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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸の本について(作品集3)

2011-03-31 22:50:48 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
引き続き、陶芸に関する本について、お話します。

① 一般に市販されている作品集

  本屋さんで見かける本の価格は、千円程度の文庫本の、大きさの物から、一万円以上の

  豪華版まで、様々ですが、 一番多い価格帯は、1500円~3000円程度が、多い様です。

 ) 平安、鎌倉時代以降の、著名な作品を取上た本

  a) 日本六古窯(ろっこよう)

    無釉の須恵器は、平安時代頃まで、大和、近畿地方で焼かれていましたが、自然釉から、

    灰を原料とした釉が、発明される頃、日本各地に陶器の産地が、誕生します。

    それが六古窯です。

    それらの焼き物は、大量に作られ、関東や中国地方まで、流通する様に成ります。

  ・ 室町時代から、戦国時代にかけて、朝鮮半島や中国大陸から、製陶方法や技術が伝わる

    事によって、始められた他の窯と、区別されています。

  ・  鎌倉時代以前 の、平安時代末期(12世紀)から、継続している古い窯の中で、後に

    大きな 産地となった、代表的な六つの窯場の事です。

   即ち、備前焼(岡山県 備前市)、丹波焼(兵庫県篠山市)、信楽焼(滋賀県甲賀市)、

   越前焼(福井県越前町)、 瀬戸焼(愛知県瀬戸市)、常滑焼(愛知県常滑市周辺)の窯を指す

   言葉です。( 古陶磁研究の、小山冨士夫氏によって昭和23年頃、命名されたそうです。)

  イ) 瀬戸焼き : 釉を掛けて焼いてたのは、当時の六古窯の中でも、瀬戸 だけでした。

    他の窯場では、無釉の焼き締めでした。

  ロ) 常滑焼き : 古常滑と呼ばれる、初期のものは歴史が古く、六古窯の中でも最古で、

    最大規模でした。須恵器の時代の、平安末期まで遡り、壺や甕が主産品でした。

  ハ) 越前焼き : 古い歴史をもつ焼物で、壺や甕が主産品ですが、室町時代以降「お歯黒壺」

    と言う歯を黒く染める、鉄漿の容器が、盛んに作られました。

  二) 信楽焼き : 紫香楽宮の、屋根瓦を焼くことから、始まったとされます。大火で都が

    消失した後は、種もみ用の壺などが、細々と生産されていたが、室町時代になり、土味を

    生かした素朴な風合いが、茶人の目に止まり、茶陶として発展します。

  ホ) 丹波焼き : 壺、甕、すり鉢などの、生活雑器をつくり続けていましたが、茶人小堀

    遠州の好みによって、味わいのある、茶陶が焼かれる様になります。

    蛇窯と言う、穴窯で長時間焼かれる「灰かむり」は、力強く重厚感があります。

  ヘ) 備前焼き ; 平安末期頃は、生活雑器や壺、甕などの実用品を焼く窯場でした。

     室町以降は、高温に耐える良質の陶土を生かし、2週間にも及ぶ焼成で、強く焼き締め、

     長時間の中で起こる、窯変が茶人の好みに叶い、大いに盛んになりました。

 以上の様な、古い時代に作られた作品を、紹介している本もあります。

 古い時代の焼き物が、現在に残っている事は、かなり大切に扱われていた、証拠に成ります。

以下次回に続きます。
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陶芸の本について(作品集2)

2011-03-30 22:00:20 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
引き続き、陶芸に関する本について、お話します。

① 一般に市販されている作品集

  ) 陶芸産地の作品集

    わが国には、数多くの陶磁器の産地が存在します。それらの窯場で、作られている作品を

    紹介している本す。

    代表的な焼き物の産地として、信楽、瀬戸、常滑、伊賀、丹波、備前、志野、上野、高取、

    京都、萩、唐津、薩摩、鍋島、九谷、越前、益子、笠間その他の、民窯が多く存在します。

   a) 一つの産地の焼き物を、一冊の本に、まとめた物が多いですが、中には、複数の産地を

     取り上げているのも、見受けられます。当然、優れた作品が多いですが、中には陶磁器片

     などを載せ、窯跡などで、作品の歴史を伝えたり、絵柄や釉を紹介したりしていなす。

   b) 単に、代表的人物の作品を、紹介するだけでなく、その焼き物の特徴や、見所も記されて

     います。作品全体の写真の他、部分を拡大して、詳細に説明している本もあります。

     作品の大きさ(寸法)を、記入する事により、作品の全体像が掴めます。

   c) 産地の歴史や、窯場の地図を載せていますので、窯場を歩き回るには、参考になり、

     適した本といます。

 ) 縄文や弥生式土器など、考古学の範疇に入る土器類の紹介

   現在の陶芸とは、直接結び付くものでは有りませんが、縄文や弥生式の土器類を、紹介して

   いる本です。

   a) 特に、縄文土器は、一万年以上に渡り、日本各地で、作り続けられていた為、種類も多く、

     日用品から、人物(土偶)更には、神事に使われたと思われる作品等、その力強い造形美は、

     現在でも十分通用するもので、作品を作る上で、大変参考に成るものです。

   b) 形のみでなく、その装飾技術も、、縄目文のみでなく、渦巻き紋や、貝殻を押し当てたり、

     竹を使った細工や、紐状に盛り上げたりして、多彩を極めています。

    ・ 特に有名なのは、火焔土器と呼ばれる深鉢で、神事に使われたものと、思われます。

   c) 土器は各地に作られ、早期には、底の尖った尖底(せんてい)の形が、全国的に共通して

     います。時代が下ると伴に、○○式と言う同じような形式の土器が、広範囲に広がります。

     これは、物資の交流が、盛んに行われていた証拠に成ります。

   d) 大きなですと、土器を作る専門家も居たと、思われています。

     尚、作り手は、主に女性の仕事であった様です。

  以上の様に、単に作品を見る為の本ではなく、考古学的にも、色々勉強になる本とも言えます。

  ) 平安、鎌倉時代以降の、著名な作品を取上た本

以下次回に続きます。
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陶芸の本について(作品集1)

2011-03-29 21:42:18 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
しばらく中断していた、「陶芸の本」の話について、述べます。

 ① 一般に市販されている作品集

   色々な作品集が、巷に出回っていますが、大よそ、以下の様に分類できます。

  ) 一人の作品を収録した本

  ) 多数の陶芸作家を収録した本

  ) 陶芸産地(○○焼き)の作品集

  ) 縄文や弥生式土器など、考古学の範疇に入る土器類の紹介

  ) 平安、鎌倉時代以降の、著名な作品を取上げた本

  ) 特定の分野を取上げた本(茶陶など)

  ) 作品を販売する事を目的とした本

  ) その他の本
 
 ② 特定の場所でのみ、販売されている本(場所や期間を限定して、販売されている本)

   大きな公募展での入選作品集、韓国や中国などの、古陶磁器展示会の作品集など。

以下、少し詳しく見ていきたいと、思います。

  ) 一人の作品を収録した本

    著名な陶芸家や、作家達の作品を、紹介している本です。

    例えば、板谷波山(磁器)、北大路魯山人(食器)、富本健吉(色絵磁器)、河井寛次郎

   (民芸)、荒川豊蔵(志野)、濱田庄司(民芸陶器)、三輪休和(萩)、中里無庵(唐津)、

    金重陶陽(備前)、加藤唐九郎(志野、黄瀬戸他)、藤原啓(備前)、酒井田柿右衛門、

    (色絵磁器)今泉今衛門(色絵磁器)など、近世(戦後)の 焼き物の、巨匠と言われる

     人達の、作品を紹介した本です。

   特に、現在は、北大路魯山人の人気が高く、他の人達よりも、多く出版されています。

   代表作品を中心に、大きな写真で、紹介するのみでなく、その人なりや、作品の解説、更には

   年譜なども、収録されています。

   これらの本は、既に評価が、定まっている人達(又は故人)が、多い様です。

 ) 多数の陶芸作家を集めた本

   これらの本は、現在活躍している人達を、数十人規模で、収録しています。

   現在、どんな人が、どんな作品を、作っているのかを知るには、「打って付」の本かも

   知れません。

   当然、人数が多いですので、一人一点のみと言う事も有り、多くは、窯場毎のグループで、

   まとめられている様です。これらの人達は、現役で活躍している人が多く、今だ評価が、

   定まっている訳ではありませんが、これから更に、良い作品を、作り出す事でしょう。

   それ故、先行投資として、これらの人の作品を、集めたいと思っている方には、大いに参考に

   成る本かも知れません。

   余談ですが、作品の価値は、単に良い作品というだけでなく、ある程度、流通する為の量が

   無ければ、成りません。

   前出の北大路魯山人の人気も、彼の膨大な作品数(10万とも15万とも言われています)が

   存在し、ほど良い値段で、入手可能の事が、大きく関係していると、言われています。

以下次回に続きます。

  
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緊急時の対応 6 (雷2)

2011-03-27 23:00:31 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
4) 緊急時、地震、雷に会った場合の処置

 ② 雷(雨)に会った場合

 ) 落雷について

  e) 雨が激しく降ると、思わぬ所に、影響が出ます。

    プロパンガスを使用していると、ボンベが濡れて、霜や氷が付く事が有ります。

    特に、残り少なくなった場合には、顕著に現れます。その結果、ガス圧が低下し、温度が、

    上がり難く成ります。ボンベ中の液化ガスを、気化する為に、外部より、熱量が必要です。

    空気中から熱を取り入れますが、ボンベからは冷気を、放出する事に成ります。

    この冷気が、ボンベに付いた水を凍らせ、霜や氷と成ります。

    (屋内や、水が掛からなければ、起きない問題です。)

    ガス圧を上げようとすればするほど、氷の塊は増えて行きます。

   ・ どうしても、圧を上げたい場合には、ボンベに暖かい水を掛ける事ですが、掛けた

     そばから、凍って仕舞い、苦労します。

   ・ この様に、ボンベに霜や氷が付く現象は、雨が降らなくても、寒い冬にも、起こります。

 ) 雷サージについて

  10年程前に、近くの家で、雷の為にテレビの故障が、多く発生した事が有りました。

  雷は激しかったですが、直接、落雷した訳でもないのに、故障が発生したのは、雷サージの為

  です。

  a) 雷サージは、雷の影響により発生する、過渡的な異常高電圧(雷サージ電圧)です。

   電気は、普通100Vの電圧ですが、雷の影響で瞬間的に、1000V以上の電圧がコンセント

   から、侵入して来ます。その他、侵入経路は配電線路、電話線や、アンテナケーブル、テレビ

   に接続されている、通信線路など、多岐に及びます。

  b) 現在は、パソコンを始め、ほとんどの電子機器は、電子回路が組み込まれ、ICやLSI等の

   素子やコンデンサー等を搭載しています。

   自動燃焼装置の付いた、電気の窯も、マイコンを搭載しています。

  c) これらの、電子部品は、基準以上の電圧や、電流が流れると、破損されます。

  d) すぐ近くに落雷があった場合などでは、落雷による電圧や電流は大きくなり、機器や線路内の

   「流れやすい所」へ不規則に流れるます。場合によっては、配電盤などまで焼損し、停電状態

   となり、修理が必要となります。これを「直撃雷サージ」と言います。

  e)  もう一つのサージに、「誘導雷サージ」と言う物が有ります。

   稲妻は、放電作用ですので、電線などに作用して、異常電圧や電流を誘発します。

   必ずしも、近くの稲妻でなくても、この現象は発生します。

 ) 雷サージ対策製品

   現在の電子機器には、ある程度のサージ対策が、施されていますので、必ずしも機器が

   壊れるとは限りませんが、何らかの対策が必要に成ります。

  a) 一番安全な方法は、雷が発生したら(雷鳴が聞こえたら)全てのコンセントを抜いておく事

    です。しかし、これでは、実際的では有りません。そこで対策を講じる事に、成ります。

  b) 多くの「雷サージ対策製品」は、「誘導雷サージ」にのみ対応する物で、「直撃雷サージ」

    に対しては、効果はありません。しかも、殆どの製品は1回限りしか、効果がありません。

   尚、「雷ガード」として、市販されています。(バリスタと言う素子を使っています)

  c) 市販の雷ガードについて

    電話線用や、LAN用の製品もありますし、高い物ではないので(1000円程度~)、

    設置しておくと、安心できると思います。

    使い方は、コンセントと、電子機器の間に取り付けます。

    ちなみに、「雷ガード」は機能している間はランプがついています。ランプが消えていたら

    「雷ガード」が作用し証拠ですから、早急に新しい物に交換します。

  尚、200V使用の窯の場合、「雷ガード」が、市販されているかは、不明ですので、各自

    調べて下さい。

以上にて、緊急時の対応についての、話を終わります。

   
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緊急時の対応 5 (雷1)

2011-03-26 22:19:22 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
本日テレビで、益子(栃木県)や笠間(茨城県)の窯場で、地震による、大きな被害があった事が、

報じられていました。被害に会われた方に、謹んで、お見舞い申し上げます。

展示されていた美術品や、商品が倒れたり、落ちたりして、大量に破損した様です。

・ 特に、登り窯の被害が大きく、天井が抜け落ちた映像が、写っていました。

  耐火レンガを、モルタルで接着しながら、積み上げただけの、構造ですので、鉄骨や鉄板で補強

  された窯に比べ、脆い面が有ります。

  窯の中に、人や作品が有ったかどうかは、不明ですが、怪我のなかった事を、願っています。

・ 窯は陶芸家の命です、作品は壊れても、ある程度、再現が出来ますが、登り窯の復興と成ると、

  多大の時間と、費用が必要に成ります。その間、作品を作っても、焼く事が出来ません。

・ 一応復興を目指したいと、お話していましたので、陰ながら、応援したいと思っています。

本日のテーマについて、お話します。

4) 緊急時、地震、雷に会った場合の処置

 ② 雷(雨)に会った場合

   夏場の夕立等、急に雷が鳴り始め、周囲に落雷などが、続いて起きた時にも、続行か中断かを、

   迷う場合があります。朝から焚き始めた窯も、夕方にはかなりの、高温になっていますので、

   迷いも、大きくなり易いです。

  雷の危険は、落雷の他に、電子機器を壊す、「雷サージ電流」の怖さも有ります。

 ) 落雷について

   金属製の煙突のある窯では、当然、煙突は建物より、高い場合が多いです。

   都市部にある窯等は、周囲の煙突より高い建物も、数多く避雷針も付けれれている為、直接

   激しい雷であっても、窯の煙突に、落雷する事は、稀な様です。
   
   但し、避雷針自体は、落雷を避ける物ではありません。むしろ、避雷針に落雷させる事により

   周囲に、落雷し無いように、設けられいる物です。

  a)  避雷針の有効範囲は、旧JISでも避雷針の保護範囲(角度法)が決められています。

    一般建築物であれば避雷針の頂点から60°以下の範囲内とし、

    可燃性ガス・液体を扱う製造所・貯蔵所は45°の範囲と定められていました。

  ・ 例えば、 高さ20mの避雷針の、一般建物における安全範囲は、避雷針を中心に半径約11.55m

    となります。高さが15mだと地上部分で直径15~25m程度が保護範囲でした。

  ・ 新JIS(2003年にJISが改正)における避雷針の保護範囲(角度法+回転球体法)

    回転球体法では、先駆放電の先端(避雷針の先端)から、雷撃距離(避雷針の高さ)Rmの

    球の範囲内と、その球に接する地面からの、角度(高さ等に拠って決られています)内が、

    避雷範囲に成っています。(有効範囲は、旧JISと大きな違いは、ない様です。)

  b) いずれにしても、避雷針の有効範囲は、我々が思っている以上に、狭い事が解かります。

    あくまでも、避雷針のある建物を、守る事が役目になっています。

    それ故、近くに避雷針があるからと言って、安心は出来ません。

  d) 人家の少ない所などでの、雷は怖いものです。窯の煙突程度の高さであっても、落雷の

    危険性が有ります。激しい雷が発生した場合には、中断する決断も必要です。

    但し、雷よりも、雨が激しい場合は、必ずしも、中断しなくても、良いかもしれません。

    (雨の降っていない方が、危険が大きいと言う話を、聞いた事があります。)

   ・ 夕立が有りそうな天気の場合には、早めに作業を終わせる様にしたいです。

     又、天気予報に注意しながら、窯焚きのタイミング(日時)を、見つける事です。

  e) 雨が激しく降ると、思わぬ所に、影響が出ます。

以下次回に続きます。

   
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緊急時の対応 4

2011-03-25 21:40:02 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
3) 大地震の対応

 ③ 燃焼再開

 ) 再開後でも、異常を感じたら、直ぐに中止します。

    いくら点検作業を行っても、実際のとこは、異常があるかどうかは、確認できません。

    再開後に、異常が見つかる事もある得ます。

  a) 再開後、最初にする事は、熱伝対温度計で、現在の温度を測定する事です。

    まず、正常に作動している事を、確認します。温度がどんどん下がっていれば、正常に

    作動している事に成ります。現在の温度が解かれば、これから、焼き上がるまでの、時間が
   
    どの位掛かるか、予想がつきます。

    (一昔前の、アナログの熱伝対では、外部電力を必要としませんが、現在のデジタル式では、

     電気が来ないと、作動しません。)

  b) 電気の窯で、マイコン制御の場合、停電時から、続きが出来るのか、あるいは、「リセット」

    して、設定し直すのかは、機種によると思いますので、確認が必要に成ります。

  c) 電気や、燃料を供給すると、温度は上昇に転じます。

    その際、電流値を見て、断線がない事を確認します。電流値が低下していれば、一部が

    断線している恐れがあります。

  d) 燃料を供給した場合、炎が窯の中に、抵抗なく吸い込まれる事を、確認します。

    窯のバナー口が、塞がっている場合には、炎がスムーズに流れず、逆流します。

    その他、いつもと違う音(異常音)や、ガス臭いにおいがしたら、ガス漏れの恐れも

    あります。燃料を供給する際には、最初は少量にし、異常がなければ、通常の焼成に戻し

    ます。目、耳(音)、鼻(臭い)、触覚(熱)など、五感を使って、しばらくの間、様子を

    見続けます。

4) 緊急時、地震、雷に会った場合の処置

 ① 大地震ではなくても、ある程度強い地震に、遭遇する場合があります。

   揺れの大きさによっては、焼成を中断すべきか、迷う事がありますが、大抵の場合、そのまま

   続行する事が多いです。 地震の長さも、1分程度で終わり、停電もなく、中断しようとしても、

   すでに地震が、収まってしまう事の方が多いです。

   又、地震の際、窯の傍にいるとは限らず、特に電気窯の、自動燃焼では、離れている場合

   の方が、多い様です。

   しかし、地震後直ぐに、問題(トラブル)がないか、確認する必要があります。

   当然、トラブルの度合いによって、続行か中断の、決断をする必要があります。

 ② 雷(雨)に会った場合

   夏場の夕立等、急に雷が鳴り始め、周囲に落雷などが、続いて起きた時にも、続行か中断かを、

   迷う場合があります。朝から焚き始めた窯も、夕方にはかなりの、高温になっていますので、

   迷いも、大きくなり易いです。

以下次回に続きます。   


   
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緊急時の対応 3

2011-03-24 21:21:50 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
3) 大地震の対応

 ③ 燃焼再開

   大地震が起きても、遠く離れた場所では、大きな揺れを感じたとしても、必ずしも、

   停電するとは、限りませんし、たとえ停電しても、数分で復旧する事は、稀ではありません。

   たとえ、停電しなくても、大きな揺れを感じたら、電源を落としたり、燃料の供給を、停止

   する事は、重要な作業です。

  点検作業で、異常がなければ、燃焼の再開が出来ます。

  但し、くれぐれも、生のプロパンガスなどが、窯の中に、滞留していない事が大切です。

  生ガスが存在すると、窯が爆発し、窯が壊れます。確認出来ないときは、再開を諦め、300℃

  程度になったら、窯の扉を少し開けて、ガスが逃げる様にしてから、再開して下さい。

 ) 窯の温度の低下と、再上昇

   電源や燃料の供給が止まると、当然、窯の温度は低下します。たとえ10分間途絶えても、

   100℃以上温度が下がる事は、稀ではありません。

   (停止時の温度や、窯の大きさ、窯の壁の厚さによって、その低下度は変化します。)

   再開すれば、温度は上昇しますが、その上がり度合いに、停止直前とは、違いがあります。

  ・ 即ち、100℃上昇するのに、1時間掛かっていたとすれば、再開後はその半分の、30分

    程度で、100℃上昇します。勿論、停止時間が短い程、温度上昇が、早くなります。

    それ故、停止時に窯の温度が、高い場合には、なるべく早く、再開した方が、エネルギーの

    無駄が省けます。

  ・ 一度温度が低下後、再上昇しても、作品に与える影響は、殆ど無いと思って下さい。

    特に、素焼きの時には、影響は皆無でしょう。

    但し、結晶釉の様に徐冷の際での、再上昇では、結晶の状態にかなりの、影響が出ると

    思われます。

 ) 窯の温度が、700~800℃程度以下でしたら、余震が続くかも知れない中で、急いで

    再開する必要はないかも知れません。

    素焼き程度の温度に必要な、燃料や電気量は、本焼きの約1/3程度です。

    数日後に、再燃焼となると、このエネルギーは、丸々損失になりますが、半日や1日後の

    再開ならば、丸々の損失には、ならない場合が多いです。

    (当然、窯の大きさ、作品の量等にも、左右されます。)

 ) 再開後でも、異常を感じたら、直ぐに中止します。

    いくら点検作業を行っても、実際のとこは、異常があるかどうかは、確認できません。

    再開後に、異常が見つかる事もある得ます。

以下次回に続きます。
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緊急時の対応 2

2011-03-23 22:53:25 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
3) 大地震の対応

 ② 点検作業

   まず、燃料の供給が停止できれば、次に、全ての部分を点検し、被害を確認する必要が、

   有ります。主な点検場所は、燃料周辺と、窯の中の状態を知る事と、速やかに、焼成再開が

   出来る環境に成っているかの、確認の為の点検です。

 ) 燃料にプロパンガスを使っている場合

  a) ボンベが倒れていないか、ゴムホースが外れていないか、周辺にガスの臭いがしないかを、

    点検確認します。ガスが周囲に漏れている場合は、火気厳禁です。

    たとえ、元栓が閉じられていたとしても、閉じる迄の間に、漏れたかも知れません。

  b) 漏れた場所を特定する。

    複数個ある、元栓を全て閉じたあと、順次元栓を開けて、漏れを確認します。

    即ち、ボンベの大元のコックを開きます。ボンベには、ゴムホースが繋がっているはずです。

    その先にレバーの栓が続き、ガスの圧力計をへて、ガスバーナ付近の元栓と続き、第二の

    圧力計をから、バイナーの栓となります。栓と栓との間に、ガスが残る様に、順次栓を

    開けていきながら、圧力計を、監視します。圧が抜ける様ですと、その間から、ガス漏れが

    している事になります。ガス漏れは、素人では、手に負えませんので、ガス屋に頼むしか

    有りません。勿論、窯焚きは、ここで中止になります。

   c) プロパンガスは、空気より重く、地面近くや、窪みに溜まり易いです。それ故、箒で

     掃いたり、団扇(うちわ)などで、拡散させます。

   d) 生ガスが、窯の中に閉じ込められている、可能性もあります。

     窯の温度が高い場合に、地震が起きても、ガスは燃焼しますが、低い温度や、中途半端な

     温度の時は、送風機が止まり、生ガスとなる場合も有ります。たとえ元栓を止めても、

     窯の中に、残った場合には、再点火すると、ガス爆発を起こす可能性もあります。

 ) 灯油の漏れの場合、

    灯油タンクの転倒、給油経路での油漏れ等が、ないかを点検します。

    たとえ漏れていても、ガスよりも危険性は少ないです。自分で手当てする事も、可能かも

    知れません。

 ) 窯の点検

   a) 窯自体が破損されていないかを、目視にて確認します。壁に亀裂が入り、熱風が吹き出て
  
     いる場合は、火傷に注意します。

   b) 小さな電気の窯などで、キャスター(車)が付いている場合、大きな揺れで、移動し、

     他の物に当たったり、電気コードが引っ張られて、切断する場合も有りますので、確認が

     必要です。

   c) 据え置き型の窯などは、鉄骨などで、支えられていますので、地震で壊れる事は、少ない

     と思います。

   d) 煙突の付いた窯では、煙突の状態も、点検します。

 ) 窯の中の点検

   a) 300℃以上になったら、窯を開ける事は、危険です。それ故、中の様子は、覗き穴から、

    観察する必要があります。高温の場合は、窯の中の様子が、判りますが、温度が低い場合は

    懐中電灯などで、照らす必要があります。

    b) 窯の中の棚板が崩れ、作品が横倒しになったり、作品同士がくっつく場合があれば、燃焼の

    再開は出来ません。又、作品等が、バーナー口を塞ぐ事があれば、ここで中止しなければ

    なりません。熱伝対温度計の、保護管などや、熱伝対自体が、破損しているかも知れません。

    (この場合は、通電しないと、判らないかも知れませんが・・)

   c) 電気窯の場合、棚板や作品が、揺れて電熱線をい傷めていたり、断線している場合も

     あります。特に、電熱線がショートしている場合が、怖いです。テスターなどで、抵抗値

     から、判断できる場合も有ります。

   その他、気になる所は、点検確認が必要になります。

  この様な、点検確認で、異常がなければ、燃焼再開は可能ですが、あくまで停電が終了している

  必要があります。

 ③ 燃焼再開

以下次回に続きます。
    

   

    
  
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緊急時の対応 1

2011-03-22 22:45:54 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
本来なら、「陶芸に関する本」について、述べる所ですが、東北関東大地震と関係ある、緊急時の

対処方法について、お話します。(本に関する話は、この話が終わってから、述べます。)

1) 緊急時とは何か?

  今回の大地震は、緊急事態です。又、停電や、小さな地震や、落雷、窯の中の爆発などの他、

  燃料の突然の停止などが、やや規模の小さい、緊急時とも言えます。

2) 特に問題になるのは、運悪く、焼成中にこの様な、出来事に遭遇した場合で、その対応の仕方

   によっては、事態を悪化させる事に成ります。

   焼成中でなくとも、作品が棚等から、落下したり、棚自体が倒れたりして、作り途中の作品を

   含めて、多くの作品が、壊れるかも知れませんし、最悪、家が崩壊する場合も、考えられます。

3) 大地震の対応

   地震の長さは、長くても1~2分で、終わります。しかし大地震では、何度も規模の大きい

   余震が続きます。この様な事態に遭遇した場合の、対処方法を、考えたいと思います。

 ① 燃料の供給を断つ

  a) 電気の場合は、即停電になります。ならない時は、電源のスイッチを切ります。

    又、都市ガスは、自動的に、供給停止するとしても、電気の様に、直ぐに供給が止まる訳

    では有りません。

    (大元は停止しても、ガスに圧が掛かっていますので、直ぐ火が消える訳ではありません。)

   b) 個別にプロパンガスを、使用している場合には、緊急遮断装置が付いていれば、自動的に、

    ガスの供給が、停止されますが、付いていない場合には、手動で停止する必要があります。

    又、強制燃焼の場合は、自然燃焼よりも、強いガス圧で、送風機(ブロアー)を使いガスが、

    供給されています。送風機は停電で停止しますが、ガスは勢い良く吹き出て来ますので、

    早急の停止が、必要になります。

   c) 灯油の場合ですと、送風機の付いたバーナーで、燃焼させますが、送風機も停電で止まり、

     灯油だけが、流れ出ている状態になります。

   d) 薪窯の場合ですと、瞬時に燃料の供給を、停止する事は、出来ません。

     薪の供給を止めても、直ぐには役立ちません。この場合は、別に考える必要があります。

  以上の様に、窯の種類によって違いが有りますが、燃料の供給を、止める事が、第一になります。

  常に窯の傍に居るとは、限りません。燃料の(元)栓は、複数個付いているのが普通です。

  それ故、自分の位置から、一番近い栓を閉めてから、全部の栓を止めます。

 ② 点検作業

   まず、燃料の供給が停止できれば、次に、全ての部分を点検し、被害を確認する必要が、
   有ります。

以下次回に続きます。
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陶芸の本について(技術書7)

2011-03-21 21:48:49 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
1) 技術書について

 ④ 「手ひねり編」「電動轆轤編」「釉薬編」「装飾編」「技法辞書編」など。

  ) 技法辞書編

    焼き物の全般に渡り、解かり易く、技術を解説した物が、一冊の本にまとめて記載されて

    います。

   「あいうえお」順に記載された本や、技術毎に、まとめられている物など、多彩です。

   手捻りの技法や、電動轆轤の技法、釉薬の解説、装飾の仕方、更には、窯の焚き方まで、

   場合によっては、窯の築き方まで、取り扱ている本も、有ります。

   a) 項目が多い為、簡単な説明程度で、詳しくは、述べられていません。

    しかし、陶芸の初心者など、陶芸全般の知識を得るには、適しているかも知れません。

    又、陶芸に関する、辞書的な役割を、期待する人には、手頃な、書物とも言えます。

    陶芸用語を知ったり、大まかな技術の解説などは、使い方によって、有意義に活用でき

    そうです。

   b) 但し、ある程度、陶芸をやっている方などでは、解かり切った事しか、書いていない等と、

    思われるかも知れません。それ故、余り役に立たないと、感じるかも知れません。

  ) 失敗と対策編

    焼き物には、必ず失敗が、付き物です。何度も失敗しながら、上達して行きます。

    失敗の原因は、容易に判明する場合と、何度も失敗し、そこから、抜け出せない場合も有り

    ます。 良き指導者や、助言者が居てくれれば、容易に解決する事も、自分一人では、

    手に余る事も、多いでしょう。

    その様な、悩みを解決してくれる様な、本も存在します。

   ・ 即ち、どうしてそうなるのかを、具体的に原因を述べ、その解決方法を、示す様に

     記載されています。

   ・ 筆者が一人の場合と、数人の陶芸家が、幾つかの原因を挙げて、解説している本が有り

     ます。失敗の原因は、一つとは限らず、複数存在する事も、稀では有りませんので、

     多くの意見を聞くと言う事では、後者の方が良いでしょう。

 陶芸の技術に関する本は、近頃富に、多く成って来た様に、感じます。

 ご自分に合った本を見つけて、何度でも読み返す事です。あれこれ手を広げて、読み漁る事は、

 必ずしも、為にならないかも知れません。ある程度、自分の技術を、確立する迄では、慎重に本を

 選ぶべきかも、知れません。


◎ 最後に(焼き物の未来)

  ① 焼き物技術について: 既に、紀元前のエジプトでは、轆轤が使われていました。

    当然、作品を作る技術は、大雑把ながら、確立されていたと、思われます。

    それ以来、現在に至るまで、作品を作る技術は、大きく変化していないと、思われます。

  ② この間に、技術が進歩した物は、釉の発達、高温で焼ける窯の発明、それに、磁器の発明が、

    上げられます。更に、大量生産の為の、諸々な設備や、機械類が発展を遂げています。

  ③ 装飾性に関しては、これからも、発展していくと思われますが、日用品としての、焼き物

    よりも、より芸術性を有する焼き物と、成っていくと思われます。

  ④ 焼き物は、高温(1200~1300℃)で焼く事によって、完成させています。

    将来は、1000℃以下で、現在と同じ様な、焼き物が作れる様に、成るはずです。

    その為には、現在使われている粘土や、磁土に替わり、新しい素材が発明されるはずです。

    それに合わせて、新しい窯が、登場するでしょう。

    (昔は、コンクリートは、使用に耐えるには、数日を要しましたが、現在では、数時間と

     短く成っています。この様な事が、焼き物にも、起こると思われます。)

    又、焼き物の欠点である、衝撃に弱い事も、無くなるかも知れません。

  ⑤ 何れにしても、現在の様に、熱として、エネルギーを大量に使う方法は、淘汰される運命に

    あると、言えるでしょう。その時期は、意外と早いかも知れません。

以上で、「技術を取り扱った本」の話は、終わりにし、次回より、その他の本について、話したいと、

思います。

    
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