わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸作品の評価(公募展、審査、選考)1

2009-08-29 21:17:05 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に引き続き、作品の「評価」に付いて、述べます。

4) 第三者(複数)の多数決

   陶芸の公募展(審査委員、選考委員による評価)

   自分の作品が、権威有る機関(組織)から、高く評価される事は、「評価」の中でも、最高の事です。

   小説や、絵画などでは、作品を、公募し、賞を授ける組織が、多数有ります。

   陶芸界でも、「日展」や「伝統工芸展」をはじめ、各新聞社主催の陶芸展や、各都道府県の県展、

  各都市の市民展、その他、陶芸産地の陶芸展など、各種の公募による、陶芸展が開催されています。

  当然、応募された作品は、審査されます。

  即ち、作品の「評価」が行われ、各賞によって、ランク付けされます。

  その評価については、以下の事が考えられます。

 ① 主催者の趣旨

   主催者は何かの意図を持って、その陶芸展を、開催しています。

   評価の基準も、この意図に沿った作品が、認められ、意図から外れた物は、評価されません。

   即ち、落選します。 

   主催者の主な趣旨は、陶芸全般の奨励、陶芸技術の向上、新技術の発掘(奨励)、地域振興、

   新人の発掘、新規性(奇抜性)、作品の販売(入選した作品を販売)、客寄せ、

   陶芸用具(機材)の広告販売等、色々あります。

   なるべく多くの人に、見て頂ける様に、数回に分けて、各地方都市に、巡回展示する、

   大きな陶芸展も、あります。

 ) 賞について

  一般に、どの陶芸展でも、賞を設けています。又副賞として賞金などを、出している所も、有ります。

  又、受賞した作品を、買い上げ、美術館等に、展示し、奨励の証としたりもします。

  文部大臣賞、大賞、最優秀賞、一席、金賞、特別賞、新人賞、奨励賞、会長賞、佳作、入選その他

  名前は、主催者によって、まちまちです。当然、賞には、上下の「ランク付け」がされています。

 ) 選考(審査)委員について

   委員の人選は、主催者が、選定し、お願いしている人達です。

   当然、その陶芸展の趣旨を、理解していて、その道では、権威者と呼ばれている方々です。

   選考委員は、予め公表されていて、どんな作品を、期待しているのかが、解かります。

   人数は、数人(5~7名)が多く、合議制によって、賞を決めます。

   応募作品を、全部見る事は少なく、第一次審査は、別な職員などが行い、二次、三次と、作品を、

   絞っていくに従い、委員が関与します。 最終審査で、各賞を決定します。

  ・ 委員の全員一致で、その陶芸展での、最高の賞が決まるとは、限りません。

    委員にも、好みがあったり、委員内でも、力関係(発言力、ボス的存在など)があり、

    むしろ、「評価」が分かれる易いです。

    最終的には、多数で決る場合も、多いです。

以下、次回に続きます。

 陶芸作品の評価 公募展 
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陶芸作品の評価(第三者の評価)

2009-08-27 20:24:22 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に引き続き、作品の「評価」に付いて、述べます。

3) 第三者の「評価」

 ここで言う 第三者とは、家族(特に配偶者)、友達、仲間、作品を買ってくれる、顧客等事です。

 陶芸展、公募展等、作品を審査し、入賞など決める人も、第三者ですが、それは別の項で、述べます。

 ① 家族は、一番の辛口を述べる「批評者」です。

   実際に、その作品を、使う立場の人ですので、「使い難い物」「不用な物」「要求に合わない物」

   「色の悪い物」(料理に不似合いな色)等と、遠慮のない意見を言います。

   作者が女性でも、食器などは、その配偶者や、子供達が使う事になり、「使いかっての悪い物」

   には、批判的で、「こうした方が良い」と言う、要望もあります。

   (実は、この事が、次に、良い作品を作ろうとする、原動力に成るのですが、聞きたくない事

   でもあります。)

   特に配偶者や、大きくなった子供達は、悪い所を、指摘し、「評判」も良くないのが、普通で、

   めったに、褒めてもらえないのが、残念ですが、一般的な現象です。

 ② 友達、仲間も「批評者」ですが、中々、本音で「評価」してくれません。

   特に「プレゼント」された作品は、その場では、喜んで貰えますが、(評価が良い)

   本音がわかりません。作品は使って貰えない事も、あるかも知れません。

   又、こちらの、想定していた使い方と、全く違う使い方をする場合も、多々有ります。

  ・ 相手に渡った、作品の使い方は、先方の希望する様に、使って貰うのが、一番です。

   そこまで気にしない事が、よいのかも知れませんが・・・。

 ③ 作品を買う顧客

   陶芸家として、本業で作品を作る人は、勿論、趣味人の作品を、購入してくれる人がいれば、

   その顧客は、貴方の作品を「評価」し、その評価に見合う金銭を、払う事に成ります。

  ・ いかに褒めてくれても、買わない人より、どんなに悪評でも、購入する人の方が、本音で

    「評価」しているはずです。購入者の悪評は、何よりも大事な意見です。

    そんなに悪ければ、「買ってくれるな」「売るのはお断りだ」と喧嘩するのは、論外です。

    場合に拠っては、少しでも安く購入したい為に、わざと悪い所を、言い立てて居る場合も有ります。
   
    但し購入者が、親戚など、知り合いの場合には、「評価」を割り引いて、考えなければ、

    成りません。「評価」が、甘くなっています。

以下 次回に続きます。

 陶芸作品の評価
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陶芸作品の評価(本人の評価)

2009-08-26 22:35:16 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
「評価する」又は、「評価される」事を、積極的に、望む人もいます。

逆に、この言葉が、嫌いな方も多いと、思います。

特に、自分は他から、どう見られているのか、どう「評価」されているのか、いつも気にし、

不安に思っている方も、多いはずです (特に若者は、他人の目が、気になります。)

「評価」は、好き嫌いに関係なく、色々な場面で顔を出します。

ここでは、陶器で作った作品の、「評価」について、考えて行きたいと思います。

(ご自分で)作った作品には、必ず「評価」が行われます。

「評価」とは、簡単に言えば、「気に入る」「気に入らない」又は、「良く出来た」「出来が悪い」と

言う事です。

  評価する人は、以下の方々です。

 1) 作者当人(作った人)

 2) 作品の当事者

 3) 第三者(個人、家族、友達、仲間)

 4) 第三者(複数)の多数決(審査委員、選考委員)

 5) その他、多数の一般人(既に評価の決まった物に対して)

 以下順番に、述べたいと思います。

 1) 作者本人

   完成した作品を前にして、最初に「評価」を下す人は、作った本人です。

   作品を一目見て、「大満足」、「満足」、「まあまあ」、「普通」、「やや不満」、「失敗作」と

   直ぐに判断(評価)が決まります。

   そして大切な事は、本人が「気に入るか」、「気に入らない」かと言う事で、

   他人が、いかにその作品を、褒めようと、当人が納得しない限り、余り関係ありません。

   逆に、他人が「けなそう」が、本人が「気に入れば」その作品は、その人に取って、

   「評価」が、高い(良い)事に成ります。

   それ故、当教室でも、出来た作品を、本人に見せ、本人がなんと言うかを、待ちます。

   軽々しく、私の意見は、言わない様にしています。

   但し、私が気に入った(良く出来た)作品だと、思った時で、本人が気に入らない場合には、

   作品の良い所を、指摘します。

   しかし第一印象で、悪いイメージを持つと、本人は、中々そこから、抜け出せないです。
  
 2) 作品の当事者

   陶芸に於いては、作品を作る上で、本人以外にも、当事者(関係者)がいます。

   例えば、指導してくれる先生(師匠)や、窯焚き人(自分で焚かない人は、依頼する)、

   陶芸仲間等です。特に「窯出し」の際の人達は、作者本人よりも、早く作品を見、作品の出来具合を

   感じ取ります。

   但しこの人達は、その作品について、褒める事は、良いが、大きな失敗(割れ、ひび等)がない限り、

   その考え(感想)を、作者に話すことは、厳禁です。

   たとえ「出来が良くない」と思っても、本人はどう思うかは、不明です。

   本人の「評価」を待って、意見を望まれたら、自分の考えを、述べる様にしています。

   なぜなら、大事な事は、作者本人が、その作品を、どう思っているのか、と言う事です。
   
  ・ 十人十色と言う言葉が有ります。感じ方は、人により、多種多様です。

    特に形よりも、色の出具合によって、「評価」が分かれる傾向に有ります。

  ・ 作者が気に入らず、壊そうとした作品を、窯出しに来た人が、気に入り、貰い受ける場合

    も有ります。

   (文化勲章を受賞した、板谷波山に、「命乞いの茶碗」の作品が有ります。

    たまたま窯出しに来ていた、実業家、出光佐三が、波山が、不出来で、壊そうとした、

    窯変天目茶碗を、無理に頼んで、貰いうけた作品で、出光美術館に、展示されているそうです)

 但し、物の見方は、年齢や、経験等で、変化する物です。経験を積んだ人の、見方や、意見などは、

 ある程度、気に留める事を、心掛けたいものです。


以下 次回に続きます。

陶芸作品の評価
   
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生徒(教わる人)の不平不満(その5)

2009-08-24 22:08:20 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に引き続き、生徒さん達の、思っている、不平不満について述べます。

 7) その他

  ② 先生(指導者)の要求が大きい。

    誰でも陶芸が上手くなり、気に入った良い作品を、作りたいと、思っているはずです。

    当の本人より、先生(指導者)の方が、強く望んでいる場合も、多いです。

    単に、教える手間が、省けるだけではなく、作者の喜ぶ顔が、見たいからです。

    それ故、色々生徒に対して、上手くなる為の、要求が多くなりがちです。

    例えば、いつも同じような作品や、釉薬、模様を付けている人に対して、違う作品を作る事を、

    勧めたり、「こんな模様の付け方も有ります」と、見本を示す場合も有ります。

    (いつもと違う、形、模様、釉薬などを、作ったり、使う事は、新しい技術、新しい物の見方に

     役立つはずです。)

    電動轆轤の場合、作る手順を変えたり、土の量を減らして、同じ大きさの作品を、

    作らせたりします。

    このように、先生からの、色々な注文や、要求を嫌がる人も、います。

    特に男性の方に、多い傾向ですが、不機嫌になる人もいます。

    (自分には不可能と、思う事も、チャレンジして貰うと、思わぬ効果が、有るのですが)

    何度も言われて、教室を止めた方もいると、聞いた事が有ります。

    (注意や、要求も程ほどにし、本人が楽しんで作るのを、見守るだけで、良いのかも知れません)

     生徒さんも色々な方がいますので、上手に成らなくても、楽しめれば良いと、考える人もいます。

     しかし、色々な方法(技法)を、身に付ける事は、その楽しみを、増す効果があると、

     私は考えます。
     
  ③ 展示会出品を強要される。

    生徒さん達の、作品発表の場として、数年に1度、又は毎年「展示会」を、開催される所も、

    多いはずです。(出点数も1~10点程度が、多いです)

    その際、全員参加が原則です。

     (約半年前には、開催も予定を知らせているはずです。)

    しかし、数人の方は、出したくない(参加しない)と、強く拒否します。

    理由は、出す作品が無い(良い物は、他人にあげてしまった)、人に見せたくない、

    時間が無い(当番が出来ない)、等々です。

   (展示会では、生徒さんの作品の、展示即売を、併設する場合があり、その際、そこに出す様に、

    作品を要求される場合も有ります。)

   展示会を、楽しみにしている、生徒さんがいる一方、嫌がる人(特に女性)がいるのが、実情です。

   嫌がる人を、強制は出来ません。強制は、不満の元となります。

  ・ 展示会に出す事は、人に見られると伴に、他の人の作品も鑑賞出来る、機会でも有ります。

   又、色々な釉薬や、作り方などを、質問できる様に、なっていると思います。

   展示会に、積極的に参加する事を、お勧めします。

以上にて、不平不満の項を、終わりたいと思います。

 陶芸四方山話 不平不満

    
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生徒(教わる人)の不平不満(その4)

2009-08-23 22:03:15 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
話前回に引き続き、生徒さん達の、思っている、不平不満について述べます。

 7) その他の不満

  ① 先生に盗作された。

    以前、数年在籍した、他の陶芸教室から、移って来た人がいました。

    その教室を止めた理由が、「先生に盗作された」、為との事です。

    話を聞いてみると、その教室で、毎年開催する、作陶展(発表会)が近ずくある日、教室に出ると、

    自分が作った作品と、同じ物が有ったそうです。

    形、大きさ共、瓜二つで、作者は先生との事でした。

    そこで、先生に盗作されたと思い、展示会に両作品が出品されれば、自分が先生の作品を、

    真似したと思われるはずだと思い、展示会前に、教室を止めたとの事です。

  ・ ここで、少し考えて見ましょう。実際に先生は盗作して、展示会に出品しようとしたのでしょうか?

    私の見方では、ある理由によって、同じ物を作らざるを、得なかったのだと思います。

    即ち、生徒さんの作品が、不注意により、誰かが、破損させてしまったのでは、ないかと思います。

    こんな場合、素直に事実を述べ、謝れば良いのですが、作り直す時間が無いとかの理由で、

    先生が内緒で、作り替える事で、対応しようとしたと、思われます。

    それが、たまたま出席した、本人に見つかってしまった、と言うのが実情では、ないでしょうか。

  ・ 内緒の話ですが、先生が、生徒の作品を、作り直して仕舞う場合も、有る様です。

  ・ 素焼前の、天日干し中に、急な雷雨で、作品が溶けてしまって、困り果て、急いで、先生が

    同じ作品を、作るハメに成った、と言う話を聞いた事が有ります。

  ・ 結婚式で両親に、陶器の「プレゼント」をしたい方が、増えています。

    (大抵は、陶芸体験で、作る方が多いです。) この場合、作品の失敗は、許せません。

    時間的余裕もない事が多いです。初心者は、確実に失敗なく出来上がると、思います。

    陶芸をある程度やられた方は、解かると思いますが、陶芸には、失敗がつき物です。

    窯から出して、初めて、上手く出来たかの評価が下せます。

    それ故、作品に「ひび」や「割れ」が出来ない様に、生徒さんが帰った後、

    点検、確認、場合により、補修する必要が有ります。

    「ひび」や「割れ」が出来て、補修では済まされない時は、先生が作り直す場合も生じます。

    (そっくり同じ様に作る事は、ある程度技術がないと、出来ませんが・・)

    それを、するかしないか(良いか、悪いか)は、判断の分かれる所です。

    但し、作り直した事が、絶対に「バレナイ」事が条件です。


以下 次回に続きます。

 陶芸の四方山話 盗作
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生徒(教わる人)の不平不満(その3)

2009-08-22 22:45:26 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に引き続き、生徒さん達の、思っている、不平不満について述べます。

 5) 理由も言わずに、禁止事項が多い。

  ① 持込を禁止する

   a)  用具道具は、指定の物以外は禁止。

     教える所によっては、道具(用具)類は、指定以外は、禁止している所も、有ります。

     用具の種類や形状が、「ばらばら」ですと、教える側が不便である事が、第一の要因です。

   b)  粘土、釉薬の持ち込み禁止。

     粘土や釉薬も、その教室に備わった物以外は、禁止されている場合も、多いです。

     個人で購入(採取)した、土、釉薬(自分で調合した物も含む)は、原則持ち込み禁止です。

     土や釉薬は、それを使用前に、「テスト焼き」しないと、土の耐火度、釉の熔け具合、流動性、

     発色の仕方など、解からないことも多く、実際に焼いてみて、初めて解かる事も、多いです。

     それ故、「ぶっつけ本番」に使う場合は、やめた方が宜しいです。

   c)  陶芸の書籍、雑誌などの、持ち込み禁止。

      本に書いてある記事は、その著者の技術、技法、考え方書かれています。

     今まで、何度も述べましたが、標準的な技法(やり方)は有りません。

     それ故、その書籍と、教室での指導技法が、一致しない方が多いです。

     生徒さんに「どちらが、正しいのですか?」と聞かれても、どちらも正しいと、

     答える事になります。他の技法を、黙認すると、教室での、教え方に、混乱が生じます。

     それ故、禁止している所も有ります。

     (但し、他の人に、見せびらかさなければ、問題有りません)

 6) 自分の作りたい様に、作れない。

   初心者のうちは、教程に則って、作品を作れば良いのですが、教程が一通り終われば、

   自由作品になります。自由作品だからと言って、完全な自由では有りません。

  ① その教室に、設置された窯の大きさを、超えた作品は、焼けません、

  ② 不安定な作品や、極端に肉厚な作品は、たとえ出来ても、窯に入れてもらえません。

  ③ 特殊な焼成の仕方(薪窯、強還元など)の場合も、焼いてもらえません。

    たとえ、その教室に穴窯などが有っても、窯がいっぱいに成るまで、焼いてもらえません。

  ④ かなり高度の技法が、載った、陶芸の本が、出版されています。

    そこには、この様にすれば、同じ様に出来ますと、記した物も、多いです。

    実際には、何度も思考錯誤して、出来上がる物(又は特殊な用具が必要)なのですが、

    直ぐにでも、製作できると、軽く考え、「これを作りたい」と、記事を見せる人もいます。

    解かる範囲で、教える事は出来ますが、写真で見えない所、特殊な釉薬等は、

    推測でしか、解かりません。

    速い話、「貴方の技術では、無理です」と言いたいですが、何か理由を付けて、違う作品を

    作る様に、誘導する場合も有ります。

    そうなると、生徒さんは、自分の好きな作品が、作らせてもらえないと、思うかも知れません。

以下 次回に続きます。

陶芸四方山話


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生徒(教わる人)の不平不満(その2)

2009-08-20 20:43:50 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に引き続き、生徒さん達の、思っている、不平不満について述べます。

3) 聞いた事に、答えてくれない。

   経験を積んだ指導者でしたら、生徒さんから受けた、陶芸に関しての、質問に、

   即答できるはずです。

   なぜなら、生徒さんの質問事項は、ある程度予想が付き、今まで何度も、その答えを、

   しているからです。

   但し、長く陶芸をやっている生徒さん等は、何処で(書籍など)仕入れてきた、

   知識で質問する方もいます。

   (答えが知りたくて、質問する場合と、先生の知識を試したり、困らせたり、する場合も有ります)

   勿論、答えられる質問では、即答します。場合に拠っては、即答出来ない事かも、知れません。

   その場合、変に誤魔化さず、「解かりません」、「次回までに、調べて置きます」と

   答えるしかありません。

   約束通り、次回までに調べ、解かった範囲内の事を伝えます。

   (忘れた振りをする事は、最悪です。)

  ・  生徒からの質問は、教える側から見れば、喜ばしい事です。どんな質問をするかによって、

    その人の、技術の高さ、何に関心が有るのか等を、測り知る事が出来ます。

    又、積極的に質問を受ける事は、一方的に教えるよりも、コミニニケーションが、良く成ります。

  ・  それ故、質問から逃げるようでしたら、生徒さんも、付いてこないのも、納得いきます。
   
  ・  単に答えるのではなく、質問者に考えさせれば、最も上手に対応した事に成りますが、

    中々難しいです。

4) 先生の言う事が、解からない。話がくどい。

 ① 先生の言う事が、解からない。(理解できない)

   陶芸特有の言葉や、技術的説明が、存在します。この様な事項は、陶芸の初歩の段階で、

   説明して置きます。その際に、相手の反応を見ながら話し、納得しない様でしたら、別の言葉で、

   言い換えます。又相手の性別、年齢などを、考慮する必要も有るかも知れません。

   私の場合、話の途中で、「私の言っている事が、解かりますか?」と聞くことにしています。

   「解かります」と答えてからと言って、こちらの趣旨が、伝わらない事も多いです。

   以前にもお話しましたが、7年ほどいる生徒さんが、「先生の言っている事が、

   やっと解かって来た」と話されました。

   この言葉に、私は「ビックリ」した事を、今でも思い出します。

   当然、話の趣旨を、理解してくれている物と、思っていたからです。

   このように、理解の仕方(解かった)にも、色々の段階があるものだと、思いました。

 ② 話がくどい。 同じ話を何度もする。

   同じ注意を何度も受けると、人は嫌がります。又、前回聞いた説明を、2~3度繰り返されると、

   「解かった、解かった」と、口には出さずに、思っていたりする物です。

   注意の回数を減らしたり、説明が「ダブらない」様に工夫する必要が、有ります。

   但し、多数の方に、個別に説明する場合には、その人に既に話している事を、

   忘れている場合もあります。

   この場合は、「前にも聞きました」と言う方は、少ないですので、十分注意する必要が有ります。
   
  ・ 「そんなやり方は、教えていないぞ」と、口から出そうな場面も、意外と多いものです。

   と言って、そのやり方を注意すると、嫌な顔をされます。

   教室によっては、その教室のやり方(技法等)が有ります。そのやり方と違うからと言って、

   初心者ならともかく、長くやっている方に、注意するのは、問題です。

   陶芸の技法で、これで無ければいけないと言う事は、有りません。

   どんな方法でも、作品が早く、綺麗に、確実に、完成できれば良い訳です。

   ある意味、黙認の形に成っても、仕方ありません。

以下、次回に続きます。

陶芸四方山話不平不満

   

   
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生徒(教わる人)の不平不満(その1)

2009-08-19 22:06:53 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
不平不満は、どんな所、どんな場所でも、存在します。

口に出して、言えれば、少しは、解消される物ですが、口に出すことさえ、出来ない事も多いものです。

陶芸教室を始めて、早15年以上になります。

その間、生徒さんから、色々不平不満を、聞く機会がありました。

入会される、6~7割りの方は、陶芸の初心者です。1割程度の方が、何処かで体験をされた方で、

残り2~3割の方が、他で習って、移って来た人達です。

不平不満は、この様に、移って来た人から、聞いた話で、我々教える側にも、大いに

役に立つ話ですので、ここで、公開したいと思います。

(不平不満は、我慢するか、其処を止めるしかありません。移る人は、その後者の方が、多いです)

内容は、以下の様な事柄です。

1) 教えてくれない。

2) 過干渉過ぎる。

3) 聞いた事に、答えてくれない。

4) 先生の言う事が、解からない。話がくどい。答えが返ってこない。

5) 理由も言わずに、禁止事項が多い。

6) 自分の作りたい様に、作れない。

7) その他(先生に盗作された。先生の要求が大きい。展示会出品を強要される。)

以下 順次お話し、致します。

1) 教えてくれない。

 ① 教わる側の人数が多く、個人への教えが、十分ではない。

   教わる側にも、飲み込みの速い人、遅い人と個人差が大きく、遅い人は、置いて行かれる事も

   多く、本人は、教えてくれないと、思い込みます。

 ② 私だけ、教えてくれない。(その事が、言い出し難い)

   他の人は、出来るのに、自分は出来ない。

   個人指導であっても、その事を、教えたのか、教えなかったのか、教える側も、

   憶えていない事も、多いものです。解かっていると、思い込む場合も有ります。

   常々、何でも質問できる、雰囲気を作って置きたいものです。

   又、集団での指導では、一度休んだ人に対して、ホロー(補習)は難しいです。

 ③ 手本を見せてくれない(やってくれない)

   どの様にするのか、やってみて下さいと言っても、言葉だけで、説明する。

   お手本を示せれば、良いのですが、教える側に、自信がない場合や、時間的に、余裕が無く、

   出来ない場合も有ります。

 ④ 先生が途中でいなくなる。(無断で消える)

   時々生徒をほったらかして、姿を消す、先生もいるそうです。

   ベテランの方は、先生がいない方が、伸び伸び出来る場合も、有りますので、これも一つの

   教え方かも知れません。
  
2) 先生(指導者)が、手を出し過ぎる。

 1)とは逆に、過干渉の場合です。

   教える側からすると、かなり難しい問題です。

 ① 一般に、男性は、全てを自分でやりたがります。

   例え失敗しても、いいから自分一人でやり、言葉で説明してくれるだけで十分と、言う人もいます。

   しかし、初心者に、言葉だけや、手本を示すだけでは、作品は出来ません。

   特に電動轆轤の場合には、生徒の作品に、手を加えずに、完成させる事は、不可能と

   思ってください。作品が一つも出来ずに、帰る事は、本人も納得出来ないと、思います。

 ② 女性の方は、一般に、先生に頼りたがります。

   作品が「振れ」て来たら、そのままで待っている事も、多いです。

   支持待ちの方も、時々見受けられます。

 ③ 過干渉かどうかは、生徒さんによって違います。

   それ故、その生徒さんの、性格を把握してから、手を出すか否かを、決めます。

   実際は、手を出した際、相手が嫌がる素振りを、見せるかどうかで、決めます。

   嫌がる様子でしたら、なるべく、見守る様にします。(口での指導も出来るだけ控える。)

以下 次回に続きます。

陶芸教室の不平不満

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作品の「歪み」に付いて(轆轤9、まとめ)

2009-08-17 14:25:23 | 失敗と対策
作品の「振れ」、「歪み」に付いて、述べて来ましたが、一言述べて、この項は、終わりにしたいと、

思います。

「振れ」や「歪み」の原因は、多肢に渡ります。基本的には、対策として、以下の事があげられます。

1) 「振れ」や「歪み」は、起きる物(起き易い物)と思ってください。

   (手捻り、電動轆轤に関係なく)

   それ故、原因となる要素を、出来るだけ、取り除きます。

2) 「振れ」や「歪み」を、出来るだけ早く感知し、「振れ止め」などで、「歪み」を補正します。

   ここで大事な事は、指先の「触覚」を鋭くする事です。

   土(作品)の異変(違和感)を、最初に感じるのは、指先の触感です。

  ・ 土の硬さ(軟らかさ)、土中の異物、空気の有無、肉厚の厚さ(薄さ)、表面の凸凹、力の強弱、

    作品の形(カーブ)、轆轤の回転スピード、振ら付き、轆轤目などを、作陶の際、指先で

    感じ取ります。

    (特に、両手の親指、人差し指、中指の共同作業で、より感覚が増します。)

     勿論、掌の感覚も、大切ですが、最重要な物は、指先です。それ故、爪を伸ばし過ぎるのは、

     厳禁です。(職業病として、爪が磨り減り、伸びない人もいます。)

  ・ 人は、「視覚」に頼り勝ちですが、「見た目」では、判断が遅れたり、誤魔化されたりします。

    作品の今の状態を刻々、作業者(作者)に、知らせてくれるのは、「指先」です。

    その情報を元に、対策を取ります。

    どんどん悪い方向に進んでいる事を、感知したら、直ぐに、作業を中断するか、何らかの対策を、

    とります。(速い対策に越した事は有りません)

  ・ 「こて」の使用に付いて

    数物で、同じ曲線を出す場合や、手の入らない部分の、作業を、「こて」を使う事で、

    綺麗に早く仕上げられ、便利で、多く利用されています。

    私の考えですが、「こて」はある程度、轆轤技術を、習得した後に、使いたいと、思っています。

    前述の様に、手(指)の感覚を、大事にしたい為です。 「こて」は、手(指)と土との中間に、

    位置します。 即ち、手の感覚は、「こて」を通じて知る事に成ります。

    直接触る、手や指の感覚とは、微妙に異なります。

    それ故、出来るだけ、手を使い、「こて」は補助的に、使った方が、轆轤技術の習得が、

    用意で速いと、考えています。

    (皆様の、ご意見があれば、お聞きしたいと思います。)

3) 遠くから見る 

   轆轤作業は、 斜め上からの目線で、行います。それ故、近視眼的な見方(偏った見方)と

   成り易いです。(高さ方向が、短く見える)

   特に初心者は、手元だけを見る傾向に、なり勝ちです。中々全体像が、掴みきれません。

   (ベテランの方は、作業中でも、全体の形が、把握出来ているはずです。)

  ・ 作業終了直前に、出来るだけ、轆轤から1~2m離れ、目線を下げて(腰を落して)

    全体を、観察してください。悪い所は、直します。

    (その際轆轤は、回転させて置くと、より明確に、確認出来ます。)

    
作品の振れ 作品の歪み
    




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作品の「歪み」に付いて(電動轆轤8、その他の要因)

2009-08-15 16:54:49 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

3) 作り方に原因がある場合

 ④ 電動轆轤による「歪み」

  Ⅶ) その他の原因 (回転速度、土の伸ばし方など) について

   a) 回転速度(スピード)

     電動轆轤では、回転速度も、重要な要素です。

     同じ回転速度であっても、作品の直径が、大きくなれば、手が土に触る速さ(相対速度)は、

     速く成ります。この相対速度が、変化する事で、「歪み」「振れ」の原因に成ります。

     出来るだけ、この相対速度の変化を、少なくして下さい。

   ・ 相対速度を、一定にするには、作品の直径の変化に合わせて、スピードを、調整する事です。

     即ち、径が小さい時には速く、径が大きく成るに従い、速度を遅くして行きます。

   ・ 速度のコントロールは、足で行う電動轆轤が、一般的です。 手と足の作業を、同時に、

     行わなければ成らないので、慣れないと、難しいです。

     初心者の方は、手の方ばかりに、気を取られ、足の方が、おろそかになり、手と土との速度が、

     変化し(振ら付き)、「歪み」や「振れ」を起し易いです。

    尚、轆轤のスピードは、人により速い方を好む人と、「ゆっくり目」を好む人がいます。

     各自、好みの速さを、見つける事も、大切な事です。

    ・ 基本的には、相対速度を、一定にする様にしますが、例外的にスピードを変えた方が、

      良い場合が有ります。

      幾つかの例を、挙げます。(注:以下、あくまでも、私の経験で述べます。)

       土殺し: やや速め。 土を上に伸ばす: やや速め。 作品の最上部: やや緩やか。

       弓で切る: やや速め。 針で切る: やや緩やか。 糸(シッピキ)で切る: やや緩やか。

       作品の径を変化させる直前: やや緩やか。(径を細くする場合には、以後やや速め)

       「撚れ」や「歪み」の補正: やや緩やか。

       (削り作業: 最初はゆっくりして、安定な状態か、様子を見た後、速度を増す。)

   b) 土の伸ばし方。(轆轤目を付ける)

      土を上に伸ばす際の、手を挙げるスピード、力の入れ方によっても、「振れ」「歪み」が出ます。

      作品表面に、「轆轤目」を付けたいと言う、要望は多いです。

      この作業も、「振れ」「歪み」の原因と成り易いです。

      荒々しい「轆轤目」は、厚めの土を、薄く伸ばす過程で、出来る物で、土が薄くなってから、

      「轆轤目」を付ける事は、弱弱しく、「歪み」の原因に成ります。     

      「轆轤目」は、回転速度、手の移動速度、指による強い締め付け、等の要素によって、

      細かく、粗く、浅く、深くと、付ける事が出来ますが、粗く深い程、難しく成ります。

    c) 力の入れ方

      土の状態(状況)によって、指に掛かる力を、変化させる必要が有ります。 即ち、

     ・ (やや)強い力が必要な時、

       土が固めの場合、肉厚が厚い時、轆轤目を付ける時、作品の径を細くする時など。

     ・  弱い力の方が望ましい時、

       土が水を吸って弱ってきた時、土が薄くなり、作品の形作りの時、

       土が薄くなり過ぎた時、「撚れ」「ねじれ」「振れ」の補正時、水や「ドベ」で濡らす時など。

     (肉厚に、極端な差がある場合には、厚い所では強く、薄いところは、撫ぜる様にします。)

以下次回に続きます。     

作品の振れ 作品の歪み
     
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