わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

大物を作る11(手捻ると轆轤を併用2)

2011-06-25 21:38:55 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話の、最終回です。

 5) 手捻りと轆轤の共同作業で、背の高い作品を作る

  ② タタラ板を、筒に巻きつけて、背の高い作品を作る

    粘土の紐を巻き上げる方法では、紐の太さの問題や、繋ぎ目の処理など、意外と前準備の作業が、

    多くなります。それらを、省略する方法ともいえます。

   a) 肉厚が1~2cm程度の厚みのタタラを、紙を巻いた、太めの径の筒に巻きつけ、繋ぎ目を

    しっかり寄せて接着します。その際。合わせ目に水を付けると、より強固に繋がります。

     筒の径は、片手が完全に入る大きさにします。最低でも径が12cmは欲しいです。

    ・ 筒は出来れば、作品の最大径に近い方が、後の作業がし易いです。

      水道屋さんが使う、塩ビの管は、径も豊富で、使い易く重宝しています。

      (余談ですが、私の場合、最大径が21.5cmの物も用意しています。傘立てなどは、

       筒に巻き付けて、底をつければ、直ぐに出来上がります。)

    ・ 以前、轆轤は遠心力が働くので、径を大きくする事は、さほど難しくは、ありませんと

      お話しましたが、今回の方法では、なるべく径を広げずに、逆に必要な所の径を、

      細く作る方が、作り易いです。詳細は後で述べます。

      繋ぎ目に、段差があれば消します。(段差の原因は、肉厚の差です。)

   b) 筒に巻いたまま底を、貼り付けます。

     底に成る土を、轆轤の中心に置き、しっかり固定してから、筆に水を付け、接着面を濡らし、

     筒を置き接着し、筒を抜きます。筒が中空の場合には、抜き易いですが、瓶などの様に、

     底が付いている場合は、巻き付けが強いと、中々瓶が抜けません。 又、時間がたち過ぎると、

     土が収縮して、筒が抜けなく恐れがありますので、早めに筒を抜きます。  

   c) 底の内側にやや厚めの紐を、1本巻き補強します。

     轆轤作りや、紐を巻き上げる方法と比べ、側面の肉厚が一定しています。

     即ち、下部に行くほど、肉厚になっているのが、普通ですが、この場合、底近くの肉が薄い為、

     轆轤作業が、不安定に成ります。そこで、補強する訳です。

     又、肉が薄いと、削り作業を十分行う事も出来ません。

  d) 轆轤を回転させる前に、大まかな形を作ります。

    底周辺の径を狭め、口周辺の径も狭めます。

    即ち、底部は外から中心方向に、力を加えて細くし、口周辺は、両手で土を摘み、近ずける様に
 
    して狭めます。

    但し、肉厚が2cmもあると、径を細めた時に、拠れが発生し易いです、それ故、径を大きく

    狭める形の場合は、巻きつけるタタラの肉厚を、やや薄くします。

  e) 轆轤を回転させ、内外の凸凹をなくしてから、形を作ります。

    両手に水に濡らした布を持ち、水切れしない様に、徐々に形を作ります。

    壷の様に、首があり、手が入らない時は、柄コテを使いなす。

    当然、両手は繋げる事が出来ませんので、内外の手の位置関係を、しっかり確認しながら

    作業します。

  f) この方法での、轆轤作業が難い点は、繋ぎ目周辺で、上手く土が伸びない事です。

    それ故、轆轤作業前に、タタラの繋ぎ面を、なるたけ丁寧に接合する事です。

以上にて、「大きな作品を作る」の話を終わります。

次回より、新たなテーマでお話する、予定です。
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大物を作る10(手捻ると轆轤を併用1)

2011-06-24 21:40:44 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

 5) 手捻りと轆轤の共同作業で、背の高い作品を作る

    轆轤だけで、背の高い作品を作るのは、かなりの熟練を要します。

    手捻りの紐作りで、高く巻き上げる事は、さほど困難ではありません。

    又、タタラを筒などに巻きつけ、背の高い筒を作る事も、さほど困難ではありません。

    そこで、手捻りで、ある程度の高さまで、筒状の作品を作り、その後轆轤挽きして、綺麗な筒状に

    仕上げてから、形作りに入れば、背の高い作品を、より容易に作る事出来ます。

    但し、それなりの、手順を踏んで、作陶しないと、思った様にはいきません。

    更に、この作り方ではの作品もあります。異なる色土をある順序で、積み上げる事により、

    色土による模様が、表現できる事です。(練り上げの技法)

  ① 紐を巻き上げて、背の高い作品を作る

   ・ 巻き上げる方向には、右(時計)回転方向と、左(反時計)回転方向があります。

     轆轤の回転方向(一般には右回転)との関係で、二通りの方法があり、人により差があります。

     即ち、巻き付けた方向に更にまき付ける方向と、巻き付けを緩める方向に成る場合です。

   ・ 前者ならば、左回転方向に、後者ならば右回転に、積み上げます。

     即ち、右回転での轆轤作業では、土は左上がりに捩れ(ねじれ)ます。

   ・ 同じ方向に成る様にすると、強度が増しますが、乾燥や焼成で、形が狂い易くなると言う

     人もいます。巻き戻す方向にすると、土の歪(ひずみ)や撚れを、少なくする効果がありますが、

     巻きつきが弱くなる(ひびが入り易い等)と、言う人もいますので、一長一短です。

   a) 巻き上げると、繋ぎ目と段差が生じますから、繋ぎ目を指などで上下の土を、移動させて

     消します。紐の太さにも差があると、肉厚にも差が出ます。

     しかし、少々の肉厚の差や、表面の凹凸は、轆轤挽きによって、解消されますので、

     この段階では、気にする必要はありません。

   b) 轆轤挽きするには、土の表面から「ドベ」を出す必要があります。

     布切れを水に濡らして、下から上に撫ぜる様にすれば、「ドベ」が出ます。

     まず、表面の凸凹を無くしてから、綺麗な円を出し、本格的に轆轤挽きします。

   c) 紐は太めになっていますから、轆轤挽きする事により、若干薄くする事が出来、背も上に

     伸びます。又、土も固めに、巻き上げられているはずです。

   d) 徐々に胴の部分を膨らませて、作品を形作りします。

   e) 筒状にしてから、形作りに入ると、折角高く巻き上げても、高さが低くなってしまいます。

     そこで、最初から、おおよその形に土を積み上げる方法が、背の高さを保持し易いです。

   f) 練り上げの技法は、この方法で数種類の色土を、計画的に積み上げて、模様を出します。

     但し、轆轤挽きを行うと、模様が変化してしまいますので、轆轤作業は、削りのみにします。

   g) 余談ですが、5世紀~中世までの、釉薬が掛かっていない陶器を、須恵器(すえき)と呼びます。

     (須恵器は、我が国において、最初に窯で焼成した焼き物です。)

     粘土で紐を作り、積み上げて形を作ります。叩いたり、削ったりして形を整え、仕上げに

     轆轤を用いていました。作品の種類も多く、貯蔵用の壷や甕(かめ)皿や瓶類、食器など

     大きな作品も存在しています。

    即ち、今回お話した技法は、1500年以前より、用いられていた方法と、まったく同じ事に

    成ります。尚この技法は、5世紀中葉に、朝鮮半島からの、渡来した陶工集団によって、

    伝えられた物だそうです。

  ② タタラ板を、筒に巻きつけて、背の高い作品を作る

以下次回に続きます。

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大物を作る9(轆轤で作る6)

2011-06-23 22:18:51 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

  ② 大皿を作る

    極端に浅い大皿を作るのは、かなりの技術を要しますが、一般的な形の大皿の場合は、

    さほど困難な事ではありません。(轆轤で作る皿は、浅いほど難しいです。)

    但し、作業環境に大きく影響が出ます。

   ・ 広いスペースが必要に成ります。

     即ち、50cm又は、それ以上の径を有する物が、回転しますので、轆轤の周囲はかなり余裕が

     必要に成ります。更に、轆轤挽きの後、数日間乾燥させますので、作品を置く場所も、確保する

     必要があります。素焼き後では6~7%程度縮みますが、それでも、かなりの大きさです。

     (素焼き後では、作品に強度が出、作品を重ねて置けますので、やや余裕が出ます。)

   ・ 一人では、無理な作業があるかも知れません。

     轆轤挽き後、亀板を轆轤上から、取り除く際、一人よりも二人で作業した方が良いでしょう。

     後で述べる底削りの際に、大皿を逆さにするにも、二人掛りの方が、安全です。

     更に、大皿に釉を掛ける際には、特殊な方法(吹き掛けなど)を除いて、一人では無理な事が

     多い様です。その他、窯詰め作業も、他の人手が欲しい所です。

     (高さが高くても、径が30cm以内なら、色々な作業が、一人で行う事が出来ます。)

    前置きが長くなりましたが、本日のテーマに付いて、お話します。    

  ) 底を削る

     轆轤挽きした作品は、乾燥後高台を削り出します。当然裏返しての、作業に成りますが、

     作品の径が大きい為、轆轤に直に載せる訳にはいかず、シッタ(湿台)を使う事に成ります。

   a) 一般にシッタは、筒状の素焼きの物が多く、使用に当たり、十分水を吸い込ませます。

     シッタの径も大きくないと、作品を安定的に置けません。

     シッタの使い方は、すでにご存知の事と、思いますので、詳細は省きます。

   b) 轆轤上にシッタを置き、その上に、大皿を逆さに置きます。

      作品の底が、轆轤面と平行に成る様にすると、中心が出易いです。

      一度中心が出れば、作品が重いでの、容易には、振れたり、移動しないでしょう。

   c) 大皿の場合の高台の径。

      大皿を轆轤挽きの際、底の径は、大きめに取りますが、削り作業で、正規の値(設計寸法)に

      成る様にします。

    ・ 大皿の高台が、内外二重になっている作品を、良く見かけます。

      高台径を大きく取れば、焼成により、大皿の周囲の変形が少なくなります。

      但し、皿の中央部が、下からの押さえが弱く、焼成で下に垂れる現象が、起こります。

      その為に、内側にも、やや小さめの高台を、付けます。

     (勿論、焼成時に下から支える物を、使えば良い訳で、必ずしも、二重にする必要はありません) 

    ・ 皿の高台の径は、皿の底の広さや、深さによって変化させます。

      底の径が大きい時には、高台径も大きくします。又、深みのある皿ならば、高台径は、

      やや小さくします。高台径は、本焼き時に、作品の変形に強く影響しますので、最適な径を

      選ぶ必要があります

   d) 削り作業では、裏返した大皿の高さが、「ドベ受け」より高くなりますので、「ドベ受け」は、

      轆轤にセット出来ますが、大皿の径が、「ドベ受け」よりも大きいと、削りカスを受け止める

      事は出来ず、周りに飛散する事に成ります。それ故飛散しそうな所に、新聞紙などを、

      敷いて置くと、後々掃除が簡単になります。

 5) 手捻りと轆轤の共同作業で、背の高い作品を作る

以下次回に続きます。

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大物を作る8(轆轤で作る5)

2011-06-22 22:35:55 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

  ② 大皿を作る

    轆轤は回転していますので、常に遠心力が掛り、土を外へ外へと、押し広げ様と力が働きますので、

    背の高い作品を作るよりも、作業は容易に成ります。

    しかし、径が大きな作品を作るには、小皿を作るとは違った注意が必要です。

    又、直径40cmの皿を作るには、製作時には、45~46cm必要になります。

    焼き上がり径が50cmの時は、生では57~58cmで、作る様にします。

  ) 亀板を用意する。 

    皿は作品の径が大きく、轆轤上で直に作陶すると、ゆがませない様に、取り上げる事が

    難しく成ります。それ故、長時間轆轤を、占領する事に成ります。亀板の上で作業をすれば、

    亀板ごと取り上げる事が出来ます。   

  ) 轆轤の「ドベ受け」が使えないかも知れません。

    一般に使われている轆轤のターンテーブルは、30cmの物が多い様です。

   この場合、亀板の径(丸の場合)は35cm程度までならば、「ドベ受け」は使えますが、

   それ以上大きくなると、「ドベ受け」が邪魔に成る為、取り除く必要が、あります。

   ・ 「ドベ受け」は、轆轤作業で発生する、泥水を周囲に飛散させない、轆轤周囲の囲いです。

     これが使えない事は、轆轤周辺に泥水が、飛散する事でまあり、底削りの際に、削りカスが、

     飛散する事でもあります。その為、作業前に対策を採る必要があります。

     なるたけ水の使用を、控えるとか、周囲が汚れても良い、環境にしておきます。

   ) 力の強い轆轤を使う事。

     径大きくなると、トルク(半径X力)が大きくなります。馬力の弱い轆轤では、力を入れると、

     回転がストップする恐れがあります。

   ) 作り方は以下の様にします。

      使う用具は、皮、布切れ、厚みを測る針、竹へら、などです。

    イ) 基本的には、一塊の土を使い、一気に挽き上げてしまいます。

       轆轤上の亀板に、所定の量の土を載せ、拳(こぶし)で土の中央を、叩き締めます。

      土を締める事により、底割れを防ぎます。底の厚みは、作る作品によって差がありますが、

      1.5~2cm程度にします。

    ロ) 轆轤を手で回転させ、底の中心から外側へ、土を平らにしながら、底の大きさを決めます。

       皿を作る重要なポイントは、製作時に、底の面積を大きく取る事です。

       最終的には、底削の際に、底の面積(高台の大きさ)を決めます。

       一般に、皿の高台の径は、皿の外形の1/2~1/3と言われていますが、

       轆轤作業時には、1/2以上にします。

    ハ) 底部と土の周囲は、盛り上がって、凸凹しているはずです。

       これを塗らした布切れで、押さえ込み、厚みの揃った、綺麗な円を出させます。

       この際、かなりの力が必要で、馬力の無い轆轤では、ストップしてしまいます。

    ニ) 周囲の土手を、肉が薄くなる様に、上に伸ばします。

       当然、大きな皿は、ある程度の肉厚が必要です。上部が広がらない様に注意します。

       要所要所土を、両手で抱え込む様にして押さえ、振れを止めます。

    ホ) 土の上部を、手前に倒す様にして、径を大きくします。

       轆轤の回転は、徐々に遅くして行きます。

       土の側面を「こて」を使って、形を作ります。

       (広い面積を、綺麗に仕上げる為には、「こて」を使う事です。)

       作品の形が出来たら、皮を使って口縁の土を締めながら、拭きます。

    へ) 最後に底に、底に残っている、水やドベをスポンジで拭き取ります。

       切糸を使い、亀板から作品を、切り離しておきます。軟らかい内に作業をしておかないと、

       後で苦労します。

  ) 底を削る

以下次回に続きます。
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大物を作る7(轆轤で作る4)

2011-06-21 22:05:30 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

 ① 背の高い作品を作る。

 b) 繋ぎ合せて、高い作品を作る。 

  ) 筒状に挽き上げた土の上に、同じ様な筒状の土を載せ、高さを高くしてから、轆轤成形する方法。

    背の高い、大きな作品を作るには、いかに土を高く挽き上げるかに掛かっています。

   イ) 前回お話したのは、土を分割して、各々を轆轤挽きし、乾燥した下部に積み上げて、

      作品を作る方法ですが、製作時間が掛かる事と、完成した作品を予想しながら、作らなければ

      成らないと言う、欠点もあります。(但し、この方法が一番、肉が薄く軽く出来るはずです。)

    ロ) 今回お話するのは、一度に挽き上げる高さは、目標の高さの1/2程度、挽き上げれば

       良いと言う方法です。

       即ち一度に40cmの高さまで、轆轤で挽き上げるのは、かなりの熟練を要します。

       更に、粘土も5Kg程度必要かもしれません。

       しかし、20cm程度の高さで有れば、さほど困難ではありませんし、土の量も

       (筒2本分で、)半分程度で済みます。

    ハ) 一例をお話します。

       土2.5Kgを用意し、1.5Kgと1Kgに分けます。

     ・ 1Kgの粘土を轆轤上に載せ、片手が入る程度の筒状に、轆轤挽きします。

       底は抜きます。高さは、20cm以上が欲しいです。肉厚は厚くする必要はありません。

       出来れば亀板の上で、轆轤作業をし、作業後に亀板ごと取りあげます。

       (轆轤に慣れない方は、この20cmが一つの壁に成ります。ある意味この高さまで、

        轆轤挽きが出来ない方は、大物に挑戦するのは、困難かも知れません。)

     ・ 1.5Kgの土を轆轤上で、底のある筒状に挽き上げます。筒の径は1Kgの筒と同じに

       します。高さは20cm程度にしますが、土の量多いですから、当然肉厚に成ります。

       出来れば、1.5~2cm程度の肉厚にしたいです。

     ・ 轆轤上の筒に、先に作った筒を載せます。先に作った筒は、亀板から糸で、切り離して

       おきます。さもないと、亀板の重みも、下の筒にかかり、変形を起こすからです。

       尚、基本は、轆轤上の筒を挽き上げた直後に、上に載せますが、下が柔らかい時には、

       若干乾燥させてから載せます。筒2本が縦に繋がりますので、高さは40cm程度に

       成ります。

     ・ 2本の筒を繋ぎ合わせる方法は、前々回お話しましたので、省略します。

       但し、合わせた所は、土を良く締めてから、轆轤の回転を「ゆっくり」させながら、

       振れをなくします。

     ・ 接合部分が、凸凹も無く平らに成ったら、胴を徐々に膨らませ、形を作って行きます。

       全体の形が一目で解かりますので、形も作り易いです。

       繋ぎ目をしっかり内外から、手を当て力を入れて、土を締めないと、胴を膨らませた際に

       繋ぎ目に「ひび」が入り易いから、注意して下さい。

   二) 背の高い作品を作る場合、轆轤の前に座ったままでは、内側の手が奥まで入らない場合が

      あります。 その際には、轆轤の横に立って作業する必要があります。

      姿勢がやや不安定な中腰に成りますので、作業がやり難いかも知れませんし、腰を

      痛めない様に、注意して下さい。

  ② 大皿を挽く

以下次回に続きます。   
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大物を作る6(轆轤で作る3)

2011-06-20 21:51:34 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

  一般家庭では、大きな作品を作っても、出番が少なく、余り役に立た無いかも知れません。

  置く場所が無い事と、一度仕舞い込むと、取り出すのが、面倒な為も有りますが、何よりも、使い難い

  事が最大の、理由かと思われます。

  大皿でも30cm程度までが使い易く、花瓶や壷なども、高さが30cm程度までの物が多く使われます。

  陶器で背の高い物は、傘立て位です。高さが42cm~50cm程度の物が普通で、外径も16cm~

  25cm程度の物が一般的な寸法です。

  傘立ては、持つ物ではありませんから、重量があっても、さほど問題には、成りません。

 ・ 大きな作品は、展示用に作る事が多いです。即ち、陶芸展の様に、広い会場で展示するには、

   ある程度の大きさでないと、見栄えがしません。それでも壷などは、高さが30~35cm程度が

   中心で、稀に40cm以上の物がある程度で、45cm以上は、ほとんど見かけません。

   但し、器ではない作品(オブジェ等)では、50cm以上の作品も珍しくはありません。

 前置きが長くなりましたが、前回の続きをお話します。

① 背の高い作品を作る。

 b) 繋ぎ合せて、高い作品を作る。 

  ) 下段を形作り、乾燥させ強度を持たせてから、上段に土を載せて、轆轤成形する方法。

     下段の成形した物に、更に積み上げる段数は1~2段が多いです。即ち繋ぎ目が1~2ヶ所です。

     出来上がり寸法が、高さで30cmならば、生で34cm程度必要で、35cmならば、

     約40cm近くの寸法が必要に成ります。(縮み率を、12~13%程度としての話です。)

   い) 作品の形や、胴の径にもよりますが、生で34cmの高さにするには、土の量は2~2.5Kg

      程度必要です。生で40cmにするには、約2.5~3.5Kgの粘土が必要に成ります。

     (一塊の土を、一気に挽き上げる方法では、5~8Kgが必要に成ります。)

   ろ) 土の量が2Kg未満でしたら、一段繋ぎ、それ以上なら2~3段繋ぎにします。

      一段繋ぎの場合、下部に約2/3、上部に約1/3と土の量を分けます。

      二段繋ぎの場合には、下:中:上=5:3:2程度に土を分けます。

      三段繋ぎの場合には 下:中:上:最上=4:3:2:1程度に分けます。

      (あくまでも、目安です。)

   は) この作り方は、上に載せても変形しない状態まで、下部を乾燥させて、上に載せる為、

      下部の形を再度、形成する事が困難に成ります。それ故、全体の形を頭に入れ、現在

      どの部分を、形作りしているかを、しっかり確認しながら、作業する必要があります。

      繋ぐ回数が増えれば増える程、設計した形から、離れてしまいますので、注意が必要です。

   に) 実際の作業は以下の様にします。

      轆轤作業は最下段から轆轤挽きします。次に中段を、その後上段を、最後に最上段を

      轆轤挽きします。但し轆轤挽きは、下の段の形が、出来た後の方が良いでしょう。

    ・ 亀板の上で、最下段を轆轤挽きし、形を整えます。口縁の径を測定し、乾燥させます。

    ・ 轆轤上より、上記亀板を取り除き、中段(又は上段)部を底が抜けた筒状に挽き上げ、

      底の径を下段の口縁の径に合わせます。挽き上げたら、直ぐに糸を入れ轆轤上より、

      取り上げます。少々変形するでしょうが、気に懸ける事はありません。

    ・ 下段の轆轤挽きした亀板を、再度轆轤上にセットします。

      (ワンッタッチで、取り外せる亀板を、自作するか、市販の物を使うと便利です。)

    ・ 中段の成形品を、下段の上に載せ、繋ぎ目を消し、滑らかにします。

      (消す方法や、滑らかにする方法も、前回説明していますので、参考にして下さい。)

      中段が変形していたり、中心が出ていなくても、轆轤を回転させて、修正する事が出来ます。

    ・ 次に下段のカーブに合わせて、形を作ります。当然一体感が出る様にします。

      形が出来たら、更に上に載っても、変形しない程度に、乾燥させます。

    ・ 同様の方法で、上段、最上段を積んで轆轤成形します。形はこれで出来上がりですが、

      繋ぎ目が凸凹し、綺麗でない場合は、全体にカンナを掛けて、一皮削り取ると、綺麗に

      する事も出来ます。
  
 この方法では、2Kgの土があれば、高さが生で30cmの壷も、容易に作る事が出来ます。

 難しい所は、繋ぎ合わせる作業ですが、慣れれば容易に繋ぐ事は、可能です。

以下次回に続きます。
   
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大物を作る5(轆轤で作る2)

2011-06-19 17:45:33 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

  大きな作品を作る際には、硬めの粘土を使います。特に背の高い作品の場合、硬くないと、土が

  上に高く伸びません。但し、土練や、土殺し、土を上に挽き上げる時には、かなりの力を要します。

  轆轤作業が、力仕事と言われ、主に男性の仕事であったのも、その為です。、

 ① 背の高い作品を作る。

 b) 繋ぎ合せて、高い作品を作る。 

   繋ぎ合せて作れば、少ない土の量と少ない力で、背の高い作品が出来ます。

  ・ この方法で、なぜ大きく出来るのかは、以下の理由によります。

    前回述べた様に、土の量と高さの関係は、正比例しません。即ち、少ない土の方が高くなる率は、

    大きくなります。皆様も、作品の上部を切り取って、再度土を挽き上げても、切り取る前の高さに

    成た経験があると思います。頭が軽くなった為、上に伸びたのです。

  ・ この理屈により、土を分けて少ない量で挽き上げ、継ぎ足す事により、より大きな作品を、

    作る事が出来ます。

   繋ぎ合せて作るにも、幾つかの方法があります。

  ) 一つは、下段に成る部分を、形作り乾燥させ、強度を持たせてから、上段に土を載せて、

    轆轤成型する方法です。

  ) 他の方法は、筒状に挽き上げた土の上に、同じ様な筒状の土を載せ、高さを高くしてから、

     轆轤成型する方法です。

  但し、轆轤が1台しか無い場合には、轆轤上で作った作品を一度取り除く(疎開させる)必要があり

  亀板上で製作する必要があります。出来れば、再作業の時、中心が「ぶれない」亀板を使う事です。

  では、詳細について述べます。

  )の方法:

   大きな作品に取り掛かる前に、繋げる作業とは、どんな物なのかをお話します。

    例として、切継ぎの方法を取り上げます。轆轤は1台で済み、亀板も要りません。

   大抵の陶芸教室などでは、1kg単位での作業が多いと思われます。

  イ) 1Kgの土を一気に挽き上げても、前回お話した様に、22~23cm程度しか上がりません。

    この状態で、形作りに入り、胴径を大きくしてい行くと、高さがどんどん下がり、最終的には、

    良くても、15~17cmの作品に成って仕舞います。(径が大きくなれば、高さは低くなります。)

  ロ) そこで1Kgの土で、更に高い作品に仕上げる方法が、切継ぎの方法で、高さが20cm程度、

    形によっては、23~25cmの作品を作る事が出来ます。(即ち軽い作品に成ります。)

  ハ) 土殺しの終わった土の、上部の約1/3程度を土取りし、やや肉厚の高さ5cm程度のドーナツを、

     轆轤挽きし、糸で切り離します。 ドーナツの内径は、4本指が入る大きさにします。 

     切り取った部分の、外径を測っておきます。

  ニ) 轆轤上には約2/3の土が残っていますから、これを筒状に挽き上げます。

     この土の量で、高さが17~18cmに伸びます。ここから作品の下部を作ります。

     当然背は低くなりますが、高さ12~15cm程度の大きさに成ります。

     口縁(真上)は、やや肉厚にし、ハ)で作った切り取り部の外径に、合わせます。

  ホ) ニ)で作った作品を乾燥させます。(ドライヤー等があれば、弱の熱風で、7~10分程度で、

     強度が増し、上に土を載せても、変形しない程度になります。)

     但し口縁部は、乾燥させない様に、濡れた布切れを被せておきます。

  ヘ) ドーナツ状の土を、上に載せます。口縁部の肉厚より、ドーナツ状の下部の肉は、厚くなって

     いるはずですので、繋ぎ目付近の土を、指で上から下へ移動させます。外側、内側両方行います。

  ト) 次に両手に、水で濡らした布切れを持ち、内外両側から、繋ぎ目1cm上から、1cm下まで、

     上から下に、手を数回移動させ、繋ぎ目の凸凹を平らにします。これで、繋ぎ目は消えます。

     上部と下部が同心円に成る様に、轆轤を回転させ、上部を同心円にした後、形作りに入ります。

  チ) 上部は、乾燥していませんから、自由に形を作る事が出来、肉厚に成っていますので、

     土も伸びます。その結果、1Kgの土で、20cm程度の作品を作る事も、可能に成ります。

  リ) この方法のポイントは、下部が十分乾燥し、上に土を載せても、変形しない事、繋ぎ合わせの

     面が水平な事、径が同じ事(若干上部が大きい方が良い)、「のりしろ」部分が十分有る事、

     繋ぎ面を乾燥させない事、繋ぎ部分は、解からない様にする事などです。     
以下次回に続きます。
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大物を作る4(轆轤で作る1)

2011-06-17 22:12:24 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

 一般に、轆轤は電動轆轤を使う事が多いですが、蹴り轆轤や、その他の轆轤を使う事もあります。

 ここでは、電動轆轤についてのみに、限らせて貰いますので、御了承下さい。

 ・ 大物を作る際の轆轤は、馬力(トルク)の強い事です。馬力が弱いと、大量の土を

   土殺しする場合や、作品を作る際に、回転が止まって仕舞う恐れが在ります。

 ・ 大きな作品は、重く成ってしまいますので、その重みに耐える構造でなければなりません。

   又、重みで、「ガタガタ」と揺れては、作業は出来ません。

 ・ ターンテーブルも、ある程度径が大きくなければ成りません。

   一般に、径が30cm程度の物が多いですが、大皿を轆轤挽きする際には、小さいので、亀板を載せて

   使用します。大きな亀板では、轆轤の周囲の、「ドベ受け」を取り除く必要があります。

   亀板を使う利点は、挽き上がった作品を、亀板ごと轆轤上から、持ち上げる事が可能で、

   轆轤をいつまでも、独占し無い事です。

 ① 背の高い作品を作る。

  轆轤は、常に遠心力が働いている為、径を大きくするのは、さほど困難では有りませんが、

  土を上に伸ばして、背の高い大きな作品を、作るのは、かなりの熟練を要します。

  ・ 背の高い作品の作り方には、大量の土を、一気に挽き上げてから、形を作る方法と、

    数個に分割して下から、積み上げて行く作る(繋ぎ合わせる)方法、紐作りで、高く円筒状に

    巻き上げた後に、轆轤作業で、綺麗に成形する方法、又は、厚めの、タタラ板を、太い筒状に

    巻き付けて、円筒形を作り、その後轆轤で、形作る方法等があります。

    以下順次述べたいと思います。

  a) 単に、土の量が増えれば済む問題ではありません。(一気に挽き上げる場合)

    土の量が増えれば、大きな作品に成りますが、必ずしも、背の高い作品に成る訳ではありません。

    一度に、挽き上げられる、土の量と高さの関係: 当然土の種類、土の硬さ、作者の腕前にも、

    関係しますが、私の経験から割り出した値です。

    (4~5本指が入る径の筒状で、底の厚みを約1cmとした場合です。)

    500gの土では、高さは15cm程度に成ります。

    1Kgの土で、高さが22~23cm程度(細ければ30cm程度)

    1.5Kgで、高さが27~30cm程度です。

    1.5Kg以上に成っても、1Kg増える度に、ほんの2~3cm程度しか、上に伸びません。

    5Kgの粘土で、約40cm程度上がれば、上々とも言われています。

    但し、壺などの様に、胴を膨らませれば、高さは低く成り、鶴首の様に細くすれば、

    高く成りますので、出来上がった高さが、この寸法と言う事ではありません。

  b) 背の高い作品を、轆轤で作る場合には、高く挽き上げる必要があります。

     それ故、一気に形作るには、大量の土を必要とします。これでは、作品は重く成ってしまいます。

     (見た目以上に、重たい作品は、余り歓迎されません。)

  c) 大量の土を使い、一気に挽き上げる作り方の利点は、出来上がり時の、全体の形を確認しながら、

    作陶できる事と、繋ぎ目が無い事と、及び、一日で作品が出来る事と、思われますが、

    それほどの利点とも感じられません。

    但し、土を高く挽き上げる、練習としての、意味は有ると考えられますが・・

 b) 繋ぎ合わせて、高い作品を作る。    

以下次回に続きます。
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大物を作る4(手捻りで作る3)

2011-06-16 22:47:29 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

3) 手捻りで作る。

 ④ 大きな鉢や袋物(壺、花器など)を作る。

  大きな作品は、長い紐を積み重ねて、作る事が多いです。

  この紐作りは、どんな形の作品にも、対応できる万能の方法と言えます。

  小さな物から、大人が一人入れる程の、大きな物まで可能です。

  余談ですが、近頃、温泉地や、日帰り温泉(スパ)などへ行くと、壺湯と言って、信楽焼きの

  直径1m以上の湯船があります。どの様な方法で作られたのは、不明ですが、この様な大きな物も、

  紐作りで、作る事が可能です。

 ・ 手回し轆轤の上で、作業すると、作業効率も改善します。

 a) 最初に、底に成る陶板を作ります。作品の形によって、形も変化します。

 b) 次に粘土で、紐を作ります。なるべく、太さが均一に成るようし、断面も円に成る様にします。

   紐を作るのも、慣れない方には、結構難しく、円にならずに、扁平に成ったり、中央に長い溝が

   出来たりします。更に、太さを揃え、長くするのも、結構難しい作業です。

   (一般に、テーブルの上で転がして、丸くて長い紐を作ります。テーブルは、きつく絞った

    スポンジで、濡らし土の乾燥を、防ぎます。)

   作品の大きさに合わせて、紐の太さも変化します。径が1cm位~10cm位まで、千差万別です。

 c) 紐作りの方法には、より丁寧な、輪積みと言う方法と、ぐるぐる巻きの方法が在ります。

   輪積みの方が、作品の厚みや高さの差が少なく出来ます。但し手間がかかります。

   3~5段積み上げたら、指で均して、紐と紐の境目の線を、消します。その際、空気を閉じ込め

   無い様にします。

 d) 紐作りの基本は、下部から形を作り始め、乾燥し強度が増したら、その上に数段積み上げる事で、

   高く大きくして行きます。

 e) 注意点は

  イ) 乾燥させる際は、最上部(上部に土を積み上げる部分)は、乾燥させない事です。

    土同士が、強固に繋がる為には、お互いの乾燥具合が、同じでなければ成りません。

    さもないと、この境目より、「ひび」が入り易くなります。

    日にちを置いてから作業する場合には、濡れた布を、口縁に被せて、乾燥を防ぎます。

  ロ) 一度乾燥させると、変形し難く成ります。それ故、全体の形が見通せ無いうちに、下部の部分を

     決定しなければ成りません。今どの部分を作ていて、どんな形なのかを、常に考慮しながら

     作業します。

  ハ) 上に載せる土は、下段の土の厚み方向の、中心よりやや内側に、積むのが「コツ」です。

     中心や外側に載せると、径が太くなる(広がる)事があります。

     又、上に載せる重みで、変形し無い程度に、乾燥していなければ成りません。

  ニ) 載せる土は、その下の土に、強く押し付け、隙間に空気が入らない様にします。

     土を平らに伸ばす際にも、隙間に空気を閉じ込めない事です。

 f) 土を単に載せて行くだけでは、肉厚で重い作品に、成ってしまいます。

   そこで、壁の土を両手で摘み、薄くしながら、土を締めたりします。

  ・ 土を締め、肉を薄くする方法に、唐津焼きの、「叩き」と言う技法があります。

    内側に支えの半円形の、コテを押し当て、外側から、叩き板で内側のコテの部分を、叩きます。

    叩き板には、紋様が刻まれていて、土を締める役割と、叩き紋様が表面に残り、一種の装飾と

    成ります。

  乾かしては上に載せる事を、繰り返しながら、縦に長い大きな作品を、作って行きます。

 尚、紐作りの後、轆轤作業で、軽い作品を作る方法もありますが、この件は、後でお話します。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

以下次回に続きます。
    
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大物を作る3(手捻りで作る2)

2011-06-15 22:04:30 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

3) 手捻りで作る。

  ② 板状の土を、貼り合わせて、(積み上げて、又は、組み合わせて)大きな作品を作る。 

   a) 大きな箱の様な形を作る際、陶板を貼り合わせて、作るのが一般的な方法です。

    イ) 必要数の陶板を、作ります。大きい作品ならば、肉厚を厚くし、強度を強くする必要が

       あります。

    ロ) 底に成る陶板の周囲に、自立できる程度に乾燥させた、陶板を順番に立てます。

       接着面に針や竹べらで刻みを付け、同じ土で作た「どべ」を塗り、接着面を押し付けて

       貼り付けます。押し付けた際に、「どべ」が接着面から「ニョロ」と出る位、タップリ

       付ける事が大切です。更に、接着した内側の角部には、拠り土を入れて、補強します。

       張り合わせた痕は、消します。

    ハ) 周囲が全て陶板で囲まれるまでは、立てた陶板には支えが、必要に成ります。

       立てた陶板の外側を、平らな板などで支えます。

    ニ) 注意する事は、立てる陶板は、隣同士に成る順序で、組み立てる事です。

       更に、単に垂直(直角)に立てるのではなく、或る角度を付けて、貼り合わせる場合も

       在ります。貼り付ける順番によっては、作業がはなはだしく、困難に成る事もありますので、

       組み立てる前に、手順を考えておく必要があります。

    ホ) 天井を部分を貼る場合:作品に拠っては、天井部分が必要に成る事もあります。

       密封形で、内部に手が入らない場合には、拠り土による補強が出来ません。それ故

       しっかり刻みを入れ、「どべ」も多目にします。

    へ) 天井部が広い場合には、焼成時に垂れ下がる恐れもあります。

       天井部をフラットにせず、「かまぼこ形」したり、周囲から天井を支える部材を、土で作る

       必要があります。

  ③ 土を積み木の様に、組み立てた作品の場合: 実用的と言うよりも、見せる為の作品の

    オブジェや、陶壁の様な作品の場合が、多いです。板状に限らず、球や半球、三角や四角形、

    棒状や円筒形、円錐形、薄い板、不定形などの部品を、連結して、作品に仕上げます。

    イ) 図面などを作り、作りたい作品を、視覚的に確認します。

    ロ) 作り方を検討します。即ち、単に下から積み上げていく方法なのか、或いは、部分部分の

       パーツを作り、最後に全体を組み合わせて、完成させるのかと、言う事です。

       作品を上に載せていくには、当然それを支える部分は、乾燥し強度が強くなければ、

       作品は、崩壊してしまいます。

    ハ) 方針が決まれば、作品に取り掛かりますが、その前に、試作をした方が良いでしょう。

       試作は、縮尺1/2(体積では1/8に成ります)程度にし、作りながら、問題点を、

       洗い出します。特に、予め予想していた形に成っているか、強度は十分か、更には、

       作り易いかどうかも、チェックポイントに成ります。

    ニ) 試作で、或る程度満足が、行くようでしたら、いよいよ本番に取り掛かります。

       試作に比べ、体積も8倍に成りますので、困難さも増えるはずです。

 ④ 大きな鉢や袋物(壺、花瓶など)を作る。

以下次回に続きます。
      
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