Leikon's Photo Diary

写真とカメラなどに係わる独り言

Noctilux その7:ライカジャパン

2013年10月09日 22時04分48秒 | 写真・カメラ
Noctilux ASPH の無限遠について、ライカジャパン社に問い合せてみました。最後に出てこられたカスタマーケアの I さんが非常に明快に答えてくださり、私の疑問は氷解しました。I さんの説明を私なりに解釈したものを以下に記載します。誤りがあれば、「文転理系」「転び理系」の私の理解不足に拠るものです。

1. デジタルになって、フィルムに比べて、ピントは遥かにシビアに解るようになったので、誤差も目立つ。
2. レンズについては、無限遠から少し行き過ぎるのが適正(勿論、程度問題)。絞れば焦点移動により遠方にピントがいくことが多いので、開放では無限遠を行き過ぎていないと絞ったときに無限のピントが来ないことになる。また、高温時等の鏡筒の伸びも考慮している。
3. 無限遠のピントについては(本当は総ての距離で)、2 段程度絞ることを前提にしている。つまり、開放で無限遠の景色は撮る状況は少ない筈と考えて設計している。
4. M9-Pのレンジファインダーの視認性からみて、3-400m までの測距が限界で、1,000m も離れた物の左右像の不一致を見るのは不可能。基線長から自ずと測距性能の限界もあるし、「勘」で無限遠から少し戻して使うしかない。

余談として。
5. 球面レンズの F1 は無限遠を出すのは比較的容易だが、非球面だとどこで無限遠に決めるかが難しい。
6. そもそも近距離から無限遠まで、きちんと合焦するレンジファインダーの製造は難しい(有り得ない!?)
7. 絞ったときに焦点移動しないレンズを作れば天文学的な価格になる。

勉強になりました。