突然ですが・・・この椅子わかります・・・?
まずは、バックショット。
前からのショットだとわかるかな・・・?
もうお分かりでしょう・・・
著名なデザイナー、Hans J.Wegner ハンス・ウェグナーのCH-30というチェアです。
ごく当たり前の商品紹介のようですが・・・
今回は、ちょっと楽しんだプロジェクトでした。
延べ2週間ほどかかりましたので、それだけ楽しめたということです(笑)
大人が、そんなに楽しめるなんて幸せ・・・。
事の発端は、アメリカ買い付け中にこの椅子を見かけたのですが、とても可愛そうな環境にあり、
『なんとか救ってあげたい!!』
と、直感的に思ってしまったのです♪
後部右側の脚部と背もたれが一体となっている一本の背もたれ部分が途中から折れていました。ウェグナーのこの椅子は背もたれが2本のネジ、左右合計4本のネジで止められています。そのネジ穴を隠す為に、表から見ると『インレイ』で覆われていますので、通常見ることは無いでしょう・・・。
その片方のネジ1本分が折れて、既に存在しませんでした(涙)
もちろん、インレイ部分の部品も存在せず・・・ハハハ。
まず、順を追って説明しますと、
①塗装用シンナーとスティールたわしを使用して、全体の汚れ落とし。
②粗い目から細かい400番までのサンドペーパーで、丁寧にサンディング。
次に、峠を迎えました。
欠落している部分の脚部を、固めの木材を利用して、『削り出し』で作ります。
接合部は、強度を持たせるため、『ダボ』止めで圧着。
ウェグナーもよくもまあ、こんなややこしいデザインをしたものです・・・。
脚部を真正面から見ると左右対称ではないのですが、ちょっとずらして、ある角度から見ると左右対象の滑らかな曲線を描いているんです。
という訳で、ダボ止めの際の加工も垂直ではないので、苦労します。
クランプして接着後のショットです。木材の色見の違いが見て取れると思います。もともと、救出した時点では、いわゆる『複雑骨折』の状態でしたから、随分大袈裟な『外科手術』となってしまいました。
その後は、丁寧にサンディングを繰り返して、最終調整し、下地が出来たところで、色あわせをしながら、オイルステインを繰り返し塗りこんで生きます。
カサカサだった木の表面にが生き返ってゆく感じ・・・♪
そうそう、忘れてはいけません。
インレイの部分も手作りです。
チーク材の突き板用材料から、これも削りだしで作ります(笑)
結構、時間がかかります・・・ハハハ。
で、全体をチークオイルで仕上げ。
よく出来ました♪
そうそう、痛んでいた座面もありました。
固めのウレタンチップを使って、張り替え。表は、艶消し黒色の合皮を使って、張り替えました。
修復を通して、ウェグナーの椅子もかなり理解できたので、良かったかな・・・と思います。(なんか小学生の感想文みたい・・・笑)
さて、これからどうしよう・・・?
通常、このような『かわいそうな』コンディションの作品を買い付けることはありません。基本は、塗装レベルとか・・・。
修復品を黙って『市場価格』で販売することも出来ませんので、お好きな方にリーズナブルな価格でお譲りしようかと思います・・・。
さて、適正な価格とは・・・?(笑)
まあ、記念に置いておいてもいいかな・・・。
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