ジャンプ男子ラージヒルで、41歳の葛西紀明が銀メダルを獲得した。
身体を深く前傾させる空中姿勢は、テレビのアクションヒーローのようなカッコよさがある。
葛西のジャンプは最後から2番目、プレッシャーのかかる位置だ。
日本人はこういうプレッシャーに弱い。
オリンピック7回出場のベテランはまったく動じることなく、ベストパフォーマンスを演じた。
それはとても感動的な姿で、メダルの色はどうでもよかった。
アルベールオリンピックで、伊藤みどりがトリプルアクセルを成功させたとき、とても感動した。
解説者は、「伊藤みどりはトリプルアクセルを飛びたかった」のだと言った。
スポーツの感動はメダルの色ではなく、アスリートとしての純粋性にあるように思えた。
どうも最近は、メダル至上主義的でよくない。
選手のほうもマスコミなれして、妙にチャラチャラしている。
フィギュアスケートで金メダルを獲った羽生も雄弁だ。
若いのに、金メダルの商業的価値を理解している。なんだか気持ち悪い。
それに比べると、葛西にはアスリートとしての純粋性がある。
金メダルは競技を続けるための口実のようなものだ。
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