読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

小説新潮7月号

2007-06-24 21:38:27 | 読んだ
今月の小説新潮は「人情紙風船」という特集と、第20回山本周五郎の発表である。

とはいいながら、まずはやっぱり連載ものを読んだ。

「警官の血」佐々木譲

今最も気になっている小説である。親子3代の警察官。それぞれがそれぞれの任務を真面目に遂行するのだが、その<真面目>ということがいい面と悪い面とがあり、それが物語の核ともなっているようなのだが・・・
祖父と父は殉職、3代目の安城和也は、捜査4課係長の加賀谷警部の部下となったが、それは警察内部の腐敗を糺すため(もしかしたら権力争い)であった。

加賀谷は、あのハゲタカ刑事・禿富鷹秋を気取っているようなセコイ奴みたいである。和也はついに加賀谷の尻尾をつかむのだが、その代償には・・・

今月号は一つの山場であった。
さて、安城家3代のナゾはどうなっているのか、乞うご期待、なのである。

「ソロモンの偽証」宮部みゆき

これは長い連載である。中学校におきた事件、自殺なのか他殺なのかをめぐって学校・父兄が騒動となるが、曖昧な解決に中学生たちが問題をもう一度考えようと「裁判」を始めようとする。

中学生たちが大人びていてなんだかちょいと「気持ち悪い」部分があるが、物語の筋はおもしろい。どう展開していくのか想像もつかないし楽しみでもある。

このほかは「盤上の人生」河口俊彦を読んだ。
ちなみに今月号は「内藤國雄」がである。

これからもっと読んでいくのであるが、楽しみは
宇江佐真理「恩返し-深川にゃんにゃん横丁」
乃南アサ「明日は我が身の刑法入門」
西村京太郎「阿蘇・ねずみを殺せ」(第2回)
柴門ふみ「恋のタネ」
である。

そういえば「女による女のためのR-18文学賞」の受賞第1作
三日月拓「葬儀のあと」
石田瀬々「7月のつむじ」
が掲載されているが、この文学賞の受賞作で面白いものはあまりなかったので、世もうかどうか迷っているのである。


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