南斗屋のブログ

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「準備」書面-約束は守られないのか

2006年12月20日 | 未分類
 民事訴訟のうち法廷で行われるものというのは、体験されていない方はよくわからないと思いますが、刑事事件のように法廷での証言という機会はほとんどなく、ほとんどが書面のやりとりと今後の方向性についての話し合いです。

 それは、準備書面という主張を書いた書面を事前に提出しているからで、当事者が主張することはその準備書面にもれなく記載する必要があります。
 「準備」という名前がついていることからも本来は期日を準備するためのものであり、事前に提出することとなっているものです。
 期日前に提出することが前提であり、最近では、「期日の1週間前に提出してください」と提出期限を明確に区切る裁判官も多くなっています。

 しかし、残念なことにこの期限を守れない弁護士がいます。
 といいますか、上記のような期限はほとんど守られません。
 少なくとも、私が相手をしている相手方の代理人はかなりの確率で期限を守りません。
 「1週間前に提出」とされていれば、提出するのは期日の2,3日前ということがほとんどです。
 場合によっては、期日の当日に届いていたということもあります。
 FAXの日付を見てみますと、前日の夜遅くにFAX送信がされており、前日に送ったのであることはわかるのですが、夜も相当遅いと(0時前ということもあります)、前日に見ることは不可能です。

 ごく最近は、期日当日にすら出さないという例にも出くわしました。
 これも「1週間前に提出」という期限が切られていたのですが、1週間前には提出されない。おおかたのように2,3日前に提出かと様子を眺めていたのですが、それでも送ってこない。
 前日になってもまだこない。
 ひょっとしたら当日に提出されるのかと、期日に出廷しましたが、相手方代理人は「準備書面はできませんでした。もう少し時間をください」ということで、ついに提出がされなかったということがありました。

 約束は守られるためにあるはずですが、弁護士業界において、約束は破られるためにあるとお考えの方が少なからずいることは、はなはだ残念です。

 
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