誤認衆の H 口怪鳥のご厚意で、松竹創業 120 周年「壽初春大歌舞伎」の夜の部に家内と。
玉三郎丈の『女暫』がお目当てなのですが、劇評の不評(辛口もある渡辺保さんは兎も角、日経の上村以和於さんのここまでの不評は珍しいのではないかと思います)が気掛かりでした。
「番町皿屋敷」から、です。播磨屋さんの青山播磨は上手くて流石なのですが、お菊を殺すに至る一途な若者にしては分別があり過ぎに思えます。寧ろ、 25 歳と言う設定を外して、中年男の一途なプライド、ブラームスの様な潔癖感故と自身の年齢に合わせた方が良かったかも。
お目当ての「女暫」 は、正直、ガッカリ。おふざけが過ぎますし、玉三郎の芸格が低く見えます。劇評も頷けます。ホロビッツの様な「ひびの入った骨董」にはならないと期待を持ち続けますが。。。
「猿翁十種の内 黒塚」です。これは化け猫のお目当て。そして、今日の演目の中で断然良かったです。第二場の薄の原から出てくる所、腰から上が微動だもしない処から、妖怪らしい。その後、第三場も含め、身のこなしが見事!
勘九郎の阿闍梨祐慶は端然として、徳のある修験者を好演しています。昨年 10 月に見た鰯売の剽軽さとは大違いです(笑)
めでたい焼も戴けまして、こいつぁ春から縁起がいいわえ!
【本日の演目】
「番町皿屋敷」 吉右衛門の青山播磨、芝雀の腰元お菊、染五郎の放駒四郎兵衛など。
「女暫」 玉三郎の巴御前、歌六の蒲冠者範頼、七之助の女鯰若菜など。吉右衛門が舞台番辰次。
「猿翁十種の内 黒塚」 猿之助の老女岩手実は安達原の鬼女、勘九郎の阿闍梨祐慶など。