わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 39 底削り 6 削り作業2

2014-09-29 22:29:29 | 電動ろくろ入門
 ② 削る順序は、底を平らにする。底に円を描く。高台脇を削る。高台の外側を削る。高台内側の

  円を描く。高台内を削る。仕上げの順で行います。以下前回の続きです。

  ) 轆轤を回転させ削る。

   e) 高台を削り出す。高台の種類は以前お話した様に、碁笥底高台、べた高台と輪高台が

    有ります。輪高台には、撥(ばち)高台、切高台、三日月(片薄)高台などが含くまれます

    碁笥底とべた高台の場合、高台脇を削は削りますが、高台の外側には段差を設けませんので

    この項目は飛ばす事になります。

    イ) カンナはしっかり持ち、振れが無い様にします。

    ロ) 作品に応じて高台の高さは変化させます。高台の高い作品や、あるかないかの高台など

      多種多様です。但し、高台の役目の一つは、この高台を持って施釉し、指痕を少なく

       する事が有ります。

    ハ) 高台が持てる高さは5mm以上が必要です。又滑らずに持てる為には、高台が垂直か

      撥高台の形にする必要があります。

    ニ) 高台の外径の線(ケガキ線)を消さない様に、カンナの角を使い真下に削ります。

      真下を削った後、その外側の高台脇を削ります。

   f) 高台脇から腰に掛けての削り。

    イ) 高台を削り出す際、高台脇から腰に掛けての形状を、どうするかを予め考えておく

     必要があります。即ち、丸みを帯びた形か、角張った形にするかですが、これは轆轤引き

     する際に決めてあった事です。それ故、削り作業でも継続する必要があります。  

    ロ) 腰の削りは、内側のカーブに沿う事が一番自然です。内側が丸みを帯びていた場合、

     角張った削り方をすれば、部分的に肉厚になり、逆に内側が角張った場合に丸みを帯びた

     削りでは部分的に肉薄になります。

    ニ) 「ぼかし」を入れる。

      センター出しは、底から1cm程度の場所を基準にする為、底から離れる程狂いが出て

      きます。その故、しっかり固定したカンナでは削った処と、削らない境に段差が生じ

      ます。 この段差を解消するのが「ぼかし」の効果です。即ち、境目付近は、片手で

      カンナを持つ事で、カンアが自由に動き、作品の形状に合う様になり、段差を消す

      事が出来る様に成ります。

    g) 高台内を削る。

     イ) 作品の底に、高台内側の円を描きます。但し高台幅はやや広めにし、仕上げで

       適正な幅にします。

     ロ) 一般に高台内は平らに削りますが、抹茶茶碗などは兎兜(ときん)と言って中央を

       盛り上げる様に削るのが、特徴(決まり事)となっています。

     ハ) 高台内が狭い場合には、刃の横幅が狭い「カンナ」を使います。

       轆轤の回転はやや速くします。高台の外側を削る際には、左手の中指が作品の底の

       中央を押さえていましたが、内側を削る際には、親指と小指を除く三本の指で作品の

       外径を押さえ、親指をカンナに掛け、この親指でカンナの移動をコントロールします

       親指でカンナの刃の近くを押しながら、外側から中心に削ります。

     ニ) 底の肉厚は薄過ぎても厚過ぎても、底割れの原因に成り易いです。

       基本は腰部分の肉厚と同じ程度にする事です。

     ホ) 作品の底部分は、乾燥が一番遅い場所と成り易いです。それ故削った際、軟らかく

       削る作業が上手く行かない場合があります。即ち、形は出来ているのだが「削り

      カス」が出ない場合は、要注意です。カンナの力で粘土を変形させている状態です。

      乾燥不十分の際には、削り作業を中断しドライヤ^等で底を乾燥させてから削ります。

     へ) 削る量は最低3mm以上です。即ち、釉が掛けられる寸法が必要です。

 ③ 仕上げと確認。

以下次回に続きます。
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電動轆轤入門 38 底削り 5 削り作業1

2014-09-28 20:16:17 | 電動ろくろ入門
6) 削り作業。

  削り作業はカンナ(鉋)や掻きベラを使って行いますが、これら刃物は良く切れる状態にして

  おくのがベストです。その為、時々砥石やヤスリで研ぐ必要があります。

  但し、轆轤挽きした作品は、必ずしも電動轆轤で行うとは限りません。抹茶茶碗の高台の様に、

  手回し轆轤を使い松の木を割って作った刃物で、一思いに削る方法もあります。

  尚、切れない刃物をあえて使う事で、表面を粗し施釉する事で、「かいらぎ」(梅華皮)状態を

  作る事もあります。

 ① 轆轤の回転方向。

  轆轤挽きは右回転(時計回転方向)の事が多いのですが、削る際には左回転で行う方も多い

  です。 右手にカンナを持って削る際、作品の右サイド(時計の針では3~5時の間)で行う

  のが自然な作業となるからです。右回転の場合には、時計の針の8~6時の間で行う事になます

 ② 削る順序は、底を平らにする。底に円を描く。高台脇を削る。高台の外側を削る。高台内側の

  円を描く。高台内を削る。仕上げの順で行います。

  ) 底を平らにする。底が平らでないと、綺麗な円が描けませんし、高台を削り出す際、

    高台に高低差が出ます。場合によっては、削り終えた作品が傾いて見える場合もあります。

  ) 底に針などで円を描く。高台の外径です。高台の内側の円は外側が削り終えた後に、

    描いた方が無難なです。最初から描くと、外側を予定より狭く削ると、高台の幅が狭く

    なる、限定されてしまうので、これを予防する為です。

    更に、底の中心部を凹ませ、ここに指(一般に中指)を置き軽く作品を押さえると同時に、

    カンナの位置を保持する為の基準となります。又、作品が浮き上がる事をいち早く感知する

    感知機能の役目もします。感知したら轆轤を素早く停止させます。

   a) 円はやや大きめに描く。削る事は径を細くする事です、その為細く削り過ぎた場合は、

     元に戻す事は出来ません。大きめの線まで削り終えたら、大きさを確認し大きい時には、

     円の内側に再度円を描き更に削り、調度良い大きさにします。

   b) この描いた線は仕上げで削り取ることに成りますので、余り深く描かない事です。

  ) カンナの持ち方と使用う場所。及び使い方。

   a) 持ち方。 左手の中指を前記底の中心部の凹み当てます。左手の親指は右手の甲を押さ

    えるか。カンナの刃の付近に当てます。

   b) カンナには色々な種類がありますが、刃の中心部分で削る様にします。高台の付け根など

    角を使う場合も当然出てきますが、なるべく角を立てない様にします。角が立つと細い

    横線が多数発生します。

   c)  カンナは刃物ですので、刃を立てて使います。即ち、作品とカンナの角度は、一番削り

     カスが出る状態が最適となります。撫ぜる程度ではほとんど削れません。   

   轆轤を回転させ削る。

   a) 最初から回転スピードは速くしないこと。今までセンター出しを行っていますが、必ず

    しも綺麗な円が出ている訳ではありません。全体に一皮削った段階で、綺麗な円が出たら

    回転速度を早くします。

   b) 最初から高台を削り出すのではなく、肉厚のある高台脇から腰に掛けて削ります。

    削りは円を描いた際(きわ)まで削ります。その際、上から下に向かって削るのが基本で

    すが、下から上に向かって削る事は問題ありません。

    全体を少しづつ削る事で、徐々に全体を薄くしていきます。

    一箇所づつ仕上げていくと、どうしても肉の厚い処と薄い処が出易いです。

   c) 作品は伏せた状態ですので、特別穴が空いている場合以外は、肉厚は判断できません。

    それ故、作品を轆轤中央にセットする前に肉厚を確認し、どの部分が肉厚かを知って置くと

    後々役に立ちます。尚、肉厚は作品を指(中指、人差し指)で弾き、その音の高さで判断

    します。肉が厚い時は高音になり、肉が薄くなるに従い低音に移行します。

    但し、弾く場所によって音色も変化しますので、ある程度の経験が必要です。

   d) 肉厚重視か形重視か?: 外形を削る事は、どんどん作品の姿を変える事になります。

    又、削る事で作品の重さが徐々に軽くなります。このせめぎ合いとなります。

    轆轤に慣れた方は、削る量がなるべく少なくなる様に形作る事が出来ますが、慣れない方は

    悩む処です。

   e) 高台を削り出す。

以下次回に続きます。
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電動轆轤入門 37 底削り 4

2014-09-27 21:30:51 | 電動ろくろ入門
5) 作品を轆轤上に粘土で固定する。

  作品のセンター出しが終わったら、その作品が移動しない様に、固定する必要があります。

 ① 削り作業中に、轆轤上より作品を落とさない様に注意。

  良くある事故で、誰でも一度や二度程度の経験があるはずです。即ち、カンナ(鉋)などが

  作品に食い込み引っ掛ける事は、決して珍しい事ではありません。その際、作品が轆轤上に

  固着していなければ、轆轤の遠心力との関係で、「ドベ受け」との間に落ちてしまいます。

  こうなると、作品に大きな傷が出来ると伴に、変形や割れが出て作品には成らなくなります。

  その為、少々の事では轆轤上より落ちない様に粘土で固定します。

  尚、「内シッタ」を使う時には、作品は特別固着しない場合が多いです。(後で説明します)

  ) 止め土は軟らかめの物を使う。

   作品の周囲を押さえる為には、当然作品の硬さより軟らかくなければなりません。

   但し、柔らか過ぎると、押さえる力が弱くなり、更に作品にくっ付きます。

   尚、作品が乾燥し過ぎている時も、粘土が作品に密着しませんので、スポンジ等で、水拭き

   しておきます。

  )「シッタ」を使わない場合。

   a) 粘土を紐状にし、約三等分します。紐の太さや長さは、作品の大きさに応じて決めます。

   b) 作品の周囲に略三等分の位置に止め土を置いていきます。その際、紐の両端を轆轤に押し

    付け紐を固定します。これは仮止めです。

   c)  底面を手のひら(掌)で軽く押さえ、粘土をしっかり止めていきます。

    注意点: 仮止めせずに最初からこの作業を行うと、必ず作品が移動し、センターを出した

     意味が無くなり、再びセンター出しをする必要が出てきます。

   d) 止め方は、紐の太さの約半分を轆轤側に押し当て、残りを作品側になすり上げます。
   
     即ち、親指で土を潰す様にして数箇所を、轆轤に押し付けます。作品側は人差し指を使い

     下から上に土を伸ばしながら、なすり上げます。力を入れ過ぎると作品に「ひびや割れ」

     が発生しますので、弱い力で十分です。尚、背の低い作品ならば、作品側に土を寄せる

     程度で十分です。

   e) 背の高い作品の場合は、上記だけの方法では不十分です。

     即ち、作品の胴の部分を支える必要があります。背の高い場合、「テコの原理」で小さな

     力でも高い部分では大きな力となり、作品が振ら付きます。その為、太めで長めの紐三本

     を、斜めから立て掛ける様に取り付けます。轆轤に接した部分を、しっかり轆轤面に

     押し付け、作品側の他端はやや平らにし、面積を広げて胴の部分に軽く押し当てます。

     尚、取り付け位置は、先に行った止め土との中間位置が適します。

  ) 「シッタ」を使った止め方。

   a) 先ず「シッタ」が轆轤面にしっかり、固定されていなければ成りません。

     水に漬けて置いた「シッタ」を略中央に乗せ、裾野の三点を太めの紐で固定します。

   b) 「シッタ」上にドーナツ状の土を乗せ、整形します。この事は、前回説明した通りです。

   c)  口縁が細い作品に使う、「外シッタ」の場合。

     作品のセンター出しが終わったら、細い紐(1cm以下)を作り三等分にし、上記ドーナツ

     状の土と作品の間(隙間)に等間隔で入れます。次に、ドーナツ状の外側の土が細い紐の

     上を通過して、更にその上の作品まで伸ばしなすり付けます。三箇所行います。

     以上で完了です。

   d) 「内シッタ」の場合。

     外から止め土で止める事が出来ません。そこで軽く作品の底を押さえ、下のドーナツ状の

     土に押し付けます。即ち摩擦力に頼る事に成ります。

  尚、いずれの場合でも、削り作業中に、作品が「ガタガタ」動く場合があります。こうなると

  削り作業が困難になりますので、轆轤の回転を止め、再度止め土を作品側に寄せて「ガタ」を

  止める必要があります。多くの場合、止め土と作品の間に、隙間が出来る為に起こります。

  ここまでが、削り作業前の準備と成ります。

6) 削り作業。

 以下次回に続きます。
   
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電動轆轤入門 36 底削り 3

2014-09-26 21:26:22 | 電動ろくろ入門
4) 実際に作品を轆轤上にセットする。

 ① センター出し。 作品を轆轤の中心に伏せて置く事ですが、かなり難しい作業です。

  ) 轆轤の中心に置く事で、片削りをなくします。

    轆轤挽きされた作品の側面は一定の肉厚になっています。この側面が片方に寄っている場合

    外側に出っ張る事になりますので、その出っ張った部分が多く削れる事になります。

    その結果、片方のみが肉薄になり、最悪穴が開く恐れがあります。

    それ故、削る部分はなるべく均等に削れる位置に、セットする(据える)必要があります。

  ) 高さ方向の全ての部分が、轆轤の中心に置く事は、特別な場合を除いて困難です。

    即ち、轆轤挽き時に全く狂いの無い様な作品でない限り、条件を満足させる事はできません

  ) センター出しは、削りたい部分の周辺のみが、出来ていればほとんど問題ありません。

    底と高台脇を削る場合には、底面から1cm程度で、円がでる様にセットします。

  ) 轆轤の中心にワンタチでセットできる市販品も存在していますが、万全では有りません。

    これは、伏せた口縁周辺を三方向から、均等に押さえる装置ですが、背が高く口縁に高低差

    ある場合には、対応できません。更に、鶴首の様な形の作品も対応できません。

 ② センター出しの方法。

  ) 轆轤上に刻印された丸い線や、鉛筆で自分で描いた丸い線、薄く敷いた粘土板の上に

    描いた線を目安にして、それに合わせる方法が簡単です。背の低い作品(皿など)では、

    これで十分です。

  ) 陶芸の技術書などでは、轆轤上に直に置いた作品を、轆轤を回転させながら、真横方向

    から手の甲側で数度軽く叩くと、作品が中心に移動してセンター出しが出来ると書かれて

    いる事が多いですが、相当慣れた方でないと、センター出しは無理です。

    又「シッタ」の上の作品でも同じ作業で、可能との事ですが、粘土上に乗った作品は横から

    叩いた程度では、動きませんので、特別な「コツ」があると思われます。

  ) 多くの行われる方法に、底面に円を描き底の外周との偏りによって、外周と同心円になる

    様に移動させる方法があります。この場合、底面は水平であれば、上手くいくのですが、

    往々にして、狂いがあり、上手に円が描けない事も多いです。

    尚、作品を移動させる際には、両手で若干上に持ち上げて下さい。乾燥の甘い時に滑らせる

    と、口縁が変形する恐れがあります。

  ) 基準になる点から、作品の側面(又は底面)までの距離が一定の位置に移動させる方法。

    基準になる点とは、主に人差し指の先を使います。但し基準ですので、不安定な状態でない

    事が大切です。その他に轆轤の脇に固定した基準点を設ける方法もあります。

    その方法は、以下の通りです。

    a) 轆轤上の中心付近に作品を伏せて置きます。次に轆轤を手動で回転させます。

     回転速度は極ゆっくりにし、いつでも右手で回転を止められる状態で待機します。

    b) 左手の人差し指を側面に当て、回転させると、指に当たる所と空振りする所が出てる

     はずです。その空振りした所で、右手で轆轤の回転盤の側面を鷲掴みして止めます。

     所定の場所で止めることも、結構難しい作業で、多くの場合所定の位置で止まり切れずに

     通り過ぎて、他の場所で止まる事が多いです。

    c) 指と作品の離れた距離の半分ほど、指側に作品を移動させます。これを繰り返して

      指が側面全体を触れればセンター出しは成功です。

    d) この方法の問題点は、基準になる指の保持が不完全で、作品の方に近づき易い点です。

      人差し指は、親指と折り曲げた中指で支えます。

 ③ 「シッタ」を使った際のセンター出し。

  ) 作品の内側から支える「内シッタ」の場合。「シッタ」に被せる様に作品を置きます。

    a) 底面が水平になる様にします。支える「シッタ」の径が十分大きい場合には、作品は

     安定して被せられますが、径が小さい場合には、一方に偏り易く底面は水平には成り

     ません。その場合は、作品を両手で持ち、水平になる様に移動させます。

    b) この場合も、底面に丸い線を描き、外形と同心円になる所まで、移動させ調整します。

      一度で上手くいかない場合は、数度繰り返します。

   ) 口径の細い作品に使う「外シッタ」の場合。

     「シッタ」の上に乗せたドーナツ状の粘土の内側の傾斜のある角が、綺麗な円になって

     いる事が最低条件です。この角で作品の肩の部分を支える事になります。当然首の長い

     作品では、十分入る高さが必要です。決して口が轆轤の面に接触させては行けません。

    a) 背の高い作品が多くなりますので、最上部は根元の「シッタ」部分より、振れは大きく

     なります。即ち、少しの倒れであっても最上部(底面)では大きく首を振ります。

    b) 底面に円を描く方法も有力ですが、むしろ上記で説明した、基準点を設ける方法が

     良いと思われます。この場合も底面が水平に成れば、倒れは補修された事に成ります。

  尚、自信の無い方は、もし指導者などがいたら、確認してもらってから、作業に取り掛かり

  たいものです。センター出しもしっかり練習しないと、中々マスターできません。

5) 作品を轆轤上に粘土で固定する。

以下次回に続きます。
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電動轆轤入門 35 底削り 2

2014-09-25 21:42:16 | 電動ろくろ入門
3) 削る作品を轆轤上に据える(セットする)方法。

  底部周辺を削り出しますので、作品をひっくり返す必要があります。その際に起こる諸問題を

  解決する為に、セットの仕方が色々考えられています。

  セットの仕方には、直接轆轤上に据える方法と、轆轤上に粘土を敷いてクッションとする方法

  及び、シッタ(湿台)を使う方法があります。 

  いずれの方法であっても、削りの途中で、作品が移動しない様に、何らかの方法で固定する

  必要が有ります。 

 ① 直接轆轤上に据える。作品に狂いが無く、口縁も凸凹すること無く、綺麗に轆轤挽きした

  作品に適します。但し、伏せて置いた場合、轆轤の外径より小さくなければ成りません。

  ) 利点としては、セットする事が比較的簡単に出来き、微調整がし易いことです。

    轆轤挽き途中で、部分的に高さに差が出た場合や、糸切での失敗で斜めに切れたとしても、

    底を水平に削ることで、口縁と底が平行にする事が出来る点です。

    皿の様に背の低い作品では、轆轤上に描かれた円又は、ご自分で描いた丸い線に、口径を

    合わせれば、特別センター出しは必要としません。

  ) 欠点としては、硬い金属に直接当たる為、十分乾燥させる必要があること。及び口縁が

    複雑な形状や凹凸のある場合、作品を安定してセット出来ない事です。即ち「ガタ付き」が

    出る事です。

 ② 薄い粘土板を轆轤上に敷き、その上に作品を伏せる方法。

   電動轆轤の回転盤は、金属(アルミ合金)で作られています。

   その為、直接轆轤に据えると、口縁を痛める恐れがあります。又、口縁に凹凸があると「ガタ」

   が出易い為、クッションとして轆轤上に粘土を薄く敷き、その上に作品を伏せます。

  ) 利点として、口縁を保護することと、口に少々の凸凹がありセンター出し(次回で説明)

   に苦労する場合は、一部を敷き土に潜らせることで、微調整できる事です。

  ) 欠点として、敷き土の上では作品が移動し難く、微調整が難しい事です。

   又、薄く(1cm程度)敷いた土の表面を、綺麗な面にする必要があります。

   即ち、粘土で作品の口径程度のドーナツを作り、轆轤上に据えたら拳固で表面を叩き、轆轤に

   圧着させます。粘土は伸びて口径より大きくなります。表面は凸凹していますので、「カンナ」

   を使い、表面を水平にします。

 ③ 「シッタ」を使う方法。

  )3~5分程度水に漬し、程度十分水を吸収させた素焼きの「シッタ」を、轆轤の回転盤上に

  据えます。 その際、「シッタ」もセンター出しをしておけば、次の作業も楽になります。

  「シッタ」は3点の粘土で轆轤上に固定させます。尚、水に漬すのは、止めの粘土が「シッタ」
  
   に密着させる為です。

  )「シッタ」の頭にドーナツ状の土を載せ、直接作品と接触しない様します。

  ) 更に、このドーナツ状の土を、「カンナ」や「竹へら」を使い綺麗にします。

   先ず、上面を平らにします。

   a) 作品を「シッタ」の内側で支える場合は、ドーナツの内側を綺麗な円にし、角部を45度

    の角度で面取ります。

   b) 作品を「シッタ」の真上又は、外側の角で支える場合には、外側の角を45度程度面取り

    しておきます。

  ) 利点として、轆轤の回転盤より径の大きな作品(大皿など)も、轆轤上に据えることが

   できます。 更に口径が細く、そのままではひっくり返す事が出来ない作品でも、「シッタ」

   を使えば、胴体部分で支える事で安定的に、保持する事ができます。

   又、口縁の形が極端に変形させた作品であっても、その器の内側から「シッタ」で支える事で、

   十分保持する事が可能です。

   背の高い作品でも、「シッタ」で途中を支える事で、安定した保持が可能です。

  ) 欠点として、「シッタ」上でセンター出しをする事がかなり、難しい事です。

   即ち、「シッタ」上では少しの傾きでも、削る部分は大きく首を振る事になります。

   又、作品の形に応じて、「シッタ」の形が異なりますので、数種の「シッタ」が必要です。

   何より削り出す前の準備が必要な点です。

4) 実際にセットする。

 ① センター出し。

以下次回に続きます。
   
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電動轆轤入門 34 底削り 1

2014-09-24 22:05:31 | 電動ろくろ入門
轆轤挽きした作品は、底削りを行うのが一般的です。但し、「ベタ高台」の場合は、あえて底を

削らないこともあります。削らない場合腰から底に掛けて、土が厚く残りますので、作品が重くなる

傾向があります。

尚、取っ手がある作品では、底削りが終わった後に、取り付け作業を行います。更に、作品表面に

模様を彫り込んだり、何らかの細工を施す場合も、底削り後に行う事が多いです。

1) 底を削る。削る目的は、高台を削り出す事と、腰周りの余分な土を削り取り形を整えると伴に

  重量を軽くする事です。

 ① 削り作業は、生乾きの状態で行います。

  ) 削り良い乾燥具合は、カンナ(鉋)で削った際、[削りカス」が帯状に出る状態の時で、

   「ブツブツ」短く切れる場合は、乾燥し過ぎですし、「削りカス」がカンナの刃にくっつく

    様ですと、乾燥不十分です。

  ) 乾燥不十分な場合の弊害として、作品が歪み易いことです。

   a) 作品を轆轤上にセットする際に歪む。

     作品を逆さに伏せてセットします。直接轆轤上にセットする方法と、シッタ(湿台)を

     使う方法がりますが、いずれも、口縁や胴の一部を下から支える事に成ります。

     支える部分の乾燥が不十分な状態では、歪みが発生し易いです。

     尚、セットの仕方については、後で説明します。

   b) 削り作業の際、カンナを当てると、歪みが発生する。

     特に高台内を削る時、「削りカス」が出ないのに形が出来る場合には、底を下に押して 

     いる可能性が強いです。

 ② 削りで使用する用具。

   仕上カンナ(鉋)、カキベラ(平線カキベラ)、針、シッタ(湿台)、止め土(粘土)等です

   いずれも、陶芸材料店で市販されていますが、容易にご自分で作ることも可能です。

  ) カンナ: 帯鋼を「L字形」に変形した刃物が一般的ですが、四角、三角、片三角、

    ナイフ状など特殊な形状の物もあります。

  ) カキベラ: 丸線ワイヤーや平鋼(はがね)を平ら、半丸などの形にしたものを木に

    くくり付けたものです。

  ) 針(線描べら): 高台の径を描く為に使います。

  ) シッタ: 細い口の作品をひっくり返す際に使う外シッタ、口の広い器に使う内シッタ

    などがあります。一般に素焼きした物を使います。形は背の高いドーナツ状のもので、

    作品の種類や大きさによって、数種類のシッタを使い分けたいものです。

  ) 止め土: シッタを轆轤上に固定したり、シッタと作品の間のクッションとして使います

2) 高台に付いて。 作品には高台を付けるのが一般的です。

 ① 高台の利点と欠点。

  )利点: 高台があると施釉する際、高台部を持って行いますので、施釉作業がし易い点と、

    指跡が付き難いことです。

  ) 高台を付けることで、器がテーブル上より浮き上がって見えますので、作品が軽く感じ

    られます。

  ) 更に、器を持つ際、器の外側の底近くに指が入りますので、持ち易くなります。

  ) 高台をもつことで、高台の先端を除いた、底に全体に施釉する事が可能になります。

  ) 欠点は特に有りません。但し、削り作業が入りますので、若干時間が掛ります。

 ② 高台の種類:

  )輪高台:一番一般的な高台です、この応用として、撥(ばち)高台、割り高台、三日月高台

    等があります。又、高坏(たかつき)の様な高台の高い作品にする場合には、付け高台で

    対処します。

  )碁笥底(ごけぞこ)高台: 外側下部に段差を作らず、真上から底までカーブが連続的に

    続いている形で、高台内のみを削ってある高台です。

  ) ベタ底高台: 底面が平らな状態のものです。

    高台が無い作品は、やや品格が落ちる様に見えますので、高級な器ではこの高台を採用

    しているのは、は少ないです。

以下次回に続きます。
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電動轆轤入門 33 作品を形造る 5 確認

2014-09-23 22:12:32 | 電動ろくろ入門
轆轤の水挽き作業を終わる前に、幾つかの確認事項があります。

1) 口縁は水で濡らした皮で仕上げる。

  口縁をなだらかにし綺麗にすると同時に、土を締める役も果たします。

2) 作品が所定の形と所定の寸法になっているかを確認します。

  作品を作る際には、当然その大きさと、おおよその寸法は、決めてあるはずです。

  形はなるべく遠くから見ると、「ハッキリ」確認する事が出来ます。

  寸法は、スケールや「トンボ」を当てて測定します。

  当初に予定した形と異なる場合や、寸法が違う場合には、修正します。大きい場合には、切り

  取ることで済みますが、不足の場合は面倒です。土が肉厚の時は、土を薄く伸ばすことも可能

 ですが、大幅に足りない時には、土を足すことに成ります。しかし補修するよりも、この作品を

 壊し最初からやり直す方が、速く綺麗な作品を作ることができますので、思い切って壊すのが

 正解です。

3) 器の内側の底に溜まった水や「どべ」を、スポンジ等で吸い取ります。

  背の高い作品の場合、棒の先にスポンジを取り付けて使います。

  この水を取らずに放置すると、「底割れ」がおきます。水が溜まっていると、その部分の乾燥が

  他の場所より遅くなり、周りから引っ張られて「Iの字」状に切れます。

4) 数挽きの際には、下の土から切り離す必要がありますので、切り取る位置を固定します。

 ① 普通は、土取りした際の最下部のことが多いですが、土の中央に穴を掘り込む際に、深く

   掘り過ぎ、土取り位置で切糸を入れると、底に穴が開く場合はあります。器の内側と外側の

   寸法を測り、その差から判断する事もあります。

 ② 切糸(又はシッピキ)を入れる位置が決まったら、底周辺の余分な土を剥ぎ取り、綺麗な円に

   します。この円は底削りの際の目安に成りますので、おろそかにしない事です。

   又、余分の土が付いていると、「手板」に載せた際、口縁の歪みが大きくなります。

 ③ 「竹へら」を使い細い溝を付けます。これは切糸のガイドになるものです。

5) 切り離す。切り離す方法は、轆轤を回転させたまま切るのが、昔からの方法ですが、初心者の

  方は、轆轤を止めたままで、切り離した方が無難です。

  ① 回転した状態で切り離す。右手に切糸の一端を持ち、他端を左手に持ち、轆轤の回転に

   合わせ左手を回転させながら糸を手放します。糸は土に巻き付き回転します。

   糸が一回転半したら、右手を真横に強く水平に引きます。

   慣れないと、切り口が斜めになったり、最悪作品が下の土から転げ落ちる場合もあります。

   切り口は渦巻き状になります。切り糸は長過ぎないことが重要です。

  ② 止めて切り離す。上記の「竹へら」で付けた溝に、細い切り糸を巻き付け、手前で交差する

    様にします。交差した下の糸を手前に引いて、糸の輪を縮めながら切り無します。

    その際、最後に糸が上に浮く事が多いですので、あくまでも水平に引くことです。

  ③ 亀板上で作った作品ならば、亀板ごと轆轤上より取り除きます。

    板との切り離しは、若干土が乾燥した後に行います。その際にも、切り糸を入れる場所

   (板に接する場所)にガイドの溝を入れておきます。

6) 作品を轆轤上より取り除く。 両手の人差し指と中指を「Vの字」状に開き上に向けます。

  ① 切り口の真上の部分に「V」を押し込み、作品を手前に倒す様にして上に持ち上げます。

   その際、親指も水平にして、作品に触れない様にします。

   但し、寸胴(口径と底径が同じ)の場合、指に引っ掛かりが無く、手が滑り取り上げ難いです

  ② 取り上げた作品は、「手板」に載せます。載せた作品が歪むのは、以下の理由によります。

   ) 切り口が斜めになっている。

   ) 口径に対して、底径が大きい場合。底径は狭い程、歪みも少ないです。

   ) 不用意に作品に触れてしまった場合。

  ③ 歪んだ作品は口では無く、作品の腰で直します。即ち歪んで楕円になった物を綺麗な円に

    成る様に形を整えます。

以上で轆轤の水挽き作業は終わります。次は「底削り」です。
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電動轆轤入門 32 作品を形造る 4 径を細める2

2014-09-22 21:54:10 | 電動ろくろ入門
2) 直径を細くする場合。

 ① 直径を細くする場合の状況。

 ② 径を細めると土はどうなるか?

 ③ 径を細くする方法。 (以上までが前回までにお話した事です。)

 ④ 径を細くする際の問題点。

  )前回までに説明した様に、径を細める事は轆轤の遠心力に逆らい、土を中心に集める事に

   なります。その為、土を均等な間隔で押さえ込まないと、上手く土が締まってくれません。

   即ち、土が外側に逃げる隙間を作らない事です。但し手や指の大きさには限界がありますので

   隙間が出来てしまう場合には、その隙間は円周上で均等に成る様にします。

  ) 土を締めて細くする場合、土の肉厚が厚ければ厚い程、土が硬い程締まりが良くなります

   細くなる割合は、外からの力に比例して細くなります。但し、土を締める時は一気に行わずに

   徐々に締める事を薦めます。

  ) 極端に細くすると、土が振ら付きます。即ち、上部の土の重さが支えられないカーブを

   付ける事は厳禁です。例えば、底の径が極端に細い作品は、そのままの姿で轆轤挽きする事は

   困難です。一般にこの様な場合、天地を逆にして作ります。

   又、砧(きぬた)型の花瓶を作る際にも、肩部分を水平にする事は出来ません。例え成形でき

   ても、本焼きの際土が若干軟らかくなりますので、必ず中央に落ち込みます。

  ) 径を細くすると、肉厚が厚くなります。その状態で作業を続けますと側面に皺(しわ)が

   発生し、拠れ(よれ)て仕舞い、作業がし難くなり、見た目も綺麗ではありません。そこで

   薄く上に伸ばしながら徐々に細めていきます。

   尚、径が細い場合には、轆轤の回転速度を早くする必要があります。

  ) 鶴首など細くした場合、内側に指が入らなくなります。この様な場合、細長い「柄コテ」

   (細長い棒でも可)を使います。水で濡らした「柄コテ」は鷲掴みにし、垂直に立て移動さ

   せる事なく固定します。「柄コテ」の側面に沿って外側の手を移動させて肉厚を薄くします。

3) 口造り。

  形造りの最後の工程が口造りです。作品の中でも口縁は一番印象的な場所に成ります。

  一般に磁器の場合には、薄造りになりますが、陶器では本体部の肉厚よりやや厚めに造ります。

  陶器の場合、口が薄いと作品が貧弱に見えます。又、使用中で壊れるのは、口が割れる事が

  多いですので、肉厚にした方が肝銘です。特に厚く造るには、玉縁(たまぶち)にします。

 ① 端反り: 口縁を上開にする形です。小さめの端反りであれば、セーム皮で捻って作る事も

  できます。大きく反らす場合は、外側の手の人差し指を水平にして、器の左側面に当て、内側

  から他の手の人差し指で、外側の指に被せる様にして、形を造ります。外側の指の位置が口縁

  からの寸法によって、反り返る量が決ります。但し端反りの場合、水平まで倒す事はありません

  水平まで倒すと、本焼きではそれ以上に垂れ下がる事になります。  

 ② 玉縁は口を外側、又は内側に土を丸め込んで作ります。

   玉縁にすると、作品の高さは1~2cm低くなります。

  ) 一般に土を外側に丸め込んだ方が、簡単です。最上部の1.5~2.5cmを外側に水平

   まで寝かせます。ここまでは、上記端反りの方法と同じやり方です。

  ) 寝かせた土の先端を、真上から親指で徐々に真下に押し込み、内側から人差し指で土を

   摘む様にして丸め込み、先端が本体にくっ付ける様にします。くっ付くいたら皮を用いて

   綺麗な玉縁に成る様に整えます。

  ) 先端が本体にくっ付く際、空気が入らない様に注意します。即ち、徐々に先端は本体に

   くっ付いていきますが、最後にくっ付ける際、回転をやや落とし慎重に作業します。

   全てがくっ付いたら回転を速め綺麗に仕上げます。

  ) 上記方法では、出来た玉縁は外側に付く事になります。これを真上又はやや内側に移動

   する事は、比較的簡単に行う事が可能です。

以下次回に続きます。
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電動轆轤入門 31 作品を形造る 3 径を細める1

2014-09-21 22:33:32 | 電動ろくろ入門
2) 直径を細くする場合。

 一般に、直径を細くする事は、広げるよりも困難が伴いますので、なるべく細くする行為は敬遠

 したいですが、形造りでどうしても避けて通れません。

 ① 直径を細くする場合は、以下の状況の時です。

  ) 土を上に伸ばした際、振れを直したり、予防する為に行います。

    背が高くなればなる程、口径が広がれば広がる程、振れが発生しその振れ幅も大きくなり

    ます。そこで、振れが発生する前に、細く絞る事が大切になります。

    又、振れが発生した直後に細くする事で、振れを直す事ができます。

  ) 所定の寸法より口径が広がり過ぎた場合にも、所定の寸法まで径を細める事があります。  

  ) 端反りとは反対に、口縁を内側に湾曲する鉢や碗を造る際にも、径を細くします。

     又、蓋物と呼ばれる器でも、口径を細めてから、蓋を設ける形の場合にも、口径を細め

    ます。

  ) 形造りで径を細くする代表的な事例は、首を作る場合です。

    徳利の首、鶴首など極端に細くなる形の物です。その他に壷の首を造る際にも、細める

    必要があります。その他、瓢箪型の器を作る際にも胴体の一部を細めます。

 ② 径を細めると土はどうなるか?

  ) 一般に細める事で背が高くなります。

  ) 胴の中程を細めると、背が低くなる場合があります。

     瓢箪型やラッパ状に胴体の中程を細める事も稀ではありません。

  ) 径を細めると、肉厚が厚くなります。(尚、広げる際には薄くは成りません。)

  ) 極端に肉厚の薄い場合、径を細める事ができません。

    即ち、ある程度肉厚が厚い場合にのみ、径を細める事ができます。

    又、水を吸い過ぎて、土に腰がなくなった場合も、細める事は困難です。この様な場合、

    土を若干乾燥させた後に、轆轤挽きすると、細める事が出来る場合があります。

    特に、口縁部付近は肉が薄くなり勝ちで、思う様に径を細く出来ない場合もあります。

 ③ 径を細くする方法。

   土には常に遠心力が働いている為、土の逃げ場を無くす様にし、上手に締めないと細くは

   成りません。

  ) 両手の手のひら(掌)を真横にして、全体で抱え込む様にして、下から上に移動させ、

    振れを防ぎます。その際の注意点は以下の事です。

   a) 両腕の肘(ひじ)は太ももに付け、固定します。

   b) 両手の親指は人差し指の付け根に付ける。

   c) 両手で一周できない場合、指先側と手首側の隙間を、同じ位にします。

     さもないと、隙間の広い方に土が逃げ、効率良く細くする事はできません。

  ) 両手の親指と人差し指(または中指)、及びその中間部(両指の付け根部分)を使って

   径を細くする。直径がやや細い場合には人差し指を、やや太い場合には中指を使います。

   当然、指は土の表面を滑る様に、水を付けて下さい。

   a) 即ち、左右四本の指の腹全体で抱え込みます。他の指は土に触れない様にします。

   b) 四本の指はほぼ水平にして使います。この場合も上記同様、土の逃げを無くします。

   c) 主に、壷や花瓶の首や、瓢箪のくびれ部分に使う方法で、一番細い処で強く締めその

    近辺では徐々に力を弱めます。

   d) 締め付けている時間も大切です。強く締める処は、若干時間を掛けます。場合によっては

    その場で手が止める事も必要に成ります。

  ) 両手の三本の指(計六本)を使う方法。

    親指、人差し指は指先を使い、中指は内側に折って第二関節部を使います。

    上記)で述べた場合より、更に径が細くなった場合に使う方法です。

    この場合、土の逃げ場が左右前後の四箇所になります。その逃げ場はなるだけ均等の隙間に

    する事です。この場合も、下から徐々に力を入れ、最も細い場所では、力を入れた後、

    徐々に力を抜いて、口縁まで移動させます。

  ) 両手の親指と人差し指の指先で、土を締めます。

   (四本の指先以外の指は、土に触れません。)

    上記)より、更に径が細くなった状態の時使用します。土の逃げ場は四箇所になります。

    四本の各々の間隔は一定にすると、上手くいきます。

  )その他の方法。

   a) 内側の指を下にし、外側の指を上にし、下側の指の上に被せる様に土を内側に丸め込む

    方法もあります。この方法では、必ずしも効率良く土が細くなる訳ではありませんが、

    覚えておくと、後々便利です。

   b) セーム皮を使う方法。指を内側に捻って(親指が上、人差し指が下に成る様にして)、

    皮で拭きます。この場合細くする量は少ないです。

以下次回に続きます。  
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電動轆轤入門 30 作品を形造る 2 径を広げる2

2014-09-20 22:12:53 | 電動ろくろ入門
1) 直径を大きくする場合

 ④ 実際の作業。 

  ) 口径が筒状で口の広い物、及び袋物と呼ばれる形の場合。

  ) 茶碗、鉢、皿など、口縁が大きく開いている器の場合。

   ◎ 筒状の土を横方向に広げた場合、肉厚が薄くなると思われる方もいるかもすれませんが、

    ほとんど変化しません。但し高さ方向は確実に縮みます。

    袋物(徳利、花瓶など)は下から形作るのに対し、口縁から(上から)作ります。

    即ち、逆台形型にしてから、途中のカーブを決めます。下から径を広げると、口縁が内側に

    倒れ易くなります。又、底近辺を先に広げると、形が崩れ易くも成ります。

    径が大きくなれば成る程、触れ(首振れ)が大きくなり易いです。

   a) 口を広げる際、道具(用具)を使う事も多いです。

    茶碗や小丼ならば、手を使って作ります。尚、道具としては、「牛べら」、「コテ」などを

    使う事も一般に行われています。特に同じ形(カーブ)を付ける時に便利です。

   b) 手を使って形を造る。

    初心者の方は、最初から道具を使わず、手や指で形作る事を薦めます。道具を使う事は、

    間接的に土に触る事に成りますので、形(形状)を直接触るのとは異なり、感覚的に鈍さが

    あります。 又、轆轤技術を磨くには、道具に頼らずに形造りが出来る様に訓練するが、

    後々役にたちます。更に、上記技術が身に付けば、自然と道具も使える様になります。

   c) 指(掌)で口縁を広げる。

    右手の4本の指を揃え、指と掌(手のひら)を内側に当て、手前に倒す様にして広げます。

    茶碗程度の深さであれば、指の部分で処理し、やや深い鉢の場合には、掌が口に当たる様に

    します。外側の左手は、右側の手と向かい合わせ、口縁との間に隙間を設けます。この隙間

    が無いと、倒し難いです。尚、指先は右手の指先からやや下を押さえます。

    ◎ 径を大きくする際、轆轤の速度を徐々に遅くする必要があります。遅くしないと、

      遠心力が強くなり、手に触る土の速度も速くなり、作品が造り難くなります。

   d) 「牛べら」や「コテ」を使って形を造る。

     いずれも市販されています。但し、形がほぼ決っていますので、好みのカーブの道具を

     自作する事を勧めます。市販の「コテ」は、木製で汎用性があり、雲形定規の様に微妙に

     カーブが変化しており、好きな位置のカーブを使う事になります。

     水に塗らした「コテ」を右手に持ち、やや手前側に倒しながら、斜め横方向に押し当て

     ます。移動させずに、そのまま使う事もありますが、一般的には、斜め上方に移動させて

     使います。尚、「コテ」と外側の左手の指は向かい合わせます。

     口の真上は3本の指(親指、人差し指、中指)で押さえ、やや肉厚にしておきます。     、

   e) 口は所定寸法程度まで広げます。この段階では、外側に膨らみはありません。

    所定の寸法になったら、側面の膨らみを作ります。

    膨らみを付ける場合には、内側の指先を下にし、外側は内側の指より若干上の位置にし、

    内側の指に力を入れながら、最上段(口縁)まで移動させます。膨らみが強い程、

    背の高さは低くなります。

   f) 皿(特に大皿)を挽くのは、難しいです。多くの場合は、土の周囲が垂れ下がる失敗を

    経験された方も大勢いると思います。原因は底の土が十分な大きさに取れれていない事で、

    張り出し部分が大きい事、更には、土が水を吸い過ぎ、腰が無くなった為と思われます。
  
2) 直径を細くする場合。

  細くするのは、広げるよりも困難です。

以下次回に続きます。

   
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