わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

質問 66-1 乾燥時のヒビに付いて

2024-06-22 11:51:52 | 質問、問い合わせ、相談事

けい 様より以下の追加のご質問をお受けしましたので、当方の見解を記します。

分かりにくい説明で申し訳ありませんでしたが、本体は縄作りで、たたらの蓋

を被せた状態です。本当に素人の質問でお恥ずかしいのですが、もう全体的に

カチカチに乾いたのですが、蓋だけナイフで無理やり外し、新しく作り直した

蓋を被せるというのは無理な話ですね。カチカチの本体に柔らかい蓋を被せる

と言う意味です。それこそ、収縮率も違いますし。

やはり潰して作り直そうかと思っていたところ、市販の「くっつく土」なる商

品を見つけました。これは、素焼き前のヒビや割れも直せると書いてあります。

土と糊が混ざっているもののようです。今は、ヒビが長く延びてしまい、10セ

ンチ以上(ほぼ端から端まで)になっています。この商品で隙間を埋めても、

やはり素焼きと本焼きで必ず割れてしまいますか?

 

◎ 明窓窯より

 素焼前や本焼時のヒビや割れを補修すると称する商品は、数十年前からペースト状の

 物が市販されていました。

 当時,私も使用した経験では、うたい文句通りにはいきませんでした。

 完全に複数に分割された場合には両方の端面に、施着剤を塗り、それなりに上手く

 行く場合も有りましたが、ヒビ割れの場合には、補修材が隙間に充填できず、

 接着面積も少なく、施着効果が弱く、補修する事が出来ませんでした。

 今では、当時よりも良い補修材が出来たかも知れませんが、余り期待を持たない方が

 良いと思います。

 尚、どうしても作品を壊したくない場合、素焼き本焼き後に割れた部分を補修後に

 再度本焼きし直し方法もあります。

 即ち、本焼き後ではそれ以上素地は収縮しませんので、ヒビや割れ部分もそれ以上

 大きくなりません。本焼き後に補修し施釉し、再度本焼きで焼成する方法です。

 但し、いかに上手く出来ても多くの場合、小さなキズ以外では、補修した事を完全に

 隠す事は難しいと思います。

 何度も言いますが、最善の方法は一から作り直す事です。

 以上


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 質問 66 乾燥時のヒビに付いて | トップ |   

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (けい)
2024-06-25 12:59:12
再度のお返事ありがとうこざいました。
素焼き前の補修が難しいということがよく分かりました。補修材で直すのはやめます。
今回は、ひび割れとその周囲を完全に削り取り、その部分に新たに作成したパーツ置いてみようと思います。本焼き時に釉薬でくっつける予定です。
幸い、オブジェなので、「最初からこういうデザインなのかな?」というふうに見えると思います。
この度は、色々と教えていただきありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

質問、問い合わせ、相談事」カテゴリの最新記事