マスターズを見始めたのは、サンディ・ライルが優勝した1988年の大会からだ。
あれから29年、こんなにわくわくした気持ちで最終日を迎えたことはない。
それは、日本期待の松山英樹が、1アンダー2打差の3位、優勝を狙える位置にいたからだ。
これまで、日本人選手のトップ10フィニッシュは、中島常幸8位(1986)、伊沢利光4位(2001)、片山晋呉4位(2009)、松山英樹5位(2015)の4回だけ。いずれも結果的に上位にきただけで、優勝争いに絡んだわけではない。
今年は違う。
初めての優勝争いだし、優勝してもおかしくないだけの実力もある。
早朝4時、テレビのスイッチを入れると、2番のバーディパットのシーンが映し出された。
1番のボギーをすかさず取り返すバーディ。
思わず声が出た。
よかったのはそこまでだった。
そのあと、ボギー、ボギー、ダブルボギーで、あっという間に優勝戦線から離脱してしまった。
あまりにも早すぎる。
トップのジョーダン・スピースは順調にスコアを伸ばし、松山が優勝できる可能性は早々と無くなった。
がっかりして、テレビを消した。
朝食を取り、風呂に入って、再びテレビのスイッチを入れたのは、朝の7時。
目を疑った。
独走態勢だったジョーダン・スピースが、12番のパー3で大たたきして、トップから脱落していた。
終わったと思った松山はイーブンパーまでスコアを戻していた。
もしかして・・・と思ったが、そこからスコアが伸びなかった。
結局、イギリスのダニー・ウィレットが5アンダーでメジャー初優勝。
連覇を狙ったジョーダン・スピースは2アンダーの2位。
松山はイーブンパーの7位だった。
いつかは勝てる逸材である。
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