香炉の話を続けます。(本日は、お香の話です)
4) 香に付いて
お香には、大きく分けて、香木(こうぼく)と、合香(あわせこう)が有ります。
・ 香木は、沈水香木(=沈香)の伽羅(きゃら)や、白檀(びゃくだん)が、代表的なものです。
・ 合香は、練り香、印香(いんこう)、抹香(まっこう)の他、コーン(円錐)型、ステック型、
渦巻き型など、一般家庭で使用される物も、含まれます。
① 香木
香木(こうぼく)とは、芳香を持つ木材のことで、沈香(沈水香木)と白檀が有名です。
薄片に削った物を加熱して、芳香を楽しみます。香木の芳香のことを「香」と言います。
・ 白檀は熱することなく香るため、仏像などの彫刻や、扇子や数珠などの、材料として用いられます。
) 沈水香木(=沈香)(ちんすいこうぼく)
「沈水香木」とは、文字通り、「水に沈む」事から名付けられた物で、通常は略して
沈香(ちんこう)と呼ばれます。伽羅(きゃら)が、有名です。
a) 伽羅: 熱帯や亜熱帯の、東南アジア諸国(ベトナム、タイ、インドネシアなど)で、
採取される、樹脂の沈着した樹木で、沈丁花(じんちょうげ)科、アキラリア属の、樹木から
採取しますが、人為的に増産することが、 困難で自然に生成するものが、殆どです。
小さく刻んだり、粉末にして香炉で焚いて、使用します。
(尚、伽羅と言う名前の木は、ありません、原木となる植物が10種類以上、知られています)
香りの元は、樹脂です。虫などが、樹皮に穴を開けると、一種の脂(ヤニ)を出します。
長い年月をかけ、樹脂分は組織に沈着し、組織の性質までも変えていきます。
樹脂分によって変質した部分は、朽ちる事なく、加熱しない限り、永遠の生命を得ます。
そのような部分を「沈香(或いは伽羅)」と呼びます。樹脂化した部分は、化石に近い状態となり、
比重は1を大きく超え、水に浮く事はありません。
b) 白檀(=栴檀)
白檀は、熱帯・亜熱帯を中心にして、幅広い国々に産出します。
主な産地は、インドで、インドネシア・ミャンマー・台湾・オーストラリア・アフリカ・ハワイ
などでも、産出しますが、インド産より、香りは遥かに劣ります。
樹皮と白太(辺材)を、取り除いて、赤銅色の心材を、乾燥させると、清涼感のある柔らかな
芳香を放ちます。5%程度の、白檀オイルが含まれており、その主成分は、サンタロールで、
殺菌・血行促進作用に優れています。
② 合香(あわせこう): 純粋な香木に対し、複数の種類の香料を調合して、作るお香の総称です。
調合する者の、意図が反映され、多くの種類が、作られています。
)練り香: 漢方香料を調合し、ベースの木炭粉、蜂蜜、梅肉などを入れて、練り合わせて、造ります。
直系8~10ミリの、柔らかく湿った丸薬状のお香です。
香炉に炭団(たえどん)を埋めて、遠火で熱すると、ゆるやかに香りが出ます。
茶道では炉の中の、熱灰に置いてゆっくりと、加熱します。
) 印香(いんこう): 練り香と同様の香を、型で様々な形に成形し、乾燥させた物です。
保存が容易で、使い易い香として作られています。
使い方は、練り香と同じで、香炉に炭団を埋めて、遠火で加熱します。
) 抹香(まっこう): 粉末のお香で、香炉や常香盤の、平たくならした灰の上に、筋状に敷き、
端から着火して、長時間焚きます。常香盤では、決められた模様に、型を使って抹香を敷きます。
) 匂い袋: 香りの良い、漢方香料を刻み、粉末にして調合し、布や紙の袋に詰めた物です。
手軽に香りが楽しめ、携帯することが多く、調合によっては、防虫の効果が、認められ、
タンスや手箱、掛け軸の箱などに入れて使います。
5) 香炉の使い方
以下次回に続きます。
4) 香に付いて
お香には、大きく分けて、香木(こうぼく)と、合香(あわせこう)が有ります。
・ 香木は、沈水香木(=沈香)の伽羅(きゃら)や、白檀(びゃくだん)が、代表的なものです。
・ 合香は、練り香、印香(いんこう)、抹香(まっこう)の他、コーン(円錐)型、ステック型、
渦巻き型など、一般家庭で使用される物も、含まれます。
① 香木
香木(こうぼく)とは、芳香を持つ木材のことで、沈香(沈水香木)と白檀が有名です。
薄片に削った物を加熱して、芳香を楽しみます。香木の芳香のことを「香」と言います。
・ 白檀は熱することなく香るため、仏像などの彫刻や、扇子や数珠などの、材料として用いられます。
) 沈水香木(=沈香)(ちんすいこうぼく)
「沈水香木」とは、文字通り、「水に沈む」事から名付けられた物で、通常は略して
沈香(ちんこう)と呼ばれます。伽羅(きゃら)が、有名です。
a) 伽羅: 熱帯や亜熱帯の、東南アジア諸国(ベトナム、タイ、インドネシアなど)で、
採取される、樹脂の沈着した樹木で、沈丁花(じんちょうげ)科、アキラリア属の、樹木から
採取しますが、人為的に増産することが、 困難で自然に生成するものが、殆どです。
小さく刻んだり、粉末にして香炉で焚いて、使用します。
(尚、伽羅と言う名前の木は、ありません、原木となる植物が10種類以上、知られています)
香りの元は、樹脂です。虫などが、樹皮に穴を開けると、一種の脂(ヤニ)を出します。
長い年月をかけ、樹脂分は組織に沈着し、組織の性質までも変えていきます。
樹脂分によって変質した部分は、朽ちる事なく、加熱しない限り、永遠の生命を得ます。
そのような部分を「沈香(或いは伽羅)」と呼びます。樹脂化した部分は、化石に近い状態となり、
比重は1を大きく超え、水に浮く事はありません。
b) 白檀(=栴檀)
白檀は、熱帯・亜熱帯を中心にして、幅広い国々に産出します。
主な産地は、インドで、インドネシア・ミャンマー・台湾・オーストラリア・アフリカ・ハワイ
などでも、産出しますが、インド産より、香りは遥かに劣ります。
樹皮と白太(辺材)を、取り除いて、赤銅色の心材を、乾燥させると、清涼感のある柔らかな
芳香を放ちます。5%程度の、白檀オイルが含まれており、その主成分は、サンタロールで、
殺菌・血行促進作用に優れています。
② 合香(あわせこう): 純粋な香木に対し、複数の種類の香料を調合して、作るお香の総称です。
調合する者の、意図が反映され、多くの種類が、作られています。
)練り香: 漢方香料を調合し、ベースの木炭粉、蜂蜜、梅肉などを入れて、練り合わせて、造ります。
直系8~10ミリの、柔らかく湿った丸薬状のお香です。
香炉に炭団(たえどん)を埋めて、遠火で熱すると、ゆるやかに香りが出ます。
茶道では炉の中の、熱灰に置いてゆっくりと、加熱します。
) 印香(いんこう): 練り香と同様の香を、型で様々な形に成形し、乾燥させた物です。
保存が容易で、使い易い香として作られています。
使い方は、練り香と同じで、香炉に炭団を埋めて、遠火で加熱します。
) 抹香(まっこう): 粉末のお香で、香炉や常香盤の、平たくならした灰の上に、筋状に敷き、
端から着火して、長時間焚きます。常香盤では、決められた模様に、型を使って抹香を敷きます。
) 匂い袋: 香りの良い、漢方香料を刻み、粉末にして調合し、布や紙の袋に詰めた物です。
手軽に香りが楽しめ、携帯することが多く、調合によっては、防虫の効果が、認められ、
タンスや手箱、掛け軸の箱などに入れて使います。
5) 香炉の使い方
以下次回に続きます。