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大未来に向けたロスコスモスとNASAの対話

2011-04-21 | ラジオ
モスクワでロシア宇宙省・ロスコスモスとアメリカ航空宇宙局・NASAの指導者達が、将来のプランに付いて意見交換した。
両者は国際宇宙ステーションでの共同作業、宇宙実験分野での協力、宇宙通信やナビゲーション、さらには地球周回軌道を越えた有人飛行発展のシナリオなどに付いて話し合った。

他の天体への飛行実験は、より強力な動力装置を持った新型の宇宙船無しには実現は不可能だ。
そうした装置の一つとして現在、注目されているのが原子力を使ったものだ。1960年代、当時のソ連邦とアメリカは原子力を用いた、そうした動力装置を幾つか試作したが、それらは出力が弱く軍事偵察衛星で利用されただけだった。
1970年代はじめ両国はプロジェクトを凍結してしまった。
そして今世紀21世紀に入って再び注目が集まり、原子力エンジンは火星への有人宇宙プログラムに加えることが決められた。
予想によれば原子力エンジンだと火星への飛行時間は、これまでの半分から三分の二で済み経費も20%安くなる。

2008年アメリカは原子力エネルギー製造作業の開始を発表した。
そしてロシアも再びこの問題に本格的に取組み始めた。
ロシアのロケット生産企業エネルギヤは、原子力動力装置を使ったロケット、いわゆる宇宙タグボートを開発中だ。このロケットは月まで20日から30日で到達することが出来る。将来的には火星探査用の有人宇宙船用に使われると思われる。

ロシアの声記者はエネルギヤ社の科学担当社長顧問に話を聞いた。
「現在、地球周囲の静止軌道上には、600を越す今、使われていない人工衛星が存在する。それらは宇宙ゴミといってよい存在だ。
原子力エンジンを備えた、いわゆる宇宙タグボートを使って、これらの人工衛星、つまり宇宙ゴミを集め低い軌道上に移し、海中に投下させる計画が立てられている。 
それ以外にエネルギヤ社は、この宇宙タグボートを隕石や彗星から、地球を守るシステム構築のために使用できるのではないかと考えている」
科学担当社長顧問は、このように話してくれた。

宇宙船用の原子力エンジンの開発プロジェクトに主に資金を出すのは、ロスアトムだ。
その開発には原子炉製造の責任を負うケルドィシ記念研究センターや、原子力テクノロジーを基礎に、電気ジェットエンジン開発に当たるドレジャリ記念電子工学設計研究所が加わっている。
エネルギヤ社は全ての決定を一つにまとめる役割を務める。ロスアトムによると2012年までに、先ずエンジンプロジェクトが準備され、2018年までに実験用のモデルが製造される。

4月17日放送 ロシアの声・週間ラジオ展望