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遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



   おととい 上橋菜穂子さんの守り手のシリーズを 蒼路の旅人・虚空の旅人を残して読み終わりました。すこし虚脱感がありました。

   新ヨゴ皇国は やはり日本を模したものなのだろうと思いました。詳しくは述べませんが、チャグムがナユグの卵をその身に抱くにいたったのは チャグムのうまれがサクとナユグのあわいに生まれたから....という記述があります。また 帝を見ると目がつぶれるという記述から新ヨゴ皇国の帝は他国の国王と一線を画するものであることがわかります。

   古代 日本の天皇は巫覡(フケキ シャーマン)でした。しだいに神とつながることが(権力闘争などで穢れたためか)できなくなり シャーマンを別に置くようになったのです。

   新ヨゴ皇国の帝は清浄でなくてはなりません。清らかでなくてはなりません。けれども チャグムは卵を産み付けられたため 父の帝に殺されそうになり しもじもの世界を知ることになります。チャグムは女短槍つかいのバルサに守られながら わが身を自分で守ること 戦うこと 命を守るために他者のいのちを奪わなければならないイタミを知ってゆきます。

   血に汚れたチャグムはしかし 清浄さを失いはしませんでした。むしろ しもじもの世界にあるほんとうのやすらぎやぬくもりやよろこびを知ったのです。チャグムは最初は冷ややかな宮廷から逃げたいと望むのですが やがて国をまもる くにびとたちひとりひとりをたいせつに思い守りたいという帝王の意識に目覚めてゆきます。けれどもそれは苦難の道でした........チャグムは民のために 権謀術策渦巻く世界へ ひたむきさだけをたよりに飛び込んでゆきます。そして血にまみれ戦うのです。父帝が神の恩寵がいずこにあるかさとるところが秀逸です。

   この守り人シリーズは上橋さんにとって「君主論」であったのではないか とふと思いました。チャグムは筆を進めるごとに勝手に息づき歩き出し そのキャラ立ちしたのだと思います。上橋さんはものがたりの産み手でありましたが もしかしたらすこしチャグムに引きづられたのかな 愛しすぎたのかな....と思いました。なぜなら チャグムは完璧に過ぎる もっとなにかちょっとした 傷がほしかったかな.....これはわたしのわがままですが。

   チャグムとバルサは表と裏です。女だてらに剣術の達人であるバルサ 男であるのに卵を孵すチャグム.... 名君への道を歩き出すチャグム タンダとおだやかな暮らしにつくであろうバルサ.....ラストシーン ゲドの晩年と重なったのはわたしだけでしょうか。いいものがたりでした。旅をさせていただきました。上橋さん ありがとうございます。



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  荻原規子さんのこれらの作品は日本のファンタジーの夜明けともいわれています。萩原さんは海外の作家が神話をもとにファンタジーが書けるなら古事記を元に書けるはずだと思ったのだそうです。同時に 小説の書き手にはふたつの分類がある ひとつは小説家になるために書く小説家 もうひとつは自分が読みたいものがたりを書く小説家で 自分は後者だと言っています。そして もうひとつ 自分は漫画家になりたかったが 絵がかけないので小説家になった.....とも語っています。

  わたしは最後の理由に心を惹かれました。なぜなら わたし自身が漫画家になりたかったが 絵がうまくなかった.....そしていつしか語り手になっていたからです。ちなみに友人と合作で応募した講談社漫画賞 このとき最優秀に輝いたのが波間のぶ子さんでした。

  日本のファンタジーといえば木陰の家の小人たち とかコロボックルシリーズがありました。両方ともよい作品でしたが児童書でした。萩原さんやそれにつづくファンタジーの書き手がターゲットにしたのはもうすこす上の年代でした。もっともジュブナイルということでわたしはちょっぴり馬鹿にしておりまして こんなおもしろいものを見逃していたわけで おとなの読者でまだお読みでない方はぜひお読みください。

  空色勾玉も薄紅天女も守り人のシリーズも上質な少女漫画の香りもします。少女漫画ってばかにしないでくださいね 世界に誇る日本のサブカルチャー「漫画」を一時は間違いなく少女漫画が牽引していたのですから......ドコノダレとは申しませんが 影響を受けた作家 劇作家 映像作家は数えきれません。プロットをほぼそのままもらっても著作権ただ プロの作家のプライドはどうなのでしょうね。

  空色勾玉などにでてくる主人公の少年には匂やかな凛々しい少年 むくつけくない 王子が登場します。彼らは少女にも似ていて つまり 少女漫画の少年.....にとても近く 宿命を担って生まれ 試練をくぐって 真の男になる 彼らはイニシエーションをくぐりぬける また貴種流離譚にも近い構成です。そういう意味で物語のプロットをきっちり踏んでいる。

  神話はたいてい悲劇的な結末を持ちます。北欧神話しかり ケルト神話しかり ひとを超えた存在である神々にもたそがれがくるのです。ファンタジーの作家たちは神話をもとにしながら 人間的な結末 和解を求めずにはいられないようです。ある意味の大団円ですね。

  イザナミイザナギの神話を元にした空色勾玉もまた 怒った女神が黄泉比良坂(よもつひらさか)で『黄泉国の神となってあなたの国の人間を一日に千人殺しますよ』といったことに対し『ならば、私は一日に千五百人の子どもを産んで更に産屋を立てよう』と男神が返したことによる生と死 輝ぐの一族と闇の一族 すなわち光と闇をめぐる無限の戦いを和解に導こうとしました。

  イザナギが生んだ三人の貴神 アマテラス ツクヨミ スサノオにおいて照日王(てるひのおおきみ)と月代王(つきしろのおおきみ)チハヤがあてられています。(日本書紀ではイザナミとイザナギが生みました)

  照日王はいうなればファザコンで月代王はシスコン チハヤはマザコン こういってしまうと実も蓋もないのですが 三人の葛藤と 闇の一族、水のおとめサヤと輝ぐの一族チハヤとの愛と葛藤が大団円に導くところは秀逸でした。


  古事記の編纂のとき ヤマトは数多くの豪族に伝わる神話を奪いあるいは買い求め 自らの出自を正当なものとしようと物語にしました。ヤマトは日本にもとからいたひとびとではなく大陸からわたった一族であったからです。今上天皇もそれをお認めになっています。このとき多くの古の神が失われ また女帝であったことからアマテラスが女神になったのではと推測しています、すると月読みは当然女神であったことでしょう。

  水のおとめは折口信夫の水のおんながヒントになったと作者は書き記していますが、祖神おやがみである男神太陽神にたいする水の女神という伝承をもってすると 作者はそこまで考えて配したのかと興味深いことこのうえありません。この水の神はもちろん 瀬織津姫 消された神......ふるい神社には必ず水が配されていますね。

  薄紅天女はおなじようなシチュエーションで ヤマトと先住民族蝦夷との和解を描きたかったのだと推測しますが これはちょっと失敗かな......この葛藤は現代まで生々しくつづいています。

  それにしましても わたしは隠された神々にこの世におでましいただきたく 瀬織津姫 名草姫 甕星香々背男 奴奈川姫を語ってきたのですが もっと脚色しても良いのかなとわくわくいたしました。 

  



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    落語 聴きに行きました。 円楽さん休演で 歌丸・文珍の二人会でした。京大カンニング事件など 時事ネタ満載の文珍さん 爆笑につぐ 爆笑でした。客席は高齢者が多く アルツがかったお年寄りの描写では自虐的でありながら 明日はわが身と大爆笑 おおらかな笑いが満ちてよかったです。でも コレツウレツナアイロニーなんですよ。高齢者夫婦が養老院は入れないから銀行強盗で刑務所にはいって余生を送ろうという ....おもしろうて やがて 哀しき『お話』....です。


歌丸師匠はすこしお疲れのようでした。帰り わたしの前を走っていた横浜ナンバーのベンツ 師匠のお車じゃないかと思います。

    噺家の話芸って おもしろい。やはり枕は自分のネタで これは語りもおなじです。現代の世相にあわせた創作はおもしろい。笑わせていただいてありがとうございました。15-10 周辺のみなさま ひときわ高く バカ笑いをしていたのがわたしです。どうもすみません。次は古典物 聴きたいですね 若手の時ソバ も聞きましたが 古典は力がはっきり出ます。

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残酷な天使のテーゼ ← コチラ

Lascia Ch'io Pianga → コチラ

forget me not(尾崎 豊)有明版 → コチラ

.....生きてたときはちょっとバカね..と思ってたんですけど 歌うとスゴイひとだなと判ります。

forget me not(尾崎 豊)茨城版 → コチラ

黄昏ゆく街 尾崎 豊)→ コチラ

ライブ版がありません。ライブがいいね。この歌もとても好き.....

青のレクイエム(元ちとせ) → コチラ

語り継ぐこと(元ちとせ) → コチラ

ハイヌミカゼ(元ちとせ)  → コチラ

この街(元ちとせ) → コチラ

鱗(秦基博)→ コチラ

プール(秦基博) → コチラ

.....たまゆらの記 はこの曲を聴いてつくりました。

朝がくるまえに → コチラ

むらさき小唄(東海林太郎) → コチラ

みだれ髪(美空ひばり) → コチラ

再び

尾崎 豊 シェリー 秋田版 → コチラ

とてもイタイですね。これは歌え、ません。もう歌じゃないですね。

......というわけでもないんですけど

宇宙戦艦ヤマト ← コチラ

こういう カタチになっている歌って楽ですね。高揚して....おやすみ。 あしたもがんばろう。



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    アリソン・デュボアシリーズも6つ目に突入。ケイサツの捜査に協力した実在の霊能師をモデルにしたなかなかおもしろいドラマです。ところが 吹き替え版のほうがずっとおもしろい この声をなさってる声優さんてポケモンの主人公の声優さんなんですよ。


アリソン本人 日本にもきています


    日本の声優ってすごいのね。映像だけでなく 声で人格が宿るような気がします。声の力でものがたりにひきずりこまれ 主人公と同化する そんな気がします。だから ドラエモンの声優さんの声が代わってから 見る気がしなくなりました。だって 何十年のシリーズですから そこには視聴者の人生もとけこんでいる、思い入れもある。そんなことはおかまいなし、アレは暴挙だったと思います。

    いままで聞いたなかでは ナポレオンソロのふたりとか、ルパン三世(元の)の三人とか ジャン・ギャバンの声とか 宇宙少年ソランの声 北条美知留?さんという声優さんの声がとても好きでした。

    それでは勝手に宮崎アニメ声優アカデミー賞ノミネート

助演男優賞  ムスカ(ラピュタ)ユパさま(ナウシカ) かまじい(千とちひろ) 
助演女優賞  モロ(もののけ姫)おばあさま(魔女の宅急便)荒地の魔女(ハウルの動く城)次点エボシ(もののけ姫)
主演男優賞  アシタカ(もののけ姫) ポルコ・ロッソ(紅の豚) ハク(千とちひろ) やはりハウルも入れとこう。
主演女優賞  千尋(千ち千尋)ジーナ(紅の豚)次点 ナウシカ (ナウシカ)

残念ながらミス・キャスト ソフィーの少女時代(おとなのソフィーはいい)(ハウルの動く城) テナー・歌はいいけど(ゲド戦記)サン(もののけ姫)

    こうしてみますと 声優+舞台俳優 歌手がつよいですね。くっきりと人格を浮き上がらせる にはその人物への理解と共感が必要ということなのでしょう。語り部もそう......でもね それと同時に........でしょう? わたし もうすべてをおつたえするのはやめにします。伏字のところは考えてくださいね。それから これはという声優さんがいたら? ちょっとちがうよというご意見があったら コメントください。


主題歌集です。心が洗われるようないい曲が多いですね。

ハウルの動く城 → コチラ

もののけ姫・アシタカ聶記 → コチラ

もののけ姫 → コチラ

紅の豚 → コチラ

風の谷のナウシカ → コチラ

千と千尋の神隠し → コチラ

ラピュタ → コチラ

ゲド戦記・テルーの歌 → コチラ

魔女の宅急便 → コチラ

もののけ姫・アシタカ聶記 → コチラ
別ヴァージョン

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     昨年 アバターがアカデミー賞を取り逃がした理由について 先日書きましたが もうひとつ深いわけがあったようです。

記事
 エンターテインメント総合サイトMonsters and Criticsが伝えたところによると、キャメロン監督が原爆被爆者に関する映画を構想中とのこと。広島、長崎で2回被爆し、二重被爆者として初めて公式認定された山口彊(つとむ)さんが1月4日に93歳で死去したが、山口氏が長年送り続けてきた平和へのメッセージをジェームズ・キャメロン監督が受け継いだようだ。

『アバター』のプロモーションで2009年12月に来日したキャメロン監督は、長崎市内の病室を訪れ、生前の山口氏との対面を果たした。キャメロン監督が、子どものころに起きたキューバ危機をきっかけにして人類の滅亡や世界の終わりに興味を持ち始めたのは、映画『ターミネーター』製作の原点としてファンにはよく知られているが、その考えは今も変わっていないようで、原爆の恐怖や二重被爆者である山口氏の悲惨な体験を後世に伝えたいと映画の構想を山口氏へ伝えたそうだ。

     このことに不快感をしめすひとたちが猛烈なロビー活動をしたのではという推測があります。外国映画賞をおくりびとが受賞したのは もちろん作品が支持されたからですが 微妙なバランスをとったと”憶測”できないこともないかな......
      
     さて ブラックスワンですが.....

ダーレン・アロノフスキー監督 ユダヤ人 ハーバード大学でアニメを学ぶ。ここで今敏監督とつながってきます。

ナタリー・ポートマン ユダヤ人 ハーバード大学

ミラ・キュニス ユダヤ人 ......でした。

     それからアカデミー賞授賞式でもグラミー賞でも魂のない歌を歌ったグイネス・バルトロウ 彼女もユダヤ人でした。アカデミー賞をもらっています。

調べてみるとなかなかおもしろいです。アカデミー賞が政治的に利用されたり 一部のプッシュによって受賞者の選別がされるなら ないほうがいいのかもしれません。 

     ところで「気志團」というバンドが「米ユダヤ人のためのサーモン・ウィーセンタール・センター(人権擁護委員会)」から損害賠償ありの法的訴訟をおこされました。理由はナチスのような制服を着ているからだそうです。江川祥子氏がサーモン・ウィーセンタール・センターのクーパー師という人物に広島で会ったところ「人権擁護」を唱えながら『広島・長崎への原爆投下は当然だった』と発言したそうです。ひどく不可解な感情を抱いた、と江川さんは自身の著書の中で述べています。「気志團」も所属する事務所も陳謝しておさまったそうでよかったですね.......マイケル・ジャクソンも謝っていましたね。そんなにこわーい組織なのか......・今日書いたことはどうなのかな ちょっとこわいな.....このウィーセンタール・センターはsoukaとおともだちです。

2011・1.11ニュース 二重被爆者山口さんの遺志をうけ原爆映画を構想 → コチラ 

なぜ アバターが負けたのか → コチラ

パーフェクトブルー → コチラ

ブラックスワン → コチラ

ダーレン・アロノフスキー → コチラ
ナタリー・ポートマン → コチラ
ミラ・キュニス → コチラ

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 アカデミー賞 結果速報は → コチラ

  女優さんたちのドレスが地味になりましたね。アカデミー賞も往年の輝きがなくなったように思います。今年の受賞を見ると じょうずに分配しているなぁ.....という感じがします。英国王のスピーチは佳品のようですね。作品を見ていないのでなんともいえませんが、アメリカ人の王室好きは有名です。ナタリー・ポートマンはイスラエル人で ハーバード大学でした。

  昨年はともに最多9部門で候補にあがった、「アバター」と「ハート・ロッカー」の一騎打ちでしたが結果的にイラク戦争を舞台にした「ハート・ロッカー」の圧勝で終わりまた。現実の興行収入をみると大衆から圧倒的に支持され記録を塗り替えた大ヒットを、「アカデミー賞受賞作の中でも最も収益が少ない作品」(米紙ニューヨーク・タイムズ)ハートロッカーが破ったのです。

  なぜ アバターは敗れたのか → コチラ
  
  アバターは元海兵隊員のジェイクが惑星パンドラの先住民族・ナヴィと同化し 魂の樹をまもるため 人間や戦車と戦うというものがたり…。なぜこの惑星パンドラに地球から、人間が来ているのでしょう。人間は、ナビィ族が住んでいる地下にある鉱石が欲しいのです。カナダでもそうですが 先住民族とウラン鉱石とは縁が深い。ナヴィ族はアメリカの先住民族 インディアンととても似ています。監督の意図するもののひとつが見えてきます。

  ハートロッカーはIED(即席爆発装置)の解除作業をするアメリカ軍兵士の話です。IED......イラクの武器だったのでしょう。アメリカ軍兵士死者・負傷者の40%がIEDによるものでした。アメリカ政府の頭痛の種でした。 

  おなじ アメリカの兵士が主人公のふたつの映画。昨年の”勝負”を見ても アカデミー賞の傾向がわかりますが、ショー・ビズはイスラエル人のものなのでしかたがないのかもしれません。

  すみません 昨年のアカデミー賞のこと書いてしまって まえからアバターについて書きたかったものですから。アカデミー賞はもっとワクワクする 夢と驚きに充ちたものであってほしいなと思います。

  式で亡くなったスターたちを偲んで歌ったセリーヌ・ディオンの ”スマイル”が素晴らしかったです。グイネス・バルトロウの魂のない歌とは対照的でした。それにしても アーサー・ペン スザンヌ・ヨーク パトリシア・ニール デニス・ホッパー ........みんな亡くなったんですね。さみしいことです。


アバターあらすじ → コチラ

ハート・ロッカー あらすじ → コチラ

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    パーフェクトブルーというアニメをご存知ですか? 今敏監督がつくったアニメとは思えぬ臨場感のある恐ろしいホラーでした。ヒロインが追い詰められてゆく様子 最後のどんでんがえしが怖かった!! 娘がとても怒っています。アカデミー賞にノミネートされたダレン・アロノフスキー監督、ナタリー・ポートマン主演のブラックスワンがよく似ているというのです。

KON’S TONE → コチラ
(今さんのブログ これは同じダレン・アロノフスキー監督のインセプションについてのコメント)

KON’S TONE → コチラ
町山智浩アメリカ日記 → コチラ

主演女優賞本命はナタリー・ポートマンですが 明日の発表はどうなるでしょう。今さんは才能のある監督でした。亡くなられてとても残念です。それにしましても 昨今はハリウッドもアイデア枯渇なのか よく日本のアニメからパクったじゃなかった(品よく)インスパイヤされた作品が目につきますね。韓国もですね。

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1898(明治31年)11月5日賢治の二つ違いの妹として誕生。
1911(明治44)年3月、花城尋常高等小学校を卒業 トシの成績は6学年を通して全甲。
1915(大正4)年3月、花巻高等女学校を卒業。1年次より卒業まで首席をつづけ、卒業式では総代として答辞を述べている。
1916(大正5)年4月、日本女子大学校家政学部に進む。
1918(大正7)年1月27日に母イチに宛てた手紙でトシは、「私は人の真似ハせず、出来る丈け大きい強い正しい者になりたいと思ひます。御父様や兄様方のなさる事に何かお役に立つやうに、そして生まれた甲斐の一番あるやうにもとめて行きたいと存じて居ります。」と自分の進むべき方向を明らかにしている。
11月初め、スペイン風邪が流行し、トシも感染する。
12月20日、永楽病院(東京帝国大学医学部付属病院小石川分院)に入院する。
12月26日、責善寮寮監西洞タミノよりトシ入院の知らせが花巻にあり、賢治と母イチはこの夜に花巻を発つ。翌朝上野駅に到着、永楽病院近くの雲石館に宿をとり看病にあたる。
1919(大正8)昨年より肺炎で入院していたトシはこの年の正月を病院で迎える。入院が長びいたのは、下肺部に一時的にではあるが小部分結核があったため熱の下がりが悪く、また心臓も弱っていたためである。この入院の間、賢治が献身的に看護にあたった様子は、見舞いにきた親戚関徳弥の話によくあらわれている。 

 「病院で賢治がとし子さんを看病する有様をおぽろげにはいまも知っておりますが、便のしまつから服薬、またいちいちその日の状態を医師に問い合わせたり、青年のできないようなことを、実に克明にやられるのでした。…」 
   (関『随聞』 校本宮沢賢治全集 第14巻 筑摩書房より)

同年2月下旬、退院。3月日本女子大卒業

1920(大正9)年9月下旬、母校花巻高等女学校の教諭心得となり英語と家事を担当する。
1921(大正10)年9月に入って喀血、9月12日付で退職する。賢治はトシ病気の知らせを受けて帰花、12月に稗貫郡郡立稗貫学校の教諭となる。トシの病室は、宮沢家が大正8年頃買いとった古くて陰気な隣家の一室あった。そこに屏風をたて蚊帳をつってすきま風を防いでいた。

1922(大正11)年11月27日、朝からみぞれがふっていた。トシは賢治に頼んでとってきてもらったみぞれを食べ、
 さっぱりしたと喜ぶ。その夜、トシは逝った(享年24歳)。賢治は押し入れに頭をつっこんでおうおう声をあげて泣いた。そして、膝にトシの頭をのせるとその乱れもつれた黒髪をゴシゴシと火箸ですいてやった。

年賦 → コチラ

「松の針」

ああけふのうちにとほくへさらふとするいもうとよ
ほんたうにおまへはたつたひとりでいけるのか
わたくしにいつしよに行けとたのんでくれ
泣いてわたくしにさう言ってくれ


「噴火湾(ノクターン)」 

ああ何べん理智が教へても
わたくしのさびしさはなほらない
わたくしの感じないちがつた空間に
いままでここにあつた現象がうつる
それはあんまりさびしいことだ
(そのさびしいものを死といふのだ)
たとへそのちがつたきらびやかな空間で
とし子がしづかにわらはうと
わたくしのかなしみにいぢけた感情は
どうしてもどこかにかくされたとし子をおもふ



「宗谷挽歌」

とし子ほんたうに私の考えていた通り
おまえががいま自分のことを苦にしないで行けるやうな
そんなしあはせがなくて
従って私たちの行こうとするみちが
ほんたうのものでないならば
あらんかぎり大きな勇気を出し
わたしの見えない空間で
おまへを包むさまざまな障害を
衝きやぶって来て私に知らせてくれ

   われわれが信じわれわれの行かうとするみちが
   もしまちがひであったなら
   究竟の幸福にいたらないなら いままっすぐにやって来て
   私にそれを知らせて呉れ
   みんなのほんたうの幸福を求めてなら
   私たちはこのまま このまつくらな
   海に封ぜられても悔いてはいけない




「銀河鉄道の夜」

「天上へなんか行かなくたっていいじやないか。ぼくたちここで天上よりももっといいとこをこさえなけぁいけないって僕の先生が云ったよ。」

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    先だってのTVで 日本フィギュアの活躍についてコメントを求められた
外国のメディアの方が 

「浅田 真央の演技を見ると 波が出ることがある」
といいました。ことばがわからなくても おなじなんですね。

そして 三浦環さんの古い録音

  → コチラ

これを聴いて わたしは涙がにじみました。

環さん 57歳頃?

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きのう 演劇教育のワークショップに参加しました。 場所は新宿 ドラマケーション普及センターです。

   → コチラ

    一昨年夏 民主党が政権をとる前のことです。全劇研の基調演説で平田オリザ氏から 民主党は 将来の移民増加にそなえて演劇教育によるコミニュケーションつくりをすすめるという話がありました。民主党が政権をとり一番最初に相談役かなにかになったのがオリザ氏で ちょっとした驚きだったのを覚えています。

   → コチラ

    この状況ではどうなるかわかりませんが とりあえず はじめたことだし このごろアウトプットばかりなので充電に行きました。 講師は小川先生 日常の食事シーンから台本をつくり グループで演じてみるというエクササイズでした。

   途中で辞して初台に向かいました。近江楽堂でコンサートをひらいたことは あるのですが ホールははじめてでした。中は清々しくピラミッド の内部のようでした。 気がついた!!のは四隅の稜線から 先端に向かって パワーがのぼっている 先端から 下にくるのではないということです。交響楽団の演奏する 円舞曲を聴きながら パワーを感じるのはとても気持ちがよかったです。

   (建物の外にまるい中庭 巨人が立っている....が あるのですが その中央付近にさんさんとなにかが 降り注いでいる感じがします.... )

    平成7年に誕生した東京オペラシティは、故 田中角栄元首相が提案した建造物なのだそうです。近江楽堂でマグダラノマリアを語ったとき 細い細い 光の雨が降り注いでいる感じがしましたが だれがどんな意図で設計したのか どんな埋蔵物があるのか知りたいところです。

    オペラ歌手 Rさんはイタリアにながらくいた方 前半は声がオケに押され 中音域も高音域もさびしく ちょっとがっかりしたのですが 二部の蝶々夫人とトゥランドットはよかった。 蝶々夫人もリューも愛のために自刃する.....この歌を選んだのはなにか深い意味があったのでしょうか? 白眉はオケ退場のあと 歌った「赤とんぼ」と 「この道」でした。

    「外国の歌はその意味だけしかありません。 けれど 日本の歌には 時代や想いがつまっている.... 」とRさんは言いましたが そのとおり 詩にこめられた そして 一音にこめられた 刈られた 桑の木 柿ノ木などの果樹や おやつがなくなった 子どもたち 軍需工場を建てるために切り倒された 神社やお寺の大木が目にうかびました。北の大地に散った 田原坂の生き残りの2000人のわかものの笑顔が目に浮かびました。



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     本屋に立ち寄ったら単行本がでていたので帰ってストーブの前で読みました。なんだろう このギクシャクしたストーリーの流れは.....手練れの山岸涼子さんとも思えない とつおいつ 未練ほのみえるすっきりしない終わり方、おわらぜるのなら空美ちゃんとローラ・チャンの秘密を読者にわたしてくれても と思うのです。

     六花ちゃんは コリグラファーとして成長してゆくのだろう。六花ちゃんの身体能力では成就できない 振り付けを超絶の肉体と技巧を持つローラ・チャンがかわりに体現する。ふたりは歴史的なコンビになるのだろう。でもふたりの成長譚をもうすこし見たかったと思います。夢半ばで空を舞い散った千花ちゃん トゥオネラで今も踊りつづけている千花ちゃん 本来は六花ちゃんと千花ちゃんのものがたりだったのかもしれません。悪意に貶められ 自殺を選んだ千花ちゃん 虐待されても踊り続けた空美ちゃん わたしには千花ちゃんと空美ちゃんが重なって見えます。

     山岸さんは悪意の書ける漫画家でした。混じりけのない悪意というか 良心のカケラもなく 一抹の同情にも値しない悪意を書くことができるのです。それでも テレプシコーラで見せた 千花ちゃんのクラスメート 空美ちゃんを買う男たちは常軌をはずしているようにわたしには思えました。あれはただ社会現象を書いた.....とも思えない。枷というか贄というか空美ちゃんが舞踏家としてして大成ゆくために必要な重荷だった。だったらなおのこと、その後の空美 ローラ.チャンを見せてほしかった。水野英子さんのトゥオネラの白鳥......ひそかなオマージュだったりして....と思いました。

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遠い.....→ コチラ 最近好きな曲

僕が僕であるために → コチラ

Forget-me-not → コチラ

街角の風の中 → コチラ

街路樹 → コチラ

きっと 忘れない → コチラ この歌 尾崎はとても明るい顔で歌っているんだけど 泣きたくなる。

尾崎さんに励まされて生きてるひとがまだ大勢いる。
そして 考えたくないけど 尾崎が殺されたって思っているひともいる。

ホンモノって マイケルや尾崎豊や浅田真央ちゃんみたいに聴くひとや観るひとに生きる勇気をあたえてくれるひとだと思う。たいせつなことや真実をダイレクトに魂に伝えてくれるひと。だから、こころに翼の名残をもつ人間は否応なくひきつけられる.....
もしかしたら そうだ、そういう強いチカラを持ったひとたちは「彼ら」にとって邪魔なんだ.......。



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     以前から読みたかったクラバートをとうとう読みました。小さいおばけ すぐに物語にのめりこみ息もつかずに読みました。ボヘミアの伝説をもとに小さいおばけ、大泥棒ホッツェンプロッツのプロイスラーが書いた小学校高学年からおとなまで楽しめるファンタジーです。宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」のエピソードのひとつがこの本からとられているそうです。

     湿気と寒さと陰鬱さが終始漂っているのですが 孤児クラバートの思考 生き抜く意志がものがたりをぐいぐい押してゆきます。不可解な行動をとる恐ろしい親方の水車小屋に閉じ込めらいやおうなく働かされ週に一度魔法を教えられる12人の若者たちにいつしか同化して 不安や恐怖が押し寄せます。そのなかの救いは友情でした。魔法があるのになぜ身体をつかって仕事をするのでしょう。 ひとは魔法を手にすることでなにを失うのでしょう。クラバートの危機を救うのは友情と......

     もとの伝説が知りたくなりました。伝説ではクラバートを救うのは母親なのだそうです。もとの話から再話して語ってみたくなりました......がいくら検索してもみつかりません。こうなったら想像でふくらませるしかありません。


クラバート → コチラ

映画 → コチラ

アニメ化もされているようです。ハウルの動く城 思い出してしまった.....

クラバート書評 → コチラ

プロイスラーオフィシャルサイト → コチラ

旅行記 → コチラ

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    月に数冊はいまだに本を買うのですが 次第 々 にノンフィクションや語りにまつわる資料が多くなり 小説といえば たまに本棚から昔読んだ愛読書を手にとる程度でした。.......最後に読んだのは ひとから勧められた「告白」です。ベストセラーですから期待はしていなかったのですが 雑駁な......という印象でした。ショウウィンドウにならんでいたほこりっぽいコロッケパンを闇雲に飲み下したようなむなしさ、読まなければよかったと思いました。

    "アルネの遺品"を読んで ひさびさに ほんとうにひさびさに 小説を読んで旅をした気分になりました。異国の港町 潮の匂い 桟橋に吹く風 かろやかだけれどたよりなく揺れ動くこころ 青春のたゆとう光 うす蒼くひんやりした翳り.....心の中もさらさらと清らな水に洗われたようです。どんなに内容が悲惨であって描写が凄惨であってもも小説は読んだ者にある内面の変化。それも負ではない変化をもたらすものだと思います。

    とても丁寧に丹精こめて書かれた小説です。主人公のアルネという少年がものにふれるときのように ひとつひとつのことばがひとの息遣いであるように選ばれあるべきところにおかれて文章が水の流れのようにみずみずしい。アルネは寡黙な少年ですが 港町の廃船の解体工場の描写や ふたりの少年が兄弟のように住む屋根裏部屋のようす 登場人物の所作 から少年の心象風景が立ち上ってくるのは圧巻でした。

    ものがたりは悲劇にむかって最初はゆっくりと最後は怒涛のように雪崩れてゆく、けれどもそれすらうつくしい。日本の小説はこうした丹念さ、誠実さをいつのまにか失ってしまったように思います。もし 時間があったらぜひ手にとってみてください。ほかにアリステア・マクラウドの”灰色の輝ける贈り物”や他の作家の”シェル・コレクター”も取り寄せましたが 新潮クレスト文庫は期待を裏切りませんでした。そう、そう アーサー・ラッカムのペーパーバックの画集もとても満足のいくものでした。




     

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