わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

オーブン陶芸 3 (注意事項2)

2010-06-17 22:00:26 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に続き、オーブン陶芸の、注意事項の話を、致します。

 ④ 焼成の注意点 

   家庭用オーブンで、焼成できますが、オーブンに入れる方法、温度、時間などに、注意がいります。

   尚、この粘土を焼く為の、専用のオーブンも、市販されている様です。

     (なるべく、家庭用と一緒のオーブンを、使わない様に、すると良いとの事です。)

  ) オーブンは、温度が設定出来る機種を、選びます。

    (温度設定が、出来ない物では、高い温度に成ってしまう、機種も有ります。)

  ) オーブンに、アルミホイルを敷き、その上に、作品を置きます。

    「焼きむら」を、無くす為です。

  ) 余裕を持って、オーブンに入れますが、大きな作品で、ぎりぎりの場合には、作品の上にも

     アルミホイルを被せたり、縁に巻き付けたりして、「焼きむら」を防ぎます。 

  ) 焼く温度は、160~180℃で、大きさなどで、焼く時間は変わりますが、焼き上がると、

     乾燥前の粘土の色より、濃くなります。時間は10分~60分位です。

    温度が高過ぎると、焦げて煙りや、匂いが出るだけでなく、発火の恐れもあるので、

    温度は必ず、守ります。

    尚、低めの温度(120~130℃)で長い時間を掛けて焼くことで、丈夫な仕上がりになる様です。

  ) 焼き上が直ぐの作品は、熱くなっていますので、十分注意が必要です。

 ⑤ 水漏れ防止、光沢を出すには

  ) 水ものを入れる食器、花瓶などや、光沢を出したい作品は、作品を冷ましてから、

     防湿防水コート剤等を、筆で塗ります。(透明に、仕上がります。)

  ) コート剤として、藍色の物が有り、着色したりして、装飾に使います。

  ) 乾燥後、100~120℃で、30分~60分程、さらに加熱します。

     一度では、水漏れを完全に防げない場合には、もう一度、コート剤を塗り、オーブンで、焼きます。

 ⑥ その他の注意点

  ) 一般の粘土の様に、釉薬(うわぐすり)を塗る事は、出来ません。

     作品に、色を付けたい場合には、アクリル絵の具が、向いています。

     但し、食器など、食物を盛る物には、使わない方が、安全です。

     又、置物の様な物は、ニスを塗る方法もあります。

  ) 完成後の注意
   
    a) 金属たわしで、洗う事は、避けます。(傷が付きます)

    b) 電子レンジや、直火での加熱は、しない方が良いです。

    c) 焼成後でも、粘土の色落ちが、起こりがちです。

      色の濃い土ほど、色落ちしますので、色落ちが気になる方は、淡い色の粘土を、使って下さい。

    d) 完成後に「ひび」が、入る事が有ります。原因は、成形時に、土を締める力が弱い為と、

      焼成温度が低すぎた為、起こりがちです。

      土は練らなくても、直ぐに使えますと、唱っていますが、練ってから使うほうが、安全です。

    e) 一般の陶器より、衝撃に弱いですので、重い物を載せたり、皿などは、何枚も重ねないで、

      下さい。割れる恐れが、有ります。

以上にてオーブン陶芸の話を、終わりにします。

    参考:オーブン陶芸 伊藤珠子、他、著 「誠文堂新光社会」

 次回は、懐石道具の続を、お話します。

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