わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

オーブン陶芸 1

2010-06-15 22:41:03 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
オーブンで焼成し、実用に耐える程度に、強度が出る、「オーブン陶芸」と、言われる焼き物が、有ります。

私の教室の、生徒さんから、「オープン陶芸」は、どうなんですか?と質問されましたので、

調べてみる必要を感じ、調べた結果を、述べたいと、思います。

 (尚、私が実際に、製作した経験は、ありませんので、文献などを、参考にしています。)

1) 家庭用オーブンで、焼く焼き物

   陶芸で一番の問題は、粘土を焼いて、強度を出す為、陶芸用の窯が、必要な事です。

   その窯を自分で用意するか、陶芸教室や、陶芸サークルなどで、焼いてもらう事に、成ります。

   オーブンで焼けると成ると、大変便利になります。

   但し、粘土や、作り方、水漏れ防止策など、注意する必要が有ります。順次お話致します。

 ① 粘土は、専用粘土を使います。(一般の粘土は、使えません)

   オーブン陶芸用の、粘土は、陶芸材料店や、インターネットで、購入できます。

  ) 粘土の種類

     大きく分けて、手捻り用と、轆轤用に分かれます。

   a) メーカーによって、違いは有りますが、手捻り用は、「工作用」、「黒木節」、「紅陶」が有ります。

     違いは、土に黒、又は、紅色が付いているかどうかの、違いです。

     これらの土は、混ぜ合わせて、使う事が可能です。

   b) 「ろくろ用」の土は、轆轤成形が可能ですが、手捻りにも使えます。

   c) 「エコ」の土も有ります。即ち、半年から1年土に埋めておくと、自然な土に帰る物です。

   粘土は、練らなくても、直ぐに使用出来ますが、練ってから作業する事を、勧めます。

 ② 作り方

  ) 道具(用具)は、一般の陶芸に使う物と、同じです。

     即ち、竹ヘラ、剣先(針)、切り糸、弓、なめし皮、タタラ板、カンナなどです。

  ) 作り方は、一般の粘土で作るやり方と、同じ事が、出来ます。

    即ち、玉作り、紐作り、タタラ(板)作り、くり抜き作り、轆轤成形などです。

  ) 装飾は、練り込みや、化粧掛け、搔き落とし、彫刻などを、施す事も、可能です。

  ) 土の収縮率は、約10%程度ですので、その分大きく作ります。

     一般の粘土に比べ、焼き締まりが小さく、強度的に、やや弱いので、やや厚く(最低で5mm位)

     作ります。

 ③ 乾燥

   肉厚の差によって、乾燥は3~7日程度、必要です。乾燥するに従い、土の色は、白っぽく

   変化します。十分に乾燥してから、焼成に掛かります。

 ④ 焼成

   オーブンに、アルミホイールを敷き、その上に、間隔を開けて、置きます。

   焼き斑(むら)を、無くす為です。

  ) オーブンは、温度設定の出来る、機種で130~180℃程度で、20~50分掛かります。

    高い温度になると、煙や焦げが、発生します、
   
  ) 釉薬(うわぐすり)は、掛けられません。それ故、焼いた肌が、土の感じで、ざらつきます。
    
  ) 焼成した後でも、ある程度水を通します。(水が漏れます。)

    水を入れない、置物や、植木鉢などは、このままの状態で、使用できます。

 ⑤  焼成後の作業

  ) 水を入れて使う場合には、一度焼成後、コート剤を筆(刷毛)で塗り、乾燥後、100~120℃で

    再度焼成します。

  ) 焼き上がった作品には、アクリル絵の具や、水彩絵の具、油性ぺんなどで、色を付ける事が、

     出来ます。但し、これらの絵の具類で塗った、食器は使わない方が、良いでしょう。

     (絵の具には、人体に有害物質が、含まれています。)

以下次回に続きます。

 
コメント
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