読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

くうねるところすむところ 平安寿子 文春文庫

2008-05-15 22:14:26 | 読んだ
平安寿子の小説は「オモシロイ」
なかなか読む機会がなくてというか「文庫本」が見当たらなかったり、読みたいという気持ちがないときに出会ったりしていたのである。

この本は、新聞に文庫本の広告を見たときから「読みたい」と思っていたもので、早速買ってきて読んだら、これが「大正解」であった。
「オモシロイ」のである。

文庫本の帯には

それは人生そのものなのだ!
一目ぼれした男を追いかけて
土建屋の世界に飛び込んだ理央、30歳
でも知らなかった、
家を建てるのが
こんなにも興奮することだなんて!


この物語の主人公は二人いる。
一人は帯にも書いてある「山根理央」30歳。
そしてもう一人は「鍵山郷子」47歳。

物語は
その1からその5まで5話連作という形である。
で、1・3・5が理央が主人公、2と4が郷子が主人公である。

理央は小さな求人雑誌の副編集長、編集長の五郎は不倫相手でもある。
五郎との仲そして仕事にも行き詰った30歳の誕生日、一人で酒を飲み、気づいたら工事現場の足場を登り降りられなくなっていた。

というところから物語は始まる。

理央は工事現場で助けてくれた徹男に一目ぼれ。そして求人雑誌の仕事をしているのがイヤになりやめることにした。

郷子は、鍵山工務店の一人娘で、婿をとり社長夫人であった。
しかし、夫の浮気で離婚、工務店の社長をしなければならないことになった。

理央は家を建てることにこれからの生涯をかけたいと思っている。一方郷子は何とかこの仕事をやめたいと思っている。
この二人が出会い、仕事をしているうちにイロイロな出来事が起きて、そして最後には・・・

家を作る、ということについて施主側の思いと工務店(大工)側の思いの食い違い、それはどちらが悪いということではないだけに、難しい問題となる。
しかし出来上がったときの感動は、同じなのである。

テンポよく物語りは進み、それなのに細かな描写もしっかりしている。
一気に読んでしまった。

お勧めの小説である。

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コメント (2)
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