わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土21 色化粧土を作る2。

2013-10-26 20:30:47 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 色化粧土に付いて。

  ③ 白化粧土に金属を添加 して、独自の色化粧土を作る方法。 

    金属として、酸化第二鉄(弁柄)、酸化ニッケル、二酸化マンガン、三酸化クロム、酸化ニッケル

    酸化コバルト、 五酸化バナジウム、ルチル、二酸化チタン、酸化亜鉛(焼いた物)、水酸化

    アルミニウムなどが使われ、その他に硼酸、炭酸カルシウムなどが使われています。

   ・ 以下の化粧土は、1200~1250℃の半乾燥素地に使用する化粧土です。

     化粧土を施 した後、透明釉を掛けて焼成すると綺麗に発色します。

   ) 黒化粧土の調合例。 重量比、外割 り(合計が100になりません)。以下全て同じです。

      白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):12、 酸化コバルト:6、 炭酸カルシウム:5、

      二酸化マンガン: 2 

   ) 濃茶化粧土。  酸化炎で良く発色します。

      白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):5、 三酸化クロム:5

   ) 明茶化粧土。: 酸化炎で発色し易い。

      白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):1、 三酸化クロム:1

   ) 緑系茶化粧土。 酸化炎で緑色。還元炎で灰色掛かった緑色。

     白化粧土:100、 酸化ニッケル:5

   ) 緑化粧土。

     白化粧土:100、 三酸化クロム:3

   ) 濃青化粧土。

      白化粧土:100、 酸化コバルト:3

   ) 明青化粧土。

      白化粧土:100、 酸化コバルト:0.3

   ) ピンク化粧土。

      白化粧土:100、 水酸化アルミニウム:4.5、 酸化亜鉛(亜鉛華、焼いた物):3.5、

      硼酸:1、 三酸化クロム:1

       注: 白化粧土以外は乳鉢で良く磨り潰し、酸化炎で1100℃焼きます。その後更に

           乳鉢で磨りした物を、白化粧土に10%添加します。

  以下の化粧土に透明釉を掛けて焼成すると、色が変わってしまいます。

  それ故、表面は化粧土のままにす作品のみに使います。

   a) 緑系黒化粧土。 酸化炎で暗い鶯(うぐいす)色、還元炎で緑茶系黒色。

      白化粧土:100、 酸化ニッケル:1.5、 五酸化バナジウム: 10

   b) 明茶化粧土。 酸化炎でオレンジ色。 還元炎で明茶色。

     白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):5、 五酸化ナナジウム:5

   c) 灰色系茶化粧土。

     白化粧土:100、 酸化ニッケル:5、 五酸化ナナジウム:5

   d) 灰色系緑化粧土。

     白化粧土:100、 三酸化クロム:5、 五酸化ナナジウム:5 

   e) からし黄色~緑化粧土。酸化炎で、ムラのある緑掛かった黄。還元炎でより緑が強くなる。

     白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):1、 五酸化ナナジウム:9

    f) クリーム系ベージュ化粧土。 酸化炎の方が明るくなる。

     白化粧土:100、 酸化第二鉄(弁柄):1.5、 酸化チタン:10

   h) ピンク系薄茶化粧土。

     白化粧土:100、 ルチル:9、 酸化ニッケル:1

  ◎ 参考資料: 焼き物実践ガイド(樋口わかな著。誠文堂新光社)を参考にしました。

以下次回に続きます。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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化粧土と色土21 (わ! かった陶芸)
2023-10-23 09:25:52
上記タイトル記事の中段に「白化粧土以外は乳鉢で良く磨り潰し、酸化炎で1100℃焼きます。その後更に乳鉢で磨りした物を、白化粧土に10%添加します」の記載がありますが、前段の記事では、色化粧それぞれに配合が記されていることから…着色剤を更に10%追加の様に解釈されますが…。恐縮ですが、この文章の解釈をお教えいただきたく
返信する
記事の意味 (明窓窯より)
2023-10-24 11:26:15
コメント有難う御座います。

記事はピンクの化粧土の作り方の一例を述べたものです。

白化粧土を除いた、金属類を乳鉢で細かく粉砕した物を1100℃で

焼いた後これを再度乳鉢で細かくしたのが着色剤と成り、

白化粧土100に対して10%程度添加して使用して下さいとの意味です。

前段に記された配合は、全体の構成材料を示すもので、

注:以下は金属類を生で使うのでは無く、一度熱処理を加えて

から使用して下さいとの意味です。

判り難い記述に成っているかも知れませんが、記事の意味を

ご理解して頂ければ有難いです。

以上
 
返信する
化粧土と色土21 (わ! かった陶芸)
2023-11-03 08:49:03
質問へのご回答、ありがとうございました。
来年のテーマを「色化粧土を使った、日用雑貨」にトライしようと思っており…参考にさせていただきます。ありがとうございました。
返信する

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