わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動ロクロ (トラブル対策1)

2008-09-30 22:41:01 | 失敗と対策
初心者が電動ロクロで良く起こる代表的なトラブルは、以下の事です。

 イ)土に空気が入っている、ロ)高さが狂う、ハ)作品が振らつく、ニ)撚れが出る。

 ではその原因と対策を述べます。

 イ) 土に空気が入っている。

   土に空気が入っていると、手に当たるので、直ぐに解かります。

   作り難いのは勿論、高さの狂い、撚れの原因にもなります。

  原因: 土練り(特に菊練り)が不十分の為です。

  対策: 特に土を砲弾型に仕上げる際、空気が入り易いので、慎重に仕上げます。

     ① 空気が入っている部分を見つけます。回転していると解かり易いのですが、

       小さな気泡は、ロクロを止めると、見つからなく事も多いです。

     ② 見つけた空気は、針で外側又は内側から、2~3箇所、深く刺します。

     ③ その場所を指で撫ぜ、凹めば、空気が逃げた事になります。

    尚 空気が多数個入った場合、最初から練り直す方が、速い場合もあります。

 ロ) 高さが狂う

  原因: ① 土の中心を掘り進む際、中心が「ずれ」周囲の土の厚みに差がある為

        肉の厚い所が、高くなります。

      ② 土に空気が入っている、又は、土の固さに「むら」がある為。

        空気のある所や、土が固い部分は、土が上に伸びません。

      ③ 土が振らついている状態で、土を延ばした為。

        外に振れた部分は、低くなります。

  対策: ① 土の中心を掘り進む手が、回転に負けないように、位置を固定

        する。(肘を体の一部に着ける。片手を添える。)

        又、水切れしない様にし、手が十分滑る様にする。

      ② 空気も土の固さの「むら」も、土練りが不十分ですので、十分菊練りを行う。

       ・ 特に二種類の土を混ぜて使う場合、両方の土の硬さを、揃えてから

         練ってください。

       ・ 一度失敗した土を、再度練り直す場合、土の固さに「むら」が出来や易いです。

      ③ 土が振れたと感じたら、速めに外側を抱え込み、振れを止めます。

      ④ 一度狂った高さは、弓又は針で上部を切り取り、高さを揃えます。

       ・ 別の方法は、三本の指で、口縁を押さえ、高さを揃えます。すると、

        高い部分の土が横に、広がります。その拡がった部分を、針で切り取ります。

 
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電動ロクロ (湯呑み6)

2008-09-29 06:15:05 | 電動ロクロ入門
8) 仕上げ、切り離し

 a) 作品の形が出来たら、最後に口縁を皮で拭きます。

   ・ 単に綺麗にするだけでなく、土を締めて割れ(ひび)を防ぎます。

   ・ 拭く時、指に「ひねり」を入れて、口縁を変化させ、飲み易くさせます。

   ・ 特に湯呑みは、唇を着けて使用する物です。唇に違和感が有る物は、それだけで、

     不良品となりますから、丁寧に仕上げて下さい。

 b) ロクロより切り離す。

   ① 切り離す前に、切る位置を固定します。

    ・ 竹ヘラで「 Vの字」に、一周切り込み(溝)を入れます。

    ・ 切り込み位置より外側の土は、切り込み位置より低くしないと、所定の位置で

      切る事が出来ませんから、注意してください。

   ② 切る用具は糸(又はシッピキ)を使います。その方法は幾つか有ります。

    ・ ロクロを停止させて切る方法

      一番失敗の無い切り方です。糸の両端を持ち、切り口に糸を一周させ、

      両手で糸を引き、切り離します。当然、溝から外れ無い様にします。

    ・ ロクロを回転させたまま切る方法

     イ) 糸の両端を両手に持ち、ピンと張り、作品の手前側から、切り口の溝に

        糸を押し当て、向こう側に糸を抜きます。回転はやや遅くします。

       ・ 向う側から糸を入れ、手前に引く方法も有ります。

     ロ) 糸(シッピキ)の一端をしっかり持ち、他端を軽く持ちます。

        やり方は二通り、手前から糸を入れる方法と、向う側から入れる方法です。

       手前から: 右手でしっかり持ち、左手で一端を軽く持つ、手前側から

        糸を溝に押し当て、左手で向う側まで糸を右回りで誘導して、手を離します。

        糸は回転と伴に、切り口に巻きつきます、同時に右手を素早く、水平に

         引き、切り離します。この動作はゆっくりしない事です。

       向う側から: 手が逆になります。向う側から入れた糸を、手前側まで誘導し、

        手を離し、左手を水平に、素早く引きます。

       尚 回転して切る場合、手を水平に引いたら、なるべく速くロクロの回転を

        止めます。糸を引いた時、作品が中心より移動した場合、一方に強く遠心力が

        働き、下の土より転げ落ちてしまいます。

     特に、ロ)の方法で切り離すには、何回も練習する必要が有ります。
       
      さもないと、折角作った作品を壊してしまいます。

 C) 作品を取上げる。

  切り離した作品は、上に向けた両手の親、人差し指ではさみ(じゃんけんのチョキ)で、

  亀板に取ります。真上に持ち上げるよりも、やや手前に倒した方が、取り易いです。

  更に、取上げた際に、口縁が変形した場合、作品の腰で直します。

   (口縁を直接触って直すことは、避けてください。)

   
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電動ロクロ (湯呑み5)

2008-09-28 17:40:02 | 電動ロクロ入門
7) 形を作る の続きです。

  ③ 形作りの注意点

   a ) 初心者の方は、いっきに目的の形にしないで、徐々に形を作ります。

     土から手を離す場合は、振れを防ぐ為に、最上部でゆっくり手を離してください。

   b) まず、口の大きさを決めます。次に胴、腰と上から形作ります。

     特に下膨れの形の場合、下から作ると、土が落ち、寝てしまいます。

     (いわゆる腰が据わった状態になる)

     ・ 下膨れの形作りは、最後に張り出し、形が出来たら、直ぐにロクロを止めます。

   c) 湯呑み用のコテも有りますが、初心者の方は、自分の手(指)の感覚を

     習得する為にも、コテを使わない方が良いと思います。

   d) おおよその形が出来上がったら、口縁部の高さの狂いを見、狂っていれば高さを

     揃えて針または弓で切ります。

     (口縁の高さに狂いが有ると、底削りの際、やり難くなります。)

      ・ 針は「切る専用」の細い物を使います。径の大きい作品は、内側から、

      径の小さい作品は、外側から針を、やや斜めに当てて、切ります。

    ・ 針を使うと、弓よりも幅狭く(必要な部分のみ)、切取る事が出来ます。

    ・ 細い針が振動しない様に、根元を指で押さえます。針の反対側に違う手の

      人差し指を当て、切る部分を安定させてから、指に向かって少しずつ針を進めます。

      針先が指に触れれば、切れた事になります。
   
    次に弓の使い方(注意点)を説明します。(弓は、初心者に向いています)

    ・ 弓の糸が弛んでいたら、ピンと張るようにします。

    ・ 糸が水平に成る様にし、口縁から垂直に降ろしていきます。

    ・ ロクロの一回転目は、糸の位置が安定しませんので、二回転目に所定の高さに

     なる様に固定し切ります。必ず、片手で行わず、他の手を添えて下さい。

    ・ 更に一回転したら、素早く真上に、弓を引き上げます。何回も回転させると

     切り口が複数になりやすいので注意。

    ・ 糸の位置は、口縁の一番低位置よりも、更に低い位置にします。

     即ち、切った土が円に成る様にし、三日月型に成らない様にします。

 尚 一つの作品に、針や弓を何回も使うと、高さはどんどん低くなります。

   なるべく、回数を減らす様に、作陶してください。

    
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電動ロクロ (湯呑み4)

2008-09-27 18:20:35 | 電動ロクロ入門
7) 形を作る。

  ロクロで出来る事は、土を上に延ばす、径を大きくする、小さくする事だけです。

  それ故 形を作るとは

 ① 径を大きくする: 内側の手(右手)の力を、外側よりも強くする。

   ・ 遠心力が常に働いて居る為、少しの力で径が大きくなります。
 
   ・ 径が大きくなると、当然高さは低くなります。

   ・ 径が大きくなっても、肉厚はほとんど変わりません。

 ② 径を小さくする: 小さくする(細くする)方法は幾つかあります。

    (径を小さくする方が、やや難しいです。)

    注意: 径を小さくする場合には、細くする部分の肉厚をやや厚めにします。

     肉が薄い、又土が軟らかいと径は中々小さくなりません。

     (幾ら努力しても細くならない場合も有ります。)

   a) 右手が内側に入る場合には、内側より外の力(左手)を強くする。

   b) 手が入らない場合には、(何れの方法も、両手の肘は固定する)

     ・ 両手で抱え込む:径が大きい場合には、両手の掌で抱え込む。

       径が小さい場合には、両手の親指と人差し指を拡げて、その間で抱え込む。

     ・ 両手の三本の指(親、人指し、中指)の指先を向かい合わせる。

       (土が逃げない様に、隙間は出来るだけ、均等にする。)

     ・ 径が細い場合には、二本の指(親、人差し指)を使う。

      何れも、外側の下から上に、数回締め上げて、径を小さくします。

     ・ 途中で極端に径を細くすると、頭(上部)が振らつきます。

      ロクロの回転スピードと、手が上に上がるスピードを色々試して下さい。

     又、手が入らない場合「柄コテ」を内に入れ外から強く締め付ける方法も有ります。

   ・ 径を小さくなると、肉が厚くなる。そのまま続けると撚れが出ます。

     撚れを修正する方法として、後で述べたいと思います。

   ・ 肉厚になったら、薄く延ばしてから、更に径を小さくします。

   ・ 径が小さくなると、土は上に延びます。
 
    

 
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電動ロクロ (湯呑み3)

2008-09-25 18:08:04 | 電動ロクロ入門
6) 土を薄く上に延ばす。

  最初にロクロで作った作品は、結構重い物です。肉が厚い為です。

   ・ ロクロは古くからある道具です。それ故、各自が作品を作り易い様に

  色々な手法(技法)を使っています。(統一した方法は無いのです)
   
  ① ロクロの回転による遠心力(径を拡げようとしている力)と、それを阻止する 

   器の外側を触っている手(右回転では左手)との力関係で、土は上に延びます。

   ・ それ故、左手は基準になる手です、肘を体の一部に付け、振らつか無い様に注意。

  ② 両手の指を向かい合わせ、両方から土を締め付けますと、土は上に延びていきます。

   ・ 直径が広からない様に注意。

  ③ 土は上の部分から、薄く延ばします。上が薄くなったら、下部を薄くします。

   ・ 下部から薄くすると、手がスムーズに上に動かず、途中で止まりその部分が

     薄くなり、最悪その部分で、撚れやネジ切れる場合が有ります。

  ④ ロクロで難しいのは、いかに振れずに、土を高く上げられるかと言う事です。

   その要点を幾つか挙げます。

   a)  両手の指の締め付けを強くする事。(初心者は力不足になりがちです。)

    ・ 特に外側の手(左手)をやや強めにし、直径が拡がらない様にする。

   b)  手は時計の針で8~9時の位置で作業をします。

    ・ この位置が一番力が入ります。10~11時と体が伸びると力が入りません。

   c) 口縁の径は、左手が入る程度の大きさにする。(拡げ過ぎない事)

   d) 左右の手は届く範囲ないでは、繋げて下さい。

    ・ 背が低い場合には必ず、左右の手を連結する事。

   e)  粘土はやや硬い方が、伸びます。又水を使い過ぎて土に水が回らない様にします。

     水よりも「ドベ」を多く使ってください。

   f) 何よりも速く作業をする事です。

    ・ 土殺し、土を薄く延ばす、形を作る等、全ての作業を時間を掛けない事です。


 
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電動ロクロ (湯呑み2)

2008-09-23 23:00:04 | 電動ロクロ入門
前回の続きを述べます。

 3) 土練り後、ロクロに土を据える。

   ・ 手は水で濡れていない事。(土が濡れると、ロクロに固定できない)

   ① 両手で抱え、ロクロ中央を目がけて、土を叩きつけます。

     なかなか、中央にはいきません。そこで裾野をロクロに描かれた(彫ってある)

     円と同心円になる様に合わせます。

   ② 土を両手の掌で叩き、ロクロに密着させると同時に、凸凹を無くします。

     更に裾野を両手の小指の根元で押さえ、土の下に水が入るのを防ぎます。

    (水が入ると、土が滑って動いてしまいます。)

 4) 電動ロクロの電源を O N にし、土殺しをます。

    回転方向は、決まりは有りませんが、日本では、一般的に右回転(時計方向)です。

    回転スピードは、作陶する時よりも、やや速くします。

   ① 土殺しに付いては、以前述べましたので、詳しくは説明しません。

   ② 土殺しの目的は、粘土の中心を綺麗に出す事です。

    (これが不完全ですと、円周上の肉厚や、高さ方向に差がでます。)

   ③ 作りたい粘土の1.5倍程度の量を土殺しします。

    (土殺しの回数は、3~5回で終わせます。何回もすると土が「ヘタリ」ます)

 5) 土取りをし、土の中央を掘り込みます。

   ① 作品1個分の土(この場合1/3)の下面に、指で「クビレ」を付けます。

   ② 土の中央を親指で、穴を堀り、高台の厚み分(底の厚み分)を残します。

   ③ 底の広さを、所定の寸法まで拡げます。

    ・ 底の内側の角は、外側の形状に合わせます。

    ・ 外形が角なら、内側の底の隅も角(丸ならば丸)にします。

      そうする事によって、底周辺の土の厚みを薄くします。

   ④  一度目の振れ止めを行います。

    ・ 両手の三本の指を使い、内側、外側、真上を押さえ込みます。

    ・ 土が振れている状態で、次の作業を進めると、初心者の方は、必ず失敗します。

    ・ 要所要所で振れ止めの作業をする事により、大きく形が崩れるのを防ぎます。

 以下次回に続きます。

 
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電動ロクロ (湯呑み1)

2008-09-22 22:10:59 | 電動ロクロ入門
 電動ロクロで最初に作る作品は、湯呑みが一般的です。

 体験陶芸で、最初から大きな作品を、希望される方も多いものですが、この場合

 80~90%は先生の手(手助け)が入っています。

  (なるべく自分一人で作品を仕上げる様になる事が、最終目的ですが)

  本格的に電動ロクロを習いたい方は、ロクロの操作、デザイン、寸法(縮みを考慮した)

  制作手順、姿勢、指使い、形の作り方等の、基本的な作業を習得するには、基本形の湯呑みから、

  制作する事を勧めます。

では制作の手順を説明します。

 1) 作りたい湯呑み茶碗の「ラフスケッチ=形」と寸法を決める。

   ・ 用紙はノートが理想的ですが、メモ用紙で十分です。宿尺も適当にします。

    今回湯呑茶碗を作るのですが、湯呑みにも色々な種類が有ります。

   (例 汲み出し茶碗、筒型茶碗、寿司やの茶碗、男性用、女性用等)

   ① 作りたい作品のイメージが出来ていないと、電動ロクロは上達しません。

     そのイメージを絵にします。どんな作品にしたいのか、目的意識を持つ事が大切です。

   ② 勿論最初から、イメージ通りの作品を作る事は不可能ですが、ただ漠然と

     作業するよりも、イメージに近付ける努力をする事で、よほど上達は速くなります。

   ③ 「ラフスケッチ」には全体の形と、高台(輪、碁笥底、ベタ、付け)の

     様子も書き込みます。作品に模様を入れたい時には、おおよその模様も書き込みます。

   ④ 次に寸法を記入します。寸法は出来上がり寸法と、制作時の寸法の両方を入れます。

    (制作時から完成時までに、市販されている土は、約12~13%縮みます。)

 2) 粘土を用意する。

   ① 粘土の種類を選ぶ。(但し 土が選べるならば、の話です)土も色々あります。

   (白土、赤土、黒い色、粗め、細め、等) 初心者向きの土は、信楽の並漉しが一般的です。

   ② 土の量を決める。初心者にとって、土の量が多すぎても、少なすぎても土殺しは

     やり難いものです。1kg 程度がやり易い量と言えです。

     1Kgで湯呑みを3個作れます。(上から取っていく方法による)

 
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手捻り (タタラ作り4)

2008-09-20 22:23:22 | 陶芸入門(初級、中級編)
ニ) 貼り合わせ(箱作り)

複数のタタラを組み合わせ、接着し(貼り合わせ)好みの形に仕上げる方法です。

  ・ 代表的な作品は、箱や蓋付きの箱などです。

  ① タタラの厚さは、5mm~10mm程度にすると、作り易いです。

  ② 複数のタタラを、所定の大きさ(寸法)に切ります。

  ③ 各々のタタラは、なるべく乾燥具合を均一にします。

    ・ 曲面のタタラが必要なら、曲面に変形してから、乾燥させます。

  ④ 特にタタラを縦に高く貼る場合、変形しない様に乾燥させます。

  ⑤ 二枚のタタラを接着する。

   a) 接着前に、二枚を合わせてみて、形を確認します。良ければ次に進みます。

     ・ 張り合わせ面が、90度(直角)でない場合は、特に注意。

   b)  両方の糊しろ部分に針や櫛で刻みを付け、「ドベ」を筆で塗ります。

   c)  接着面を強く押し付けて、接着します。出来れば取り付けたタタラが倒れない様に、

     板などの支えを置きます。

   d) 接着した内側に、紐状の土を軽く押し込み、指や竹ヘラで両側に土を延ばします。

    ・ 紐は補強の為で、水を入れる容器なら、水漏れ防止効果があります。

    ・ 紐に軽く筆で水を引くと、切れ難くなり、土も延ばし易くなります。

   e) 接着した外側も、繋ぎ目が無い様に、指やヘラで撫ぜます。

   f) 以上の作業を繰り返し、次々とタタラを貼り合わせ、作品に仕上げます。

 尚 密閉された様な箱の場合、最後のタタラの内側に、紐で補強はできません。

   それ故、この部分が若干弱くなります。全体の形を見て、多少強度不足でも

   良い場所に持っていきます。

   ・ 貼っていく順序は、補強の紐が取り付け易い様に、考えて下さい。

  ⑥ 仕上げ

   a) はみ出した「ドベ」は拭き取ります。

   b)  接着面の凸凹は、カンナなどで削り仕上げます。


  ホ) タタラを使った、その他の作品

   ① 市松模様: 二種類の色土を作り、交互に張り合わせる。

    ・ 一般的には、繋ぎ目に刻みやドベが使えませんので、繋ぎ目にひびや割れが出易い。

      接着面に水を付け、しっかり押し付け圧着します。

    ・ 模様が細かい程「ひび」、「割れ」が入り易いです。

   ② タタラを色々な形(葉、ハート型等)に切り、石膏型や有り合せの容器に合わせて、

     タタラを並べ作品を作ります。

    ・ 水物を入れる作品では、繋ぎ目に隙間の無い様に、タタラを並べる事。
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手捻り (タタラ作り3)

2008-09-19 22:43:35 | 陶芸入門(初級、中級編)
ハ) 筒、角材、ビン等に巻き付けて、背が高い作品をつくる。

   ① 筒、角材などに、紙を巻き(くっ付きを、防止)セロテープで止める。

   ② 紙を巻いた上に、土を巻き付ける。

    ・タタラの両端の処理の仕方には、突合せ(段差無し)方法と、重ね合せ(段差有り)

     の方法が有ります。重ね合せの場合、左右どちらを外側にするかも、決めます。

   ③ 土を筒(角材)に押し付ける。合せ目は、水(又はドベ)で付けます。

    ・ 合せ目の縦線を指、又は竹ヘラで消します。

      更に筒(丸)で突合せの場合、指跡を消す為、濡らした布をテーブルに拡げ

      合せ目を下にして、筒を転がします。強く押し付けると、土が伸びるから、注意。

   ④ 底を作り貼り付ける。

    ・ 底は厚み5mm程度のタタラを使い、筒より若干大きく切り取り、円周上部に

     水を付けて、筒を置きます。

    ・ 筒より、はみ出した底の土を、竹ヘラを使い、下から上へ撫ぜ上げます。

    ・ 一周したら、底の角を45度の角度で1~2mm針(剣先)で切り取ります。

      更に同じ作業を繰り返します。その後指や皮で仕上げます。

   ⑤ 筒を抜きます。真上に筒のみを抜いてください。

    ・ 乾燥し過ぎると、土が締まり筒が抜けなくなりますので注意。

    ・ ビンなど底が中空になっていないと、中が真空になり、筒が抜けなくなります。

      この場合、底を付ける前に、筒を抜きます。

   ⑥ 残った紙を取り除きます。

    ・ 作品をロクロ上に載せ、紙の一端を持って、ロクロを手で回転させると、

      紙はねじれて、自然に取れます。

   ⑦ 内側の縦線(合せ目)を消す。

    ・ 指や竹ヘラを使います。筒が深い(長い)時は、少なくとも見える範囲は、消します。

   ⑧ 全体を仕上げる。

    口縁部分の処置(肉厚、形作り等)や、形を変形させる(丸を角になど)。

  尚 筒を複数個作り、それらを組み合わせて、新たな作品を作る事も出来ます。

   (アイデア次第ですので、色々試して下さい)

 
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手捻り (タタラ作り2)

2008-09-18 22:35:42 | 陶芸入門(初級、中級編)
 2) タタラを使った作陶方法

  イ) 平皿(角、丸)を作る。

   タタラを真四角、長四角、丸、楕円その他不定形に切、その周辺を適当な高さに

   持ち上げ、平皿を作る。

   ① 所定の形に切ったタタラの縁を締めます。

     ・ 指、板などで、縁の土を締め、割れにくくする。

     ・ 縁を締めて厚くすると伴に、全体を厚作りに見せ掛け、豪華さ(重厚さ)を出します。

       (見た目は、重そうだが、持つと軽い作品となる。)

   ② 形を整えてから、水で濡らしたなめし皮で、縁を滑らかにする。

     ・ 若干乾燥させてから、形作りに入ります。

   ③ 両手の三本指で縁の土をつまみ、両手を接近させる様にして縁を起こす。

     ・ 皿の深さは、両手の指が縁より、内側に入るほど深まります。

   ④ 皿の縁の傾斜を決める。角皿の場合四隅を、若干高くした方が良い。

     (縁の傾斜は寝かせる程、本焼きで下に落ちます。角皿の四隅も落ち易いです。)

   ⑤ 縁の傾斜が緩い場合や、土の乾燥が甘い場合には、乾燥時に縁が落ちない様に

     枕(粘土、数回折った紙など)を置き、平たくなるのを防ぐ。
    
 ロ) 型(石膏型、木型など)に押し付けて形を作る。(鉢、茶碗など)

    型は市販品を使うか、自作しても良く、又どんな器でも型にする事が出来ます。

   ① 型の外側を使う(凸面利用)

     ・ 型又は、土に片栗粉を塗り、型離れを良くする。

       (布を凸面に被せ、型離れを良くする方法も有ります。蚊帳目など)

     ・ 型に押し付けて形作る。しっかり型に押し付けます。襞が出来ない様に注意。

     ・ 型の面積が広い場合、叩き板で叩き締めると、割れを防ぐ事が出来る。

     ・ ある程度乾燥させたら、型から離す。

       いつまでも型に入れて置くと、作品に「ひび」が入ります。

   ② 型の内側を使う(凹面を利用)

     ・ 型に押し付けるが、やや難しい。

       丸めた粘土を布に包み、これで全体に押し込む。

     ・ 土が乾燥しても、「ひび」が入りにくい。型離れも良い。

   尚 型に模様が彫刻されて居れば、凹凸逆になるが、容易に作品に模様を付ける事が

   出来ます。又、模様の入ったガラスの器などを、利用しても良い。

   半円球の型を使い、二個の半円球を作り、乾燥後両方を接着し、花瓶を作る事も出来る。


 以下次回に続来ます。

  
   

   

 
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