読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

もっと、わたしを 平安寿子 幻冬舎文庫

2011-03-31 22:32:16 | 読んだ
まだまだ落ち着いたわけではないのだが、そして私の周囲ではまだまだ本を読むことなど出来ない状況である人が多いことも知っているのだが、本の感想です。

この本は、11日の東京出張にもっていったもの。
なにかのおりにチョイト取り出して読もう!と思っていた。

あの地震の後は「待ち時間」が多いので、読もうと思えば読めたのだが、結局読むことが出来なかった。

で、帰ってきてから、何かの救いのようにこの本を少しづつ読んでいたのである。
勿論、読む時間など取れるわけもなかったのだが、眠る前やトイレなどで読んでいた。

さて、この本には五つの物語が収められている。

「いけないあなた」
「ノー・プロブレム」
「なりゆきくん」
「愛はちょっとだけ」
「涙を飾って」

いずれも、恋愛に臆病というか不器用な人が主人公である。

それで、不器用でも臆病でも、一生懸命人を愛そうとしている。

この「愛している」ではなく「愛そうとしている」というところがいい。
『いい』というのは、共感するというか共鳴するというか、親しみがもてるのである。

それと主人公達は、自問自答を繰り返している。
この、自問自答を繰り返すというのは「生きている」ということなのではないかと思うのである。

というものの、平安寿子の小説である。
暗くなくじめじめしてもいない。

こういう時期にこの物語に出会ったのも「縁」である。

裏カバーには

「イケてない5人5様の人生を、優しさとユーモアで描き出す、著者真骨頂の傑作リレー小説」

とある。

まったくそのとおりである。
ぜひご一読を。


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