玉簾の滝から最上川舟下りの乗船乗場に向かった。
最上川舟下りは最上峡芭蕉ライン観光という会社が運営していて、2011年10月に乗船した経験がある。その時はまだ秋だったので、船の屋根は骨組みだけでビニールは張られていなかった。途中で雨が振り出し、慌てて屋根からビニールを下ろした記憶がある。覚えているのは、右対岸の神社の鳥居と滝の景色、船が大きく揺れるほどの激流に何度が遭遇したことくらい。だから、屋形船のように船中で食事をするほうが楽しいと思い、船中弁当を幹事に提案したのだが、値段が高いと却下されてしまった。
乗船乗場に着いたのは出発時刻の10分前で、慌ただしく船に乗り込んだ。前回と違い、屋根はビニールで覆われ、窓も取り付けられていた。加えて、コロナ対策のアクリル板。これでは、反対方向の景色は楽しめない。船内は暖房が効いていてとても暖かい。テーブルはコタツになっていたが、雰囲気だけで、あまり意味がないように思えた。
船頭は、年の頃なら70前後、民謡自慢の岸昭夫さん。何曲が披露されたが、確かに素晴らしい声だった。しかし、唄以外のガイドは至って退屈だ。話題は「おしん」のことばかりで、30年も前のテレビドラマをまるで昨日のことのように話す。ついていけなかった。