わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

手捻り(ひねり)9 板(タタラ)作り3 作品を造る1

2018-08-09 20:15:28 | 手捻り陶芸
広い面積の板状にする事えで、平皿や立体的な箱状の作品の他、筒に巻きつけて、円形の

作品、又は型に押し付ける事で、轆轤作業や紐作りとは異なる作品群を、効率良く作る事が

できます。

4) タタラで作品を造る。

 タタラは平たい状態で使う場合や、石膏型などに被せて利用したり、円筒形や角柱等に

 巻き付けり、タタラ同士を接着して組み上げて作品に仕上げる事が出来ます。

 ① 平たい状態で造る作品。

  角皿や円形皿、楕円皿、葉皿など深みの浅い皿類を作る際に使います。

  タタラを所定の形と寸法に切り出しす。当然焼き縮み量や。縁を持ち上げる量を計算し、

  大きめに切り出します。

  ⅰ) 型紙を使って同じ形の作品を複数個作る。

   同じ形の作品を多数作るには、型紙を使うと便利です。特にやや複雑な形の場合大幅

   に手間が省けます。定規などを当てて、いかに同じ形に切り出したとしても同じに成

   らないのが手捻りです。何回も使用する時は、やや厚めの紙などを使います。正方形

   や真円、楕円形を作る場合や、紙を四つ折りにし、その上面にコンパスや定規、又は

   フリーハンドで線を描き、その通りに鋏で切り出せば、左右上下の対象の型紙(絵)

   を描く事が出来ます。

  ⅱ) 本物の葉っぱを用いて葉皿を作る。

   陶芸の初心者の頃、一度は作った事がある作品ではないでしょうか。

   イ) 葉っぱの種類として、焼き縮みを考慮して、大きな葉っぱである事。葉脈は

    しっかり出ている事、即ち凹凸がある事。 肉厚も厚過ぎず、薄過ぎ無い事。

    又出来るだけ平べったくげられる事(重なり合うと綺麗な形になりません)。

    皿として機能する形状の事、即ちある程度の広さが必要で、細かい切り込みが

    無い方が適します。

   ロ) 葉っぱの付け根(へた)を含む場合と取り除く方法があります。

    「へた」は細長くなりますので、見た目には良いのですが、使用時に割れ易いです。

    「へた」の部分を含む場合、この部分は他の葉脈より太くなります。それ故タタラ

     に深く食い込み、場合によっては貫通し穴が開く場合がもありますので、厚みの

     半分をカッターナイフでスライスし、薄くすると良いでしょう。

   ハ) 葉っぱをタタラの上に置き、更に布を被せてから、ローラーを掛け、葉脈を

    タタラに転写します。但し同じ葉っぱを使う時は、タタラと葉っぱの間に片栗粉を

    塗ると葉っぱが容易に剥がれますので、葉っぱを痛める事は少なくなります。

   ⅲ) 転写した葉っぱの通りか、やや大きく、針等を用いて切り出します。

    タタラの上下方向には、土が締まっていますが、横(端面)方向の締まりが弱い

    ですので、指や竹箆などで押し込み、端面を肉厚にすると同時に、割れを防ぎます。

   ⅳ) 皿の周囲を持ち上げる。

    イ) 汁物など液体がある料理の場合、真平らでは汁が流れ出してしまいますので、

     周囲を持ち上げる必要があります。

    ロ) 親指を内側にして、他の指で縁を持ち上げます。但しタタラが軟らかいです

     ので、指跡を残さない事です。しばらくすると、元の平べったい皿に成ってしま

     います。

     そこで枕が必要になります。持ち上げた縁の下に枕を入れて変形しない様にします

    ハ) 枕は布、粘土、紙類など素材は何でも良いのですが、そのつど作るよりも、

     紙等を用いてある程度の形と数を作って置くと便利です。当方では、数枚のチラシ

     広告を数回折り重ね必要な厚さにした枕を使っています。円筒形の枕は作品を持ち

     運ぶ際、転がり易いですので、やや長方系型が向いています。

    ニ) ある程度乾燥したタタラ板であれば、必ずしも枕は必要ありません。

     但し乾燥が進んだタタラは、変形し難いですし、強引に変形させると「ヒビ」が入

     ります。

   ⅳ) 平たい作品は、時間と共に、板(皿)の中央が盛り上がってきます。

     これは上側の乾燥が下側より速い為と考えられています。これを予防するには、

     ある程度乾燥したら、中央部を下に押す事です。この中央の盛り上がりは、素焼き

     後にも現れます。

     その為、素焼きの際には、平らではなく、縦又は横方に立てて窯詰めします。

     実際には、他の作品に立て掛ける様にします。

   ⅴ) 平たい皿類に脚を付けるのは、かなり危険を伴います。一般には付けない方

     が無難です。但し底面の大部分が無釉になるのが欠点です。脚を付けると皿本体は

     空中に浮く格好になります。素焼きまでは何の問題も無いのですが、本焼きの際

     脚が適当な位置と数が無ければ、脚の中央部が下に落ちます。

     これは本焼きの高温で素地が、若干軟らかくなるからです。

以下次回に続きます。
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