村上春樹の短編小説が先月号(2013年12月号)から文芸春秋に掲載されている。
前月号の「ドライブ・マイ・カー」はあまり面白くなかった。
題名からして、ビートルズの歌にちなんで連載されて行くものだと思うが・・・
ドライブ・マイ・カーの主人公は、熟年であった。
ゆえにちょいと落ち着きすぎた物語になってしまった。
今回の「イエスタデイ」は青春の物語である。
登場人物が、その後に出会うのが16年後であるから、その後が現代であるとしたら16年前になるのだが・・・
16年前の若者がこんなに思慮深いとは考えられない。
どちらかといえば私たち世代から上の人たちの考え方ではないかと思うのだが・・・
物語は、主人公が芦屋から早稲田大学に入り2年生の時、バイト先で出会った木樽という同い年の浪人生と出会ったことから始まる。
木樽は田園調布に住み、東京生まれ東京育ちなのに、阪神タイガースのファンというだけで、後天的に正当な関西弁を話す。
彼の考え方は、我々の青春時代にはよくあった考え方で、シニカルなことを十分自覚しているくせに自分の考え方こそ正当である、と突っ張るものである。
で、われわれはその考え方をどこかであっさりと捨ててしまって、今日に至っているのだが、木樽は多分今でも「俺の考えかたは世の中で唯一正しい」と思っているに違いない。
そういう奴は面倒くさいけれど、一度はじっくりとつきあってしまうのだ。
主人公も、青春の一時期、深くつきあってしまう。
そして、能動的ではなかったものの、木樽とその彼女の生き方も変えてしまう。
こういう物語好きなのだ。
村上春樹の物語に登場する主人公は基本的に「受動的」である。
しかし、受動的なことは能動的なのである。
このあたりは、いわば「色即是空、空即是色」なものなのだろう。
久々の村上春樹であった。
「1Q84」を読もうと思っているのだが、村上春樹を読むのにはたっぷりの時間と体力が必要なので、なかなか挑めないでいる。
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前月号の「ドライブ・マイ・カー」はあまり面白くなかった。
題名からして、ビートルズの歌にちなんで連載されて行くものだと思うが・・・
ドライブ・マイ・カーの主人公は、熟年であった。
ゆえにちょいと落ち着きすぎた物語になってしまった。
今回の「イエスタデイ」は青春の物語である。
登場人物が、その後に出会うのが16年後であるから、その後が現代であるとしたら16年前になるのだが・・・
16年前の若者がこんなに思慮深いとは考えられない。
どちらかといえば私たち世代から上の人たちの考え方ではないかと思うのだが・・・
物語は、主人公が芦屋から早稲田大学に入り2年生の時、バイト先で出会った木樽という同い年の浪人生と出会ったことから始まる。
木樽は田園調布に住み、東京生まれ東京育ちなのに、阪神タイガースのファンというだけで、後天的に正当な関西弁を話す。
彼の考え方は、我々の青春時代にはよくあった考え方で、シニカルなことを十分自覚しているくせに自分の考え方こそ正当である、と突っ張るものである。
で、われわれはその考え方をどこかであっさりと捨ててしまって、今日に至っているのだが、木樽は多分今でも「俺の考えかたは世の中で唯一正しい」と思っているに違いない。
そういう奴は面倒くさいけれど、一度はじっくりとつきあってしまうのだ。
主人公も、青春の一時期、深くつきあってしまう。
そして、能動的ではなかったものの、木樽とその彼女の生き方も変えてしまう。
こういう物語好きなのだ。
村上春樹の物語に登場する主人公は基本的に「受動的」である。
しかし、受動的なことは能動的なのである。
このあたりは、いわば「色即是空、空即是色」なものなのだろう。
久々の村上春樹であった。
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