わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

香炉 4 (茶香炉を造る)

2010-06-07 22:37:41 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
話が、横道にそれ、茶道具とは、直接関係無いのですが、茶香炉に付いて、お話致します。

近頃、茶香炉と言う言葉を、良く耳にし、私の教室でも、茶香炉を、ご自分で作る人が、増えています。

1) 茶香炉とは、茶の葉を、加熱する事で、発生する芳香により、心をリフレッシュさせる、

  アロマ、リラクゼーション、グッズです。又、部屋の消臭にも、最適との事です。

 ① 茶を焙(ほう)じた時の、香ばしい芳香は、ピラジン系の香気成分(ピラジン、フラン、ピロール系)

   ですが、青葉アルコールや、リナロールという名の、花香芳香成分と、作用して、これら成分は、

   リラックス効果を、発揮します。

 ②  茶の種類は、普通の煎茶、又は、茎(くき)茶が良いそうです。(新茶なら更に、良い様です。)

   勿論、茶香炉用の、お茶も販売されています。(茶香炉用は、飲用に適さない、お茶も有ります。)

  ) 茎茶を、少々湿らせ、アルミ箔をのせた受け皿に、置くと、青々とした新芽の香します。

     茶の香りを、楽しみたい場合には、煎茶(新茶)を、 青々とした、芳醇な香りなら茎茶を 、

     高い消臭効果を、得たい場合には、焙茶 (ほうじちゃ)を使うと、効果的です。  

  ) 紅茶、挽いたコーヒー豆、ハーブ、ヒノキのチップや、柿の葉、ドクダミなど、代用茶として

     用いられる葉は、どれも、それぞれ独特な、芳香があります。

  ) 焙じたお茶は、焙じ茶として、飲む事ができます。胃に優しいお茶です。
   
2) 茶香炉の構造

 ① 形は筒型、太鼓型、ドーム型、四角、その他、動物の形など、色々有り、各地の陶器の産地などで、

    作られ、販売さています。
 
 ② 上部に、茶葉を入れる、小さな、浅い皿が有ります。

   皿の大きさは、茶さじ1杯の茶葉を、薄く拡げる程度の、大きさです。

  ・ 取り外し可能な物と、本体と一体に成っている物が、あります。
 
 ③ 本体は、キャンドルを入れる、やや大きな孔と、炎が良く燃える用に、空気の対流を考え、数箇所に、

   孔(透かし彫り)を開けます。自作で茶香炉を、作る際には、装飾の役目も有りますので、

   好みの孔にします。又夜など、他の明かりを消すと、この孔から、光が漏れて来ますから、

   その効果も考えて、孔を開けます。

  ・ 尚 火を使わずに、電熱で暖める、茶香炉も市販されています。安全面に優れていますので、

    電熱式を、使われる方も、います。

3) 茶香炉を造る

  ① 全体の形を、決めます。

   ) 底はベタ、又は、脚付きにします。(ベタが多いです)

   ) 上部の皿は、本体と一体にするか、別にするかを、決めます。

   ) 香炉の側面に、透かしの孔を、開けますので、その模様を決めておきます。

  ② 香炉の大きさを、決める。

    一般に市販されている、茶香炉の高さは、上皿まで、11~12cmの物が、多いです。

   ) 大切な事は、熱源(キャンドルなど)と、上皿との距離です。

      遠いと、お茶が十分、熱せられず、香りが出ません。逆に、近過ぎると、お茶が焦げて

      しまい、更に、皿の底に、煤(すす)が残り、火事の恐れもあります。

   ) キャンドルは、ホームセンターや、100円ショップで、茶香炉用として、市販されています。

      (大きさは、径が4、高さ2cm程度で、アルミのッカプに、入っています。

       10個で200円位です。)

     ・ アロマポット、タイプのアロマテラピーや、ティーライト、キャンドルなどの名前で、

      市販されてもいます。

  ③ 電動轆轤でも、手捻りでも作る事が、出来ます。

    ) 本体を造り、更に、上皿を造り、キャンドルを載せる、柄の付いた容器を造ります。

       本体は、キャンドルが、楽々入り、安定して置ける様に、底を広く取ります。

    ) 本体の側面に、孔を開けます。

       火の付いた、キャンドルを入れるので、ドーム型の孔を、開けます。

       使用する、キャンドルの大きさにも、よりますが、最低でも横幅6、高さも6cm位は、

       必要です。

       更に、空気が良く循環して、火が燃える用に、数箇所孔を開けます。

       (熱が、本体内に、こもらない様にします。)

    ) 上皿は、底が平らで、立ち上げ部は、1~2cm程度で、別体で造る際には、

       皿が動かない様に、本体にスッポリ嵌る凸(又は凹み)部を、設ける必要が有ります。

    ) キャンドルを載せる台も、市販されていますが、ご自分で、簡単に造れます。(手ひねり)

       持ち易い様に、柄を付けます。

4) 茶香炉の使い方

  ① 茶匙1杯程度の、お茶を、上皿に置き、万遍無く、薄く拡げます。

  ② 台に載せた、キャンドルに、火を灯し、香炉の中に入れます。

    火が遠い様でしたら、台の下に、スペーサーを置き、高さを調節します。

  ③ 5~6分すると、香りが、発生します。茶の色が、茶色に変色すると、香りは、少なく成ります。

    新しい、お茶と交換して下さい。

  ④ 最後に、火を使いますので、ロウの蒸発で、異常燃焼が、起きない様に、十分注意して下さい。

以下次回に続きます。

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