門松

毎日熊野神社にお参りしてその境内で門松作りの仕事ぶりを眺めている
まるで小学生に戻ったような好奇心をいっぱい持ってーー

竹を切る砂を運んでくる黒松を切りそろえる
おなじ大きさの桶を注文の数だけ揃える
麻の縄を準備する
藁のシートを作る

そうして下ごしらえの準備をしたら
いよいよ作業に入る
桶に砂をいっぱい入れて土台を作る
その砂の上に竹を埋め込む
その竹は天頂を三角に鋭くそいで
そこにできた白部分に笑っている顔を作るために穴を空ける

その竹がそろって並んでいると子供達が可愛い口を開けて合唱をしているようだ
実に平和な気分になる
竹が三本「天・地・人」三位一体
その周りにクロマツのは葉枝が植え込まれる

黒く染めた麻縄しっかりと固定をする
此の麻は大麻だ神事には欠かせない清浄な大麻の繊維

その後は桶を藁で化粧をし
麻縄で梅の花を形どって飾りに
もう一週間になるけどまだ完成までには至っていない

こうして一つ一つ手仕事で作っていく
秋櫻舎の面々があこがれている「頭」が先導して作っている
それを飽きもせず眺めているチャコちゃん先生
歓迎をしてくれているのだが決して話しかけてはくれない
ひたすら寡黙

ときどき質問すると応えてはくれるがーー

ここで作られて門松を立てられるお家はなんと幸せ