チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

文月(ふづき)

2022年07月01日 08時29分01秒 | 日記
今年は夏本番が6月後半から始まってしまった
来週は「戻り梅雨」というのがあるらしい
気候や自然災害は今はもう人工的に起こされているという話をよく聞く
たとえ人工的であっても、起きたことは現実、現実を直視するしかない
「炎暑のみぎり」なんて言葉を聞かなくなって久しいなあ
「文」を書かないから時候の挨拶語は死語になっているやも

七月は「文月」ふみづきと読む人も多い
しかしチャ子ちゃん先生は先輩たちに「ふづき」と教わった
暑中見舞いや暑気払いなどの文が届くのはこの季節

中学や高校で「書」の講義が無くなって、ボールペン全盛の今はマールい可愛い字を書く人が多くなった。そういう字を見ても今は誰も何も言わない

怖かったよ50年前は(たったの五十年)
携帯電話などなく、電話で約束を取るなんてこんな無礼なことはないとされていた
取材したい相手に礼節をわきまえた文章で手紙を出し、返信のはがきを入れて約束をさせていただいた、もちろん二回目からは電話で平気

玄関に入る前に身を整え深呼吸をしてベルを押す
スーツなどをきてキチンとした風情を醸し出す
通されたら迷わず下座に座る、勧められるまで座布団の上には座らない
洋間だったら足は絶対に組まない、深く座らない

手土産は包みから出して、洋間の場合は机の端、日本間の場合は畳の上に差し出す。口上は「お口に合うかどうかわかりませんが召し上がってください」
「つまらないものですが」
と差し出したら
「つまらないものならい頂かないよ」と返されたという話を聞いたことが在る

でも
あっという間に取材する人の態度が粗野で傲慢になり、それと同時に人間そのものが下品になっていった気がする

日本人の社交術も変わった



コメント
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