コージーアンティークの日記

日記や修理・メンテナンス、アンティーク情報などもろもろをご紹介してゆきます。

エアコンの効いた室内で井戸端話

2008-06-21 17:54:58 | アンティークディーラーの日常

今週は、暑いです、とても。熱風に圧倒され、車の中にちょっとミネラル・ウォーターを置いておいたら、お茶が沸かせるくらいの熱さに・・・熱すぎて、持てなくなる事も。

これって、異常気象?温暖化の影響?と思わずにはいられません。

で、外は熱いとなると、やっぱりエアコンが効いた室内が恋しくなります。


今日は、ある商談で、フェニックスではNo1だと思っているStuff Antiqueスタッフ・アンティークというお店に出かけました。このお店はその粒ぞろいの品質の高さからか、プロフェッショナル(弁護士や会計士など)の顧客がいて、ポルシェ(フェニックスでポルシェはまず見かけません・・・笑)に乗ってやってくるのです。


しかしどのアンティーク・ショップも例外ではなく、だいたい時間があります(笑)スーパーやコンビニみたいに、入れ替わりたちかわり、お客さんが来るような商売ではないのです・・・。

また、このオーナーのジョーは、たいてい奥の方に引っ込んでいますので、ドアの外からブザーを押して、ようやくドアを開けて貰って中に入れる、という仕掛けです。お客を拒むかのようなこの仕掛けは、なかなかのものです(笑)


で、商談を始めました。この道41年のオーナーは67歳。普通のお店には置いていないような、宝物に囲まれているので、正直、眼のやり場に困ってしまいます。

彼は、おしゃべり好き。


非常な駆け引きと和やかな団欒が交互に訪れるという、独特の交渉の流れですが、なかなか興味深いんですね。もちろん、お互いのプライベートのことやいろんな話が出てきます。この日は、私が売り込みに行きました。19世紀末の素晴らしいアンティークの品なのですが、なかなか素人サンで買える人がいないのです・・・高くて。まあ、そういう品もあります。

彼は、一目でその価値を見抜いた様子でした。何せ、彼は木材を見ただけで種類とその状態から年代を特定してしまい程です。『これは、古くないね~1930年代のものだよ。本当の1890年代のは、こういう風になるんだよ・・・』といって、実物を見せてくれるのです。私はタジタジです、ははは。


ある場面で、1770ドルという数字が出てきました。でも、彼は、『7はカジノではいい数字だけど・・・』と言い出しました。どうやら、値切りたい様子です(笑)ただ、私を帰したくはない。


それから話はどんどんと展開していって、カジノの話になり、日本でのギャンブル状況の話、アメリカでのインディアン居留地でのカジノ合法の話、カジノで働く若者の話・・・とキリがありません。(これだけで、30分はもちます・・・笑)


気になったのが、若者の教育の話でした。

彼は、かなり日本の教育に良い印象を持っているようです。


ちなみに、アメリカの親の大半は結構、教育に無関心なようです。両親が共働きであることも理由の一つでしょうけど、家で、子供の勉強をみてあげたり・・・といったことはまず無いそうです。


で、子供が大きくなります。高校や大学に行く若者が減っているそうです。まあ、高校や大学に行くからといって、将来の夢が実現するとは限りませんが、日本人なら少なくとも、『皆が行くから』とか『まだまだ遊びたい』、『世間体もあるし・・・』とか『将来、お給料が多くなる』といろいろな理由で、進学を希望する人が割と多いのではないでしょうか?もちろん『こんな勉強を深くしてみたい』という正統派もいるでしょう。


ところが、彼が言うには、若者は将来の事や長期的な事は考えないそうなのです。彼自身は、もちろん教育の重要性を重々承知しています。教育は、どんな場合でも最重要なCommodity商品だと。


ただ彼が説明するには、若者にとっては、目先の事、つまり『今』が大切だと。

まあ、そういう考え方もあるかもしれません。まあ、中学を卒業した後に、時給10ドル(1000円)の仕事には就けるでしょう。

そうすると、1日で80ドル。1ヶ月で1600ドル。1年で20000ドル。7年で140000ドル(1400万円)になります。
仮に、高校3年間と大学4年間とすると、7年間で1400万円の収入を放棄する事になります。加えて、入学費や授業料等も加わると、金額は更に大きくなります。

ちなみに、日本人の感覚以上にアメリカでは貨幣価値があり、1万円というとアメリカでは結構な価値があると思うのです。
個人的には約3倍くらい?つまり、1400万円のアメリカ人にとっての価値感覚は、その3倍という事になります。これは、相当に大金です!!


で、この若者は、このお金を稼いで、カッコイイ車を買って、彼女にモテタイ。いっぱい遊んで・・・という発想のようです。


このような若者にも当然のことながら、Mentor(メンター:相談相手、指導者)がいます。で、誰がメンターかというと、若者の親であったり、祖父母のようです。若者世代の親や祖父母の世代ですから、早くから働いている可能性が高まります。で、若者は、親の姿を見ています。彼らの親は、何不自由なく、しかも結構いい生活を送り、広い家に住み、無事リタイアしています。もちろん、若者もそれにしたがうことに何の違和感もありません。


日本では、『広い家=裕福なお金持ち』的なイメージがあるかもしれませんが、アメリカではそもそも広い。

私の今住んでいるアパートの部屋は、全部で500sq(50平方メートル)なんだよ、とオーナーに話すと、彼の家では、『ベッドルームだけでも50平方メートルだよ』と笑っていました。

その部屋には、キングサイズのベッドに、奥さんが好きなモダンなミッドセンチュリーの
家具が少しとアールデコの品がちょこっと。とっても大きな窓があって景色がよいそうです。


そんなこんなで、涼しい店内で、無事に2時間半ほどの商談(&井戸端話)をまとめて、帰路についたのでした。いろいろと考え事しながら・・・。


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