検察リークで小沢を叩くマスコミに抗議するデモ
≪マスコミと検察への不信感が小沢一郎・元民主党代表への支持と結びつく現象が起きている。
11月5日、夕闇に包まれた東京・青山通りにデモ隊(権力とマスコミの横暴に抵抗する国民の会主催)のシュプレヒコールが響いた。「われわれは検察とマスコミに騙されないぞ」「取調べを可視化しろ」・・・・。参加者の年齢層は30代から70代までと幅広いが、ほぼ全員に共通するのが新聞・テレビへの強い不信感だ。ブログやツイッターでこの日のデモを知り、仕事を終えるなどして駆けつけた。
「新聞止めますか それとも・・・人間やめますか」。辛辣なプラカードを手にした男性(60代・茨城県)は、10年来全国紙を読んでいない。ごくたまに地元紙を読む程度でテレビニュースもほとんど見ない。情報源はネットだという。埼玉県草加市から来た女性(70代)は「国賊マスコミに天誅を」と書いたプラカードを握り締める。
前回(10月24日)、東京・銀座で行われたデモも参加者の年齢層は高く穏健な人たちが中心。神奈川県横須賀市から来たという女性(60代)は70年安保以来のデモ参加という。「検察は公正じゃない。マスコミは本当のことを報せていない。あの時と同じくらい民主主義への危機感を覚える」と口元を引き締めた。東京・練馬から足を運んだという男性(71歳)は「60年安保の際にも参加しなかった。デモは今回が初めてだ。世の中が酷いことになっているのにメディアは権力を批判しない」と唸るように話した。参加者のもう一つの共通項は「小沢支持」だ。「管さんはどうしようもない。今は小沢さんに託すしかない」という理由だ。「小沢総理求む」「小沢さんで日本再建を」という大小の旗と横断幕が目を引いた。
小沢氏が政権の座に就くと困る人たちがいる。検察と大手メディアだ。検事総長人事は国会承認事項となる可能性が高い。新聞・テレビも大揺れだ。情報独占の砦である記者会見がフルオープン化されそうだからだ。記者クラブと検察の利害は「反小沢」で一致する。検察リークを受けた記者クラブメディアが小沢叩きに血道を上げる背景である。
それを見抜き危機感を覚えたのがデモ参加者。「マスコミは真実を報道しろ」「記者クラブの解体を」と主張するのはこのためだ。
「小沢潰しありき」を誰よりも知っているのは小沢氏本人だろう。11月3日、出演した「ニコニコ動画」で「マスコミは性格に報道してくれない」と一太刀浴びせた。翌4日、岡田克也幹事長は小沢氏に会談を申し入れ政倫審への出席を求めたが、小沢氏は応じなかった。デモに参加した前出の女性(70代)は「(出席は)とんでもない話。マスコミにロクなことを書かれないからね」と話した。検察とマスコミへの不信が国会不信さえ招き、政治を停滞させる。不幸な状況である。田中龍作・ジャーナリスト≫
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