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フリーター等の経験能力を適切に評価するための「経験能力評価基準」

2007年09月28日 | 雇用関連
「経験能力評価基準」のポイント>
○ 一般的な「成果」につながり得る「職務行動」を抽出、整序
・アルバイト等の職業経験により培われた職業能力(以下「経験能力」という。)を、客観的に把握・評価できるよう、具体的な「職務行動」の形で抽出。抽出した職務行動を、更に、事業主の求めるニーズや、一般職務における成果につながる行動特性(コンピテンシー)の観点を踏まえて整序し、「経験能力評価基準」としてまとめた。
○ フリーター等の職務実態を踏まえて検討
・経験能力(職務行動)の抽出、整序に当たっては、フリーター等を多数雇用しているコンビニエンスストア業の関係者からなる委員会(コンビニエンスストア業における職業能力評価基準の作成を進めている「包括的職業能力評価制度整備委員会(コンビニエンスストア業)」(座長:上原 征彦 明治大学大学院グローバルビジネス研究科教授(中央職業能力開発協会において、日本フランチャイズチェーン協会の協力を得て、コンビニエンスストア業各社を参集)))において、各種業界への企業調査も行いつつ、検討を重ねた。また、これと並行して、ハローワーク等の職員を交えた活用検討会を参集し、求人・求職の場面での活用促進にも配慮して作成した。
○ 職業経験の積み重ねに応じて職務行動を段階的に配列
(1)自らの働く意識を形成する段階
→I「働く意識と取組」 II「責任感」
(2)他者との関係の中で職務を行うために必要な能力を形成する段階
→III「ビジネスマナー」 IV「コミュニケーション」 V「チームワーク」
(3)職務への取組をさらに発展したものとするために必要な能力を形成する段階
→VI「チャレンジ意欲」 VII「考える力」
(4)さらに専門的な職業能力を形成する段階
→VIII「自己調整力」   IX「専門性」   の計9区分に分類。
○ 評価シートのほか判定目安表をあわせて作成
・ 求人・求職の場面での活用促進が図られるよう、「経験能力評価基準(基準シート)」に加えて、下記【参考】のとおり、各利用者のニーズに応じた評価シートを作成するとともに、経験能力の程度を診断・判定しやすくするための「判定目安表」をあわせて作成した。
○ 様々な場面において活用が可能
・〈アルバイト等を行う若年者〉・・・具体的な職務行動で記述された本基準と自分自身の職業経験とを照らし合わせることで、職業経験の中において経験能力の向上を図る意識付け及び目安になり、また、転職等を考える際には自らの経験に基づく職業能力を確認・主張するためのツールとなる。
・〈求人企業〉・・・具体的な職務行動(行動特性)を指標としていることから、若年者の職業能力を具体的に評価するための活用しやすい基準となるとともに、当該若年者とその能力について確認しあう共通の指標(共通言語)とすることができる。
・〈アルバイト等雇用企業〉・・・経験能力の向上を図るためのOJTの目安となりうる。また、「経験能力(上司アドバイスシート)」の活用により、アルバイト等雇用企業から若年者に対して、キャリア形成のための支援を行うことができる。
・〈ハローワーク等〉・・・この基準を媒介にして、若年者はハローワーク等で活用できる。また、今後のジョブ・カード制度においても、綿密なキャリアコンサルティングの実施に活用できる。
<周知及び今後の展開について>
○ ホームページでの公開
・経験能力評価基準は、広く事業主、若年者等が閲覧・活用できるよう厚生労働省ホームページに公開することとし、基準とともに活用シート、判定目安表、記載例、活用方法(説明)もあわせて掲載し、活用促進を図る。
○ 事業主団体等への活用依頼
・また、改正雇用対策法の施行にあわせ、事業主団体等に活用を呼びかけるとともに、ハローワークにおける職業相談等においても、利用者のニーズに応じて活用を図ることとする。
○ 利用者の意見を踏まえて逐次更新
・こうした経験能力の評価基準は、「初めての取組」であり、若年者が職業経験を職業キャリア形成に的確に位置づけていけるよう、利用者である若年者や事業主等の幅広い意見に基づき、よりよいものとしながらさらなる活用を図っていくこととし、具体的には、厚生労働省ホームページに専用アドレスを設定して、若年者及び事業主など利用者の方々の意見を募集することとする。

フリーター等の経験能力を適切に評価するための「経験能力評価基準」

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