チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 353

2020年07月17日 08時24分02秒 | 日記

東京は寒い日が続いている

農業の方たちは野菜の生育が心配でしょう

さて昨日、着物選びに苦慮した、初めてのことだけど三回も着替えてしまった

昨日も寒かった

そのためまず「今日は単衣だね」と単衣綸子に迷わず手を通したところ「あつい」なんだか肌にねっとりとまとわりつく布をうっとうしいと感じた

あわてて今度は「絹縮」を取り出しこれならいいだろうと肩に羽織ったらべとついた感じ

ええーと今度は「立て絽」を身に付ける、肌が「良し」という

帯は紗は寒く絽縮緬にするとこれたきものが「良し」という

 

こんな感じは着物を長く着ているのに初めて

つまり頭が気温で着物を選んだのだけど肌はそれについてこないということ

それは梅雨の気温はいくら低くても湿気があるということを忘れていたのだ

乾燥したときの20度と湿気のある時の20度は絶対に肌感覚が違う

そういうことも計算された立て絽だったり絽縮緬だったりするのかと先人たちの知恵に深く驚く

下着はすべて夏の薄物

 

そして昨日は若い大学生のお嬢さんたちと一緒に歩くのだから、彼女たちが着物に興味を持ってくれるように、という気持ちも動き、単衣も絹縮も着物は宇宙柄でUFOなどが飛んでいたり、星がきらめいているものにしたのだが肌が許さなかった

そして立て絽は明るいグレーの地色に白の大小あられというシンプルなもの、いつもは抱月百合の絽縮緬帯を合わせているが、そのお嬢さんたちを意識してお太鼓が海原、前がいるかの柄の絽縮緬にした

これがよかった

着物を画一的なものと感じていたのに「こんな面白い柄を帯にしてもいいんですね」と彼女たちの心が着物にぐっと近づいた一日だった(作戦成功!いるかちゃんおおきに)

 

着物の柄は自由に描くことが出来るので楽しい、形が一定なので色や柄で個性が出せるので面白いわよと彼女たちの氣をそそる

着物の値段のありようを論文にするのだが、彼女たちが着物に対する関心度が高くなり、個人の欲求も入って質問に幅が出てくる。そうすると質問を受けている店主の舌も滑らかになり、通常聞けない値段のからくりにまで話が及ぶ

着物を見たいという彼女たちの希望(ほとんど個人欲求だね)もあり

夏の着物のコーデいネートに入って現実に値段が示されると目つきがきらめいてくる

 

帰りの道すがら「あの値段で着物を着られるのなら、ちょっと頑張れば私にも着物が買えるかもしれない」と頬を紅潮さいる。可愛い(しめしめ)

「さあ着物に愛をもって論文書きあげてね」

「ハイ 今日は本当にありがとうございました」と満面の笑で美しいお辞儀をして去って行った

「幸せなひとときをありがとう」と後ろ姿につぶやいたチャ子ちゃん先生

 

 


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