される白玉(しらたま)はフリットです。

フリット(frit)とは、釉の一部(又は全部)の原料を予め熔融しガラス化させた物です。

これを他の釉の原料に混ぜて使用します。

1) フリットを利用する理由。

 ① 水溶性の釉の原料を釉に入れ易くする効果があります。

  釉の原料の内で、炭酸ソーダ、炭酸カリ、硝酸ソーダ、硼素酸、硼砂などや、その塩化物

  は水溶性ですので、直接釉の中に入れると素地に吸収され、釉の成分が変化します。

  更にそのまま焼成すると、素地が膨らむ等の弊害が発生します。この様な原料をフリット

  にし、ガラス化すれば素地に溶け込まなく成ります。

  但し、炭酸カルシウム、炭酸および酸化マグネシウムは、水溶性ですが、フリットにする

  必要は有りません。上記弊害が無い為と思われます。

 ② 人間に有害な釉の成分を無害化する。

  現在ではほとんど使用されていない鉛化合物などを、フリット化する事で無害にする事が

  できます。即ち、ガラスでコーテングする事で、酸などから鉛の溶け出すのを防ぎます。

 ③ 低温では反応が遅いバリウム化合物などは、フリット化する事で、多量に使用出来る様

  になり、焼成温度範囲も広がります。更に釉の発色にも好影響を与えます。

 ④ 同じ組成の釉であっても、生原料の成分よりも、高濃度にする事も出来、嵩(かさ

  =量)も少なくする事が出来ます。その為、生釉よりも薄く施釉する事が可能です。

  又、フリット化で化学反応は終了しています。その為、化学的には不活発ですので、

  素地や下絵具に対して、安定して使用できます。

 ⑤ フリットにする事で、釉成分を均一化する事が出来ます。

  生原料の粒子の大きさ、比重や形状の違いなどが著しく異なる場合、フリットにする事

  で均一化する事が出来、釉の分離沈殿を防げます。更に、均一の発色を促し綺麗な色に

  焼き上げる事が出来ます。

 ⑦ 予め溶融しておく事で、釉の原料からガス成分を取り除く事が可能に成ります。

  その為、気泡の発生を抑える事が出来ます。

2) フリットの作り方。

 ① 坩堝(るつぼ)を800℃程度に余熱し、調合物を入れ温度を上昇させ、原料がわず

  かに熔融させる。坩堝の内面に予め珪砂を塗っておくと良い。坩堝の代わりに匣鉢

  (さや)を使う場合もあります。その際注意する事は以下の事項です。

  ⅰ) 最初から坩堝に入れると、ソーダーやカリ成分は低温で先に熔け、坩堝に吸収さ

   れ釉の成分量が変化してしまいます。

  ⅱ) 硼砂を多く含む調合物は、加熱と同時に急膨張し、坩堝から溢れ出します。

   その為、坩堝に投入する際には、数回に分けて行います。 但し、無水硼砂(焼硼砂)

   なら問題ありません。 焼硼砂を作るには、鉄鍋に入れゆっくり加熱し結晶水を蒸発

   させい粉状態にします。

 ② ガラス状態に成ったら、水の中に流れ出させます。

  但し、アルカリ成分(塩基)に対し珪酸成分が少ない場合には、幾分水溶性があり、水

  に直接投入せずに、磨いた鉄板の上に薄く流し出し、扇風機などで空冷すると良いそう

  です。

 ③ 水に入れると白濁化し軽石状態になり粉砕し易くなります。

3) 陶芸材料メーカーでは、ガラス粉を販売しています。又ガラス釉なる物も市販されて

 います。ガラスや板ガラスの粉末も、フリットとして使用できますが、鉛や硼砂などが

 入っていますので、使用温度が高くなりますが、上手に使用する事です。特に色ガラス

 等は用途によっては、味のある釉を作れる可能性もあります。それ故、挑戦する価値が

 あるかも知れません。

以下次回に続きます。
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続 釉(薬)について8(着色剤)

2018-03-29 15:16:17 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉には、透明、乳濁、マット等がありますが、更に色が付いた物が多いです。

多くは金属類が添加されています、その他色の付いた土や、各種の灰類を添加して発色させる

事もあります。但し、一種類とは限らず、複数の金属類が混入されている場合が多いです。

金属類の種類によって発色も変化します。

1) 多くの陶芸材料店では、各種の色の付いた釉が用意されていて、その数は数千種類も

あると言われています。それ故、ご自分で色を調合する事無く、好みの色釉を使う事が

可能です。その際、注意する事は同じ名称の釉であっても、メーカーによって微妙に色が

異なる事です。当然ですが、メーカーの調合(レシピ)は企業秘密ですので、各メーカー

 によって異なります。

 更に、焼成温度や釉の厚みについても微妙な差が生じています。それ故、好みの釉を見出

 す事が出来たならば、やたらにメーカーを変えない方が良いでしょう。

2) 市販の釉用着色剤を使用する。

 陶芸用品のメーカーによっては、自作又は市販の釉に混入させて色釉を作る顔料(着色剤)

 を市販しています。種類も豊富で、呉須(ゴス)系: 古代ゴス、旧ゴス、黒ゴス、焼貫

 ゴス等、その他ブラック、グレー、ブラウン、セピア、ホワイト、カイヘキ、トルコ青、

 ピンク、グリーン、ヒワ、ライラック、ピーコック、オレンジ、バナナ黄、カナリヤ黄、

 エンジ赤、バイオレット、特赤、真紅、釉裏紅顔料などです。多くは粉末状で、50,100,1000g

 単位で売られています。基礎釉に適量添加して、釉に着色します。

3) 独自の色釉を作る事も出来ます。

 透明基礎釉を作った後、各種金属類を混ぜて好みの釉を作る事に成ります。

 マット系の色釉を作るのであれば、マット系の基礎釉に金属類を添加する事になります。

 釉の着色には、以下の金属類、その他の物質があります。

 ① 白色: 酸化錫、錫灰、酸化亜鉛、蝋石、骨灰、水晶石、白絵土など。

 ② 黒色: 酸化鉄(弁柄、砂鉄など)、酸化マンガン、酸化クロム、酸化銅、

  酸化コバルト等。

 ③ 褐色: 酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ニッケル、

  着色粘土(赤土)来待石、その他各種木灰等。

  注:黒色と同じ物が多いですが、黒色よりも添加量を少なくします。

 ④ 灰色: 酸化イリジウムと酸化ニッケル、酸化鉄、酸化マンガンの混合物。

 ⑤ 青色: 酸化コバルト、炭酸コバルト、塩化コバルト等。

 ⑥ 緑色: 酸化銅、炭酸銅、酸化クロム等。

 ⑦ 黄色: 酸化チタニウム、酸化ルチール、酸化鉄、重クロム酸カリ、黄土等、各種

  木灰類。

 ⑧ 紫色: 酸化マンガン、酸化銅、金などです。

 ⑨ 赤色: 酸化銅、酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルトとマグネシア等。

 ⑩ ピンク: 酸化錫と酸化クロムの混合物。(還元焼成すると出易いです)

 ⑪ その他: 地方の窯では、その土地で見出した土石類を粉末にしたり、各種の木灰をか

  添加して、その土地独自の釉を作っている処も多いです。自然界の物を利用しますので、

  同じ土地の釉でも、窯によって微妙な差が出る事が多いです。 

 上記着色剤を添加しても、添加量や他の金属との兼ね合いで、お望みの色に発色しない事

 も多いです。それ故数回の試行錯誤を繰り返す必要があります。

以下次回に続きます。
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続 釉(薬)について7(媒熔剤と金属元素の色の変化)

2018-03-20 13:25:01 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
色釉を作るには、金属元素又はその酸化物を添加するのが一般的な方法です。

釉を作る際には、熔融剤(媒熔剤)として、アルカリ成分が使われますが、どの種類の物を

使うかによって、発色に違いがあります。又同じ熔融剤を使用しても窯の雰囲気(酸化、

還元)によって発色に違いが出ます。ここでは、ナトリウム(ソーダー)とカリウムの熔融

剤の場合に付いて述べます。

取り上げる金属(酸化物)は、鉄、銅、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、チタン、

ウラニウムです。尚、現在では鉛はほとんど使用する事は有りませんが、参考までに記して

おきます。

1) 鉄(酸化第一、第二酸化鉄=弁柄など)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、褐色掛かった黄色。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、褐色。

  いずれも鉄の成分が多くなるに従い、黒色に近付きます。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、明るい黄色又は赤褐色。

 ④ 酸化焔では、黒、黄褐色。

   還元焔では、褐色掛かった黒、青緑。

2) 銅(酸化銅、炭酸銅など)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、空色に近い青。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、トルコブルー。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、草緑。

 ④ 酸化焔では、緑、青緑、暗い緑。

   還元焔では、赤、紫掛かった褐色。

3) クロム(酸化クロムなど)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、草色に近い緑。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、黄色掛かった緑。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、赤味を帯びた黄色、朱赤。

 ④ 酸化焔では、黄色を帯びた緑、又は青緑。

   還元焔では、青緑。

4) マンガン(酸化マンガンなど)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、暗い黄色。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、紫。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黒又は紫掛かった褐色。

 ④ 酸化焔では、黄褐色、黒褐色。

   還元焔では、褐色掛かった黒、黄褐色。

5) コバルト(酸化コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、燐酸コバルト、呉須など)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、草色ぽい青。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、緑掛かった青。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、青掛かった藍色(青藍)。

 ④ 酸化焔では、青藍。

   還元焔では、青藍、桃紅色。

6) ニッケル(酸化ニッケルなど)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、褐色。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、褐色。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黄色掛かった緑。

 ④ 酸化焔では、緑。

   還元焔では、灰色。

7) チタン(酸化チタニウムなど)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、黄色。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、黄色。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、黄色。

 ④ 酸化焔では、橙(だいだい)黄色、茶褐色。

   還元焔では、暗い黄色、茶褐色。

8) ウラニウム(酸化ウラニウム)

 ① 熔融剤にナトリウム(ソーダー)を使用した場合、黄色。

 ② 熔融剤にカリウムを使用した場合、橙黄色。

 ③ 熔融剤に鉛を使用した場合、橙黄色、朱紅。

 ④ 酸化焔では、黄色、黄緑。

   還元焔では、黒色。

 注意事項: 上記はおおよそ(凡そ)の目安です。当然金属類の添加量によって色も

 変化しますし、熔融剤も単一の事は少なく、複数の物が混在しているのが一般的ですので

 上記の通りに発色する保障はありません。あくまで参考程度に頂ければ有り難いです。
 

以下次回に続きます。
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続 釉(薬)について6 (熔ける温度とは)

2018-03-16 21:52:26 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。

即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあり

ます。

1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって

  決まります。(以上が前回の話です。)

 釉として重要な条件の一つとして、熔ける温度が挙げられます。

 釉の主成分であるアルミナ(カリ、正長石)の融点は約1200℃で、シリカ(珪酸)の融点

 は1685℃です。それ故一般の焼成温度1200~1300℃では、熔けない事になります。

 熔け易くする為に、ルカリ成分を添加します。

 釉には、作品の表面を被服する為に、各々最適な温度又は温度範囲があります。

 当然、磁器や、陶器、楽焼の場合では、釉の熔ける温度に違いがあります。

 更に、結晶を成長させる温度や、窯変を起こす為の釉の温度等、釉の温度管理は重要に

 成ります。これらを熔かすには熔融剤(フラックス)が必要になります。

2) 釉を熔かし易くするのは、アルカリ成分です。

 ① アルカリ成分には以下の物質があります。

  ⅰ) 酸化カリウム(K2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、石灰石(炭酸カルシウムCaCo3)

   酸化マグネシウム(MgO)、硼酸(酸化バリウム)、炭酸バリウム(BaCo3)、

   炭酸リシウム(Li2CO3)、酸化ストロンチウム(Sr)等です。

  ⅱ) アルカリ成分は二種以上又はそれ以上の種類を使うと、より強力な熔剤となります

   更に、アルカリは、釉の流動性を増し、顔料の発色を促進する重要な働きも有ります。

  ⅲ) カリは長石釉では最も多く使われます。福島長石(正長石=カリ長石)が多く利用

   される為です。尚、カリはソーダ(ナトリウム)と置換出来ます。但し、その作用はほ

   とんど同じですが、カリはソーダより、熔け易い釉となり、光沢も優れます。

   但し石灰をカリやソーダに置換すると、貫入が増加する傾向があります。

   特にソーダは熱膨張率が最大級の為、素地より釉の膨張が大きく貫入が入り易いです。

  ⅳ) リチウムは最近多く使われています。

   これは釉の光沢と機械的強度を増し、風化に対して強い抵抗性を持つからです。 

  ⅴ) マグネシア源として、マグネサイト、ドロマイト、滑石などがあります。

   ドロマイトはマグネシアと石灰の化合物で、安価な為、貫入防止剤として使用します。

   滑石は「ひび釉」を作るのに利用されます。少量添加すると光沢を増しますが、

   8~20%添加すると、艶消釉になります。

  ⅵ) ストロンチウムは石灰釉よりも発色を良くします。更に石灰やバリウムと置換す

   ると素地との密着度を良くし、引っ掻き強度を増しますので、食器などに利用されて

   います。但し、高価なので、利用する価値があるか効果の確認が必要です。  

② その他の熔融剤

  亜鉛華(酸化亜鉛)、第二酸化鉄(弁柄)も釉を熔け易くする働きが有ります。

  亜鉛華は多量に添加すると、乳濁剤としても用いられます。又結晶釉を作る時にも添加

  します。尚、結晶釉に付いては後日お話する予定です。

③ 釉を熔け易くするには、焼成温度を上昇させるか、寝らし時間を長くすれば良いのですが

  個々の釉の熔ける温度を調整するのは、アルカリ成分の種類と量を調節しているのが

  現状です。
 

以下次回に続きます。
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続 釉(薬)について5(透明、マット、乳濁3)

2018-03-09 15:46:20 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。

即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあり

ます。

1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって

 決まります。

 ④ シリカ(珪酸)成分が多くなると乳濁釉になります。

   Al2O3:SiO2 = 1:10(モル)以上になると、次第に白く濁った釉になります

  ⅰ) シリカは地球上で最も多く存在する物質です。

    (以上までが前回の話です。)

  ⅱ) シリカの役割は、主にガラス質を構成する成分です。

   それ故、釉に大量(釉中に50%以上)に存在させる必要があります。

   このガラス質は、酸やアルカリ、各種のガス及び液体(化学薬品等)に対し強い抵抗

   性を有します。 適度の着色剤を添加する事で、色釉を作る事が出来ます。 

  ⅲ) シリカ成分が増加すると次の様な状態が出現します、

   a) 熔融温度が上昇する。

    珪酸塩は、各温度で完全に交じり合いますが、含有量が増えると熔ける温度が上昇

    します。

   b) 釉の流動性を少なくする。即ち粘性を増します。

    その為、流動性が必要な結晶釉などには、大量に入れる事は出来ません。

   c) 熱膨張率を低くし、釉の硬さと強度を増します。

    珪酸(シリカ)は素地と釉の膨張収縮の差を少なくし、密着を良くします。

    膨張率が大きい事は、縮み率も大きい事を意味します。その為釉に貫入が入り易く

    なり「ヒビ釉」を作るには、シリカ成分を少なくする事に成ります。

  ⅳ) 乳濁釉を作るには、

   釉が乳白化するのは、釉中の細かい結晶が浮遊し、光がそれらに反射、屈折、撹乱し

   散乱発散して起こります。それ故添加物の粒子が細かい程、乳濁します。

   a) シリカ(珪酸、珪石など)を多く入れる事で乳濁釉を作る事が出来ます。

    これは分相と呼ばれる現象で、ガラス成分が変化を起こし、同じガラス質であり

    ながらお互いに熔け合わない状態で、乳濁を起こします。

   b) 乳濁剤(失透剤)を添加する事で、容易に乳濁釉を作る事が出来ます。

    酸化チタンや骨灰、蛍石は少量添加するだけで、釉に熔け込み分相を起こし、乳濁

    します。ジルコンを添加すると、釉に熔け込み冷却と共に、結晶を析出し失透を起

    こします。但し、多量に添加すると、釉に熔けきらず乳濁します。この場合には、

    アルミナ成分が多く成ると、艶消しになりシリカ成分が多くなると乳濁になります    

   c) 灰釉で乳濁釉を作る事ができます。

    長石と藁(わら)灰でも可能ですが、鉄分の少ない(いす灰)も使うとより白い釉

    を作る事が可能に成ります。

    代表的な釉は、藁白、白萩等の乳濁釉がります。尚、艶消し釉には、卯の斑

    (うのふ=鵜、兎などの文字を当てる事もあります。)等があり、籾殻(モミガラ)

    灰を用います。

   d) 志の釉も乳白釉ですが、一般の乳濁釉よりも熔け不足で、無数の細かい気泡が

    表面まで在らわれているのが特徴です。長石(対馬長石など)に鉄分の少ない

    「いす灰等」を添加して作ります。熔け難い長石は長時間焼成する事で熔かす事

    が出来ます。

以下次回に続きます。

    

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続 釉(薬)について4(透明、マット、乳濁2)

2018-03-02 11:34:21 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。

即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあり

ます。

1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって

 決まります。

 ① 光沢が有り、良く熔ける透明釉。

 ② 釉を調合する場合や、釉のレシピが表示されている場合、注意する事はその単位です。

   体積比、重量比、モル比のいずれかで表示されています。この単位を間違えると、

   当然混合割合が異なってしまいます。(以上までが前回の話です。)

 ③ アルミナ成分が多くなる(シリカ成分が少なくなる)と艶消し(マット釉)になります

  ⅰ) 前回 Al2O3:SiO2 = 1:7~8(モル)ぐらいで良い透明釉になるとお話し

   ましたが、Al2O3:SiO2 = 1:6(モル)以下に成ると、次第にマット状になり

   ます。値が小さい程、マット状態は強くなります。この関係を表す図に(Al2O3ーSiO2

   状態図)があります。ある程度釉に詳しい書物で見る事ができます。

   この状態図から、アルカリ成分の絶対値は0.3モル以上、シリカ成分が絶対値2モル以上

   で、直線又は緩い曲線で、透明釉、マット釉、乳濁釉と3区分されています。図からは

   みだした範囲では。良いに釉に成らないと思われます。

   尚、アルミナはシリカの1/10まで入れる事は可能です。  

  ⅱ) 艶消し(マット)に成るとは、釉中に微結晶が多数存在した状態です。

    結晶が大きな物は結晶釉と成りますが、微結晶が釉中に浮遊している場合、光が乱

    反射され釉中に入り込めず、表面より乱反射し艶消しとなります。

    尚、マットと乳濁釉は、いずれも結晶の生成によって起こる現象ですが、マット釉

    が窯の冷却途中で析出するのに対し、乳濁釉は最初からガラスに溶け込まない原料

    (失透剤)が結晶化した物です。これを分相といいます。詳細は後日述べます。

    艶消し釉は一般に表面が不透明な物ですが、その他透明な物も存在し、微結晶が見

    える物があます。

  ⅲ) 釉の中のアルミナ成分の役割とは?

   a) 釉の熔融温度を上げる作用があります。

    温度が上がり過ぎる場合には、アルカリ成分を多くしたり、硼酸などを添加します。

   b) 釉の粘度を増し、釉の流れを抑える働きがあります。

   アルミナ成分を多量(0.4モル以上)に入れると、粘度が急激に増し、釉中の気泡を除き

   難くなります。

   c) 釉を安定化させる働きがあります。

   アルミナは素地に融着したり、釉の固さや風化、化学的侵食に対し抵抗性を増し、釉を

   安定化させます。更に、焼成温度が変化しても、釉の物理的性質を大きく損なわない事

   です。

  ⅳ) アルミナ成分は、各種長石からも得られますが、カオリンから得る事が多いです。

   カオリンの利点は、施釉した際素地に密着し易い事。粒子が細かく泥漿(でいしょう)

   し易い事です。

 ④ シリカ(珪酸)成分が多くなると乳濁釉になります。

   Al2O3:SiO2 = 1:10(モル)以上になると、次第に白く濁った釉になります。

  ⅰ) シリカは地球上で最も多く存在する物質です。

   主に岩石や粘土類の主成分と成っています。その他藁(わら)灰や籾殻灰等の禾本科の

   植物や木の灰等にも多く含まれています。これらには約80%のシリカが含まれています

   地方によっては「ギヤマン」と呼ばれ珪石にも多くのシリカが含まれます。

   尚、単独では、石英、水晶、珪砂などとして産出しますが、酸化鉄やアルミナ等の不純

   物を含みます。

  ⅱ) シリカの役割は、主にガラス質を構成する成分です。

以下次回に続きます。
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続 釉(薬)について3(透明、マット、乳濁1)

2018-02-13 21:29:33 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。

即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあり

ます。尚、各種色釉や結晶釉は、透明釉に金属色や結晶が出来た物で、広い意味で透明釉に

分類されます。

釉の原料は主に酸化アルミニウム、珪酸(シリカ)とアルカリ(塩基)成分です。

前二者はガラスの骨格を成す成分で、アルカリ成分は、釉を熔け易くする熔融剤と呼ばれて

います。

1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって決

 まります。

 ① 光沢が有り、良く熔ける透明釉。

  アルカリ(塩基)はROと表します。ROを一定にしたの場合、経験上より、

  Al2O3:SiO2 = 1:7~8(モル)ぐらいと言われています。

 ② 釉を調合する場合や、釉のレシピが表示されている場合、注意する事はその単位です。

   体積比、重量比、モル比のいずれかで表示されています。この単位を間違えると、当然

   混合割合が異なってしまいます。

  ⅰ) 体積比は、桝(ます)などや計量カップ等で測った量です。

   古くから行われている簡便な方法で、一升桝や一合桝など当時は用意に手に入る物が使

   われています。現在その名残が3(合)号釉、4(合)号釉等と呼ばれている物で、

   木灰などアルカリ成分を桝で量って混入し、熔ける温度を調節しています。

   古いレシピ本で採用されている事が多いです。

  ⅱ) 重量比は秤(はかり)で重さを計った量です。単位はグラム(g)、Kgです。

   現在でも比較的多くのレシピ本で見る事があります。但し精密な秤が必要です。

  ⅲ) モル比とは、各材料の原子量から分子量を導き出し、その分子量(g)が1モルと

   し、割合をモルで表した物です。現在ではより化学的(理論的)ですので、釉の配合を

   表すゼーゲル式として利用されています。

   例えば、AlO2はAl(アルミニウム)二個の原子とO(酸素)の一個から成る分子です

    Alの原子量は27で、Oの原子量は16です。それ故27x2+16x3=102(g)が1モル

    に成ります。

   同様にしてSi02=28+16x2=60(g)が1モルです。

    注: 以前は原子量=原子番号(周期律表の整数)でしたが、現在ではより精密に

    測定された結果、原子量は整数ではなく、下二桁まで数値が判明しています。

    それ故、厳密にはAlO2=101.94, Si02=60.02gと成りますが、近似値を使用して

    もほとんど問題になりません。

   モルを使う事は、現在ではより化学的(理論的)ですので、釉の配合を表すゼーゲル

   式として利用されています。

   各材料の分子量は計算でも出ますが、計算された表も有りますので参考にすると良いで

   しよう尚、陶芸材料に使われる幾つかの分子量(1モル)を記載します。

   ・ カオリナイト(Al2O3.2SiO2.2H2O)=258g

   ・ 長石(正、カリ)= 556.5g ・ソーダ長石=558g・ 灰長石=279g 

   ・ 石灰(CaCO3)= 100g ・炭酸カリウム=138g ・炭酸ナトリウム=106g

   ・ 炭酸マグネシウム=84.3g ・ 硼酸=61.8g ・ 亜鉛華(酸化亜鉛)=81.4g

   ・ ジルコニア(酸化ジルコニウム)=122.6g

以下次回に続きます。

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