尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

免許更新制度の問題点②

2011年03月27日 20時23分59秒 |  〃 (教員免許更新制)
 教員免許更新制度の中でも、とりわけおかしいと思う点は、講習を免除されている教員がいるということです。文部科学省のサイトで確認すると、ちょっと面倒くさいけど、以下の通り。

 教員を指導する立場にある者
•校長(園長)、副校長(副園長)、教頭、主幹教諭または指導教諭
•教育長、指導主事、社会教育主事、その他教育委員会において学校教育又は社会教育に関する指導等を行う者
•免許状更新講習の講師となっている者 など
 優秀教員表彰者 
 文部科学大臣、教育委員会などから、各教科の指導法または生徒指導その他その者の所持する免許状に関係する知識技能が優秀であることについて表彰を受けたことのある者のことです。
 
 これは非常に不思議な決まりです。教員を指導するべき校長の方が「教育の最新事情」に通じているべきだから、講習を受けるべきだという考え方もあるでしょう。
 一方、校長は講習を受けなくても「教員の最新事情」を理解しているというのなら、校長は「教員を指導すべき立場にある」のだから、その校長が校内で教員を指導すればあえて大学等で講習を受ける必要もないはずではないでしょうか。

 ここに見られるのは、校内で働く教員を、更新講習を免除されるもの、免除されないものに分断するという意思です。
 つまり、教員の世界を「身分社会」に変えていくという強い考えです。

 普通の教員は自費で数万円を払い、夏休みや土日に講習を受けなければ失職します。
 一方、先に挙げたそれぞれの教員は、講習を受けなくても更新されます。

 これを「身分制度」と言わずして、何と呼ぶべきでしょう。

 そして、これが教育に悪影響をもたらすのは、言うまでもないでしょう。
 早く「出世」したり、文科省や教委に表彰されることを考えるようになるだろうからです。

 第1回の今年に関しては、制度廃止の予想もあったので、まあ免除申請したとしてもいいでしょう。
 しかし来年からは、多くの現場教員が講習を受けているのに、平気で免除申請するような人は、僕は教師として認めないことにしようと思います。

 そんなアパルトヘイト体制下の「名誉白人」を喜ぶような人は、教師とは言えない。
 僕はそう思っているのですが。
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2 コメント

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Unknown (呉一郎)
2011-03-28 13:03:34
学校は会社じゃない!

はい、最近強く思うことをとりあえず呟いてみました。
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◆差別・分断 (松崎@大阪)
2011-03-28 23:10:43
◆この制度が許せない点、
   不当で醜いポイントの1つが
   この分断ですね。
◆教委・校長らへの
   従順度で給与・賃金差別を進め
   免許更新制度でもまた、
   身分差別~分断を強めていく。
◆ホントに許せん!
返信する

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