WE421Aは、Western Electric製双3極管で、1本でプッシュプル構成が出来る事と、本来整流用なので内部抵抗が低い事が特徴です。隠れた銘球とも言われています。また中古市場でもWE出力管としては比較的良心的な取引価格と思います。同等管としてTUNG SOLの5998が有ります。
<見直し点1>
過去の改造経緯として
このアンプのオリジナル出力管は6AS7Gで、バイアスが深く(約-95V at Vp200V)、使い難い球の回路でした。
これをTUNG-SOL5998やWE421用として、バイアスを浅く(約-30V at Vp190V)しました。
また、この球は6AS7Gに比べμ(ミュー)も大きいので使い易い。
しかし、ドライブ段は元の6AS7G用の深いバイアスを振るための設計のままで、5998用としては無駄に余裕のあるものでした。
WE421Aや5998専用となった今では、ドライブ段はパワーの取れる球を使い、振幅よりも寧ろ電流をたっぷりと流し、強力にドライブした方が良いのではと思う。
具体的には、今はE88CCを使用していますが、これを例えば12BH7Aとか6FQ7/6CG7へ置き換えてロードラインを引き直す。但しE88CCやECC88も使える様な設定にしておく。
E88CC使用の場合でも、より最適な動作点がある様に思う。
<見直し点2>
E88CC⇒12BH7Aに変更すると全体のゲインが低下するので、初段とPK分割段のECC82を少しμの高いECC81へ変更。ロードラインも引き直し。
検討しましたが、12AT7はVk/fは90Vmaxの制約が有るため、PK分割段への使用は難しい。
<見直し点3>
グランドラインに引き回し変更。
<見直し点4>
B電源回路を小変更。
<見直し点5>
Western ElectricのVintage Cable(ブラックエナメル、絹巻、ロウ引き)を部分的に使用。
それぞれについて、次回以降に順を追って掲載したいと思います。