伊東温泉への旅行の話2回目。東海館からアーケードのある「キネマ通り」を通って、ブラブラと宿に向かう。お土産屋、和菓子屋が多いが、シャッター街とも言える。宿泊する大東館は伊豆急線沿いに南方向にあり、「ラフォーレ」「界」なんかの高そうな宿を通り過ぎると、「お風呂ずきの宿大東館」という案内が電柱に出てきた。結構大きな宿だが、ここは夕食を廃止して「宿泊と朝食のみ」に特化している。風呂は6つあって、源泉掛け流し。貸切風呂が3つあり無料で入れる。鍵を掛けると使用中のランプが点くので、点いてなければ自由に入れる。料金は金曜だと7500円ほどという安さ。
(部屋から市街を望む)
大東館は温泉本で知って一度行きたいと思っていた。豪華な夕食も飽きてるから、こういうコンセプトの宿もいい。シティホテルならB&B(ベッド&ブレックファスト、一泊朝食付の宿)に何度も泊まってるが、温泉旅館では初めて。まずはお風呂に行こう。防空壕を通っていく「五右衛門風呂」が空いてたので、まず行ってみた。防空壕が暗くて、結構長い。途中で曲がってて、どこにあるんだという頃に出て来た。扉を開けるとムッと熱い。五右衛門風呂というけど、大きな釜風呂が二つあるもの。結構熱いけど、かき回して下げる。浸かるとお湯が溢れてうれしい。肌はツルツルになるし、これは一番良い風呂だった。
(防空壕)
ただ大浴場(二つあり、時間制で男女交代)の「京の湯」に塩素臭があったのが残念だった。(もう一つの「流れ湯」も塩素臭がしたという。)朝は消えていたから、立ち寄り客もいる早い時間帯は殺菌しているのかも。(あるいは地元の決まりの場合もある。)五右衛門風呂や外にある露天風呂では感じなかったから、大浴場だけなのか。ホームページには「源泉3本を有し、毎分297リットル湧き出し」と書かれている。「客室のお風呂を始め、全てのお風呂は加水、循環式、濾過(ろか)装置のない源泉100パーセント掛け流しの本当の温泉」だと明記してるが…。客室も温泉だというから夜に入ってみた。
夕食をどうするか。何を持ち込んでも良く、電子レンジもある。だから雨の日なんかは「コンビニ弁当」でもいいか。夏冬だと外に出たくないかもしれない。泊まった日は暑くも寒くもなく、気持ち良い日だった。お薦めの店はホームページにも出ていて、宿で地図も配ってる。せっかく伊豆に来たから地魚の刺身でお酒でも…とは思わず、まあそれでもいいんだけどイタリアンなんかの方が好きなのである。ところが目指したお店を見つけたら、なんか地元客で盛り上がってる気配。中の様子も判らず入りにくい。じゃあ、紹介されてるお蕎麦屋を見に行ったら、今度はガラガラで入りづらい。
結局近くに見えてたココスにしちゃおうか。何も伊東に来てファミレスに入らなくてもと思うけど、ここはほぼ満員。金曜夜に家族や仲間で集まる貴重な社会インフラだ。しかも驚きの展開が…。今までは「お好きな席に」と言われたけど、ここは「指定席」なのだ。銀行の順番を取るような機械をタッチすると、出て来た番号の席に座るのである。そして、そこでタッチパネルで注文する。それはまあ最近よくあるが、ここでは何と出来た料理をロボットが配膳するのである。えっ、今はそうなってんの? まあこれはこれで気楽だが、ロボットが運べるサイズの料理になっている気もした。
(小川布袋の湯)
食べ終わるとすっかり真っ暗。実は宿に近いからココスも便利だったのである。安く上がったし。伊東温泉はあちこちに共同湯があって、宿の隣にも「小川布袋の湯」というのがあった。時間が16時から21時と短い。300円払えば誰でも入れる。帰りにちょっと寄ってみたら、これが適温で極楽の湯だった。しかし、地元客が引っ切りなしで、すぐに引き揚げてきた。
さて、困ったのが寝具である。今はずいぶん変わってきたけど、ここはまだ古くて掛け布団が重いのである。もう五月下旬なんだから、暑くて寝られない。今は家ではもっと軽い布団で寝てる人が多いだろう。これじゃ苦しいです。でも布団なしでは寒いし、困ったなあと思いつつ、いつの間にか寝てしまった。翌朝の朝食は簡素ながらも、なかなか充実していて美味しかった。全体として気持ち良く泊まれる温泉宿だったけど、世に完璧な宿はないものだなあと思った。
次の日、駅に向かう途中で急階段の神社(松原八幡神社)があった。車道もあったのでちょっと登ってみる。そうしたら謎の廃墟があるじゃないか。まあつぶれたホテルなんだろうけど、この廃墟感は今まで見た中で最高レベル。ギリシャ神殿の遺跡かと思うような光景が見えている。帰ってから検索してみたが、よく判らなかった(伊東は廃墟旅館が多いようで)。
(廃墟ホテル?)
東海館のお風呂(11時から)に入る前に、小室山に行ってみた。大室山には昔行ったことがあるが、小室山ってどこだ? 川奈ホテルの真上あたりにあるちょっとした山で、2021年に山頂をグルッと回れる「小室山リッジウォーク“MISORA”」というのが出来て大人気らしい。専用リフトがあって簡単に登れる。(徒歩でも行ける。)バスがなかなか来ないから、ついタクシーで行ってしまった。昨日夕食でお金使わなかったら、まあいいか的発想だが、これが大失敗。土曜日だからてっきり朝早くから動いてるに違いないと思ったら、リフトは朝9時半からなのである。だからバスも遅いのに、うっかり9時過ぎに着いちゃったじゃないか。
(リフトを望む)
行った日は曇り空の涼しい感じの日だった。晴れわたった青空の日でなら海も青く、多分もっと素晴らしいだろう。伊豆大島もすぐそばに見える。下は川奈ホテルのゴルフ場だろうが、山頂一望の遊歩道がすごい。ひたち海浜公園のネモフィラじゃないけど、こうした解放感あふれる光景が「インスタ映え」するんだろう。団体客がゾロゾロやって来ていた。カフェもあって人気らしい。
バスで戻って港の方まで歩いたら、釣りをしてる人がたくさんいた。海辺に記念碑や彫刻が多いが、もう写真は撮らなかった。東海館の風呂に入って、真ん前のイタリアンで早めの昼食。熱海まで「黒船電車」で行き、熱海からは上野まで普通電車に寝ながら帰ってきた、伊東温泉は湯量が多いようで、町歩きも面白かった。熱海も面白そうな宿がいろいろあるし、この辺りならすぐに行けて良さそうだ。
(部屋から市街を望む)
大東館は温泉本で知って一度行きたいと思っていた。豪華な夕食も飽きてるから、こういうコンセプトの宿もいい。シティホテルならB&B(ベッド&ブレックファスト、一泊朝食付の宿)に何度も泊まってるが、温泉旅館では初めて。まずはお風呂に行こう。防空壕を通っていく「五右衛門風呂」が空いてたので、まず行ってみた。防空壕が暗くて、結構長い。途中で曲がってて、どこにあるんだという頃に出て来た。扉を開けるとムッと熱い。五右衛門風呂というけど、大きな釜風呂が二つあるもの。結構熱いけど、かき回して下げる。浸かるとお湯が溢れてうれしい。肌はツルツルになるし、これは一番良い風呂だった。
(防空壕)
ただ大浴場(二つあり、時間制で男女交代)の「京の湯」に塩素臭があったのが残念だった。(もう一つの「流れ湯」も塩素臭がしたという。)朝は消えていたから、立ち寄り客もいる早い時間帯は殺菌しているのかも。(あるいは地元の決まりの場合もある。)五右衛門風呂や外にある露天風呂では感じなかったから、大浴場だけなのか。ホームページには「源泉3本を有し、毎分297リットル湧き出し」と書かれている。「客室のお風呂を始め、全てのお風呂は加水、循環式、濾過(ろか)装置のない源泉100パーセント掛け流しの本当の温泉」だと明記してるが…。客室も温泉だというから夜に入ってみた。
夕食をどうするか。何を持ち込んでも良く、電子レンジもある。だから雨の日なんかは「コンビニ弁当」でもいいか。夏冬だと外に出たくないかもしれない。泊まった日は暑くも寒くもなく、気持ち良い日だった。お薦めの店はホームページにも出ていて、宿で地図も配ってる。せっかく伊豆に来たから地魚の刺身でお酒でも…とは思わず、まあそれでもいいんだけどイタリアンなんかの方が好きなのである。ところが目指したお店を見つけたら、なんか地元客で盛り上がってる気配。中の様子も判らず入りにくい。じゃあ、紹介されてるお蕎麦屋を見に行ったら、今度はガラガラで入りづらい。
結局近くに見えてたココスにしちゃおうか。何も伊東に来てファミレスに入らなくてもと思うけど、ここはほぼ満員。金曜夜に家族や仲間で集まる貴重な社会インフラだ。しかも驚きの展開が…。今までは「お好きな席に」と言われたけど、ここは「指定席」なのだ。銀行の順番を取るような機械をタッチすると、出て来た番号の席に座るのである。そして、そこでタッチパネルで注文する。それはまあ最近よくあるが、ここでは何と出来た料理をロボットが配膳するのである。えっ、今はそうなってんの? まあこれはこれで気楽だが、ロボットが運べるサイズの料理になっている気もした。
(小川布袋の湯)
食べ終わるとすっかり真っ暗。実は宿に近いからココスも便利だったのである。安く上がったし。伊東温泉はあちこちに共同湯があって、宿の隣にも「小川布袋の湯」というのがあった。時間が16時から21時と短い。300円払えば誰でも入れる。帰りにちょっと寄ってみたら、これが適温で極楽の湯だった。しかし、地元客が引っ切りなしで、すぐに引き揚げてきた。
さて、困ったのが寝具である。今はずいぶん変わってきたけど、ここはまだ古くて掛け布団が重いのである。もう五月下旬なんだから、暑くて寝られない。今は家ではもっと軽い布団で寝てる人が多いだろう。これじゃ苦しいです。でも布団なしでは寒いし、困ったなあと思いつつ、いつの間にか寝てしまった。翌朝の朝食は簡素ながらも、なかなか充実していて美味しかった。全体として気持ち良く泊まれる温泉宿だったけど、世に完璧な宿はないものだなあと思った。
次の日、駅に向かう途中で急階段の神社(松原八幡神社)があった。車道もあったのでちょっと登ってみる。そうしたら謎の廃墟があるじゃないか。まあつぶれたホテルなんだろうけど、この廃墟感は今まで見た中で最高レベル。ギリシャ神殿の遺跡かと思うような光景が見えている。帰ってから検索してみたが、よく判らなかった(伊東は廃墟旅館が多いようで)。
(廃墟ホテル?)
東海館のお風呂(11時から)に入る前に、小室山に行ってみた。大室山には昔行ったことがあるが、小室山ってどこだ? 川奈ホテルの真上あたりにあるちょっとした山で、2021年に山頂をグルッと回れる「小室山リッジウォーク“MISORA”」というのが出来て大人気らしい。専用リフトがあって簡単に登れる。(徒歩でも行ける。)バスがなかなか来ないから、ついタクシーで行ってしまった。昨日夕食でお金使わなかったら、まあいいか的発想だが、これが大失敗。土曜日だからてっきり朝早くから動いてるに違いないと思ったら、リフトは朝9時半からなのである。だからバスも遅いのに、うっかり9時過ぎに着いちゃったじゃないか。
(リフトを望む)
行った日は曇り空の涼しい感じの日だった。晴れわたった青空の日でなら海も青く、多分もっと素晴らしいだろう。伊豆大島もすぐそばに見える。下は川奈ホテルのゴルフ場だろうが、山頂一望の遊歩道がすごい。ひたち海浜公園のネモフィラじゃないけど、こうした解放感あふれる光景が「インスタ映え」するんだろう。団体客がゾロゾロやって来ていた。カフェもあって人気らしい。
バスで戻って港の方まで歩いたら、釣りをしてる人がたくさんいた。海辺に記念碑や彫刻が多いが、もう写真は撮らなかった。東海館の風呂に入って、真ん前のイタリアンで早めの昼食。熱海まで「黒船電車」で行き、熱海からは上野まで普通電車に寝ながら帰ってきた、伊東温泉は湯量が多いようで、町歩きも面白かった。熱海も面白そうな宿がいろいろあるし、この辺りならすぐに行けて良さそうだ。