読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

明日、悲別で 富良野GROUP公演2012夏 作・演出 倉本聰

2012-07-25 23:14:40 | 観た、聴いた
昨日(24日)、富良野GROUP公演2012夏の「明日、悲別で」を観た。

暗闇と光と音の演劇、という感想である。

田舎での演劇、であるからにして、老若男女が楽しめるわかりやすい演劇、ではない。

私もこれほどの演劇であるとは思っていなかった。
まあ、吉本新喜劇のようなものではないだろうが、舞台は明るく、背景も主張も明確なものであろう、なんて思っていた。

なにしろ、演劇というのはよくて素人に

毛が生えたようなものしか見たことがないのである。

それが、なんというか一気に本格的な演劇を観たのである。
(何が本格的な演劇なのかもよくわかっていないのだが・・・)

舞台装置は、見ようによってはいろいろなもの見える。
それは、光と音が、教えてくれる。
例えば、列車だったり、坑道の入り口だったり、いろいろである。

そんなところから感心してしまう。

演劇を見て「想像する」ということは今まで思ったこともないのである。

この「明日、悲別で」は、昔「昨日、悲別で」というテレビドラマの続編のようなものだろうなあ、と思っていた。
でも、登場する人たちは全然違っていて、架空の町「悲別」という舞台だけが一緒だった。
その後、ネットで検索したら、「昨日、悲別で」から「今日、悲別で」ときて「明日、悲別で」となる、3部作だった。

物語は、20年前、悲別の炭鉱で働く若者たちが、離れ離れになるときに、20年後第1坑道に埋めてあるという「タイムカプセル」を明けに集まろう、ということから始まる。

そして20年後、それは2011年12月。
つまり3.14の東日本大震災の後なのである。

福島の原発事故の影響、これまで生きてきたなかでのそれぞれの立場が違ってきている中、旧坑道に「希望」が入っているというタイムカプセルを探しに入る3人、しかしあと少しというところで落盤。

さて、どうなるのか。

「希望」というのは何か?
今我々が持つべき希望とは何か?

演劇というのは、誰かが何かを演じて、人を感動させる。
くらいの感覚しかなかったのだが、光や音、舞台装置といったもの、そして役者たちの動き、そういったものすべてが演劇なんだということを初めて知ったのである。

でも、こういう演劇って見ていて感動するけれど疲れるね。

追伸
作・演出の倉本聰氏がカーテンコールで出てきた。そうしたら私の座っていた席の2つ後ろで観てたらしい。びっくりしてしまった。

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